命を育み、生態を持続させる自然界の“掟”
21日朝4時頃、“ヒョロ~!ヒヨロ~!”という鳴き声が聴こえてきた。アカショウビンの鳴き声だ。遠く西表島方面から渡ってくる夏鳥で、口ばしから尾まで真っ赤な色。姿は見せてくれなかったが、1時間ほど囀ってくれた。(写真:あきた森づくり活動センターより)
窓を開けるとツバメが室内に入り込み、カーテンの上で何やら考えている様子だった。
私たちは集落民が運営している「森林の分校ふざわ」(廃校となった小学校の校舎を宿泊できる施設にした)にお世話になったが、窓から見えるのは大野昭彦理事たちが応援している美しい棚田。
湧水が流れ着く川原ではキセキレイが子育て中。水中にはカワニナ、タニシ、川虫たちが落ち葉を分解し、カワセミ、アカショウビン、キセキレイ等の餌となり、そして間もなく静かな夜空を乱舞し、私たちの心を癒してくれるホタル、夕食で馳走になった美味しい天然イワナ等の命を、ブナの森は育んでいた。すべての生き物がブナの森に生かされている。
この生態はすべての生き物たちの“掟”によって持続している。その基本は人間をはじめとした生き物たちが“生存していくための我慢”であった。(理事 髙橋佳夫)
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