横須賀石炭火力訴訟控訴審が始まる
本日10:30より、東京高等裁判所101号法廷にて、横須賀石炭火力訴訟の第1回控訴審が行われました。これは、今年5月27日にシンポジウムでパネラーとして報告をしていただいた鈴木陸郎さんが原告団長をされている訴訟であり、今年1月27日東京地裁において気候変動の問題や環境アセス手続きの不当性を容認し、「原告らの請求をいずれも棄却する」という不当判決が出されたことによる控訴審です。 森びとからも4名が傍聴券獲得のために並び、無事全員法廷に入ることができました。
今日は控訴人側の口頭弁論意見陳述が行われ、まず弁護団より訴訟の意義と原判決の問題点が語られました。ポイントとしては、生命・健康・財産を守るために、科学的知見や客観的事実を認めていないために控訴人の救済に道を閉ざしたものであること、代替案を検討するのが環境アセスメントの核心だが重大な瑕疵があること、漁業関係の調査が欠落していること、等パワーポイントを活用して説明がありました。
その後に行われた報告集会では、小島弁護団長から「裁判所には地球温暖化の被害に向き合ってもらいたいので、江守正多さんの承認申請をしている」ことが報告されました。また、浅岡弁護士からは「経験していないこと(異常気象)が起きている。今の対策だとこれからどうするのかということが語られていない。メディアには報道することを投書等で呼びかけて欲しい。2030年までに今の排出量の半分にしなくてはならないということをどこも言わない。だから私たちは裁判をしている」と語られていました。参加された方から「国が相手になっているが、対立点を明確にして欲しい」と質問があり、小島弁護団長から「裁判所の言い分は時の政権の意向(選挙で選ばれた議員)の意向が国の意見である。最高裁判事は内閣が決めるので憲法違反ではない。建前は三権分立だが、そうなっていない。多くの人に問いかけていきたい」と人権の砦と言われる裁判所の独立性に疑問を呈し、公正な裁判を求めていく決意が語られました。
次回は10月20日10時30分~行われます。生存の危機を訴えて闘うこの裁判を多くの人に広め、不当性を訴えていきます。(運営委員・小林敬)
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