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2019年4月の16件の記事

2019年4月30日 (火)

まだまだ続く恩送り事業

昨日29日は、森びと春の感謝デーで、計23名の参加者にて行われました。肌寒さの残る薄曇りの中、登山グループ16名は、各自10Lの土をもって、登りました。昨年に続き、土を中倉山山頂の孤高のブナの根本の土留めに使う土です。今回は昨年の土が雨で流失してしまったとの教訓から、足尾の先人に学び草の種の入った土のう袋に入れ、土留めにしようというものです。

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計15袋を運びあげるのに大変な思いでしたが、おわるとまだまだであることを実感します。

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一方ベースキャンプでは苗木の手入れ、そして料理の準備をしていただきました。

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登山グループは、土のうをおさめたあと、尾根づたい、松木の山々を眺めながら下山しました。久しぶりの登山で足のつる人やひざの痛みがでる人がでましたが、無事下山しました。お疲れ様でした。

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お昼は、ベースキャンプにて作っていただいた料理を堪能しました。

大麦うどん(そばのようですが、うどんのようです)

P4290641 そして天ぷら

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昼食と交流会は、ちょうど満開のさくらの木の周りに設営いただいたテーブルで行いました。

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交流会では、今回、中倉山に登る方が初めての6名の方を中心に感想を聞きながら、森びとのこれからの事業について共有化をしました。恩送り事業は今後も必要だ、少なくともあと4回登る必要があるということで、話し合いました。

あと、何をするにも念じること「ブナよ元気になーれ」などと気を入れることが大切であること、参加者の野田さんよりアドバイスいただきました。

15時ごろになり薄暗くなり寒くなりましたが、野田さんの笑いの体操にて、最後は元気に会を終了いたしました。前日から準備いただいたスタッフの皆さまありがとうございました。無事3回目の恩送り事業は終了しました。これからも恩送り事業を続けていきましょう。(報告 事務局員 宮原哲也)

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2019年4月28日 (日)

第3回目の“ブナ恩送り事業”の準備が整いました。

本日28日は、足尾森作業集中日です。
快晴の下で、第3回目となる中倉山の“孤高のブナ”を保護する“恩送り事業の準備を行いました。
 ブナが根を張る中倉山の北斜面の土壌が流出し、昨年4月29日に開催した第2回恩送り事業では、倒木を利用した土留めをつくり、背負いあげた黒土を土留めの中に入れ根の保護を行いました。その後に中倉山のブナの様子を確認してくれた森びとインストラクターから「土留めの土が雨で流失している」と報告があり、どのように根を保護するか現場で森作業に汗を流す森びとスタッフの皆さんと話し合いを繰り返し、検討を進めてきました。

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 たどり着いたのは、“先人の知恵に学ぼう”と言うことでした。表土を失った足尾の山に植生帯を張り付け、草を生やすことから緑化活動を始めた足尾の先人に学び、草の種の入った土のう袋をブナの根の周辺に張り付けていくこととしました。
この、“草を生やし土の流出を抑える”というところにたどり着くまでには半年以上の時間がかかりました。「登山者の皆さんにペットボトル程度の土を上げて根に撒いてもらおう」「土のう袋に土を入れて、定期的に山に登り根の周りに置こう」などなど、さまざま森びとスタッフの皆さんから知恵が出されました。
 そして、いよいよ明日の“春の感謝デー・ブナの恩送り事業”にたどり着くことができました。

 打ち合わせの後、早速準備に取り掛かりました。種の入った土のう袋に土を入れてしまうと持ち運び中に土がこぼれてしまうことが分かり、10リットルの培養土を袋のまま荷揚げし、山頂で土のう袋に詰めることとしました。10リットルの培養土15袋、土のう袋30袋、鉄筋6本、土のう袋を留める金具、背負子13個など必要な道具類を準備しました。

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 今日も中倉山には多くの登山者が“孤高のブナ”に会いに行っているようです。明日は、15名の森びとスタッフ、森ともの皆さんと一緒に、ブナを元気にしてきたいと思います。

 準備作業が終わると、明日の交流会場づくりです。大谷石をくみ上げたテーブルづくりは、重さがあるので気を抜くと怪我をします。土台の足がぐらつかないように深く穴を掘り、高さと幅の調整を行う神経をつかつ細かい作業です。さすがベテランスタッフです。息の合った作業で大谷石のテーブルをくみ上げました。

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 舎人当番の済賀さんが、中倉山の登山口に立てる看板に防腐剤を塗ってくれました。ブナの保護活動へのご理解やゴミの持ち帰りへの協力をお願いする看板を立てたいと考えています。

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 そして、森びと広場のサクラの木の周りをテーブルで囲み、昼食・交流会の会場づくりを行い、準備は整いました。

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 昼食後は、臼沢西の森の土留めづくりを行いました。急斜面で足場が滑りやすいので、足元に注意し、鉄筋を打ち込む大ハンマーの扱いにも注意しながら、2mほどの甲羅板を二段に14柵つくりました。

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 ベテランスタッフも、午前のベンチつくり、午後の土留め柵つくりの甲羅板運び、土留めづくりでへとへとになりました。

 臼沢の森からウグイスの鳴き声が響くのどかな松木でしたが、15時で作業を切り上げ、みちくさでコーヒータイムを取り、本日の森作業を終了しました。

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本日の森作業参加スタッフは、高橋、鎌田、松村、加賀、福原、済賀、筆者・清水の7名でした。スタッフのみなさんお疲れ様でした。

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明日は、中倉山です。多くの森ともの皆さんと一緒にブナを元気にしてきます。
(筆者・清水 卓)

2019年4月26日 (金)

経済成長の基盤は地球が元気なことでは!

 6月28日~29日に開催される「G20」(主要20カ国・地域首脳会議)議長国・日本の温暖化対策案を期待していたが、政府は2050年までに温室効果ガス排出を80%削減する数値目標を維持し、削減目標を“ゼロ”にしなかった。「議長国として世界の対策強化の議論をけん引するには程遠い内容」だった。(毎日新聞)

P4155071        ヒメリンゴの花(東京)

 相変わらずの「技術革新頼み」で、「民間企業が主導して温暖化対策の技術開発と資金投入を進めるとし、経済成長を重視する安倍政権の方針に沿う形」になった。

P4195082  経済活動の基盤であり、いのちを育む基盤でもある地球の悲鳴に向き合えていない「温暖化対策長期戦略」の政府案にはがっかりです。技術を支えるのは地球なのに、政治家、官僚もこんなことは分かっているのに、どうしてこうなのる。

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P4155064  明日からGWが始まるが、若葉が発する元気色と美味しい空気の刺激を受けながら、森と生きる市民の温暖化対策案を仕上げて、政府へ要望しなければならない。“森とも”のご意見をお待ちしています。(理事 髙橋佳夫)

2019年4月23日 (火)

春の風が運ぶ花の香り、若葉が放つ爽やかな空気にふれてみませんか

 筆者は、奥山の春の息吹を感じるにはカタクリの花に顔を近づけてみることにしています。花びらの上から太陽のエネルギーをこれでもかと吸収している花弁からは、乾ききった灰の臭いがしています。

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P4235115  もうひとつの春は、凍土が溶ける音と、溶けだした土から顔を出しているフキノトウの嬉しそうな様子です。

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P4235113  秋田県、青森県でも桜が満開という報道、昨日は、各地で夏日だという報道。15年前に設立した当委員会は、そんな気候の変化に疑問をもったことが設立のきっかけだった。

P4225095 ヤナギが蕾を膨らませている

 その変化に人が向き合うことの大切さを議論してくれた先輩諸氏(角岸さん、宮下さん、竹内さん、岸井さん)は、今、天空の森で私たちを見守ってくれていると思う。

P4225099 ヤマナラシもいち早く花を咲かせている

 間もなく、「令和」の時代に入る。周囲の喧騒から少し離れた所で両手を伸ばして、青空を見上げながら深呼吸をしてみてはいかがですか。草木の息吹を感じられるかもしれません。森びとは、足尾・松木沢でそんな皆さんとの出会いをお待ちしています。(理事 髙橋佳夫

2019年4月21日 (日)

今年1回目の生態観察 ~原点にもどって~

本日は、今年1回目の生態観察メンバーの集りでした。1回目にあたり、まずわれわれは、生態観察メンバーの目的を改めて確認し、今年のやることを打ち合せし、その予定をたてました。

生態観察メンバーの目的は、われわれが植樹している松木にどうした生き物がいるのかそれを観察し、記録していくことです。われわれはあくまで素人であるので、素人なりに好奇心をもって、一つ一つ基本に忠実に勉強しながらすすめていくしかないこと。また、森びとのメンバーに協力してもらいながらすすめていくことを話し合いました。

原点にもどって、植物であれば、その時に花の咲いているものを記録していこうと、松木周辺を散策しました。

みちくさの池にはカエルの卵がたくさんありました。

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松木の森にはアセビの花
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コブシの花Img_20190421_113837

みちくさ広場のさくらはまだまだでしたが、松木のさくらはきれいに咲いてました。 
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今年は植樹して丸5年になる民集の杜の毎木調査をします(6月予定)。午後はその区画を(10mx5m)を決めました。その区画内には98本の木がありました。調査日にはそのすべての木々の樹高・樹径、名前を調べます。葉がまだついてない今だから簡単にできることでもありますので、準備を今からしていきます。
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民集の杜から帰る途中、アナグマに出会いました。

今後は、記録もそうですが、いい写真が撮れるようにすることもわれわれの課題です。

(生態観察メンバー 山本勉 宮原哲也)

2019年4月20日 (土)

足尾・松木沢で深呼吸してみませんか

21_20110515  本格的な春の訪れが足踏みしていた足尾・松木沢にも春暖が感じられるようになりました。朝晩は肌寒い時もありますが、間もなく始まるGWに足尾・松木沢の木々たちの春の息吹を感じてみませんか。

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P4132091  松木渓谷の入り口の出会いの場「遊働楽舎」(愛称名:みちくさ)では、管理人の舎人が皆様をお待ちしています。先日は、久しぶりにキツネが顔を見せてくれました。

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P4073566  ミツマタとアセビの花は今が真っ盛り、足元ではツクシやスミレが周りの草が大きくなる前にいのちをつないでいます。

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P5040344  松木川周辺から聴こえるオオルリやキビタキの囀りに耳を傾けてみませんか。春暖の中で深呼吸してみると、心の中から蘇ってくるものがあるかもしけません。(理事 髙橋佳夫)

2019年4月16日 (火)

足尾・松木沢の春は足踏み、若葉の輝きを願って土留めづくりは

今日は日光市の弥生祭、日光に春を告げるお祭りです。平日だというのに多くの観光客でにぎわっていました。

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Cimg8885 足尾・松木に着くと、久しぶりにキツネに逢いました。天気は前を向いても、後ろも向いても雲一つない快晴です。気温は8:50 10℃。実に爽やかです。しかし、松木の桜はまだまだ蕾。猿が蕾を食べているようで、枝が折れているところがあちこちで見られました。福原さんが去年植えた雪割草が咲いていると、顔をほころばせながらAコンテナの裏から出てきました。早速見ると何とも言えない紫色の可憐な花が咲いているではありませんか。

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Cimg8880 今日の作業は、総会で確認した6月18日の「臼沢西の森」の植樹会場づくりを急ピッチで進めないと間に合わないとの危機感から、鉄筋200本、土留め用の甲羅板運び。土留めづくりに、スタッフ一同力が入りました。

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Cimg8869 そして、完成したのは3mの甲羅板の土留めが32か所、今までの2mの土留め84か所と合わせて116か所の植樹が可能です。3mの所には6本、2m所には4本を植えるとすると、528本ですが、苗木の本数を考えると、まだ2倍以上の植樹場を作らなければなりません。また、土も入れていかなければなりません。会場作りをお手伝いできる方は森びとプロジェクト委員会までご連絡下さい。

今日は、土留めが臼沢西の森の横の端から端までやっと一段が繋がりました。とにかく急斜面で足場の悪いところの作業で苦労しますが、一直線につながったのを見ると感激しました。

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Cimg8882 午後は、苗木への撒水と土留めづくりの続きでした。久しぶりの森作業でスタッフ一同は、爽やかな汗を流し、元気になったようでした。

今日のスタッフは、鎌田、松村宗、小川、福原、筆者加賀でした。(敬称略)

2019年4月14日 (日)

宮脇昭先生といのちの森の植樹祭

Photo  爽やかな若葉と春霞に包まれていそうな富士山が秦野市から拝むことが出来た今日。秦野市栃窪で「いのちの森づくり 宮脇昭復活植樹祭」が行われました。

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Photo_3  会場には約400人が集い、3.000本・24種の苗木を植えました。開会式では、11カ月ぶりにお会いした宮脇先生は立ち上がって復活の挨拶を行い、参加者からは祝福の拍手があがりました。

  植樹祭には、当会の中村幸人理事長、森びとインストラクターの山本勉さん、大塚忠孝さん、倉垣狩夢くんが参加していました。

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20190414  宮脇先生ともお会いし感じたことは、昨年の足尾現地に立った時よりも顔色も良く、車椅子から立ち上がって握手をした時の握力も強そうでした。宮脇先生から元気を頂いたようでした。

Photo_4  植樹後は、遅い昼食を食べながら中村理事長から日本の森の話しを伺いました。夕方から雨が降る予報ですので天も加勢してくれている様でした。(報告 髙橋佳夫)

2019年4月13日 (土)

森の防潮堤に宿る市民の願いを胸に観桜会

 本日(4/13)、南相馬市鎮魂復興植樹祭応援隊は鹿島区南右田で「観察会・観桜会」を開催しました。この地は、6年前に第1回植樹祭が行われたところです。東日本大震災で南相馬市民は636名の方が亡くなられましたが、この地は最も多くの犠牲者を出した場所でもあります。

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Img_1833  現在、スダジイやタブノキの樹高は3㍍を越え、木々たちの葉は太陽の光を浴びてキラキラと輝いていました。桜の花を楽しみにしていましたが、ここ数日の寒さでヤマザクラはまだ蕾で、田植えサクラがチラホラと咲いるほどでした。

Photo 防潮堤の周囲に相農高生が植えられてくれたハマナス

 これまで私たちは木々を元気に育てるため下草刈りや補植を行ってきました。植えた次の年には木を越える高さのセイダカアワダチソウで覆われていました。でも今は、下草刈りをする必要がないくらいに木々たちがしっかりと根をはり、ミミズや小動物が現われ豊かな森へと育ってくれているようです。

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Photo_2  かつてここには防潮林として松が植えられていました。しかし、松は根が浅いため津波によりなぎ倒され、その松は住宅や人々へ危害を加えました。そこで南相馬市では「いのちを守る森の防潮堤」を造るとして、津波の犠牲となった市民の想い出などがぎっしり詰まった瓦礫を盛土にし、そこにふるさとの木を植えてきました。

Photo_3 応援隊が作ってくれた汁

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Img_1857  今日は、そんな思いを振り返り、大きく育っている森の防潮堤を観察しました。「観察会・観桜会」には、衆議院議員金子恵美さん、県会議員高野光二さん、市役所の皆さん、地元NPOカリタスの方々が参加してくれました。(報告 東城敏男)

2019年4月12日 (金)

世界一の森づくりを進めている中国政府

 一昨日(10日)、足尾は雪が降ったという、報告を訊いてホッとした。何故なら、足尾松木沢の木々は花の蕾を膨らませているのに、風が吹くと土埃が上がるほどのカラカラの土であるからだ。下の写真の蕾は元気に花を見せてくれるのかと心配でった。

Photo  住まい近くの桜の花は川面に花びらを落としていたが、まだ葉桜にはなっていない。満開から1週間以上もたったというのに、心をウキウキさせてくれる桜である。

Photo_2  黄色い花の桜(ウコンザクラ?)と白く大きい桜の花は今が見頃な気がする。

Photo_3  足元にはタンポポの黄色い花が太陽のエネルギーを嬉しそうに吸収している。

Photo_4  この時季、中国から日本へ黄砂が飛んでくるが、近年はその報道が少なくなっているようだ。どうらや中国政府の植林事業で森が拡大しているからではないかという。

Photo_5  今、世界各国で森林が世界一拡大しているのは中国であるという。海外からの中国への支援もあり、中国政府は、「国家安泰に不可欠な食糧と水を確保するための“基盤”」であるという国是に由来して、世界一の森林政策を強力に進めているという。その現場を見てみたいと思っている。

Photo_6 環境問題は政治の問題であることを痛感するひと時である。(理事 髙橋佳夫)

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