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2021年12月の17件の記事

2021年12月12日 (日)

暖かな日差しの中で森作業

 本日は12月12日、足尾・松木は、5℃(8時40分)でした。二十四節季七十二候では熊蟄穴(くまあなにこもる)です。日々寒さが増し、クマも冬ごもりで穴にこもる時期になりました。

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 作業小屋に一足早く入ってくれた小柴さんが、薪ストーブに火を入れくれました。しかし、作業小屋に小柴さんの姿がありません。テーブルの上にメモがあり「水が出ませんので、取水口を見てきます。お湯は沸いています。」と書かれていました。

 作業着に着替えていると小柴さんが戻ってきました。「取水槽が空だったが、少しすれば水が流れてきます。」と報告があり、いつもながらやることが早い小柴さんから元気を頂きました。

  早速、本日の作業打合せを行いました。午前中は「臼沢の森」の階段修繕用の杭材を仮置き場のF地点に荷揚げし、午後は小柴さんの担当となる新植樹地の湿地の大雨時の排水対策案作りと新植樹地の整備を行うことにしました。

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 軽トラに背負子を載せて「臼沢の森」に向かいました。「臼沢の森」の入り口に到着して階段を登り「臼沢の乙女(シラカバ)」上部の修繕杭仮置き場に到着。背負子に修繕杭を背負い、大汗をかきながら次の仮置き場のF区画まで荷揚げし、昼食前に全ての杭を荷揚げすることができました。本日で修繕杭の200本の荷揚げが終了となりました。

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 15日の森作業日「森の育樹デー」では階段の修繕に集中できますので、古希世代から還暦世代への階段づくりの技術継承も考え、ゆとりを持って作業を行いたいと思います。

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 昼には気温も14℃に上がり、昼食後の休憩をしていると小柴さんが「サルが多く移動している」と言うので、松木川の方を見みると、多くのサルが松木川の下流に向けて移動していました。この時間にサルがこのような行動をするのが珍しいと思い、「みちくさの庭」を見に行くと、獣害ネットに絡まり身動き出来ない子ザル発見しました。小柴さんと2人でネットから外し、柵の外に出してあげました。サルも学習能力を発揮して近づかないようになると良いのですが、エサの少なくなる冬は動物たちも必死です。越冬する動物たちも生き抜くことができる森を育てていかなければと思いました。

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 その後、新植樹地の湿地エリアに移動し、大雨時の排水対策案作りを現場に立って検討しました。その作業の後は、新植樹地の整備を行いました。大きな石を人力で脇に移動しました。石は大きく重たくて、これも二人で大汗を流しながら黙々と作業を進めました。中倉山に陽が隠れ、気温も下がってきましたので、本日の作業を終了しました。

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 本日の作業者は小柴さんと筆者・済賀でした。小柴さんごお疲れ様でした。

(報告者:済賀正文)

2021年12月10日 (金)

花嫁街道整備を通じて温暖化防止へ心をひとつに

勤労感謝の日(11/23)は、暦の上では「小雪」で雪が降り始める頃でしたが、千葉県南房総市では小春日和にめぐまれました。私たちは、新日本百名山の「烏場山」に上る途中の階段が崩れているということで、その階段の補修ができないかと思い、その下見と準備を兼ねて現その場に行ってきました。階段用の間伐材を準備し、本番では作業がしやすいように準備してきました。Dsc_0074 23日の南房総市付近の紅葉はまだ早く、登山道の足元では小さい花が咲き、訪れるハイカーの目を楽しませていました。森の中で間伐材を作っていると、木々の緑が目に優しく、木々から発せられるマイナスイオンと枝が運ぶ風の音で気分が落ち着きました。Dsc_0068Dsc_0077 その上、メジロやウグイスの鳴き声を聴いていると日ごろの疲れが癒されていることが感じます。喧騒な街で生活している私にとっては、森の恵みのパワーが元気の素になることを嬉しく思います。Dsc_0058Dsc_0065 10月に行った地球温暖化にブレーキをかけられないかと行った地域の方々との森作業の意味を来年につなげていきたいと思っています。シニア世代が心をひとつにして、花嫁街道の整備を通じて次世代への恩返しつくりだしたいと思っています。年末から新年にかけても想定外の異常気象の猛威を気にしながら、できることを継続していきたいと思います。各県FCの皆さん、健やかな新年を迎えてください。Dsc_0072
(森びと千葉県ファンクラブ・相川、武田)

2021年12月 9日 (木)

世界を旅する“小友沼”の渡り鳥

 10月の地元紙には「朝空を覆う」「小友沼に渡り鳥2万5千羽」という記事と共に、朝日に照らされて羽ばたいて行く無数の渡り鳥の写真が掲載されていました。小友沼は、秋田県能代市にあり、国内有数の渡り鳥の飛来地として有名な場所です。

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 渡り鳥は、9月中旬頃から小友沼を経由し、宮城県や新潟県に南下して冬を越し、翌年の3月下旬頃から繁殖地であるロシアのシベリアやカムチャッカなどを目指し北帰行します。その途中で、小友沼で羽を休め、再び、北を目指します。その時も、10万羽もの渡り鳥の勇壮な光景がみられます。11月30日(火)に小友沼に行ってみました。この日は、最高気温、15.1℃で10月~11月上旬の気温となり、冬の能代には珍しく、風もなく穏やかな一日でした。すでに渡り鳥は、南下したようで静かな小友沼になっていました。

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 周辺のカシワは、特徴である葉を落とさず茶色に色づいていました。また、観察小屋が設営されており、中には入ることは出来ませんでしたが、様々な野鳥の写真が貼ってありました。驚いたのは、その観察小屋の側面に、トンボが数匹へばりつき、貴重な日差しを浴びていたことです。夜の気温は5℃以下となる中、生き延びている姿に感慨を覚えました。寒いとはいえ、温暖化のおかげで命を繋いでいるのだろうと想像しました。小友沼で野鳥の観察活動を行う“おとも自然の会”によると「例年に比べ、マガンは7~10日、ハクガンやハクチョウは20日以上飛来するのが早く、近年の異常気象が影響しているのではないか」とのことでした。

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 私達の地球温暖化を防ぐ取組みは、人間のためだけでなく、季節を敏感に感じ、何万キロも旅をする渡り鳥やトンボなどの生態系を守るためにも、大切な取り組みだと認識することのできた一日でした。

(秋田県FC:今村 博)

2021年12月 6日 (月)

臼沢の森をさらに生態系豊かな森に育てたい

 臼沢の森を眺めていると、クマが岩の上で休み、イノシシの親子が土の中のミミズを探し、落ち葉の下ではササラダニなど土壌動物たちが落ち葉を食べ土づくりに精を出している様子が目に浮かんできます。

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 生態系が豊かになってきたと感じる足尾の臼沢の森で、気になるところがあります。最初(2005年)に植樹した臼沢斜面の森内には、現在、草や芝類を殆んど見る事が出来ませんが、木々はしっかり根を張り土砂流失や落石を防ぎ生長しています。

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  この場所も植樹(補植)をする前は、芝草(ケンタッキーブルーグラスやウィーピングラブグラス)は生えていました。しかし現在は生えていません。他の斜面や緩斜面には、ヘリコプターによる航空実播工などで散布された芝草が所狭しと生えています。

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 足尾から群馬県方面に向かい、幾つかの山を越えた所にある山が吾妻山で、私が子供頃に住んでいた地域の裏山になります。その里山は、コナラ、クヌギ、ヤマザクラ、エノキ、クリなどで形成されており、薪や炭、茸菌を植え付ける原木として重宝されていました。林床は山芝や腐葉土が豊富で、毎年落ち葉刈りがされても、土壌がむき出しになることはありませんでした。

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 この山では、春は山菜、秋は茸、冬は自然薯と美味しい清水を享受することが出来ました。その里山を振り返ってみると、根の部分は豊かな落ち葉と柔らかい草で覆われており、足尾の臼沢の森の林床とは大きく異なっています。

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 森びとプロジェクトの「生態系調査チーム」に提案し、山芝を植えて林床の変化を観察していきたいと考えています。主木を中心とした三役五役の木々、それらを支える林床の「森」を元気にして、臼沢の森を更に生態系豊かな森へと育てていきたいと思います。(東京FC:松井富夫)

2021年12月 5日 (日)

凍える寒さが到来。臼沢の森の獣害柵点検に汗を流しました。

 今日は12月5日(日)、雲ひとつない足尾・松木沢です。朝9時の気温は0℃。森びと広場の地面は凍り、ところどころ霜柱が見えます。12月からは森作業集合時間は10時になりましたが、早く着いたスタッフと一緒に松木入りしました。身体が冷え切っているせいか、薪ストーブで薪を燃やしても中々暖かさを感じません。流し台の蛇口は凍り付き、水は出ませんでした。

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 今日の森作業の打ち合わせでは、臼沢の森の獣害柵点検か臼沢の森の階段修繕を行うか意見が出されましたが、補植した小さな若木が動物たちの格好の餌となってしまうので、計画通り「獣害柵点検」を行うことにしました。 

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    補修用網や背負子を軽トラックに積み込み臼沢の森に向かいました。臼沢の森のゲート前に到着し、網を背負い、臼沢の頂上近くまで獣害柵を点検しました。破れた部分を補修するには、かなりの労力と資材が必要となりますが、”足尾の猛者”と呼ばれるスタッフは、20箇所近く破られた獣害柵の修繕を行いました。たくさん背負っていった資材も全て使用し、足りないところは臼沢の森に荷揚げしておいた網を集めながら作業を進めました。

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Photo_10 今日の最大の“トピックス”は、クマの寝床?(昼寝の場所)との遭遇でした。さらに驚いたのは、片隅にあったフンの中に5ミリほどの小石がたくさん含まれていたことです。どんなものを食べているのか興味を持った済賀スタッフが発見しました。私たちの結論は、「アリの巣から出てきたアリをなめながら一緒に食べた小石ではないか」となりましたが、真偽のほどは定かではありません。

Photo_11  下山し、遅い昼食となりましたが、空腹とは裏腹に達成感で満腹でした。疲れた体に、足尾在住の知人から差し入れしていただいた干し柿の甘さが、より一層お腹に沁みました。 

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 今日の森作業のメンバーは、鎌田さん、加賀さん、済賀さん、筆者・橋倉でした。

(報告・橋倉喜一)

2021年12月 3日 (金)

青空の下で、「命を守るみどりの防潮堤」の生長を観察しました。

 師走となった12月1日、宮城県ファンクラブの仲間達12名で、青空の下、仙台市荒浜と名取市閖上の「いのちの森」の観察会を行いました。

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 2013年に植樹した荒浜の森では、常緑樹を中心に40本の補植を行い、クズのつる刈りと下枝払いを行いました。樹木も成長し、小さいながらも森の防波堤が築かれています。

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 2015年に植樹した名取の森は、今年4回の育樹作業を行いました。200本の補植と除草・つる草刈り・下枝払いなどの森作業を通じて、森に寄り添う暮らしを目指すことや、本物の森を再生し自然災害から命を守ることに、少しでも役に立ってほしいとの願いをファンクラブの仲間達と共有してきました。

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 海岸線に緑豊かな森を蘇えらせ、「命を守るみどりの防波堤」を築いて、防災力を高める機能を発揮できるよう、来年も引き続き育樹作業を継続して、未来に「いのちの森」を残していきたいと思います。

(報告:宮城県FC 林 雄一)

2021年12月 1日 (水)

松木の里に降る雨も上がり、師走の森作業スタート!

 今日は12月1日(水)、早いもので師走となりました。足尾・松木の朝は暖かく、森びと広場の8時40分の気温は18℃です。昨日からの雨も止んで快晴となりました。

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 作業小屋に一足早く入った加賀さんが薪ストーブに火を入れ、遠赤外線の温かさが小屋に充満していました。本日から集合時間が10時になりましたが、9時に作業者が全員揃いましたので、少し早いですがホットコーヒーで体を温めながら作業の打合せを行いました。午前は、「臼沢の森」の階段修繕用杭の荷揚げ。午後は、6日に行う粗大ごみ処理の準備と新植樹地の整備をすることにしました。

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 早速、軽トラックに背負子を載せて「臼沢の森」に向かいました。「臼沢の森」の入り口を開け、階段を登り「臼沢の乙女(シラカバ)」上部の修繕用杭仮置き場に到着。

 30㎏を超える修繕用杭を背負い、大汗をかきながら165段の階段を登り、次の仮置き場E区画の下まで、各人のペースで荷揚げをしました。

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 「臼沢の森」の手作りの階段に積もる落ち葉を踏みしめて登ると、時折強い風が臼沢の斜面を吹き抜けます。階段東側(松木川下流・足尾ダム側)の地面は、落ち葉が飛ばされ苔で覆われています。階段西側(松木川上流・ジャンダルム側)の地面は落ち葉のジュータンになっています。

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 多く木々が葉を落とし、厳しい冬に備えています。お昼までに3人で38セット(横杭1本と縦杭2本で1セット)を上げることができました。

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 昼食後は、6日に搬出する粗大ごみの準備です。金属パイプを森びと号に積んで運べるように、グラインダーで切断しました。

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 その後は、新植樹地の整備を行い、大きな石を人力で脇に移動しました。作業が終わると急に風が強くなってきました。作業に区切りをつけ本日の作業を終了しました。

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 本日の作業者は、大野さん、加賀さん、そして筆者・済賀でした。大野さん、加賀さん、ご苦労様でした。

(報告者:済賀正文)

 

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