カテゴリ「根を張り育て!苗と木々」の96件の記事

2008年6月11日 (水)

ハゲ山にした責任は木を植えていくこと

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 足尾・ふるさとの森づくりは煙害や山火事によってハゲ山になった山で行っています。この土地の所有者は古河機械金属株式会社(旧古河鉱業)です。2005年から始まった森づくりには、古河機・金㈱の皆さんも参加しています。当日も本社と足尾事業所から参加してくれました。「参加者の集い」で感想を述べてもらいました。
 「ハゲ山にした原因のひとつがうちの会社です。当時は山火事もありましたが、私たちはこれを過去のことにしたくはありません。当社はこの負の歴史を反省材料にして、自然環境とともに生きていく企業に生まれ変わりつつあります。儲けるだけでは企業は生き残っていけないということを、緑になっているこの山を見て感じています。
 木を植えることによって動物たちも戻って来ていますし、その住みかも変わっています。自然環境型の社会というものができればいいなと思っています。
 当社の土地に木を植えて頂いて非常に感謝しております。私はできれば宮脇先生よりも長生きをして、もうちょっと自然の緑になるところを見とどけたいと思います。今日は非常に感銘を受けました。今後も協力していきますので、ともに木を植えていきましょう」。(幸崎さんの感想を短くまとめました。

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2008年6月10日 (火)

本物の生命(いのち)の森を足尾から世界へ

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 5月11日の「足尾・ふるさとの森づくり」では、岸井成格理事長と宮脇昭最高顧問が参加者へメッセージを発しました。植樹後の「参加者の集い」では、岸井理事長は「宮脇先生がおっしゃるとおり、今、地球はクリティカルポイントに立っている。今は議論している段階を越えているので、人類は力を合わせて木を植えていかなくてはならない。しかし、ただ木を植えればいいとういうことでなく、本物の森をつくらなくてはならない。台風とか、豪雨とかにもびくともしない森を、枯れたりしない森を、その土地に合った木を植えていかなくてはならない。そして、たまには宮脇先生の本を読みながら、私たちの武器を磨いて本物の森をつくっていかなくてはならない」(あいさつを編集しました)。
 それを受けて宮脇先生は、「森の寄生虫の立場にある人間の自然的な本能は、自分の命を守る、周囲の人間の心を守る、そして遺伝子を守ることだ。ところが今や人間は原子力まで使って、欲望をほとんど満足させるところまできてしまった。すべての生き物を好きなように征服すべきという考え方で、人間はたった2千年で地球を駄目にした。ここにきて私たちは、人間は自然と生命(いのち)の森と共生するという考え方をもういっぺん学ばなければならない。木を植えることは小手先の技術でなく、生命(いのち)を植えることであり、生命は一度殺したものはあるいは失ったものは虫ころ一匹、草一本絶対生きかえらすことはできない。今、生きているということはこれ以上の幸福はない、ということです。みなさんが未来に残すものは、札束や株券ではなく、かけがいのない生命です。この生命を育む森が、今、失われている。木を植えることは単なる小手先の技術と思わないでください。本物の森づくりは足尾にとどまらず、全日本へ、全アジアへそして世界へ発信していきましょう」(メッセージを短く編集しました)。

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2008年6月 7日 (土)

今年植えた5717本の木々は元気です

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 2㍍もの樹木に育った小さな森から階段を約150㍍登ったところが今年の植樹会場です。標高960㍍のこの地に5月11日、950名の皆さんが集まり、背負子で口や腐葉土を運び、穴を掘って5千本以上の苗木に元気を与えました。また、子どもたちやお年寄りのためにつくられている「絆の森」でも、約600本の苗木を植えました。
 群馬県太田市から参加した方は、胃を手術した後のリハビリとして木を植えてくれました。また、栃木県今市市から参加した親子は、ウドの出荷がひと段落したから木を植えに来ましたが、私は「いつも穴ばかり掘っているなー」と、苦笑いをしていました。
 第1期インストラクター認定者のKさんは、「昨年は息子を連れて参加したがインストラクタへの任務があって息子を友人に預けた。今年は息子と一緒に植樹することが楽しみでした。息子は、“去年、僕が植えた木が元気かなあー、観てみたい”と言っていましたが、二人とも木を植えることに夢中になってそのことを忘れてしまった。しかし、このことがとても嬉しく、自分たちの活動は本当に間違っていないことを痛感しました。この活動が脈々と続き、子どもたちその後との子どもたちへ、友人から友人へ、世界中に繋がってほしいと感じました」というメッセージが事務局に届きました。
 当日は肌寒い日でしたが、多くの皆さんの情熱とボランティアによって事故や怪我もなく植樹をしました。その上、サイクロンの災害と軍事政権による被害者無視の対策に苦しむミャンマー市民へのカンパをしてくれた皆さんに感謝します(カンパ額は861821円でした。岸井理事長から毎日新聞社へ届けられました)。
 植えられた木々は皆さんの感動を受けて元気に育っています。私たち事務局は皆さんの感動を大切にして、私たち人間が地球とともに生きていくために、皆さんと共に地球を壊す悪と戦っていきます。当日は、山と心に木を植えていただきありがとうございました。
 <お知らせ>
 明日、朝8時から13時間番組に宮脇 明最高顧問が出演します。テレビ局は日本テレビ、番組名は「Touch!eco2008 明日のために...55の挑戦?スペシャル」です。

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2008年6月 6日 (金)

足尾の木々が2㍍を超えました

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 3年前に植えたミズナラの樹高が2㍍を超えました。コナラやカツラ等も2㍍に届くまでに大きくなりました(写真は5月26日に撮影)。面積3千平方㍍ほどの地に植えた3650本の木々は、大地にしっかりと根を張りめぐらしているようで、幹の伸びが早く感じられます。すでに草刈りの必要は無くなり、この草も樹木とともに命の森をつくりだしています。この小さな森にある階段を登ってみると、爽やかな風とともに木々たちの元気な葉音が聞こえてきます。暫く立ち止まっていると、この2年間の寒い中での食害防止作業と真夏の草刈り作業の苦労が吹っ飛びます。木に命を吹き込んでくれたみなさん、時間がありましたら木々のささやきを聴きに来て下さい。
 「森びと広場」のある苗床には、昨年10月に蒔いたドングリが新芽を出しました。昨年までの発芽率は20%程度でしたが、今年は50%を超える勢いです。昨秋、大雨の中でドングリを蒔いてくれた皆さんに感謝しています。とても嬉しいことですが、事務局員にとっては大変な作業が待っているので、忍耐が求められます。今月から苗分け作業をはじめています。
 1個のポットに芽吹いた2~3本の苗木は、1ポットに1本植え替えられます。12㌢程の小さなポットに混ぜ合わせた土を入れ、そこに苗木を植えて、根をポット内に充満させます。赤ちゃんの腕を触るような感じで苗木をポットに植えます。神経を使う大変な作業ですが、事務局員は毎日、少しづつ小さな命を丈夫で元気な命に育てます。ホームページで苗分け作業のボランティァを募集していますので、時間のある方はご一緒しませんか
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2008年6月 3日 (火)

できることをやりきれたその善意に感謝

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 極酸性土壌で植樹をおこなうにはお金がかかります。国有地でありながら、旧松尾鉱山が残した負の自然を、どうして善意とボランティァによって命の森に生き返らそうとしているのかと、疑問がわきますが。児童たちやその先生、親子のみなさん、あるいは盛岡農業高校の先生と生徒たちの顔には期待感が感じられました。また、参加してた250名もの皆さんたちの顔にも充実感が漂っていました。期待感や充実感を感じとった事務局とスタッフ、サポーターのみなさんは、前段の苦労がなかったような言葉と笑い声を発していました。
 みちのく事務局に問い合わせをして参加してくれた女性は、半年前に横浜から八幡平市に引っ越してきた方でした。植樹会場に行くにもその手段がないというので事務局はこの女性を送り迎えしました。この女性は感謝の意を込めて、当日、植樹会場の事務局に軍手を届けてくれました。
 黒土を提供してくれた方は、岩手県立前沢養護学校の先生です。森びとのホームページを観て、「黒土が必要だというのであれは、実家は八幡平市だ必要な分だけ運んでください」と、言ってくれました。この先生の友人である森びとインストラクターの及川さんの話では、この先生も退職後には森づくりに参加したい、と言っているそうです。
 ここ旧松尾鉱山跡地周辺は別荘地と牧場が目立ちます。この地に山荘を持っている元JRの方は、準備作業に汗を流すJR東労組の組合員のみなさんの宿泊場として、この山荘を自由に使わせてくれました。その上、この方は前段作業にも協力してくれました。美味しい山菜やお酒もご馳走になったと聞いています。
 誰もが地球はおかしくなっている、と感じていますが、感じているばかりでは地球の危機を救うことはできません。机上の議論や国益や企業の利益優先では地球は益々おかしくなってしまいます。おかしいと感じて、できることをやろうと集まったのが「第3回八幡平ふるさとの森づくり」でした。“山と心に木を植えました”みなさんに感謝です。

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2008年6月 2日 (月)

森づくりから広がる人の輪

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 地下50㌢掘ると酸性度がpH4以下の国有地に命の森づくりが始まりました。場所は岩手県八幡平市にある旧松尾鉱山跡地・元山堆積場。ここに約250名のボランティァが参集したのが、小雨模様の5月31日の土曜日。
 二年前に地元の平舘小学校の子ども達と校長先生が拾って蒔いたトチノキやクリの苗木等を植えました。当日は、その子ども達と校長先生も参加しました。また、地元の建設関係の工場長と社員とその家族のみなさん達が、100年先の命の森づくりに挑戦しました。
 9種類の苗木は20㍍×4㍍の大きさに作られた場所5カ所に植えました。極酸性土壌での植樹であるためこの場所は、深さ50~60㌢の穴を掘り、この穴に木の皮・バーク肥料・黒土・ホタテ貝の粉・黒土、さらに掘った土を混ぜ合わせ、盛土にしました。
 酸性土pH6程度の黒土は4㌧トラック約50台分、バーク肥料はダンプ1台相当の量でした。この木の皮、黒土、バーク肥料は岩手県内の心あるみなさんからの提供でした。また、重機とその操縦者もボランティァで植樹場所は作られました。一週間以上かかった命の森づくり準備作業の中心は、JR東労組のみなさんが汗を流して行ってくれました。
 こうして第3回八幡平・ふるさとの森づくりは、人と物と心の提供があって、2100本の苗木に命の息吹を吹き込むことができました。多くの皆さんの心ある支援とボランティアに心から感謝します。当委員会は、参加されたみなさんの自然環境と人の命を大切にする願いを、旧松尾鉱山跡地から大きく育てていきます。
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森びと検索

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