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2016年9月の31件の記事

2016年9月12日 (月)

女性用更衣室を作り始めました

 昨日(11日)は新たにスタートした「設備管理」のグループが動き出しました。先月20日に開かれた「拡大スタッフ会議」では、今後10年の森づくりプランを討議、新スタッフ体制も発足しました。育樹担当、育苗担当、そして設備管理の3体制です。

 昨日は、設備管理グループのメンバーが集まり、年内の計画を話し合い、当面、作業小屋の改修をすることにしました。柳澤キャプテンからは、”目配り・気配り・心配り”をグループの基本において、具体的に進めていこうと、今までにない、一歩前に踏み込む話があり、森作業に携わる皆さんのために取り組んでいくことにしました。その第一弾が更衣室の設置でした。

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 更衣室の設置は柳沢キャプテンが描いた「更衣室案」(上の図)に沿って、作業がはじまりました。何故、更衣室なのか、というと、一昨年から、女性の森ともが森作業に来てくれるようになりました。彼女たちは、夏の炎天下(30℃超え)や突然の雨に遭っても、着替えずに帰宅していました。男衆はこの様子を知っていましたが、更衣室作りをしよう、ということにはなりませんでした。ある人から、「更衣室を作ってやろう」という話があり、新たな設備管理グループがそれを実現し始めました。P9110037

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 昨日は、完成させることはできませんでしたが、月末までには使用できるように作業を行います。最終的には、女性たちの声を聞いて、完成させる予定です。昨日のボランティアは柳澤、松村健、武田でした。(報告 仁平範義) 

秋の訪れと共に自然の中で心と身体を癒し、森に生かされていることを実感

本日は9月11日(日)、天候は曇り、ススキが風になびき、秋の気配を感じる過ごしやすい一日となりました。

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8時40分に遊働楽舎“みちくさ”をオープン、気温は23.5℃です。道の途中で子ギツネが出迎えてくれました。森ともの訪問を予感させる出会いです。

 

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“みちくさ”前の畑にはキクイモの黄色い花が空に向かって咲いています。近くの秋グミは実の生りが悪いようです。クマの餌を心配してしまいます。

 

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今日の“みちくさ”には、多くの森ともの皆さんが立ち寄ってくれました。「森ともの声」ノートにも、足尾の感想を寄せてくれました。

午前中最初の森ともは、東京都のNさんご夫妻です。「初めて足尾に来ました。足尾銅山と松木の歴史を知り、日本の近代化の負の面を体感することが出来ました。ありがとうございました。」

先人の苦労によって森の再生が行われ、今も多くのボランティアの手によって植樹・育苗が行われていることに非常に感動し、森が育っていることの素晴らしさを述べてくれました。

 

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続いて、埼玉県から来た男性3人組です。釣り、温泉、動物ウオッチングが共通の趣味で、今日は動物ウオッチングで松木渓谷を訪れました。カモシカのウオッチングポイントを教えてくれました。しかし、すぐ見つけられるわけではなく、「山の景色を頭に叩き込んでおくことが重要で、動物がいるかどうか景色の変化に気づかない」とその難しさと出会った時の感動を熱く語ってくれました。

「久しぶりに足尾に来て、心と身体が癒され、とても気持ちの良い1日になりました。早朝から野生動物を探してあちこち走り回ってみましたが、残念ながら今日はカモシカ君も、キツネちゃんも、クマさんも姿を見せてくれません。それでも足尾の空気や景色、“みちくさ”さんでの楽しいお話が自分たちを笑顔にしてくれるので、とてもうれしいです。また近いうちにおじゃまさせてもらいます。今日もありがとうございました。(まさる、みつる、天才画伯 山下清(ヒグマ男))

 

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午後になると、渡良瀬遊水地の保全と上流の足尾・安蘇沢での植樹に取り組む「わたらせ未来基金」の皆さん5名が、安蘇沢植樹地の手入れと観察の帰りに立ち寄ってくれました。東日本大震災から5年6カ月が経ち、改めて減災・防災、いのちを守る森の防潮堤の役割の大切さを話されました。

 

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続いて、那須烏山市のKさん。「ジャンダルムに登りました。夏岩は久しぶりでした。今後はカモシカに会いたいです。」

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本日最後の森ともは群馬県のKさんです。「今日は久しぶりに散歩に来ました。水の音に、ゆっくりの風に、セミの声に、自然をたくさん肌で感じることが出来ました。また、“みちくさ”でのコーヒーとお話があたたかで、ありがとうございました。」

 

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 秋の訪れと共に自然の中で心と身体を癒し、人間も動物の仲間として、森に生かされていることを実感できた1日でした。

 

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 昨年9月、「大雨特別警報」が発令された関東・東北豪雨から間もなく1年です。先日9月8日の下野新聞では、「関東甲信地方における毎正時1時間降水量50ミリ以上の年間観測回数を統計処理した結果、回数は100地点、10年間当たりで1.6回増えた」と「非常に激しい雨」が38年間で1.5倍に増加していることを伝えています。また、「宇都宮市の平均気温は100年間で2.1度上昇しており、『温暖化の影響が大きい』と宇都宮地方気象台は分析。」していることも併せて伝えています。

今年8月の台風では、観測史上初という数値が多くの自治体で確認されました。温暖化防止の取り組みは、人々の命を守る急務の課題です。

地球温暖化にNO!森と生きる暮らしを考えていきましょう。

10月23日(日)、南相馬市鎮魂復興市民植樹祭が開催されます。私たち森びとは、いのちを守る森の防潮堤づくりに参加し、市民の皆さんとともに、山と心に木を植えます。

 

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(舎人:松井、清水  本日の放射線量 0.162μsv/h)

2016年9月10日 (土)

本物の山の緑の大切さを知りました!

  本日の舎人の初仕事は、大雨の影響で撒水用給水口が詰まっていましたので、清掃とホース内の空気抜きを行い水路確保しました。 松木沢では赤トンボやバッタが飛び交い、キクイモの花が秋風になびき太陽の陽ざしを受けて元気に育っています。 

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P9100025 最初に「みちくさ」を訪れてくれましたのは「大平山から黒檜岳を経て中禅寺湖を目指しましたが、想定時間を大幅にオーバーしてしまった。安全を考えて戻ってきました」と横浜市のKさんでした。「来年、陽が長い時季に挑戦します」と疲れも見せずに下山していきました。  次の訪問者も横浜市のSE(システムエンジニア)の天野さん。間藤駅の自転車を借りて「ゲートを出て2つ目の堰堤が見える所まで行き、もっと奥まで行きたかったのですが、スニカーじゃ危ないので今日は満足しておきます。『みちくさ』させて頂きました。ありがとうございました」と森ともノートに記してくれました。

P9100027  続いての森ともは、太田市の水本さんご夫婦でした。「初めて日本のグランドキャニオンを見に来ました。足尾の山が深く緑が少ないのには驚きました。色んな山へ登山しているのですが、緑の山の大切さを知りました。森をいつまでも守って下さい」と感謝のことばを頂きました。大変勇気づけられます。ありがとうございます。

P9100029最後に宇都宮出身で在京の学生さん:大橋さんが立ち寄ってくれました。「足尾には4~5回来ていますが松木村まで入ったのは、初めてです。荒れ果てた景色やカラミの山など衝撃的な風景を見て、色々考えるものがありました」また「お墓や松木村跡の歴史を学ぶことができましたので機会を見つけて再訪問します」と空模様を気にしながらの帰宅でした。

P9100030  皆様にまたお会えできることを楽しみにしております。

      本日の線量:0,125μsv/h    舎人:仁平・松井

2016年9月 9日 (金)

原発廃炉費用を利用者と新電力に負担させる?政府に怒り

 どうしてこんな新制度が検討されているのか、驚きです。いや、政府は国民を馬鹿にしているのか、と怒りを感じています。

Photo 昨日の報道を見聞きしていると、「政府が導入を検討している新制度は、原発を保有する大手9社だけでなく、新電力にも廃炉や福島原発の賠償費用を負担させる仕組み。新電力各社は電気料金に上乗せして回収するため、契約者の負担が増すことになる」(9/8付・『毎日新聞』)、という。

Photo_2 背景には、「4月に始まった電力自由化で大手から新電力に切り替える消費者が増えた場合、巨額の費用がかかる原発の廃炉や事故の賠償に支障をきたす可能性があるため」(同紙)らしいが、国民を見下すのもいい加減にしろ。

Photo_3 フクシマ原発事故では9万人以上が避難生活を余儀なくされている中で、その上、国民の過半数が原発に頼らない暮らしを望んでいるのに、そのような事を政府が検討しているなんで、新制度を命じた政府首脳の人間性はどこにあるのか、と情けないです。

Photo_4 とにかくその真相をつかんで、それが本当ならば今年前半に開催してきた「市民フォーラム」で出合った方々と話し合わなければなりません。(理事 髙橋佳夫)

 

2016年9月 8日 (木)

“素晴らしい勢いが最後は全くなくならないように”、今を大切に生きたい

台風10号が岩手県、北海道で多くの犠牲者と甚大な被害を出しました、亡くなられた方のご冥福をお祈りし、一日でも早い復旧を願っています。

P8145550 玉葱等の農作物被害の映像を見ると、私たちが育てている幼木も動けないので大雨に耐えなければなりません。そこで踏ん張って生きるしかないのです。

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 とにかく「現地に足を運んでください」、と先輩スタッフが訴えかけていることは、そんな苗木たちの様子を現場で見ているからです。しかし、現実は、言葉でいうほど甘くないのが人間です。自分のもつ弱さ、先送り・怠け癖そして色々な誘惑があるから、うまくいかないのさ。自分の弱さは最終的に、自分で克服する以外にありません。

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 何カ月も先の森作業予定を仲間たちと約束をしますが、そんなことよりも、明日は必ず来るものではないし、確約されたものではないだから、生命ある今を精いっぱい生きようと心掛けていることが私の本気度になっている気がします。

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 足尾入りしている先輩たちの中では、緊張感があって言いづらいかもしれないが、後輩たちから足尾へ入る決意がありました。どんなに耳触りの良い言葉より、自分を奮い立たせる本気度を問い直してみてはいかがでしょうか。

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 今、起きていることは「50年、100年に一度の災害」と言われています。つまり、私たちの経験則が通用しない環境に私たちは放り込まれていることを自覚すれば、何をなすべきかが見えてくると思います。

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 私は木の生長を楽しみにして、現場の木々たちから発信されることに勝るものはない、ということを第一に、森作業に励んでいきます。古希を卒業するスタッフのつぶやきでした。(スタッフ 松村宗雄)

2016年9月 6日 (火)

初の森作業集中日、約1.300㎡の草を刈りました

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Photo_2 誰もが「近頃の気候はおかしいなあー」、と思っているこの頃ですが、今日の足尾・松木沢は爽やかな沢風に映える青空が綺麗でした。今日は、先月20日の事務局・スタッフ合同会議後の初森作業でした。

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Photo_4 朝6時半頃は、写真(上)の様に、猿が道で遊び、鹿たちが朝陽を浴びていました。松木沢周辺の山々は、透きとおった青空に映えていました。

Photo_5 午前中は10/23に南相馬市で開催される第四回鎮魂復興市民植樹祭の応援方法を話し合い、その後は、イノシシが棲みこんでいる民集の杜で、イノシシの追い出しを行いました。(写真上:イノシシが荒らした跡)

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Photo_7 二頭のウリボウを追い出しましたが、話し合った結果、ウリボウの大きさを見ると獣害防止柵の穴からウリボウは出入りできるのではないか、となりました。(写真上:ウリボウが逃げた策を確かめて、柵にウリボウの毛があった)

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Photo_9 午後は、来月から始まる来春の植樹会場予定地の草刈りと草抜きを行いました。重機で開墾する目安を付けることができ、刈った面積は約1.300㎡でした。

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Photo_11 何時もの様に、この時季に草を刈ると、カマキリやコオロギなどの棲みかを奪ってしまいますが、木々が育っているのでそこに移っていただきました。

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Photo_13 20日の会議では、森作業は集中日を設けて、効果的な作業を実施することになり、今日は初日でした。また、作業後は30分の道具整備時間を設けよう、と決めましたので、刈り払い機の汚れ等を落とし、スイッチ等のチェックを行いました。

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Photo_18 一息しながら松木沢の周りを見ると、秋の気配が感じられました。

Photo_19 本日のボランティアは、鎌田孝男、松村宗雄、松村健、橋倉喜一、小川 薫、小林 敬でした。お疲れ様でした。(報告 高橋佳夫)

 

2016年9月 4日 (日)

空が高くなってきた松木沢です

朝9時、27.5℃。今日の松木沢の空の青は、とても澄んでいました。

P1000459 みちくさの前を通るのは釣りの方か岩登りの方でした。釣果もまずまずのご様子。「水量が多い」とのお話も。下流の草木ダムの貯水率を後で見たところ、9/2に97.7%に到達し、渡良瀬川の取水制限は全面解除されていました。

あれほど懸念された水不足の心配はいつの間にか消えていましたが、例年にない台風の襲来といい、気候が変だという感覚は拭い去れません。

P1000447午前中に、お馴染みの滝沢さん親子が、「7月に捕まえたカナヘビが産んだ卵を孵化させたので」とその子どもたちを松木沢に帰しにやってきました。

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カナヘビたちは、少しジッと考えて(?)から、みちくさの小屋陰に消えて行きました。カナヘビの寿命は2~3年だそうです。

P1000455虫やハ虫類がとても好きで、とても詳しい親子さんです。自然の生き物のサイクルを教えてくれてありがとう!

加賀スタッフも奥様と来られました。滝沢さん親子の「民集の杜の外側で、金網に突進するウリボウを目撃」の情報を基に、そろって確認に行きました。

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加賀スタッフが金網で先週ふさいだ土管です。

P1000464特に異変はありませんでしたが、植樹あとを荒らしているのは、やはりイノシシではという思いが強まりました。イノシシ対策は悩ましいですが、みちくさに戻るときの松木渓谷はすがすがしい秋空でした。

P1000467加賀さん、甘い梨をごちそうさまでした。お昼を食べた皆さんが帰られた後は、また静かな松木沢に戻りました。

P1000481そこで、橋倉スタッフと一緒に、新しいベンチづくりに挑戦開始です。チェーンソーとノミを使って奮闘。初めてノミを使った筆者は、何度もツチを手に打ち付けて飛び上がってばかり。

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P1000444今日のうちに完成には至らず、橋倉スタッフが引き続き製作です。近々皆さんに座っていただけると思いますのでお待ちください。

15時頃、ジャンダルムに登ってきたTさんとYさんが立ち寄られました。みちくさのアルバムをお見せしました。特にTさんは15年前から松木沢の岩や氷を登っているそうで、アルバムの写真で昔と今を較べておられました。橋倉スタッフが、昔ヘリコプターで土や種を撒いたときにタールも撒いたと話をした際、Yさんが「ジャンダルムが所々黒いのはそのタールのせいでは?」と話されたのは印象的でした。調べてみたいと思います。ぜひまた気軽に寄ってください!

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今後秋晴れの日が増えて、多くの"森とも"の皆さんと交流できることを楽しみにしています。

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今日の当番 : 橋倉・唐澤  (今日の放射線量:0.131μ?)

2016年9月 3日 (土)

草木は秋本番へ準備中の足尾・松木

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 気象予報などでは最高気温が30度超える、等と言っていますが、足尾・松木「遊働楽舎」周りの植物は秋本番を迎える準備に入っています。

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 写真は足尾竜蔵寺前のコスモス、ウワミズザクラの実、チカセシバの秋の装いです。

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 天気がよいので苗床のポット苗が悲鳴を上げていましたので本日は散水をしました

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 みちくさの訪問者は、埼玉県熊谷市在住のつり人・大内さん親子(娘さんも釣りをします)で、ルアー釣りを専門にしています。父は、栃木県内、岐阜県から東北福島、信州長野まで広範囲で渓流釣りに詳しい方でした。仕事は技術者で、東京ブリッジ、沖縄宮古島の伊良部大橋などを手掛ける全国区でした。

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 後姿を見ていると温もりを感じるお父さんでした。これからも渓流釣りを楽しんでください。

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 (舎人:岡安幸治、松村宗雄、本日の放射線量は0.154μSvでした)

 

2016年9月 2日 (金)

応援隊が相馬市の植樹祭へ苗木を届ける

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Photo_2 昨年9月、2日間で600㍉以上の大雨で鬼怒川の堤防が決壊し、大きな被害を受けた。1年後、今度は台風10号の大雨で、岩手県岩泉町と北海道十勝地方の川が氾濫して大被害と犠牲者が出ている。昨年と似ている点は、雨雲は日本海から太平洋にかけて縦に帯状になっていた。そして海水温度が30度以上に上がっていた、ということ。本州に上陸せずに直接北海道に上陸した3つの台風、そして直接東北に上陸した台風は何十年ぶりという。どうもその原因は海水温度の影響らしい。(理事 髙橋佳夫)

Photo_3 この台風被害に遭って行方不明者の捜索が行われている中ですが、昨日(1日)の南相馬市は台風一過。昨日は、鎮魂復興市民植樹応援隊の渡部代表、松林副代表、岩橋、東城両スタッフの4名が、森作業を行った。

Photo_4 隣町の相馬市で開かれる植樹祭(9月4日)に植えられる苗木を送り届けた。苗木は、ユズリハ280本、マルハシャリンバイ80本。軽トラに積み込み、相馬市光陽地区に届けた。現地では植樹会場が整いつつあり、現地のボランティアと苗木を会場近くに下ろした。

Photo_5 その後、南相馬市の苗床に戻り、除草作業と撒水作業、そして物置を設置した。(報告 岩橋 孝)

2016年9月 1日 (木)

高齢者の力を合わせ、東京都にいのちを守る常緑樹の森をつくろう!

 8月28日(日)、東京都西巣鴨にある大正大学で「まちから村からの連帯でひとりぼっちの高齢者をなくそう」をテーマに第30回日本高齢者大会が開催されました。

 日本全国から高齢者が集まり、高齢者が元気に暮らせる・活躍できるような様々なテーマでの学習会やシンポジウム、討論会が行われました。

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  当委員会からは、足尾で森づくりに励むスタッフ6名が「東京都に常緑樹の森をつくろう!高齢者の孤立予防」をテーマの分科会に参加をしました。

 

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 50名ほどが参加した分科会では、当委員会・高橋副理事長が司会を務め、まず初めに宮脇昭先生の提案を受け「森の防潮堤」づくりに取り組む一般社団法人 森の防潮堤協会 日置道隆理事長(輪王寺住職)より基調講演が行われました。

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 日置理事長からは、2011年3月11日に発生した東日本大震災後、宮脇先生と津波被災地の植生調査を行い、岩沼市で千年希望の丘植樹祭を開催し「いのちを守る森の防潮堤」づくりに取り組んできた意味について話がされました。

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 「あらゆるものは、その一瞬の間にも変化を繰り返しているが、私たち現代人は、今あるものが永遠に存在すると錯覚し、そこに執着が生まれ苦しんでいる。自然の森は自ずと存在し、森の中では絶えず生命の生滅を繰り返し、全体的に絶妙なバランスを保ちながら存在する」と自然観が語られ、5年間で約25万本の土地本来の木々を植え、植樹を通して「森づくりは人づくり」であることや、「科学と自然とが調和した社会をいかに築くか」「人類は自然と調和し共生する以外の道はない」と東日本大震災で得た教訓が話されました。土地本来の木々を植え、多様性のある森をつくることは新たな文明を築く第一歩です。森の破壊が文明の危機になることを歴史が証明していることから、東京都に住む人たちに対して、「人工物の塊である大都市は災害に弱い。未来の子供たちのために豊かな森をつくろう」と東京オリンピックの森を提唱されました。

 

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 続いて、どんぐり育て隊杉並 東京西部保険生協 河合政美専務理事長より、宮脇昭先生の指導によって常緑樹の苗をつくり、その苗を東京都内に植えることが提案されました。その問題意識として、首都直下型地震発生の可能性。東京の水、土地、環境を守ること。地震災害、水害からの被害を軽減すること。また、孤独死、孤立死が毎年3万人に上り、男性の一人暮らしの高齢者が増えていることから、高齢者の地域とのつながりをつくることが述べられました。

 この運動を通じて、「高齢化社会」に進む中で、高齢男性が中心となり木を植え、子供たちやお父さん、お母さん、市民全体へ広げていくことで孤立予防につながり、様々な世代の人たちと共に自然に触れ、世代間交流も進むこと。防災林で首都直下型地震時の火災の減災、環境保全、ヒートアイランド防止の役割が目指されています。

 課題として述べられたことは、どこに植えるのかということ。そして、行政の理解と支援がなければ出来ないことであり、住民と行政のまちづくり運動をつくりだしていくことです。30年先を目指し、人々の心に木を植え、木造密集地、海岸線や低地をはじめ東京のすべての町で森づくりを行いたい。当面は苗を植える場所を確保し、数年後には植樹を行いたいと熱い思いが話されました。

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 休憩ののちに討論が行われ、全国から参加された皆さんから活発な意見が出されました。

・岩沼市での森の防潮堤づくりはすばらしい取り組み。マンパワーがどのように結集したのか。 お金もかかるが、行政とのかかわりをどのようにつくったのか。

・南海トラフ地震に備えた対策を検討している。堤防より木を植えたほうが良いと聞いた。かなり広い場所と壮大な工事が必要。防潮堤の大きさはどのくらいになるのか。

・過疎化でクマやシカの被害が発生している。人が入らず土砂災害につながっているどう思うか。

・東京都狛江市に住んでいる。多摩川と野川に挟まれた坂のない平らな町で8万人ほどが住む。縄文から人が住み100以上の古墳があったが住宅開発で12基しか残っていない。武蔵野の面影がなくなっている。学校の統合で廃校となった学校跡地を里山にしようと訴えている。体育館を劇場に、学校をホテルやレストランにできる。東京に森をつくろうとする人がいるのは心強い。

・東京には植木屋は増えない。仕事では庭を壊すほうが多い。庭に植木1本植えない。伐採ばかり。ゆとりのなくなった世の中になってきている。他

 出された意見に対して、日置理事長、河合専務理事長、そして、森びと高橋副理事長からコメントが述べられ、盛況のうちに分科会が終了しました。

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 地球温暖化による異常気象によって豪雨災害が頻発しています。東京の下水が許容できる降雨の量は1時間に55mmと言われ、昨今の豪雨は1時間に100mmが当たり前のようになっています。防災・減災のための都市部への森づくりは急務の課題であることが、基調講演や活動報告、参加者からの意見でも明らかとなっています。

 どんぐり育て隊杉並の河合専務理事長は「都心の中で、どう火災に強い街をつくるか。東京はウオーターフロントで人口埋め立て地に高層住宅を建設してきた。そういうところに木を植えて減災につなげていくこと。東京オリンピックも緑の多いオリンピックにしたい」と抱負を語ってくれました。

 森びとの高橋副理事長は「12年前、地球温暖化防止のために木を植えようとNPO法人森びとプロジェクト委員会をつくった。死ぬまでに何をつくるか。森をつくることは未来をつくること。10年先、20年、子供たちに何を残すのか。暮らし方の問題、暮らしを見直そう」と高齢者の生き方について投げかけられました。

 全国の皆さんと、山と心に木を植えることのできた高齢者大会でした。

(報告者 東京事務所・清水 卓)

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