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2025年12月 8日 (月)

「森は友だち!」冬場の獣害防止作業に若者がボランティア参加。

 12月7日(日)、10時の気温は5度。足尾・松木郷には5日に降った雪が少し残っていますが、快晴に恵まれ絶好の作業日となりました。

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 今日の森作業には、栃木県芳賀町芳賀中学校3年生2名がボランティア参加してくれました。中学校の総合の科目でSDGs(Sustainable Development Goals・持続可能な開発目標)の授業を行い、自分たちに出来ることは何があるか相談し、ボランティア活動を行うことにしたそうです。

 世界を変えるための17の目標の15「陸の豊かさも守ろう」を選び、栃木県内で活動する団体を調べ「森びとプロジェクト」を選んでくれたそうです。

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 今日は、「臼沢の森」と「臼沢西の森」が冬場はシカやウサギによる樹木の樹皮や若い芽が食害にあうため、食害防止のために森を囲む獣害柵の点検・修繕を行います。

 3班に分け、「臼沢の森」西側を1班、済賀さん、松村宗さん、永島さん。東側を2班、加賀さん、坂口さん、田口さん。「臼沢西の杜」を3班、鎌田さん、橋倉さん、筆者清水。そして、芳賀中3年生のI君、K君。保護者にも同行をお願いしました。

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 「臼沢の森」に向かう坂道の途中でアナグマに出会いました。中学生は初めて見るアナグマにビックリ!、「森の住民」は中学生が来るのを待っていてくれたかのようです。

 

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 「臼沢の森」入口で3班に分かれ、1班、2班は柵沿いに登りながら、亀甲金網と樹脂の幹ガードで穴をふさいでいきました。柵が倒れているところはロープで引っ張りました。

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 「臼沢西の杜」は、柵の上部が曲げられているところが多く、サルやクマが出入りしているようです。曲がったところを手で直し、針金で柵を支柱に縛りました。

 砂と岩の斜面に土留めをして黒土を入れて植樹をした場所なので、足元の土壌はもろく、中学生たちは慣れない急坂を登るのにも苦労している様子です。各自には針金とペンチを携行してもらい、破れた柵の修繕と支柱への取り付けを行ってもらいました。金網に手をかけながら滑り落ちないように補修していきました。

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 上側の柵から山の上部を見ると、ヒビの入った岩が露出しており、動物ばかりでなく斜面からの落石でも柵が倒され、網が破られる様子を見て、荒廃地で森をつくることの大変さを感じ取ってくれているようでした。

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 「臼沢西の杜」の補修を終え、次は「臼沢の森」に移動。森の下部東側の柵に土砂が堆積して下がり大きく穴が開いた場所と、柵の下に大きく穴開けられた場所を獣害柵でふさぎました。

中学生も修繕に慣れてきて、穴の開いたところに柵を取り付け、手際よく針金を巻き付けていきました。獣害柵が不要になるぐらい森が蘇えることを願い、午前中の作業を終了し下山しました。

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 午後は「民集の杜北」を案内し、鎌田さん、橋倉さんが森づくりの経験を伝えてくれました。草地を耕して木を植え、木々の生長に伴って生き物たちが森に帰ってきている様子や、風や鳥、動物たちがタネを運び発芽した樹々が森を豊かにしている様子を観察しました。

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 「臼沢の森」の獣害柵修繕に向かった1班は西側の柵12か所の穴をふさぎ、2班は4か所の穴と、倒れた柵の修繕を行いました。急斜面を登るにも足元の土壌が崩れやすく、資材を担いでの作業は容易ではありません。臼沢を3分の2ほど登った「JR貨物労組の植樹地」付近で作業に区切りを付け下山しました。

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 終了ミーティングを行い、荒廃地に「いのちの森」を再生するボランティアに参加した中学生からは、

◇K君「山を登るのは大変、針金を縛るのも大変だった。皆さんは20年やってきている。皆さんのおかげで森が出来ていることを学びました。ありがとうございました。」

◇I君「森林がつくられる前の、元(荒廃地)の状態から学んだ。森を育てるという普段できない体験をさせていただきました。ありがとうございました。」と感想とお礼が述べられました。

 高校受験を控える中で、地球環境と人間(生物)の命を大切にする心を育む「森づくり」ボランティアに参加していただきましたI君、K君、保護者、並びに芳賀中学校の皆様、森びとプロジェクトの活動へのご理解とご協力ありがとうございました。

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 今日は森の大切な友だち、アナグマ、サル、キジ(メス)に出会うことが出来ました。来年は、木々が緑に生い茂る季節に、森の手入れにお越しください。森びとスタッフ一同、お待ちしています。

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 本日の森作業参加者は、鎌田さん、松村宗さん、橋倉さん、加賀さん、済賀さん、坂口さん、田口さん、永島さん、芳賀中学校3年生、保護者、筆者・清水でした。

 

参考:【SDGs15目標の内容】

持続可能な形で森林を管理し、砂漠化に対処し、土地の劣化を食い止め、逆転させるとともに、生物多様性の損失に歯止めをかけること。

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(報告:清水卓)

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