真夏日の足尾「松木郷」。沢から吹く風に癒される。
7月20日(日)、「松木郷」の天気は晴れ。「遊働楽舎(愛称“みちくさ”)」に到着した9時の寒暖計は33℃でしたが、12時には36℃に上昇しました。
深津さんが初の舎人入りです。“みちくさ”のオープン準備、取水口点検、放射線量の計測などを一緒に行いました。
日差しが強く少し歩いただけで汗が出ます。線量測定のついでに、「民集の杜東」のヤマユリの開花具合を確認に足を延ばしました。
杜に入ると足元の苔からキノコが生えていました。いたるところに生えており、高いところから流れた水で菌糸が広がっていったのかと思いました。
食用ではないのが残念ですが、倒木や枯れ木のセルロースを分解してくれるのがキノコ・菌糸類ですので、森の木々に栄養を与えてくれる貴重な存在です。
ヤマユリは蕾をふくらませていましたが、開花はもう少し時間がかかるようです。
戻りは「民集の杜西」を抜けて行き、ここでも苔の絨毯にキノコが傘を広げていました。「民集の杜東」とは違って大きなキノコも見られました。
普段は草刈り作業でしか森に入らない深津さんは、森の中をゆっくり見たのは初めてで、秋でもないのにたくさんのキノコが生えていることに驚いていました。栃木県の夏のキノコと言えば“チタケ”が有名で、ナスと炒めて出汁を取ったチタケ汁で食べるウドンやソバは絶品です。食べられるキノコではなくて残念がっていましたが、“キノコ狩り”が出来るような森に生長するのが楽しみにもなりました。
落ち葉を分解する土壌動物の他に枯れ木を分解するキノコ・菌糸類が増え、光合成を通じて無機物を有機物に変え私たち生き物に森の恵みを与えてくれる樹々、森の機能が豊かになってきていることを感じました。
“みちくさの庭”に入ると、オレンジ色の花を咲かせるニッコウキスゲの茎にはアブラムシとアリが共生していました。アジサイの花にはマメコガネやハナムグリが蜜を吸っていました。ジャノメチョウやアキアカネ、シオカラトンボが飛び回っています。
“みちくさ”に戻り訪問者を待っていると、沢のせせらぎの音、森からはウグイスとヒグラシの鳴き声が聞こえてきます。窓から吹き抜ける心地よい風に、心と体が癒されます。
15時過ぎ、松木渓谷から降りてきた登山者2名に「休んでいきませんか」と声をかけましたが、「先を急ぎますので」と足早にダムゲートに向かっていきました。
その後、昨日立ち寄ってくれた3名の登山者が下山してきました。「休んでいきますか」と声かけしましたが、「昨日は冷たい水をいただき有難うございました。水がなかったらヤバかったです」とお礼の言葉を伝えてくれました。
3連休の中日、心地よい風と昆虫たちに癒された“みちくさ”でした。皆さんのお越しをお待ちしています。
本日の舎人は清水、深津でした。(報告 清水卓)
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