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10月12日(日)8時20分に足尾町のHさん宅に到着すると、すでに橋倉さんと矢口さんが到着していました。4月に開催した松木郷の花見に参加していただいたHさんから、自宅で大切に育ててきたシャクナゲとメグスリの木を提供していただけると言う事で4日に掘り上げ根回しをしておきました。
今日は、そのシャクナゲ3本、メグスリの木1本、追加でコナラ1本を「松木郷」の“森びと広場”に移植します。矢口さんの軽トラックに積み込み「森びと広場」に向かいました。
足尾町のTさん宅には済賀さんが向かい、山ウド3本とサンショウの木5本を提供していただきました。
9時の気温は15度。天気は晴れ。森作業参加者が揃い、2年ぶりに弘永さんか参加してくれました。森びとの経験を活かし、岐阜、愛知、石垣島など日本各地で森林、果樹園、農業に従事し汗を流していたそうです。
ミーティングを行い、午前中はシャクナゲを森びと広場の西側に植え、メグスリの木は“うんしゅう亭”の前に移植。午後は山ウド、サンショウの木を“みちくさの畑”に移植。JREU千葉、東京、八王子各OB会の記念植樹用の幼木の準備をすることにしました。
シャクナゲの穴1か所に黒土10袋を準備し元の土と混ぜて植えました。移植して根付くか、デリケートな樹種のため、黒土の他に鹿沼土を準備し、根が動かないように支え用の杭を打ち、幹を留めました。
マルチングは、“こころの園”の草刈りをして乾燥した草を集めて根の周りに厚めに敷き、たっぷりと水をかけました。
仕上げは獣害柵の設置です。木の生長を考え、大きい柵で囲いました。
気温も上昇し、汗だくになりながらの作業となりました。気温は29度まで上昇していました。水分補給の休憩を取り、次に“うんしゅう亭”前に準備した穴に黒土12袋を混ぜ、メグスリの木を植えました。生長すると日陰をつくってくれます。
12時を過ぎたので昼食休憩をとり、午後はメグスリの木に獣害柵を取り付け、“みちくさの畑”に移動し、山ウドとサンショウの木を植えました。サンショウはまだ小さいので、畑で生長させてから移植します。
コナラは松村宗雄さんが、森びと看板下の広場北側に移植してくれました。
煙害や山火事によって山の木々を失い、農作物や養蚕など生きる糧を奪われ廃村となった松木村。その跡地に、足尾町民の皆さんの思いを宿すことが出来ました。しっかりと根を張り、花開くよう育てていきます。ありがとうございました。
村人に思いが届いたのか、「臼沢の森」を眺めると、龍が舞い降りてくるような雲が立っていました。
その後は、森びと広場に戻り、JREUOB会の記念植樹用の幼木を堀り上げました。
千葉OB会はシラカシ、東京OB会はムクノキ、八王子OB会はヤマボウシです。根回しをして埋め戻し、水をたっぷりとあげました。
帰り道、足尾ダムから仁田元川方面の山を見ると山頂から真っ赤に染まった雲が伸びていました。
本日の森作業は、鎌田さん、松村宗さん、橋倉さん、済賀さん、矢口さん、田口さん、弘永さん、筆者・清水でした。
(報告 清水 卓)
10月12日(日)、午前8時50分の気温は19.5℃。3連休の中日の足尾・松木郷は雲一つない青空です。夜中まで降っていた雨のせいか空気も澄み切ってとても清々しい朝で、村長の仁平さんも青空を見上げながら気持ちよさそうです。
今日は、「みちくさ」でハイカーの訪問を待つ合間に、松村さんの家から持ってきた「スノードラゴン」を、「みちくさの庭」に移植する作業をします。弱った「スノードラゴン」を、松村さんが掘り返して自宅に持ち帰って再生させたとのこと。細い葉が元気良く、「ピーン」と張っています。
まず、松村さんと移植する場所を確認します。
下は、弱ったスノードラゴン。再生された「スノードラゴン」に比べると、細い葉が黄緑に変色し、見るからに弱々しく見えます。
筆者が弱ったスノードラゴンを観察していると、松村さんが植物同志を引きはがしています。その訳を聞くと「サルナシ」という植物だそうです。あくまでもナシという事ですが、梅より一回り小さい実をつけて、とても美味しいそうです。
青空に浮き立つ「サルナシ」。「これなら来年実を付けるかもしれないなぁ」と松村さん。楽しみです。
ハイカーの皆さんを待つため「みちくさ」に戻ると、もう一人の舎人担当の深津さんが、「ジャンダルムを目指す方が通り過ぎ際にコーヒーでもと声をかけたが、中倉山回りで下山するので先を急ぐと歩いて行った」と報告が。「天気が良いので、訪問者も多いといいね」と話しました。
10時5分、男女2人のハイカーに「コーヒーでも」と声をかけると快く応じてくれました。山登りではなく、散策を楽しんでいる高根沢町からの方でした。中倉山の「孤高のブナ」や森づくりの話をすると熱心に聞いてくれて、森びとの広報誌『森の木魂』を受け取ってくれて、記念写真も!
10時30分には、宇都宮から来たという一人の男性の方もコーヒーを飲みながら森づくり、中倉山の「孤高のブナ」保護活動の話を熱心に聞いてくれました。この方には帰りにも寄ってもらうことができ、「歩きの疲れを癒し、贅沢な時間を過ごせました」と感謝の感想もいただきました。声をかけて良かったと思える一瞬です。深津さんと、記念写真。
午後も何かと忙しく「スノードラゴン」を植えることが出来なかったので、明日済賀さんに移植してもらうべく、「みちくさの庭」で移植の位置を確認しました。
「みちくさ」に戻ると、深津さんから「松村さんが弱った『イヌサフラン』を持ち帰った」という話を聞きました。昼には鎌田さんが、「サルナシをブランデーで漬けるととても旨い酒になると教えてくれた」と深津さん聞きました。改めてシニアの先輩方の「森づくりや植物への深い思い」、「楽しみ方」などを学び、引き継いでいかなければと思いながら、ピンクに色づく東の空を見上げ帰路に着きました。今日の「みちくさ」の訪問者は3人。舎人担当は、深津さんと筆者・田城でした。
10月10日(金)、今日はJREU千葉のリーダー5名を「松木郷の森」に案内します。
台風22号が遠ざかり朝から青空が広がりました。“みちくさ”の温度計を見ると9時の気温は15度。室内の清掃とお湯を沸かし受け入れの準備をしました。
10時に千葉の皆さんが到着し、自己紹介。責任者の長谷さんは足尾の森に来たことがありますが、他の4名は初めての「松木郷」入りです。なぜ足尾の地で森づくりを始めたのか、経緯を説明し「森の案内」をスタートしました。
足尾で最初に木を植えた「臼沢の森」に向かいました。森づくりを始めるにあたって、シカの食害防止の獣害柵作り、植樹用の黒土を運ぶために間伐材で階段をつくりました。
この階段作りの指導をしてくれたのが参加者の先輩である相川好夫さんでした。当時、森びとスタッフは千葉県南房総市和田浦の「花嫁街道」で階段作りの手ほどきを受け、足尾に戻り階段を660段つくりました。2021年から22年の冬に朽ちてしまった階段を作り直しましたが、登り始めのクリの材でつくった階段は今も健在です。
何万人ものボランティアの皆さんが安全に植樹できたのも先輩(相川さん)の「花嫁街道」保全の経験に基づくものであることを伝えさせていただきました。
森に入った第一声は「森の中は涼しい、空気が気持ちいい」でした。木々の葉が日差しをやわらげ、木の根を落ち葉と苔が覆い保水力を高めている様子や転げ落ちた岩を細い木が止めている様子が見られ、「土砂流出保護防備林」としての機能が少しづつ発揮されている様子なども見てもらいました。
M&mベンチで一休み。当時は前方に中倉山が見えましたが、今は森が広がっており、森の生長に笑みをこぼす様子を想像し、看板を囲んで記念写真を撮りました。
次に、2014年にJREU千葉の皆さんが植樹を行なった「民集の杜北」に向かいました。
「あの黒いものは何ですか」と杜の入り口で質問をいただき、銅を精錬する過程で出た鉱滓「カラミ」の堆積場で閉山後も管理されている場所であること、そこに、緑化で種の撒かれたヤシャブシの木が2本生えていますが、森が回復する困難さを感じていました。
民集の杜北の中に入り、JREU千葉の植樹地に向かいました。杜のトンネルを抜け左に曲がると朽ちた「JREU千葉」の看板が見えます。
植樹当時の写真と見比べてもらい、木々の生長に驚いていました。朽ちた看板は21日にOB会の皆さんが来てリニューアルしてくれます。
林床のあちこちにキノコが顔を出し、枯れた木を分解してくれています。北側の獣害柵の脇を歩くとシラカバの木に立派なキノコが生えていました。ヒラタケに似ているのですが、素人には毒キノコか判別できないので、後で調べるとウスヒラタケ(食用)でした。木の実の他にも森の恵みが育っていました。
12時40分、遅めの昼食をとり、午後は森びと広場の記念樹エリアに植樹をしていただきました。記念樹は「ナツツバキ」です。可憐な白い花を咲かせてくれます。事前に掘った1mの穴に20ℓの黒土を最初に8袋入れて元の土と混ぜてもらいました。後から4袋を入れて混ぜ参加者それぞれの思いを込めて幼木を植えました。
“みちくさ”に戻り、杜を歩いた感想を聞きながら意見交換を行いました。
・来る前は、山なので土があるのは当然と思っていた。ここまで砂と石で乾燥し、土壌からつくらなければならない様子を植樹前の写真で知りました。森に入り、空気が違う。入っただけで温度が下がる。労働現場とも関係する。猛暑下で働いており、環境にも関心を持たなければならない。
・桜の開花時期が早まっているから花見の日を変えればいいと思ったが、目の前のことだけではなく、その背後にある(地球温暖化)ものを考えることの大切さを学んだ。
・2年経って新たな生き物が森に来ている。驚きと森ができると生態系が回復してくることを実感。あきらめることなく続ければ森は再生していく。感じた私たちが活動していかなければならない。
と、森づくりも鉄道現場の労働も、人間・仲間の命と安全、生活を守っていくものであると、先輩の森づくり意志を継承していく気持ちを伝えてくれました。
帰る準備をしていると“みちくさ”の前に“森の友だち”アナグマが顔を出し、JREU千葉の皆さんの見送りをしてくれました。「母なる森」へと育てていきましょう。
今日の森の案内は、橋倉さん、済賀さん、筆者清水でした。
(報告:清水 卓)
本日10月5日(日)の松木郷の朝は曇り。8時半の気温は18度です。松木郷の草地に広がる“チカラシバ”が前日からの雨に濡れ、穂がキラキラと光り“ガラス細工”を見ているようです。この時期に見ることが出来る自然の美です。
“みちくさ”に向かう途中で、中倉山に向かう登山者やロッククライミングの装備でダムゲートを通過するクライマーとすれ違ったので、松木郷を訪れる皆さんを迎え入れるため、”みちくさ”のオープン準備をしました。
今月10日にJREU千葉の皆さんの「森の案内」があり、森びとスタッフも松木入りしています。「民集の杜・北」の草刈りを行うと言う事で、午前中、清水が森作業の応援に入りました。
“みちくさ”には山田さんが待機し訪問者の対応をしていただきました。
午前中の訪問者は無く、森作業参加の橋倉さんと田口さんが、12日に足尾町民の方から提供していただく山ウドとサンショウの木を“みちくさ”前の畑に移植するため、移植予定の場所の土を耕しました。
その後二人は、森びと広場にシャクナゲとメグスリノキを移植する際に使う黒土を「臼沢の森」前の保管場所から「森びと広場」に運ぶ作業を“みちくさ”から見守りました。
昼を過ぎると晴れ間が広がり気温も26度と高くなりました。本日の来訪者は、朝「ジャンダルムに登りに来ました」と言ってみちくさ前を通って行った4名のクライマーの皆さん。午後1時22分頃降りて来たので声をかけると、「朝のうち雨が降ったので岩が濡れて登れないかと思ったが、無事登れて良かった」と話してくれました。今日は、栃木県、福島県、横浜市からの混成メンバーで来られたそうです。「また来ます」と言って帰って行きました。またの来訪をお待ちしています。
一雨ごとに秋の気配が深まっていくようです。「みちくさ庭」の木々も紅や黄に色づき始めています。都会の喧騒を忘れ、静かな松木の森で「紅葉狩り」はいかがでしょうか。
皆様の訪問をお待ちしています。
本日の舎人は、山田さん、筆者清水でした。
(報告:清水 卓)
【草刈り前】
今日10月5日(日)の足尾「松木郷」の気温は17度。天気は曇りですが、時折陽も差して爽やかな気候です。
本日の森作業は、「民集の杜・北」の「メガネ橋」東側の藪になっている場所の草刈りをする班と12日に足尾町民の方から譲り受ける、「山椒」と「山うど」を移植する「みちくさの庭の畑」に穴を掘る班に分かれての作業をすることになりました。
草刈り班は、清水さん(舎人)と私(加賀)が担当しました。昨日のブログにあるとおり、風や鳥、動物たちが運んだ種が実生となり育っていくための草刈りです。私たちが植えた木の2代目、3代目を育てていくことを目指します。
藪を刈っていくと、正に実生で育ったとみられる、私たちが植えていないサクラ、クリ、モミジ、リョウブ、サンショウ等が生えていました。ツタも木に絡まり締め付けながら木の上のほうに生い茂り、木に日が当たらなくなり枯らしてしまいます。ツタは「ターザンごっこ」ができるほど太くなり、取り除く作業は、結構根気がいる作業でした。
【蔓に締め付けられた跡】
【山椒】
桜の木は蔓に引っ張られて斜めになっていました。
【モミジ】
草刈りをすると、ベンチにもなりそうな大きな石が現れました。第2の「糺の森」だな。と早速座ってジャンダルムを眺めていました。
「みちくさの庭・畑」の穴掘りは、橋倉さんと田口さんが担当です。ここは以前にもソバを植えたりして、耕してあるので比較的簡単に掘ることが出来ました。
午後からの作業は、「民集の杜・北」の草刈りと蔓の取り除きの続き、そして10日、21日、23日とJRの労働組合員とOB会の皆さんが「エコ散歩」に訪れ、記念樹を植えることになっており、その際に使う黒土が「臼沢」の入り口前にあるので移動することにしました。40袋を降ろしてきました。記念樹エリアに24袋を置き、「こころの園」に16袋を置きました。
14時30分過ぎには雨が降り出したため作業はやめましたが、予定していた作業は終了しました。
本日の作業者は、橋倉さん、田城さん、田口さん、清水さん(舎人)、筆者加賀でした。
10月4日の松木郷はあいにくの曇り空。午前8時50分の気温は18℃で、今にも雨が降りそうな空模様です。とはいえ、曇空に浮きでたジャンダルムも、薄いグレーと濃いグレーのコントラストでなかなか良い景色です。
森づくりチームと合同で朝のミーティングをし、大野さん、小柴さんが草刈りエリアを確認するため「民集の杜・北」に向かうので筆者も同行しました。中村植生アドバイザーから9月9日・10日の調査で「この森には、もともとのヤシャブシ林だけのエリアがある。そこに、森びとが植樹したクリやサクラが遷移して幼木として育っている。新たな森の萌芽であり、形成過程を観察すると良い」と、アドバイスを受けました。そこで、幼木が下草で枯れないように草刈りをすることにしたのです。5年先、10年先を見据えて、「本物の森」、「母なる森」を目指してしっかり森づくりをしなければなりません。
↑草刈り前
↑草刈り後
秋の実りも見ることができました。矢口さんから差し入れで「山栗」をいただきました。小粒ですが茹でて半分に切りスプーンですくって食べると、ただただ夢中で食べてしまいました。
ヨウシュヤマゴボウ(猛毒あり)
民集・北の帰り道、「寒桜」が咲いていることを、済賀さんが教えてくれました。自然は条件が揃うと花を咲かせるのだと思いますが、不思議な光景です。
みちくさに戻ると、埼玉から来た山歩きの方が通り過ぎました。「コーヒーでもいかがですか?」と声をかけると、「あと30分くらいしたら戻ります。その時少し寄ります」との事。ほどなく戻ってきて、「みちくさ」に入ってもらいしばし立ち話。バイクツーリングがてら山歩きをしているとの事、「雨が降ってきそうなのでコーヒーは遠慮します」と忙しそう。仁平村長と握手をして、帰路に着きました。
「みちくさ」前の「庭」に行くと、「イヌサフラン」、「リンドウ」、そして「セイタカアワダチソウ」さえも、美しく咲いていました。
「こころの園」には、「オオマツヨイグサ」、「ヤマシロギク」、同じように見えますが、ややムラサキがかった「ノコンギク」などが、咲いていました。
みちくさ前の南向きで日の光を燦燦と浴びたアセビ(馬酔木)は赤色。桜の木の影で、且つ10mほど下に生育するアセビは濃い緑。条件の違いで、同じ種でもこれ程までに個体や条件によって秋の感じ方、進行が違うとは驚きでした。
とはいえ、確実に松木郷の秋は深まっています。赤、黄、ピンク、背景のグレーの濃淡。美しいです。

美しい秋が、気候危機によって極々短くなる方向性が予測されています。何とか温暖化にブレーキをかけ、日本の美しい四季を残したいと思います。今夏の猛暑を思うと、「四季」の危機より「命」の危機が問われている、それが現実かも知れません。何とかしなければ・・・。答えは森づくりだと思います。
今日の舎人は、小柴さんと筆者、田城でした。 (報告者 田城 郁)
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