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2020年1月の21件の記事

2020年1月29日 (水)

「無言の語り木(ブナ)」が伝える森に寄り添う心

 暖冬の1月、ブナの棲息には厳しい標高1539㍍の中倉山のブナに会ってきたSさんからお礼のメールが届きました。

20200125 Sさん撮影(1/25)の「無言の語り木」

 Sさんからは、「中倉山頂上に辿り着き、稜線を境に煙害の爪痕が残る山肌と、それを長い間耐え足尾の歴史を見続けてきた“孤高のブナ”をしばらく眺め、身が引き締まった感じです。自分にも出来ることを考え行動していく機会をもらいました。登りは本当にキツくて、泣きたくなりましたが、それをすっかり忘れるほど私にとって大変意味のある登山になりました。中倉山登山の機会を頂いたこと、今足尾松木沢の回ご一緒させて頂いたこと、心より感謝申し上げます」とのコメントが送られてきました。

Photo足尾松木沢の銅精錬後の滓(カラミ)

 山ガール2人を案内してくれました松村宗雄スタッフ、小川 薫スタッフありがとうございました。(報告 高橋佳夫)

2020年1月28日 (火)

雪国の冬の青空がぶきみに感じる

 数年ぶりに北上川から岩手山を見ることができました。雪国の人の話では冬に青空を見ることは殆どないと言いますが、写真(下)の岩手山は青空の下にどっしりとしていました。  

Photo  一昨日は「八幡平の森」の育樹活動について「みちのくファンクラブ」(仮称)の皆さんと話し合い、昨日は「森びと秋田県ファンクラブ」の皆さんと温暖化防止の学習と活動の話をしました。

 気候危機のビデオ鑑賞、日本学術会議の温暖化防止へのメッセージの読み合わせを行い、命を育む循環の基盤である地球をこれ以上衰弱させない活動を探りました。

Photo_2  その後も温暖化について秋田市民と話す場がありましたので、温暖化の話をするとその方も心配していました。そして、雪が少ない暖冬の雪国の水と農作物のこれからを心配していました。また、想定外の異常気象が局地的に、そのスピードも早く巨大になって不安な暮らしが続いているのに、政治は何をやっているのか!という怒りの声も聴こえました。(報告 髙橋佳夫)

2020年1月27日 (月)

結成5年を迎える応援南相馬市隊の今後の森づくり

2014            2014年植樹

Photo          2013年植樹

Photo_2           コナラの幹

 南相馬市の応援隊は結成して5年を迎える今年。25日、応援隊の役員会が開かれました。当会は、結成5年を迎えた今年の鎮魂復興市民植樹祭(6/7予定)前日に「応援隊結成5年記念の集い」(仮称)の提案をしました。 

2017             2017年植樹

 役員会では、5年の活動を振り返り、その実績を基に今後の活動の進め方を議論してきました。市役所と市民の役割と連携の在り方、温暖化防止との関連の植樹と育樹、女性や市民への協力の在り方等を話し合いました。「結成記念の集い」は議論した今後の活動を参加者と共有する場として開催することになりました。

1          2013年のタブノキの幹

 翌日は、6年間続けてきた植樹会場を観てきました。2013年から植えている木々は写真の通りです。数年生きてきた木々は約3㍍の樹高になり、幹径は10㌢を越えていました。

Photo_3            コチドリの仲間

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Photo_7 コナラ、ヤマサクラの生長が目につく

 周囲には、猛禽類が飛び回り、苗木の幹を食べるネズミ?の跡、キジ、マヒワ、コチドリの仲間、ヒヨドリたちが餌をついばんでいました。これほどの暖冬の中で、木々たちはどんなことをしているのか、気にかかった南相馬市の森の防潮でした。(報告 髙橋佳夫)

2020年1月25日 (土)

青空広がる松木村。太陽の恵みに感謝し、森づくりの準備作業をおこないました。

  本日1月25日(土)、10時の森びとひろばの気温は4℃、快晴です。ストーブで暖を取り、コーヒーを飲みながら本日の作業の打ち合わせを行いました。

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 臼沢西の森に使用する培養土の運搬を加賀さん、福原さん。みちくさのソーラー移設作業を山本さんと清水が行うことにしました。


 軽トラで各作業場に移動。培養土は20リットル入りです。軽トラに積み込み、臼沢の森の前に運搬。午前、午後と作業を行い300袋運び出しました。

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 ソーラー移設は、前回2mの高さにした単管パイプを1mの高さに変更しました。まずはソーラーを受ける枠を組みました。その後、“みちくさ”屋根上のソーラーを取り外し、単管を斜めに掛け滑り台をつくり、ロープを使いソーラーパネルを降ろしました。

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 加賀さん、福原さんに応援をいただき、単管枠の上で組み直しました。3時を過ぎ、中倉山に陽が隠れてしまいましたが、ソーラーの発電電圧は20.79Vです。配線をつなぎ移設完了です。

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  3時半を過ぎ、本日の作業を終了し帰途につきました。本日の森作業は、加賀、福原、山本、清水でした。

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 (報告・清水 卓)

中倉山登山案内とブナを元気にする植生帯調査

快晴の日光連山、三川ダムからの松木沢

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Photo_2 今日は、二人の女性を中倉山登山案内。孤高のブナを元気にする恩送りの植生帯調査兼ねて入りました。中倉山登山口手前で、強風で根本から倒れたヤシャブシの木が道を塞いでいたのでノコギリと人海戦術で取り除いて登山口へ。

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Photo_12 10:00に登山開始。途中、落ち葉のじゅうたんを踏みしめて登り、山頂付近では、暖冬のためか雪が少なく、冬の山道を歩くことなく中倉山に登ることができました。

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Photo_6 孤高のブナは、松村さんが見た目では、少しやせた感じるが、新芽が出ているのでひと安心。

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Photo_8 孤高のブナを元気にする恩送りの植生帯調査では、昨年11月3日に敷設した植生帯は、凍り付いていましたが、前回、前々回敷設した植生帯は、食害と寒さで枯れていました。春の新芽が楽しみです。次回には、植生帯、土砂崩れ防止対策を再構築したいと思います。

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Photo_15 下山では、岩に登り足尾の山を堪能し、滑りやすい落ち葉じゅうたんを注意しておりました。

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Photo_17 太田市のSさん、川口市のMさん、松村さん、お疲れ様でした。また、登りましょう。(報告 小川)

2020年1月21日 (火)

足尾・中倉山にかかるガスのメッセージ!?

Photo          山頂が見えない中倉山

 天気予報で17日の夜は雪が降るというので、翌日は雪景色を写真に撮ろうと思っていた。朝、窓から外を見ると白くなかった。フロントガラスも凍っていなかった。足尾・松木沢に向かうと、地面が温められて中倉山の頂上は上の写真のようであった。

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Photo_3  自宅に帰り1週間分の新聞を読んでいると、「クジラが消えるアラスカ」、「豪 止まらぬ山火事」という見出しが目に留まった。「クジラが消える・・・」の記事では、アラスカ州のカナダ国境近くの湾に棲息していたザトウクジラが2年前から消えてしまったと言う。100頭近いクジラたちが突然ゼロになってしまった。研究者によると、熱波の原因で海水温が上昇し、オキアミやニシンがいなくなってしまったからだという。濃緑の森が育てたプランクトンが約1千の小島から海に流れているが、動物プランクトンが生きられない海になっているようだ。

Photo_4      銅の精錬過程で出された滓(足尾のカラミ)

 氷の減少は気温の上昇をもたらすが、アラスカの都市アンカレッジでは、昨夏、観測史上最高の32度を記録した。熱波(ブロブ)は収束したものの、再発生しているという。

Photo_5           春を待つミツマタ

 3月頃のガスを思い起こす中倉山の写真(上)と鹿たち様子は、“可愛い鹿たちだ”、“雪が少なくスキー場は商売あがったりだ!”という人間の都合だけで見ないように気を付けたい。(理事 高橋佳夫)

2020年1月17日 (金)

いつもの鳥たちの声が聴こえない寂しい暖冬の森作業

今日の朝の気温は-1でした。天気は曇り、時々青空が見え隠れした無風の一日でした。

Photo 「臼沢の森」

 今日は作業打合わせをする前にひと仕事をしました。獣害防止のスチール製の柵が納品されました。品物は京都から運ばれてきたのでトラック運転手の疲労を少しでも軽くしてやろうと、トラック到着後すぐに、荷卸しをしました。テキパキとした運転手の作業に脱帽でした。

Photo_2  10時から簡単な作業打合せを行い、昨日の続きをしました。午前と午後で約500袋の培養土を運び揚げました。

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Photo_5  土留め用の縦杭を片づけていると、テントウムシが群れて暖を取っていました。寒そうでした。今年は冬鳥のカワラヒワの姿があまり見ることがありません。餌が少ないのかと思ってヤシャブシの林を見ると、例年の様に枝に実が付いていません。一本のヤシャブシにポツポツという程度でしたので、カワラヒワの餌が少ないから姿が見えないのだろうと思いました。

Photo_6  鳥たちにとっては“ヤシャブシ食堂”の他店へ移動して行ったのでしょう。そんなことを話しているうちに太陽が中倉山に隠れましたので、本日の作業を終了しました。作業は、加賀、小川、福原そして筆者でした。(報告 高橋佳夫)

2020年1月16日 (木)

小春日和ではないかと勘違いする日の足尾・松木沢の森作業

 朝8時半の気温は1度、青空が足尾の山々の稜線に積もった雪を鮮やかにしていました。足元からは霜柱が融ける音が聴こえ、3月上旬の陽気を感じさせる穏やかな朝です。

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Photo_2 中倉山の頂上

Photo_3  スタッフが集合する10時までに、小屋の掃除とストーブに薪を入れ、小屋を暖めました。今年最初の森作業、沢水が涸れている様子を見てきました。周囲のヤシャブシの枝にはホオジロが日向ぼっこをしているようでした。「みちくさ庭園」のヒガンバナの葉は輝き、ミツマタは春を待っているようでした。

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Photo_5 ヒガンバナの葉

Photo_6  スタッフ全員が集まった所で打合せ、作業は柳澤スタッフが運んできた「みちくさ」屋根の雨漏り防止の材料を降ろした後に、「臼沢西の森」用の培養土を運び揚げることにしました。まずは現地を見て培養土の置き場所を確定。昼食を挟んで軽トラ2台で運び揚げました。

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Photo_10  昼食時間には林子さんが撮影に来てくれました。今日の撮影は森作業の様子を動画と静止画用ということでした。

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Photo_12 カワガラス

 今日は風もなく、松木川周辺では鹿ものんびりと草を探し、カワガラスは巣作りをしているようでした。15時頃になると太陽が中倉山に隠れ、陽が消えると急に冷えてきますので本日の作業は終了です。本日の森作業は、鎌田、山本、柳澤そして筆者でした。(報告 高橋佳夫)

2020年1月14日 (火)

美しい雪景色の中での森作業!

 けさの松木沢の10時の気温は1,5℃。夜半に雨から雪に変わった後の足尾ダムゲートからの雪景色は本当に美しい風景でした。

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 森びと広場は1㎝の積雪で白い世界でした。中倉山の裾野は松木川まで雪に覆われ、その向かい側の臼沢の森は、ほんのりと薄化粧をしているようでした。

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 今日の森作業は11日の申し送り事項で、松木の杜西側の食害防止ネット強化の作業でした。鹿が斜面を利用しハイジャンプをしかけて、松木の森に侵入を図ります。壊されては直し、直しては壊される事を延々と繰り返してきました。できるだけお金をかけないで、それでも効果が出る対策を行ないました。必要無くなった材料を活用し、高いネットを張り巡らしました。

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 鎌田スタッフいわく、「これを飛び越える鹿はオリンピック新記録だね!」と。ネットが足りず完成には至りませんでしたが、20m以上も柵の補強が出来ました。

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 帰り際に3頭のシカが通行を妨害して退きません。食事場所への侵入口を塞がれた腹いせかもしれません。それともタイヤに付着して落ちた塩分を舐めているのでしょうか。

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 今日の作業は、鎌田スタッフと筆者・橋倉でした。

2020年1月12日 (日)

自然の大切さと厳しさを実感しながらの森作業

 新年を迎えて間もない1月11日の足尾・松木沢、10時の気温は1,5℃でこの時期にしては暖かい。中倉山などの高い山は雪に抱かれているが、臼沢の森は芽吹きを待つ早春の雰囲気を見せている。Dscn6675_2

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 昨日の森作業は、8日夜半に暴れまわった強風の後始末が主なものでした。一つ目は、作業小屋の前の薪にかけておいたトタン板2枚の捜索だった。発見されたのは、下のビニールハウス脇と松木の杜に架かる橋の下でした。おまけに、橋の上にかけてあった金属製の渡り板も飛ばされ落下していた。

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 二つ目は、松木の杜のシラカンバにまいた幹ガードの多くが風でなぎ倒されていた。松木渓谷の風の強さを舐めてはいけない。

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 一番の悩みは、散水作業に欠かせない水が枯れてしまっている事。既に一カ月近く続いている。昨日も朝一番に福原スタッフが見に行ったが、沢筋には一滴の水も流れていないという。沢水が涸れているのは初めてのことで、沢筋にブナ等の落葉広葉樹の森があればこの様ことにはならないだろうと思わずにはいられない。現在、散水用のタンク3本のうち1本が空となったので、水を無駄にせずにジョウロで散水をしている。

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 休息時間に私たちはこの状況について話し合った。結論は、①各家庭から散水用の水を持
ち寄る。②松木川から汲み上げる。(関係個所に打診が必要)となつた。
②の案が可能かどうか?確かめてみた。取水はなかったものの可能であることが分った。

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Dscn6669_5中倉山に太陽が隠れると急速に気温が下がり、”暗くならないうちに早く帰りなさい”とせかされるこの時季。スタッフは青空に紫色した足尾ジャンダルムのシルエットに別れを告げ帰途についた。

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本日の作業は、松村(宗)、小川、福原の各スタッフと筆者でした。(報告 橋倉喜一)

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