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2020年12月の11件の記事

2020年12月31日 (木)

コロナ禍で自然界と向き合った足尾の森づくり

 大晦日を迎え、大きな怪我も事故もなく森づくり作業に尽力を注いでくれた足尾スタッフの皆さん、そしてNPO法人解散から新生「森びとプロジェクト」結成にご理解・ご努力された皆さん、今年一年間の森づくり活動ご協力くださりありがとうございました。心より御礼申し上げます。 

1231  今年の森づくりは人類が初めて体験した新型コロナウイルスの脅威の中ですすめられました。森づくり作業は栃木県と群馬県在住スタッフによる、自家用車使用に限定した方々にお願いしました。事務作業は、臨時総会から結成総会までの準備を整え、総会本番では感染対策を万全にして首都圏在住の事務局員、理事がすすめてくれました。

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1231_3  足尾の森づくりスタッフによる植樹と育樹、事務スタッフによる新生「森びとプロジェクト」結成という組織運営は事業計画通りにすすめることができました。改めて、心より感謝申し上げます。

1231_4  10月には、日光市内の「城山」に森びと栃木県ファンクラブが木を1千本植えてくれました。

1231_5  11月下旬には15年間の足尾森づくりを担ってくれた森びとシニアスタッフから次世代へのバトンタッチもできました。その記念樹を「臼沢西の森」へ植えることができました。 

Dscn7042  森びと次世代による“山と心に木を植える”運動が始動しています。新生「森びとプロジェクト」運営委員会は、前身の森びとプロジェクトの志と情熱を受け継ぎ、100年後の森を描いて、森の多機能を発揮する“いのちを守る本物の森”へと育てていきます。

1231_6  想定外の気候変動やウイルスの猛威で命と生活が脅かされています。このような社会の中で、私たちは15年間の森づくりで学んだ“人間は森に寄り添って生きていかなくてはならない存在”という冷厳な事実から希望の暮らしを見つめたいと思います。

Photo 森ともの皆さん、一年間の恩送り事業をつくりることができたことを共に喜び合いたいと思います。健やかな新年を迎えたいと思います。(運営委員・大野昭彦)

2020年12月29日 (火)

南相馬市・森の防潮堤づくり応援ありがとうございました

Photo  応援隊は今年、結成5年目を迎えることができました。11月の「5周年記念慰労会」では、5年間の歩みを振り返り、今後の森の防潮堤づくりへ決意を新たにすることができました。会には足尾のスタッフも駆けつけてくれ、森づくりへの助言と激励をいただきました。

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2020uff0e1023  この頃の活動で感じられることは、森作業がスタッフ全員で行えるようになっていること、たまたま参加できなかった方には、当日の担当者が作業報告をLINEで送り、情報の共有化ができつつあるということです。森作業に向かう心をひとつにすることの大切さを感じ取っています。

82020uff0e1023  今年一年を振り返ると、育樹(除草)作業が計画通りに実施されなかったことです。コロナウイルス感染対策によって苗木の生長に支障を与えてしまったようです。10月に開催された第8回南相馬市「鎮魂復興市民植樹祭」は市民参加限定の開催で、規模を縮小しての開催でしたが盛会に行うことができました。

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2020723  前述の慰労会でも市役所職員との話し合いができ、市民と行政の協働ということの大切さをお互いに共有化できている感じがします。市民が主役の森づくりを行政がサポートするという市民活動が創り出されているようです。

2020311  来年は、東日本大震災、福島原発事故から10年目です。私たちは、「地球温暖化防止・いのちを守る森の防潮堤づくり」を関連付けて、「脱原発都市宣言」市民に相応しい活動を企画できればと思います。新生「森びとプロジェクト」の皆さんとのアドバイスを頂き、有意義で楽しい市民運動をすすめたいと願っています。南相馬市の「森の防潮堤づくり」を応援して下さった全国の皆さん、2020年は大変お世話になりました。(応援隊 東城敏男)

 

2020年12月26日 (土)

いのちの森に感謝を込めて今年ラストの森作業

 本日は12月26日(土)、足尾ダムで森作業に参加する皆さんを待っていると雪がちらつき、松木渓谷方面を眺めると真っ白です。9時40分には参加者全員がゲートを通過、陽が出ることを期待しながら森びと広場に向かいました。

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 森びと広場の気温は2℃、作業小屋で暖を取り、コーヒーを飲みながら本日の作業打ち合わせを行いました。本日の森作業責任者の大野さんより「今日は今年最後の森作業日となります。20日の森作業集中日に終了しなかった臼沢上部の獣害柵の補修を行い、下山後は作業小屋、みちくさの清掃を行い、締め飾りをつけて終了です。」と作業内容の報告がされました。コロナ感染防止のため体温を計測し、作業はマスク着用を確認。早速、補修網やペグ、道具を背負い臼沢に向かいました。

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 20日の集中日は雪の中での作業でしたが、今日は雪も解け、階段を登ると汗が出てきます。大汗をかかないように休憩を取りながら補修現場に到着。

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 現場打合せを行い、修繕箇所を確認。西側斜面は加賀さん、小川さん、松村健さんと清水。上部は鎌田さん、大野さん、橋倉さんの2班に分かれ修繕作業を開始しました。作業を行っていると時折、山の頂上から雪が吹き付けてきます。

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 獣害柵の上部には修繕用の出入り口が無かったので、幹ガードを利用して出入り口をつくりました。

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 12時30分に補修が完了したので下山しました。下山しながら階段両脇の木々を見ると、幼木の皮がかじられているのが見受けられます。エサとなる草の無くなる冬場は鹿も命がけです。獣害柵が破られては補修の繰り返しですが、動物たちが命をつなぐ森に生長していることも実感します。

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 作業小屋に戻り昼食を摂り、食休みも取らずに作業小屋、みちくさの清掃です。床の泥を掃き、モップをかけ、窓ガラスを拭き上げました。

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 掃除終了後は、門松を飾り、締め飾りを下げ、1年間の森作業に感謝の意を表しました。新型コロナウイルス感染の鎮静化が見えない状況ですが、2021年も気候変動・地球温暖化による自然災害を少しでも食い止められるよう、多くの森ともの皆さんと共に、いのちの森づくりを推し進めていきます。

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 本日の森作業は、鎌田さん、橋倉さん、松村健さん、大野さん、加賀さん、小川さん、筆者・清水でした。

(報告・清水 卓)

2020年12月23日 (水)

森びと千葉県ファンクラブが温暖化ストップへ動き出す

 千葉県南房総市では水不足というので、住民の千葉県ファンクラブ代表の相川さんに水の心配はないかと連絡を入れた。相川さんからは、「11月の水門工事で水を落としたので、それが仇になったようだ」と返事がきた。彼の家は、水道水と井戸水の併用だから心配ないという。暮らしに欠かせない水なので、ひと安心。

Photo 少ないダムの水

 千葉県旭市に住むインストラクター・高梨さんからは、3年後に植えるマサキの苗づくりを始めたという連絡。3・11東日本大震災・フクシマ原発事故から来年で10年を迎えますが、その後の津波対策で波乗り道路はコンクリートで固められてしまった。

Photo_2  九十九里浜辺のトベラ、マサキ、シャリンバイ、アオキ、松等は姿を消してしまった。そのためにマサキの種がとれる場所は狭くなり、今年の種採りは鳥たちと争いになったという。

Photo_3  3年後の南相馬市「鎮魂復興市民植樹祭」ではこのマサキを植えてほしいと願っていた高梨さん。

1608635929801  地球温暖化と向き合う千葉県「地球びと」の本気が垣間見えました。(広報・高橋佳夫)

2020年12月20日 (日)

年末の森作業で誓い合う“忘れないぞ 鎮魂復興のこころ”

 寒波の影響で福島県も想定外の大雪になりました。私の住む伊達市も3日前から雪が降り続き久しぶりの雪かき等で日々大変でした。今日(12/20)は今年最後の年末の大掃除、降雪の確認。雪は降っていないがかなり寒いとの連絡を受けて南相馬へ出発。

Uff0e  9時30分にスタッフが集合、東城スタッフから作業内容と作業終了後の恒例の慰労会(コロナ感染防止のために各自が家で行う)のことについて話がありました。作業は、前回に引き続き、屋根上の防風ネットの設置作業、枯木の処分・ポット外し、ポット内の肥料と土の補充、水撒き作業を行いました。

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Uff0e_4  女性スタッフが用意してくれた暖かいお茶とお菓子をいただきながらの休憩タイムでホッとひと息つきました。作業終了後、スタッフ全員から感想と来年の抱負を述べていただきました。

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20201220  市役所の中目理事からは、これまでの応援隊スタッフの活動に対するお礼と今後も協働で取り組んでいく決意が述べられました。佐藤(信)スタッフからは11月20日に入籍した報告があり、今後も応援隊活動に参加していく誓いが述べられました。彼は、スタッフ全員から祝福され、照れ笑いする一幕もあり、寒い場は和みました。

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Uff0e_7  来年は、東日本大震災・フクシマ原発事故から10年目を迎えます。応援隊は「地球温暖化防止」・「いのちを守る森の防潮堤づくり」・「脱原発都市宣言」をテーマにして、南相馬市民の声を社会に拡げていきたいものです。集った皆さんはそれらのことを互い誓い合うことができました。

Uff0e_9  お持ち帰り弁当の準備をした岩橋スタッフ、佐藤(正)スタッフからのどら焼き、渡部代表からの手づくりのイカキムチの差し入れありがとうございました。今日の年末作業のスタッフは、渡部、菅野、松林、山田、小川、岩橋、原田、道中内、松本、今野、村西(旧姓:佐藤信、岩橋(恵)市役所からは、経済部部中目理事、末永さん、武内さんが手伝ってくれました。大変お疲れさまでした。(報告 東城敏男)

極寒の中での森作業に汗を流す

 本日、足尾に着くと松木沢方面は吹雪いているようで、山の稜線が見えませでした。途中の道には積雪はほとんどありませんでしたが、森びと広場は約10cmの雪がありました。気温はー3℃です。早く着いた清水さんがストーブに火をつけて小屋を暖めておいてくれました。

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Img_0957 今日20日は月に一度の森作業集中日。森びと精鋭が10人集まってくれました。早速打ち合わせをし、臼沢の獣害防止柵の修理に6名、民集の森の柵修理に4名の2班に分けて作業をすることにしました。臼沢班は、ネット、幹ガード、ペグ、針金、ハンマー、民集班は、獣害防護柵(金網)と単管パイプ、大ハンマー等を持って現地に向かいました。

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Img_0963 階段は雪に覆われて見えず、下に枯れ葉があり滑りやすくなっていました。一歩一歩踏みしめて上がっていきました。猪が穴を掘ったり、落石で壊れた防護柵の下の部分に網を張り、下から野ウサギや猪が入らないようにペグで留めていきました。入口の部分も小川さんと濟賀さんが幹ガードを利用して作り直しました。

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Img_0971 この作業には12時まてかかり、作業時間が短く感じました。今月から1時間遅く集合になっていたのを忘れていました。お昼なのですが、柵が破られているところがあるということで、まだ余力がありそうなので3人ずつ分かれて修理をすることにしました。

 現場はかなり急な斜面で、その上雪が積もっているので登るのには苦労しました。時折風がゴーと唸り声を立て、雪を巻きあげ顔を叩きました。それには負けずに頑張って作業を進めました。左側は網が破れているところが多くあり、時間も13時になっており全部やり切れず次回にやることにしました。下りは、登りよりも足元が滑るためゆっくりと降りてきました。

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Img_0977 下山後、遅い昼食を取り、次回26日にやる作業に使う資材の準備し今日の作業は終了しました。

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Img_0979 本日のスタッフは、鎌田さん、松村宗さん、山本さん、大野さん、小川さん、済賀さん、清水さん、小柴さん、弘永さん、加賀でした。お疲れさまでした。(報告:加賀春吾)

2020年12月17日 (木)

足尾・松木沢に冬将軍がやってきた

Photo  今日は森作業でしたが、昨日から雪が降っていますので本日の作業は中止です。足尾にも冬将軍がやってきました。昨日、橋倉サポーターがその様子を写真に撮ってきました。昨夜降った雪で積雪は10㌢ほどになったそうです。

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Photo_3「臼沢の森」

Photo_4  今年の冬将軍は私たちにどんことを伝えに来たのでしょうか。

Photo_5「森びと広場」

Photo_6  足尾・グランドキャニオン       (広報スタッフ・高橋佳夫)

2020年12月14日 (月)

冬将軍の寒さに負けない苗床つくり、笑顔が嬉しい

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20201214_2  今朝(12/14)の寒さはいつ雪が降ってもおかしくないほどの冷え込みでした。伊達市から南相馬市に向かう途中の飯舘村周辺ではうっすらと雪が積もってました。運転しながらの心配事は、南相馬市の育苗の苗木のことでした。心配は、途中の八木沢峠トンネルを抜けると吹っ飛びました。南相馬市の天気は快晴でした。

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20201214_4  苗床の雫育苗場にスタッフがスタンバイ、熱いコーヒーをすすりながらの打ち合わせ。作業は、防風ネットの設置、枯れた苗木の処分と苗の整理、撒水、タンクへの給水作業を分担して行うことにしました。今日は、農閑期になった松本スタッフも元気よい顔を見せてくれました。彼からは、農業で育んだ生きものたちの面倒は後になって人間に恵みを与えるのだから手を抜いては駄目だという話があり、とても実感のこもった話が参考になりました。

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20201214_6  今年もあと半月で一年の幕が締まります。今年最後の森作業は20日に行い、仲間たちと森の防潮堤応援の一年を振り返えります。渡部代表から差し入れのみかんをご馳走になって、ビタミンで元気をいただきました。代表いつもありがとうございます。

20201214_7  今日の作業のスタッフは、渡部、菅野、松林、岩橋、道中内、原田、菊地、松本、岩橋恵美さん、筆者でした。(報告 東城敏男)

2020年12月12日 (土)

師走恒例!「臼沢の森」一周獣害柵点検修理を実施

 今日の足尾は雲が多い空模様でしたが、師走とは思えない温かく風もない陽気でした。今日の森作業は、師走の恒例となった獣害対策です。最初は「臼沢の森」外周に張ってある金属柵を、左右に別れて一周点検しました。階段もなく、枯れたススキで足元が滑るため這うように登っていきました。

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予想はしていましたが、柵が破られ”けもの道”が外側から森の中へと続いているのを見るとため息が出てしまいます。気を取り直して、背負ってきた修理材料で穴を塞ぎます。

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 こんな作業を数度繰り返し、時々松木渓谷の壮大な眺めを満喫し頂上付近で二つの班が出合いました。

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 帰り道、二重に張った獣害柵(合成樹脂の糸製)の点検をして驚きました。10数か所でネットが破られており、イノシシの進入と相まって次回の森作業での修理が必要となっていました。

Dscn7172 13時30分を過ぎた遅い昼食では、福原サポーターからイチゴ(スカイベリー)が差し入れられ、その美味しさに元気百倍になりました。昼食後の話し合いで、次回17日と20日の集中日に向けての段取りを確認し、帰途につきました。本日の参加者は、鎌田、松村(宗)、小川、福原の皆さんでした。(報告は橋倉でした)

 

2020年12月 6日 (日)

足尾・松木沢の寒桜のささやきに耳を傾けて

 昨日、足尾町から寒桜の写真が送られてきました。この桜は、新生「森びとプロジェクト」が育てている「松木の杜」内に生きています。背景の足尾グランドキャニオンの岩の鋭さを和らげている感じの桜です。撮影者の足尾町住人・森づくりサポーターの橋倉さんはどんな気持ちだったのでしょうか。

2  いつもよりは遅い開花ですが、「松木の杜」の日常が観られることがとても嬉しく思いました。厳冬を迎える松木沢で棲息する生きものたちと出会えることがこれからの愉しみです。

3  秋田県ファンクラブメンバーからは今年はハタハタが獲れないという報告、千葉県ファンクラブからは九十九里浜のハマグリが異様な動きをしているとの報告、そして、ニュースでは北海道沖でマンボウが網にかかった、というニュースが入ってきました。

Photo  原因は「海洋熱波」で海水温度が上昇したからではないかと言うことです。イカやサンマの不漁から拡大している漁業関係者への打撃。大雨で家屋が壊され、台風で果物や野菜が打撃を受け、今度は「海洋熱波」て暮らしを脅かしている想定外の異常気象。コロナウイルス感染と気候変動による「複合災害」は自然災害ではなく、人災であるという実感させられている師走です。

寒風が吹く中で咲く寒桜は、そんな事をささやいているのかもしけません。(広報スタッフ・高橋佳夫)

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