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2011年10月の15件の記事

2011年10月31日 (月)

子孫を守る分かち合いと支え合い?

Pa312429 足尾・松木沢で霜が降った日にはまだ会っていませんが、早いもので明日から霜月です。森びと広場の苗床では幼木がやっと秋色らしくなってくれました。絆の森のウダイカンバ、コブシ、ヤマザクラの葉も秋色になってくれましたが、写真のように台風15号の豪雨によって絆の土が流され、根がむき出しになって精一杯に生きています。霜が降る前に植え替えをしようと、今日は植え替え場所の選定を松木の杜で行いました。

Pa222462 ウダイカンバは松木沢や阿蘇沢に生え、鹿や猿の害にあっていないので「遊働楽舎」(みちくさ)ベンチの脇に植えて、来年夏には木陰ができるようにします。コブシは春先に白い花を付けてくれるので、道から見えるところに植えることにします。

 松木の杜を歩いているとコナラの小枝にアブラムシとてんとう虫そして蟻が共同作業をしているようでした。蟻はアブラムシのお尻に口を近づけているので、尻から分泌される何かを吸っているようでした。てんとう虫もそのような感じがしました。アブラムシは蟻やてんとう虫から何を得ているのかは分かりませんが、共生している様子でした。

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2011年10月28日 (金)

私たちを夢中にさせる花や香り

Pa282412  何年間ぶりに薔薇の花の香りと鮮やかな色に魅せられました。薔薇を見に行ったというわけではありませんが、林野庁と来年の相談をするために日比谷公園を通り抜けていきました。この途中に薔薇が咲いていたので写真に撮りました。どうしてこんなに鮮やかな色と甘い香りを発するのか不思議ですが、公園を散歩する人々の目を惹きつけ、多くの人がカメラや絵の被写体にしていました。人を惹きつけるこの魅力は私には発現できません。

Pa282411 林野庁は先月から「ナラ枯れ調査強化月間」を設けて全国で調査をしています。年内にはその結果が発表されるようです。その結果にもよりますが、今日は、調査結果の今後に関しての話を伺ってきました。

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2011年10月25日 (火)

異端ランナーで走り続けましょう

Dscf4091 小林正秀さんから「ナラ枯れ被害半減」という新聞報道がメールで送られてきました。その記事は、日向市では4年前に初めてナラ枯れが確認され、防除対策をしたが効果が無く新たな防除策として幹をビニールで覆う手をうちました。その結果、枯死は昨年の20本に対して今年は8本、カシナガの侵入も同50本に対し22本と半減以下にとどまった、という記事でした。この指導をしているのが小林正秀さんです。

Dscf4126 小林さんは、今年5月発足させた炭による樹勢回復実証調査検討委員会のアドバイザーとして10月、会津森林管理署管内の調査地(国有林内)に立って樹勢回復調査を行ってくれました。彼は、毎木ごとの基礎データと調査地図も作成してくれました。来年の雪解け後には、ナラ枯れの誘因解明ができることを願っています。

Pa163721  上の写真は、私たちが森づくりをしている足尾・臼沢の森の西側にそびえ立つ山ですが、稜線左に生えている木はミズナラです。100年ほど前の亜硫酸ガスに耐えて生き抜いています。日本のナラ枯れも人間の知恵と汗を結集させい元気になることを祈っています。

2011年10月22日 (土)

やはり秋は収穫と味覚を連れてきました

Pa222485 足尾の秋色を見せてくれるのはまだ早いようです。でも収穫と味覚の秋は届いています。今日は、松木の畑で落花生、里芋とヤツガシラの茎、そして昨年の春に菌を植え付けた椎茸の収穫をしました。

Pa222459  落花生とイモの茎は乾燥させて来月6日に実施する「秋の感謝デー」で味覚を味わいます。椎茸は人間に顔ほどの大きさになり驚きました。椎茸菌の植え付け指導をしてくれましした白井さん、ありがとうございました。

Pa222453  椎茸は本日の舎人・松村さん、小川さんと分けてご馳走になります。椎茸は「秋の感謝デー」にもご馳走になれるようです。

 松木の杜ではエノキだけが秋色でした。エノキは小雨が降る中で黄色く輝いていました。今日の足尾・森びと広場は静かな一日でした。

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2011年10月20日 (木)

貴方の秋色はどんな色ですか?

Pa192444 足尾・臼沢の森も間もなく秋色一色になってくれることを願っています。でも今年の紅葉は秋色が鮮やかでない気がします。日光から足尾へ向かう途中のミズナラ、ヤマザクラ、車窓から見る広葉樹の葉を見ているとそのように感じます。ブログの写真は標高1300㍍付近のブナ、ミズナラ、ホウノキ、ヤマモミジですが秋色が寂しい感じがします。“森とも”の皆さんの秋色はどんな感じですか。

Pa192448  今日は、柳澤事務局、スタッフの松村さん、鎌田さん、柴田さんが腐葉土運搬をしてくれます。森づくりを進めている私たちは、10年~20年後の森のイメージを描きながら育樹活動をしています。この活動を継続していくためには、秋の紅葉の鮮やかさや新緑の新鮮さなどをイメージしていると育樹活動の楽しさが倍増します。やがてそれは足尾の森を訪れる“森とも”の皆さんにも自然の素晴らしさを見せてくれることでしょう。そんなことを考えながらの育樹・育苗活動しているとやり甲斐を感じます。

 今日は600袋の腐葉土(放射性物質含まない)を運びます。事務局、スタッフの皆さん有り難うございます。

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2011年10月17日 (月)

冬は動物たちとの知恵比べ

Pa162403  足尾のニホンジカの雄は毛の色が黒っぽくなり、冬を迎えて逞しくなっています。あちこちから雄鹿の雌を呼ぶ遠吠えが聞こえています。足尾には冬になると尾瀬の方から越冬のために鹿がやってきます。積雪が浅く禁漁区の足尾で安心して越冬するようです。冬の食べ物は枯れ草や小枝ですので、これからは食害防止が大切な作業です。

 昨日は、朝7時30分から3時間かけて臼沢の森の柵点検と柵補強作業をしました。一昨日の森づくり会場には目新しい鹿の糞が散乱していましたので、早速、鹿の侵入箇所を発見して柵の補強をしようということで、「遊働楽舎」オープン前の3時間に作業をしました。

Pa162413  侵入箇所は二か所発見しました。最大級の箇所は臼沢の頂上1075㍍程(写真)のところでした。柵の出入り口が鹿の侵入口になっていました。がっちりと針金で入口を塞ぎましたのでこれで安心です。ということは人間の勝手な安心感で、鹿やイノシシは色々と学び次から次へと侵入してきますので日頃のチェックが欠かせません。冬は動物たちとの知恵比べです。

 作業の合間に見えた景色は秋晴れを誘う前の精錬所跡地と霧がかかっている臼沢の森です。

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2011年10月15日 (土)

霧が舞う斜面で第26回足尾・ふるさとの森づくり

Pa152392  今日の森づくりでは天気が気になりましたが、NTTさんや百村さんたちが足尾に着く頃は雨が止んでくれました。その後も雨は気にならないほどで、第26回足尾・ふるさとの森づくりは怪我や事故もなく無事に終わりました。

 “森とも”17名はビニール袋に入った苗木を片手に持って、6年間で育った木々を見ながら530段の階段を登りきり、インストラクターからのアドバイスを受けて112本(ブナ、ミズナラ、ヤマザクラ、ヤマモミジ)の苗木にいのちの息吹を吹き込んでくれました。NTTコムウェア・ビリングソリューション㈱の皆さん、百村さんありがとうございました。

 Pa152399 今日の森づくりには済賀、小川事務局、岡安スタッフが手伝ってくれました。朝の準備から片づけまでやっていただきありがとうございました。2006年に植えた栗が実を付けていましたので、写真を撮った後に食べてみました。久しぶりの生栗は甘くてカリッとして美味しいものでした。

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2011年10月14日 (金)

除染にも炭のパワーを発揮してほしい!

Pa142383 足尾・松木沢の紅葉は昨年よりも遅い気がします。臼沢の木々よりも苗床のコナラ、クヌギ、ミズナラそしてブナが色づきましたが、高い臼沢の森の色づきは遅れています。明日はプライベート森づくりで、毎年植樹をしています「NTTコムウェア・ビリングソリューション㈱」の森づくりです。その準備でスタッフの森戸、松村宗、鎌田さんが黒土と腐葉土の荷揚げをやってくれました。昼食時の話によると、炭の効用は確かだよ、ということでした。柚子が実を付けなくなったのでその木の周囲に炭をまいたら、その柚子は翌年たくさんの実を付けた、ということでした。松村さんから甘いザクロの実をいただきました。

Dscf4046 10日は会津で炭まきをしましたが、衰弱しているコナラが元気になってほしいなあーと、昼休みは終わりました。ところで、炭まきをする前に主催者あいさつをしました小川眞先生の挨拶を紹介します。「遠くから大勢来ていただきありがとうございました。今日は皆さんに炭をまいてもらいますが、松枯れに炭をまいて元気になることは私が実証してきました。炭を地表にまくと仲良くしている根と菌が元気になります。炭をまくと根が出てきて菌もそこに寄ってきます。松とナラの仲間はキノコと仲良しです。菌と共生していていないと木は育ちません。

 ところで世界中で菌と仲良くしている木が弱って枯れています。どうしてかは不明ですが、地球上の自然環境がおかしくなっていることはたしかです。20年前頃からナラも枯れていますが打つ手がありません。できることがあったらやってみようということで、今日は炭をまくことにしました。炭をまくと1年で木は元気になります。木に虫が入ってきても抵抗してくれるのではないかと期待しています。また、キノコはセシウムを吸収してくれます。特定したキノコはセシウムを吸い込んでくれて、セイウムの流れを止めてくれます。森林の放射性物質の除汚は大変困難です。特に森が貯めている水が汚染されることは非常に危険です。このような時に、今日撒く炭の働きも実験してみようと考えています。今日の炭まきは社会的に大きな作業ですので、皆さんと良い汗をかきましょう」。

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2011年10月11日 (火)

“日本の森を元気にするいのちの森づくり”はじまる

Dscf4141  秋晴れの昨日(10日)、福島県大沼郡金山町の国有林には約120名の“森とも”が参集し、衰弱している森を元気にするために3㌧の粉炭がまかれました。

 開会式では、地元金山町町長・長谷川さんから歓迎のご挨拶を受け、会津森林管理署署長・梨本さんから活動を期待するご挨拶(流域管理調整官・藤原さん代読)を受けました。主催者を代表して「炭による樹勢回復実証調査検討委員会」副委員長・小川さん(大阪工業大学客員教授)が、炭まきの社会的意義が述べられました。

Dscf4072  参加者は、地元民宿「朝日屋」(栗木さん)が用意してくれたキノコ汁と持参した弁当を食べた後、約8500㎡の森に粉炭をまきました。森は傾斜40度もある所から平坦な所でしたが、調査木135本に400袋(一袋30㍑)の粉炭がまかれました。

Dscf4112  木は根、根は土がいのちです。根は土の中で菌根と共生して元気に育っていますが、現地の土の中では根と菌根との共生が殆んど見えません。ゆえに現地のコナラの葉は小さく、梢枯れ、幹には胴吹き(幹に小枝が多い)が多く見えています。この衰弱した森を元気にするために地表に炭をまき、炭の力で根と菌根との共生が盛んになることを期待した参加者は力強くも丁寧に炭をまいてくれました。

Dscf4095  この炭まきは地元の皆さんからのご協力と多くの“森とも”の皆さんの森と人のいのちを大切にする心によって支えられました。北は秋田県から南は神奈川県から参加してくれまた“森とも”の皆さん、万全な段取りをつくってくれました“森とも”強者の皆さんありがとうございます。元気になった森の観察会は来年の梅雨明けに実施します。(報告は後日、行います)

2011年10月 9日 (日)

自然との共生の必要性は災害から学ぶ

Dsc02594  昨日は快晴の中、プライベート森づくりとしてJREU横浜の皆さん33名は、足尾・臼沢の森に105本の植樹をしてくれました。11時に到着した一行はまず、開会式を行い、委員長の奥山さんは、「3月11日の大震災で人間は自然の猛威を思い知った。自然との共生の必要性を感じた。森づくりは植樹後の手入れが大事ですから継続してもらいたい」と述べていました。当委員会からは松井理事がお礼の挨拶を行い、その後、第4期インストラクターの石井昭浩さんから苗木の説明と植え方を丁寧に話してもらいました。

 参加者は530段の階段をゆっくり登りながら、この6年間で成長した樹木を見てもらいました。登り終えたあとは黒土運びを全員で行い、インストラクターの指導のもとで1本1本丁寧に4種105本を植樹しました。また、松木の杜では川崎森子インストラクターのアドバイスを受けて、4種(コナラ・クリ・クヌギ・トチノキ)15本を植樹しました。

 昼食は、腹ペコになった参加者が「ひぐらし亭」に座り、弁当とニラ玉味噌汁を食べました。閉会式では、木之下さんから「前回植えたところが上手く育っていない。草刈りにはぜひ来たい」「山(ここ)に来てふるさとを思い出す。若い人と楽しい森づくりをすすめたい」と抱負が延べられました。 森づくりのために陰に陽に汗を流してくれた実行委員の皆さん、お疲れ様でした。
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