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2020年10月の30件の記事

2020年10月31日 (土)

松木村跡地の紅葉は間もなくです

日光方面は渋滞が予想されるので、今日も私(加賀)は鹿沼市経由粕尾峠を抜ける道で足尾に入りました。鹿沼市粕尾の峠の紅葉は終わりそうで、木々の葉も道路に落ちて積み重なっていました。足尾に到着すると秋晴れの良い天気です。気温は8時半で、8.5℃でした。臼沢もかなり色づいてきましたが、盛りはもう少し後のようです。カメラを山の方に向けていると、鹿2頭が歓迎してくれたのか私をジッと見て動きません。こちらにお出でと手招きすると走り去っていきました。

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Img_0634 銅親水公園の駐車場は満杯で路上にも駐車、ほとんどの方は中倉山に向かっている様でした。松木沢方面には人は現れません。午前中は訪問者はいないようなので、下のハウスの屋根をネットで覆うための測量をしました。また、臼沢西の森の残りの植樹地にどれ位の土留めを作れるか、資材の板や鉄筋は何本位必要かを出すための測量をしました。10:30頃までで切上げ、みちくさに戻りました。

11:50頃、一組の男女カップルが寄ってくれました。群馬の太田市からバイクで来られたそうで、初めての松木渓谷だそうです。奥のゲートまで行き入れないかと思い引き返して来たのですが、鎌田さんからゲートの右の方に行くと見晴らしの良い所がありますよと案内され、また出かけて行きました。2人は帰りにも寄ってくれて、「紅葉がとっても綺麗でした。ありがとうございました」と満足して帰って行きました。是非またお寄りください。

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Img_0660 午後は訪問者もなく、静かな時が流れていきました。時折、牡鹿の鳴き声とモズの鳴き声が聞こえてくるのみです。鎌田さんは、臼沢西へのアプローチの道の階段補修に行きました。帰ってくると、「みちくさ」前にあるクスノキが冬を越せるようにビニールで囲いました。

Img_0675 中倉山に陽が沈む14:30位になるとグッと気温が下がってきます。結局、午後の訪問者はいませんでした。今日の、舎人は鎌田さん、加賀(筆者)でした。放射線量は、0.129μ?でした。

2020年10月30日 (金)

JR東労組大宮から南相馬市・森の防潮堤に苗木がプレゼント

20201030  第8回南相馬市鎮魂復興市民植樹祭(10/25)は無事終了することが出来ました。皆さんのご声援に感謝します。植樹祭をサポートした私たちは、来年こそは全国の植林ボランティアのみなさんと共に植樹祭が出来ることを願わずにはいられません。

20201030_2  今朝、南相市の育苗場へ行く途中、秋の青空にくっきりと虹が浮かんでいることに気づき、私の気持ちを和ましてくれました。10時、温かいコーヒーを飲みながらの作業打ち合わせ、苗木の冬支度をすることにしました。

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Photo  食後のフルーツには、渡部代表からは会津産の身しらず柿の差し入れがありました。

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20201030_4  11月7日は応援隊結成5周年記念慰労懇談会を開催します。この場では、10年を展望しこれまでの活動を振り返り、出席者との懇談を深め合いたいと計画しています。

20201030_5  今日の作業は、渡部、菅野、松林、山田、岩橋、道中内そして筆者でした。(報告・東城敏男)、東城でした。

2020年10月27日 (火)

心に植えた森づくり15年の宝物・・・その②

 足尾・松木村跡地の森は人がつくっている。現地で草木と向き合っているのは、「足尾スタッフ」と呼ばれるシニアが中心で、1年間に延べ約100日も現場に入っている。15年前に60歳だった方は75歳になった。40年間以上も労働現場で働いてきたシニアだから、培った知識や技量は様々で、その上、性格や価値観も多様でそれぞれに自信をもっていた。森づくり活動から去っていった方もいるが、森づくりは全員が初挑戦であった。

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Photo_5 写真は文と関係ありません

 「ふるさとの木による命の森づくり」等は考えてもみなかったこと。宮脇昭先生からは、穴を掘らされ、その土の匂いを嗅ぎ、土も舐めて「木は根、根は土がいのち」という事を教えられた。苗木は、煙害でハゲ山になる前の木々の実を探し、収集した実をポットに蒔いて育てた。3年後には、その苗木を草地に穴を掘って植えた。植えた幼木は、翌年、幹と枝と葉が食べられた。根が残っていたので、食べられた苗木はほぼ全てが芽を出したくれた。

Photo_6  苗づくり、草刈り、獣害防止、植樹祭準備など全てが初挑戦だった。知識を持ち寄り、森作業から教えられたことを話し合ってきた15年間。何が正しいのかは分からない。良いと思ったことは実行に移した。この繰り返しの森づくり。どんぐりを蒔いて育て、幼木を植えて、ひとり立ちできるまで苗木を支えてきた。

Photo_7足尾の十月さくら

 苗木が枯れても仕方ない、苗木が食べられても仕方ない、何もしなければ森は育てられない。何もしなければ知恵も湧いてこない。このチャレンジ精神を貫き通したスタッフが育てた森は、これから何百年間も私たちの命を育む土台になってくれる。

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Photo_9足尾のモズ(雌)

 この時季、15年前の草地が森になって、松木村跡地を訪れる方々に秋の紅葉を楽しませ、生きものたちの生息地となっている。(理事・高橋佳夫)

「地球びと」の“持続可能な生存目標”を描き実現したい

 25日、南相馬市の市民170名は9年前の東日本大震災とフクシマ原発事故で犠牲となった市民を慰霊しながら、“ふるさとの木による命を守る森の防潮堤”に2千本の木を植えた。

Photo  東日本大震災で被災した女川市漁協関係者や経済界の一部市民は女川第2原発の再稼働を県議会に要請し、県議会はその要請を認めた。新聞報道では、女川市の「人口減で経済が疲弊している」、「理想だけでは生きていけない」等の声が再稼働要請の理由らしい。市民の命よりも経済を優先するという。

 東日本大震災とフクシマ原発事故から10年を迎えようとしている時に、一方では、何百年も全生物の命を育む森を育て、他方では、何百年以上も全生物の命を脅かす原発に依存しようとしている。 

Pa243509  菅総理の所信表明(10/26)でも温室ガス排出2050年実質ゼロの中身は経済成長と原発依存だった。政府の経済成長はどこにおいているのか分からないが、新型コロナウイルス感染以前の経済回復を目指しているならばそれはあり得ない。生物社会に生存する不思議で謎多い生物は、「灼熱の地球」に適応した宿主を探しながら変異する。生物社会の一員である私たちは、不思議で謎多い生物たちと向き合ってこそ生存が可能である。

Photo_2  永久凍土が溶解し、南極、北極の氷も溶けだしている地球上でやらなければならないことは、私たちの生存と経済活動の基盤を持続可能にすること。経済活動はその可能性が見えてくるまで自粛しなくてはならない。この中で生存を可能にする「新しい日常」を見出していくことを見失ってはいけない。 

Photo_3  “地球びと”という視点に立って、私たちは“持続可能な生存目標”を実現するという政策(松明)を掲げる政治に期待したい。私たちは木を植え、有権者としてのアクションも始動せねば!(理事・高橋佳夫)

2020年10月25日 (日)

栃木県はホントに魅力度ランキング最下位?!

都道府県魅力度ランキングで栃木県が初の最下位に転落したことを受け、福田富一知事は調査会社を訪れ、同社の地域ブランド調査について、調査方法の変更を申し入れ、「底からはい上がり、倍返ししていきたい」と述べたとの報道がありました。

新型コロナウイルスの影響で、観光客数も落ち込んでいるのかと思ったら、昨日の当番から「日光市内が渋滞して1時間遅刻したので、鹿沼周りの方がいいですよ」との連絡。

交通情報をみると、今朝もやっぱり渋滞してるみたい

魅力度ランキングはあてにならないなぁーと感じながら、アドバイスをありがたく受け、早めに家を出て鹿沼方面へ

市内の紅葉はまだまだこれから

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古賀志山の前を過ぎて、一路、「古峯神社」を目指します。

ほかにクルマも無く、順調順調

「古峯神社」を越え、山道に入ると、高度も増して来たのか、周りの木々も黄色く色付いて来ました。

横根高原も粕尾峠もいい感じ!

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峠の辺りが皆伐されて、足尾方面を眺望できるようになりました。

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山を下って行くと、内ノ篭川の脇に出るのですが、ここは紅葉が道路の両側にあって、「紅葉のトンネル」を抜けるみたいでとてもキレイな紅葉スポット。楽しみにして行ってみたら

まだちょっと早かった

再来週くらいが見頃かなー。

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足尾に入ると、いつも感じることですがとてもノスタルジック。

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田舎は無いけど、田舎に帰って来た気分になります。

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天気も良く空気も澄んで、中倉山が良く見えます。今日は登山客も多く、駐車場は満車で路駐も多い。

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松木の山も少しずつ色付いて来ました。

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スッキリ晴れた空と中倉山。

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ジャンダルムもキレイに見えます。

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気温は9.2℃…。薪ストーブに火を入れました。

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10 時くらいに通りかかったご夫婦に声をかけると、日光に行こうとしたところ、あまりにも道が渋滞していて迂回してこちらに来たとのこと。

少し上まで行って、帰りにまた寄ってくれるとのことです。

差込む日差しと薪ストーブの温もりで、まったりとした時間が流れて行きます…。

お昼を過ぎた頃から少し風が出て来ました。

相模原市から来たご夫婦が、松木村を訪ねて寄ってくれました。

田中正造翁にご興味があるご様子で、以前にも「古河足尾歴史館」にも寄られたそうですが、コロナの影響で休館で観れなかったとのこと。

「森びと手縫い」をご購入いただきました!

ありがとうございます?。

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時を同じく、朝にお声掛けさせていただきましたご夫婦も寄ってくれました。

佐野市からお越しのようで、「渋滞のおかげでこの辺りの紅葉を独占出来て、本当に良かった」とおっしゃっていただきました。

またのお越しをお待ちしております!

「森びと手縫い」のご購入、ありがとうございます?。

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午後になると風が強くなって、雲の動きも早くなり、2時過ぎには太陽森中倉山の陰に隠れてしまいました

そろそろ店じまいと思い片付けを始めたところ、ジャンダルムを上がって来たという5人組のパーティーが寄ってくれました。

埼玉県と群馬県からお越しとのことで、岩には4パーティーほどいたとのことでした。

また、みちくさに寄ってくださいね。

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イヌワシの写真を撮影しに来たTさんが立ち寄ってくれました。

ペアのイヌワシが縄張りを主張する動きをしていたとのこと。毎年、繁殖していることを願っているけど、なかなかその様子を見ることができないと言っていました。

そうこう話をしていたら、臼沢の上の稜線に羽ばたく鳥の姿が

田口さんも慌ててカメラを担いで撮影を試みましたが、残念、鳥の姿は稜線の向こうに

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この辺りでもイヌワシを見ることは出来るそうです。トンビより2まわりほど大きく、大きさは2メートル。ほとんど羽ばたかず、滑空する姿に風格があるそうです。これからは気をつけて見てみたいと思います。

世界遺産の日光、御用邸のある那須、コウノトリが羽ばたく渡瀬遊水池、そしてイヌワシの舞う松木沢…、栃木県には誇れる歴史や豊かな自然があふれていて、人びとを引きつける魅力からいっぱいだと思うのですが…。

シカの鳴き声が響きます。そろそろ秋も本番

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本日の舎人は、加賀と小柴でした。

(放射線量:0.109μSv/h

市民が主役の第8回南相馬市鎮魂復興市民植樹祭終わる

Photo 献花台前にて

 本日(25日)、第8回南相馬市鎮魂復興市民植樹祭は、南相馬市原町区萱浜字東蔵前で開催されました。今回の植樹祭は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、実行委員会として南相馬市民限定の縮小開催という苦渋の選択で行われました。

Photo_2  今回の植樹会場は、2016年の第4回植樹会場の北側で、面積約400㎡にタブノキやアカガシを主木にして21種2000本の植樹を170名が植えてくれました。私たちは、地球温暖化防止と南相馬市海岸防災林再生を願って、秋晴れの中の植樹をサポートしてきました。

Photo_3  コロナ禍の植樹祭は、開会式の簡素化や体温測定、マスク着用の要請を市民に行ってきました。また、閉会式の省略などの工夫が見られ、被災した市民の心に沁みる新しい様式での植樹祭であったと感じました。参加者からは、「毎年参加しているがコロナ禍で縮小開催がさびしい」、「今年も参加し海岸防災林再生に協力出来て充実した気持ちだ」などの意見が有りました。

Photo_4  植樹祭応援隊は、植樹祭事前作業として23日と24日の両日、5種1.000本の補植を述べ15名で行ってきました。本日の植樹祭には会員が9名参加、内5名が植樹サポーターを担当してきました。

Photo_5 応援隊の皆さん

 来年は、今までのように全国の方々と質素で、心のこもった命の森づくりを開催できれはと願っています。参加した市民の皆さんお疲れさまでした。(理事・岩橋 孝)

2020年10月24日 (土)

秋はじまる 足尾の森

  今日は、足尾に向かう途中の日光宇都宮道路は、日光インター手前からの渋滞でした。

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足尾の天気は、9:00現在 気温14℃ 快晴。臼沢の森も色ずきはじめました。

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臼沢の森を拡大しました。

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中倉山

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松木渓谷

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赤倉山

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森びと広場からみちくさ

Photo_19 来舎は、館林からの女性の疑問、「途中の黒い斜面は何ですか?」と聞かれ足尾銅山で出た銅の精錬後のゴミですと答えて、納得していただました。

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クライマー、ハイカー、キャンパー、チャリダーと多くの方が、秋の行楽を楽しんでいました。チャリダーの一人は、渡良瀬遊水地近くの東武鉄道 新古河駅から来て、これから東京まで新古河経由で帰りますと言って元気よくペダルを踏んで行かれました。

Photo_12 鎌田さん、福原さんは、午前中JR貨物労組東京の植樹地に、食害防止用のネット張り(東側)午後に、臼沢の森西の階段造りと奮闘しました。お疲れ様でした。

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みちくさの庭では、ドウダンツツジの紅葉と秋の草花が綺麗に咲いています。

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二度目の蕎麦は、可憐な花を咲かせていました。

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みちくさ脇の桜の木にモズが獲物を探していました。

Photo_18 本日の舎人は、松村宗さんと小川 報告小川 放射線量 0.117μ?

地球温暖化にブレーキをかけていくぞ!と防潮堤の森づくり

 今日は、天気予報では80%の雨情報でしたのでかなり心配していました。しかし、南相馬に着く頃には小雨となり9時の打ち合わせ時は雨も上がりました。

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今日の作業は、応援隊スタッフが中心となり育苗場の苗木を第6回植樹会場(鹿島区)に補植作業する苗木5樹種300本ずつを軽トラに積み、現地に向かいました。

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2年前に植樹した苗木は大きく生長していたものの、セイタカアワダチソウも群生していました。2~3年の下草刈の大切さを考えさせられました。

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 午後からは、第8回南相馬市鎮魂復興市民植樹祭会場の準備作業を鎮守の森の箱崎さんと5名のスタッフで盛土の整備と草刈り、補植と事前準備を行いました。

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 今回の植樹祭はコロナ禍の影響で南相馬市民限定となっています。明日以降もその成功に向け準備作業を進めていきます。全国の植林ボランティアみなさん、鎮魂復興市民植樹祭は10年継続していく予定です。私たちは、地球温暖化にブレーキをかけていくために地道に、木を植え、森をつくり、育てていくことを合言葉に頑張っていきます。

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 明日はJREU大宮からスダジイ130本が南相馬にプレゼントされます。これまで組合員、家族が育樹・育苗された苗木を大切に育てていきます。今日の作業は、渡部、菅野、松林、岩橋、道中内そして筆者でした。(報告 東城敏男)

 

2020年10月21日 (水)

JR貨物労組関東の皆さんが森の冬支度作業

 昨年に続き、今年もJR貨物労組関東の皆さんが「臼沢の森」作業に来てくれました。今日(21日)の天気は晴れ、気温8.5度、秋の爽やかな風が心地よい日の作業でした。

Photo 現場から森びと広場

 まずは、作業前の打合せ、当会から筆者が歓迎の一言、貨物労組からは委員長の菊地さんから挨拶をいただきました。自己紹介をした後、早速、作業を開始。

Photo_2  軽トラに単管パイプ30本、2mの鉄筋30本、70m分の金柵を積み、「臼沢の森」まで運びました。

Photo_3  そこからが大変な作業でした。緑のトンネルの300段の階段を一人3回、パイプと金柵を担ぎ揚げました。この作業は、苗木が鹿やウサギ等に樹皮を食べられないためのものです。山眠る時季に入りましたので、鹿やウサギの食べるもの樹皮などに限られます。少しでもその被害を少なくし、来年の春には元気な芽をだしてほしいと願って、5名は必死になって作業してくれました。

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Photo_6  昼食時には、「初めて来て、楽しかった」、「人間が壊した自然を蘇らすのは大変」、「いのちと森の大切さがわかった」などの感想を組合員は述べてくれました。

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Photo_10  その後は、加賀スタッフが「民集の杜」と「みちくさ庭園」を案内し、森の役割と私たちの暮らしの密接な関係など伝えてきました。

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Photo_9  皆さんは、今後は多くの仲間と来てみたいと話してくれました。後片付けをして、解散しました。本日のスタッフは、鎌田さん、橋倉さん、加賀さん、小川さんそして筆者でした。(報告・大野昭彦、写真・橋倉、加賀)

「生物多様性」の森は一本の植樹からはじまる

 10月の森作業の帰り道。この日は国道122号線の旧道“細尾峠”を超えて帰ることにしました。12㎞のつづら折りの細道です。1978年3月に日足トンネルが開通するまでは足尾と日光を結ぶ主要道路でした。

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 日光「いろは坂」に負けない急カーブが続き、峠の頂上に着くと道の両側に森が広がっていました。通過するだけで降車したことが無かったので、車を止め森内の散策をすると、林床には笹が生い茂り、ミズナラやブナの木が天に伸びていました。

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 足尾銅山周辺の森の木々は坑内の支保抗や燃料として伐採されたと聞いていたのでおどろきました。ひときわ太いブナの木を見つけ、幹の直径を図ると70㎝ほどありました。標高850mほど、1年に2㎜の生長だと樹齢175年、1㎜だと350年です。“森びと”が植樹を始めた「臼沢の森」と標高が同じなので、煙害や山火事が無ければ足尾の山々にはミズナラとブナの巨木の森が広がっていたのだろうなと想像しながらブナを観察しました。

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 ブナの裏に回りビックリしました。この時季にはいるはずがないと思っていたミヤマクワガタがとまっていました。本物を直に見るのは夏休みにクワガタ取りをしていた子供時代、45年以上前になります。成虫が地上に出てくるのは7月~8月、地上にでてからの寿命は1カ月程度と言われるので、夏の長雨で季節を間違ってしまったのか、気候変動は虫の世界にも及んでいるのかと心配になりました。(ミヤマクワガタは写真に収めるだけで採取はしていません)

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 10月15日(木)の毎日新聞で元村有希子論説委員が「生物多様性の保全」について取り上げた記事が載っていました。記事では『個性豊かな生き物が共生する「生物多様性」を保全する取り組みが進まない。各国が合意した20のゴール「愛知目標」は最終年の今年、達成できた項目がゼロという残念な結果となった。』と日本の取り組みの現状を伝えています。『今後のヒントになるのは、里山の再生を目指す日本各地での活動だ。人々が暮らしの中で利用し、手入れしながら守ってきた里山は、私たちが生物多様性を身近に感じられる貴重な環境でもある。』と課題を投げかけています。

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 「生物多様性基本法」(2008年6月6日制定)の第十四条で『国は、地域固有の生物の保全を図るため、我が国の自然環境を代表する自然的特性を有する地域、多様な生物の生息地又は生息地として重要な生物の多様性の保全上重要と認められる地域の保全、過去に損なわれた生態系の再生その他の必要な措置を講ずるものとする。』とあります。

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 かつて養蚕が盛んで農作物を収穫し生活を営む村民が暮らした松木村。煙害や山火事で「生物多様性」を失った足尾の山々、そのふもとにある旧松木村での植林を初めて15年。1年目に植えた苗木はすべてシカとウサギにかじられました。しかし、翌年春には芽を出し、食害を防ぐことの大切さを教わりました。木々が生長するとそこに生息する虫や鳥が増え、風や動物が運ぶ種が活着し森の仲間を増やしていきました。現在、森びとの植栽地では命の営みをする生きものの姿を見ることができます。

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 元村論説委員は記事の最後に『生物多様性が失われると、その悪影響は、生態系の一部である人間に確実に及ぶ。10年を実効性のある行動につなげるための努力が求められる。』と国や私たち市民に投げかけています。国の検証結果は「達成できた項目がゼロという残念な結果」かもしれないが「過去に損なわれた生態系の再生」は木を植え、育てることで「実現が可能だ」ということを15年の森づくりが示しているのではないか。オオムラサキが舞い、ミヤマクワガタが暮らす渡良瀬川源流の森、“未来の宝”へ育てていくのも私たち人間の責務である。

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(筆者・清水 卓)

森びと検索

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