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2013年6月の28件の記事

2013年6月20日 (木)

未来を生きる足尾アルプスのブナ

Photo  中倉山の稜線に立つ「孤高のブナ」が毎日新聞(6月15日栃木版)で紹介されました。

131  私は足尾・松木渓谷の中倉山山頂から稜線を西へちょっと行ったところで一人立っています。幹の下には「孤高の木」と書かれたプレートがありますが、私の名前ではありません。仲間と別れて100年以上経ちますが、足尾の歴史を見てきました。

 人間の暮らしには地中の鉱物が必要なようで、この地では明治から昭和40年代まで銅を精錬していました。国のバックアップを受けて精錬は盛んになり、私たちの仲間は伐り倒され、その上山火事と毒がまき散らされて、今ではひとりぼっちになってしまいました。

133   人間の暮らしに必要だからといって、いのちの源である私たちの仲間を皆殺しにしてしまうようでは人間の未来はありません。そんなことを願って私は100年以上生きています。このような記事で紹介されています。

2013年6月19日 (水)

善意と真心(愛)を未来へ活かす

133  先日、会員の笠倉さんから色紙が届きました。添えてあった手紙には、「先日、田中正造旧宅、旧谷中村を訪れる機会がありました。川俣事件で負傷した農夫・山崎さんに宛てたもので、明治34年3月6日付の手紙に入っていたもの。“みちくさ”に置いてください」、ということでした。(上の写真:中倉山稜線に生きるブナ、鉱害に耐え抜いて私たちを見守っています)

Photo 今年9月4日は田中正造100年目の命日です。私たちは命日から3日後の7日に「こころ森探訪」を実施し、正造さんが過ごした谷中村跡を散策します。同じ鉱毒によって廃村となった松木村の村民の想いを胸に、未来を生きる私たちの心を耕したいと願っています。笠倉さん、ありがとうございました。

P5044575  16日には事務局の中西さんが寄付金を届けてくれました。この寄付金は「おいしいカレー工房ひつじや」(東京都千代田区有楽町1-2-2日比谷シャンテB2F・℡:03-3539-6858)さんに置いてある募金箱に集まった21,644円です。寄付をしてくれた「ひつじや」さんのお客様、店長さん、従業員さんありがとうございました。

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2013年6月17日 (月)

大和ハウス㈱が八幡平で森づくり始める

 

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岩手山の山麓では例年より遅れていたヤマボウシが咲きはじめ、盛岡市内ではアメリカハナミズキが咲き始め、北上川沿いのニセアカシヤの白い花も目立つようになってきました。

 

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白い初夏の花と香りにつつまれた6月16日、八幡平の森には大和ハウス㈱の社員、家族60数名が集いました。大和ハウス㈱の社員、家族の皆さん達はこの2年間、県民の森内のみちのく事務所苗床でポット内の草取りを手伝ってくれていました。

 

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「今年は是非、植樹もやらせて下さい」、との要請を受け、16日の植樹になりました。皆さんは、4畝にミズナラやヤマザクラ、ヤマボウシなど13種600本を植えてくれました。

 

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植樹の前には泉山理事から、森びとの森づくりの話と森を育てている現場の説明をしました。大和ハウス㈱の皆さん、本当にありがとうございました。

 

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前日の15日には、22日に実施する第11回八幡平・ふるさとの森づくりの土壌改良を行いました。作業は、田中所長をはじめ事務所スタッフ、JREU盛岡の組合員の皆さんで行いました。今にも雨が降り出しそうな天気でしたが、作業は順調に進みました。畝の周囲の草刈りと整備した畝には雨対策でブルーシートを掛けました。

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木々は緑のダムです。

 

6月16日(日)、松木村は曇り空です。朝方雨が降っていたようで木々や苗木には恵みの雨です。「梅雨入り宣言」以降晴天が続き、松木川も水量が少ないようです。上流の木々が根に水をためて少しずつ流してくれるので涸れるまでには至りませ。

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午前9時、遊働楽舎「みちくさ」の温度計は22℃です。ラジオで「西日本で夏日、熱中症に注意」と伝えていましたが、日中は26℃と過ごしやすい気温でした。 

ハイカーの訪れを待つ間、みちくさ周辺の観察です。ビオトープには足の生えたオタマジャクシや水面から顔を出して「にらめっこ」をするカエルと、「早く水から上がりなさい」と呼びかけるアマガエルがいました。水量が少ないので沢水を給水しているとトカゲが顔を出してきました。

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 草むらでは蝶が羽を休めていました。赤い実をつけたヘビいちごも、あちらこちらにみられました。

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午後、臼沢の森の生長を確認しに行きました。2005年の植樹から8年、感動するほどの「いのちの森」に育っています。1年目に植えたミズナラは直径9㎝、ヤマザクラは直径8㎝(地表30㎝の高さ)、大空に枝を伸ばし、日光を目いっぱい受けようと葉を広げています。

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 本日、舎人相方の鎌田さんが松木の杜のネットの点検をし、松木川沿いのネットの補修をしてくれました。午後は松木の杜の草刈りです。カメラのバッテリーが切れてしまいその様子をお届けすることが出来ません。鎌田さんスミマセン。

 雨の天気予報だったせいか本日「みちくさ」の訪問者はいませんでした。多くの森ともの訪問をお待ちしています。

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 (舎人:鎌田、清水  本日の放射線量 0.257μsv/h)

 

2013年6月15日 (土)

梅雨はどこに行ったの?恵の雨は・・・・

今日は、蒸し暑い空気が、肌にまとわりつく一日で、お昼から雨が降る予報でしたが、霧雨程度で、苗木達には

恵の雨には、なりませんでした。

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遊動学舎(通称みちくさ)横のビオトープにいるオタマジャクシからカエルになり外の世界に早く出たいようと

いっているようでした。

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鹿の家族が、対岸でのんびりと草をたべていました。 子鹿もいるようで、母親に甘えながら一緒に草をたべていました。

 

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今日はみちくさに立ち寄ってくれた方はいませんでしたが、松木の方に来られたら、寄ってくださいね

舎人一同お待ちしています。 たのしいお話でも聞かせてください。  待ってまーす。

(本日の放射線量  0、358μsv/h              舎人   田岡・武田   気温28℃  天気 薄曇り )

2013年6月14日 (金)

歴史を振り返り、未来を支える木を植えた野木町の皆さん

 

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 熱帯低気圧の影響で雨が降ってくれると思っていましたが降りませんでした。11時過ぎから栃木県野木町の「煉瓦窯を愛する会」一行12名が植樹に来てくれましたので、その後に恵みの雨を期待していましたが期待外れでした。

 

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 野木町の皆さんには、星野、白井スタッフが植樹のアドバイスをしてくれました。皆さんは4年間育てたコナラを40本植えてくれました。

 

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 野木町の煉瓦の歴史を辿ると、足尾銅山鉱害とは無縁でないので現地に立ってその歴史を考えていこう、ということで一行は松木の杜に来てくれました。その記念に植樹をしてくれました。

 

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 臼沢の森では小黒事務局が責任者となって、23日に行われる桐生ローターアクト植樹の準備をしていました。水落、山崎、矢野事務局が黒土と腐葉土を運び、柳澤スタッフが植樹現場の草刈りをしてくれました。約100段ある階段を上り下りして、20㎏程の荷を運びました。苗床では、雨が降らないので金子スタッフが念入りに撒水をしてくれました。

 

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下山した事務局メンバーは汗びっしょりとなり、遅い昼食を食べている時も相当に疲れた様子でした。

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帰る途中、JR日光駅前には人間では90歳を超しているポピーという名の犬が笑顔を見せてくれました。疲労困憊の水落、山崎両君はその笑顔で癒されていました。皆さん、お疲れ様でした。 

 

 

 

2013年6月13日 (木)

鉱毒に耐え、強風にも耐え抜いた足尾・中倉山のブナに会って感謝してきました

P6135102  今日は、中倉山頂上稜線のブナとミズナラなどの調査をしてきました。朝、8時20分登山口を出発、痩せたガレ場を慎重に登り、40分頃には足尾町や備前楯山等が見える地点で一休み。

P6134711  南側を見ると4本のホウノキが花を咲かせていました。

P6134718  小休止後、一気に痩せた稜線を登りました。最後の岩場付近に来るとサルが不機嫌な顔をして我々を覗き込んでいました。

P6135110  リョウブの林に主役のミズナラが生きていることに感謝しながら、上ること2時間半で1539㍍(頂上は1499㍍と言う人もいる)の頂上に到着。そこから当会の森づくりフィールドを見下ろしました。

P6135147  情報に添ってそこから約200㍍西の稜線に生きているブナを発見。亜硫酸ガスや山火事に耐え抜いて生きているブナ。幹の周囲は150㎝、樹高は15㍍はありました。

P6134752  このブナは全ての生きものの生命を支えるために実をいっぱいつけていました。

P6135158  稜線から南側の斜面には、ミズナラ、シラカンバ、ウダイカンバ、ツツジ等が生えていました。

P6135164  ガスがかかってきましたので昼食は下山後に食べることにして下山開始。下山ルートは上りコースでなく別ルートにしました。

P6135170  下山はミズナラが生えている森を一気に降りてきました。鎌田スタッフの山ガールの皆さん、お疲れ様でした。

2013年6月12日 (水)

70歳からの森作業は「汗半日、業半日」でいこう!

P6125074  今年の足尾の熊は肉が大好物なようです。9時過ぎ、苗床でコナラを選別していたら鹿が腐った臭いがしたので苗床から松木の杜を見ると、9日に埋めた鹿の死骸が掘り出されていました。埋めた穴から数㍍離れているのでキツネの仕業でないことは確かです。

P6125077  死骸が腐敗した臭いをかぎながら14日に植樹するコナラを40本選別し、松木の杜へ移動しました。小雨が降ったり止んだりの日の作業でしたが、湿度が高くて汗が吹き出すほどでした。

P6125080 午後は、18日の森づくりで松木に植えた苗木がイノシシによって何十本と掘り起こされてしまったので、補植用の穴を掘り直しました。大きな石を動かすには2人の力が必要でした。

P6125089 台風3号の影響で降雨を期待していましたが、木々には満足できない雨でした。池のカエルに雨乞いの鳴き声をお願いしてきました。仕事を終えた鎌田、橋倉両スタッフは、「年寄りは仕事半日が大事だ」と話していたので、その話をヒントに“70歳からの森作業は汗半日、業半日でいこう”と思いました。

P6125090  明日は中倉山登山です。頂上南側斜面に生きるミズナラ、ブナを調査してきます。

2013年6月11日 (火)

いのちを支えるのは経済でなく森の恵みです

 

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 「12年の世界の二酸化炭素排出量は11年より1.4%増え、316億㌧と過去最高に達した」(6/11・毎日新聞夕刊)と本日、報道されました。また、「各国は世界の気候変動の影響を軽減するために、産業革命前からの気温上昇2度未満に抑える目標で合意している」。ドイツ・ボンでは国連気候変動枠組み条約第19回の準備会合が開かれているが、そこで事務局長は「今後10年で経済成長に影響を与えることなく(2度未満の目標)達成できるはずだ」、と発信している
。しかし、経済第一から物事を考えている以上それは絵に描いた餅でしかない。

 

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 9年前に植えた足尾・松木沢の森はごらんの通り、60㌢程の苗木が7㍍を超え、生態系豊かな森へ元気に育っている。

 

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30度近い気温になっても、臼沢の階段は木々のトンネルとなり清々しい気分にさせてくれる。

 

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2008年に植えた臼沢の森から松木沢を見ると、爽やかな沢風を木々が運んでいる。

 

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 草で覆われていた斜面は、ご覧通り草床は主役の木々と脇役のバランスが整っている。

 

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 緑が豊かになっても熊たちの腹は満足していないようです。臼沢の森入口ではカラマツの樹皮が剥がされました。

 

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 松木の杜ではネット内に入った小鹿をクマが襲いました。それも二頭です。9日、クマの糞を確認して鹿を襲ったのは熊だと判明しました。

 

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 急いで、食害防止のネットを強化させました。いのちが第一で物事を考え、暮らしを見つめ直し、一人でも多くの人が森を元気にさせ、森づくりを進めるならば「2度未満の目標」は達成できる。そんな願いを胸に、森づくりをしています。

 

2013年6月10日 (月)

岩登り、ハイキング、登山、環境学習

暑い!臭い、二日酔い。。。んっ?臭い?みちくさの下にアナグマを見たということから、もしかしたら溜糞でも?と思って床下をのぞいたのですがそれらしきものはみあたりません。なんだろうと窓を開けしばらくして判明しました。そのニオイ。カセットコンロの火が消えたためのガス臭でした。危ない危ない。しかしまぁいくら鼻が悪いとはいえ・・・。前日からシカの遺体の近くで作業をしたり、排泄物(フィールドサイン)のニオイを嗅いだりしていたので頭がそっちにしかいかなくなっていたみたいです。

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朝から30度近い気温で、ホオジロやオオルリ、ヒグラシの鳴き声も重そうに聞こえます。昨日は気持ちよさそうに飛んでいたワシ・タカの仲間もほとんどみられず、シカもサルも姿をみせません。訪問者も、もしかしたらいないのかなぁと思っていたところ、午前中には虫をこよなく愛するハイカーが一名いらしてくれました。またその後に、熊を追って25年という大先輩が、東京農工大で熊を研究をしている学生さんと立ち寄ってくださいました。

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植樹地近くのクマハギ?の跡

お昼すぎには宇都宮市内からお一方。ここまで来たのは初めてだそうで、カラミ(銅精錬の残滓置き場)を興味深そうにご覧になっていました。来る途中で尻尾が目立つ動物にあったということで調べてみたのですが、特徴からハクビシンではないかというところに落ち着きました。

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昼過ぎの暑い時間帯は人も動物もお休みのようです。と、いうことでこの間は少しおやすみモード。可愛い女の子だと絵になるんですけどね。。。(ハンモックもありますので使ってみたい方は舍人にきいてみてください。)

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3時を過ぎたあたりから戻って来られる方々たたくさんいらっしゃいました。まずは松木沢ジャンダルムを征服したロッククライマーのお二人。クライミングについていろいろと教えて下さいました。話を聞いているとやってみたくなるのですけれど・・・。考えただけで怖い。

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また、超ベテランコースの松木沢コースで、皇海山を往復されたみなさんも5名で立ち寄ってくださいました。落石がひどくてかなり危険だったそうです。それにしてもあまり疲れも見せずに戻って来られるとは素晴しい健脚ですね。

そして本日ご予約のお客様、本庄早稲田の高校生のみなさんがバスで訪問してくださいました。みちくさ史上最大人数の収容です。私たちの話を真剣に聞いてくれて本当にありがとうございます。これからはいつでも遊びに来てくださいね。そうそう、カミキリムシを連れて行ったお兄さん、その後の連絡をお待ちしています。

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早稲田のみなさんも森づくりを全校あげてやっているそうです。いつか一緒に植樹ができると嬉しいなぁ。

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帰り支度をしていたら子ギツネが顔を出してくれました。子供は初めて見ましたがこれが可愛いのなんの。みちくさに立ち寄りの際は少し周囲に気をつけてみてください。(線量:0.255μSV 舍人:岡安 小黒)

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