世紀末の「生存の不安定」な時代を脱するアクション年!
2016年明けましておめでとうございます。今年も“森とも”の志と情熱に支えられて、12年目の“山と心に木を植える”運動を地道に逞しく進めていきたいと願っています。(写真:足尾中倉山からの富士山)
皆様と共に育てている足尾の森は、未来のいのちを育む大切な森に育ち、八幡平の森も厳しい環境の中で逞しく生長しています。また、南相馬市のいのちを守る森の防潮堤づくり応援は今年で3年目を迎え、市民と結成した「応援隊」がその運動をけん引していけるようになりました。皆様のご支援、ご協力に心から感謝申し上げます。
昨年12年のCOP21パリでは196の国と地域が「パリ協定」を採択しました。この協定は、地球とともに生きていく全人類の誓い、という意味が含まれているのではないでしょうか。今後は、地球温暖化にブレーキをかける全人類の本気度が試されます。(写真:岩手山)
今、人間が排出する二酸化炭素排出量は森や海が吸収できないほどの量になっています。その上、国連に提出した各国の二酸化炭素排出削減目標が全て達成できたとしても、気温上昇を2度未満に抑えることはできません。このままの暮らし方を続けていくならば、世紀末には「生存が不安定」な時代を迎えることになるでしょう。
言うまでもありませんが、COP21パリ協定は採択した国と地域の対策だけでなく、私たちの暮らしを見直す問題でもあります。しかし、どんなに市民が暮らしの中から二酸化炭素排出を削減しても、排出量の多い企業の削減努力が実現しなければ、地球温暖化にブレーキをかけることはできません。その上、環境問題は重要な政治問題でもありますので、市民の政治へのかかわりにおいて、その力量が問われます。
新年を迎えて、私たちは、地球温暖化や戦争政策による世紀末の「生存の不安定」から脱するために、平和で安心な地球での生存を可能にする新しい時代の創造をめざすスタート年と位置づけようではありませんか。(写真:足尾中倉山稜線の孤高のブナ)
昨年11月6日に開催した「ストップ!地球温暖化 森と生きる暮らしを考えるフォーラム」では、地球温暖化にブレーキをかける宣言を採択し、原発に頼らない未来のいのちを育む森と生きるライフスタイルを世界へ拡げていくことを誓い合いました。
ご存知のように今年4月からは電力は自由に選べるようになります。原発に頼らない暮らしを求めていく私たちにとっては、地域で再生可能エネルギーを開発しているエネルギーを消費し、その輪を拡げ、原発回帰の流れをストップさせなければなりません。
新しい時代の創造は、森と生きてきた縄文人の智慧と文明をヒントにして、多くの方々との話し合いの積み重ねが欠かせません。今年も、健やかにそして逞しく、“山と心に木を植えて”いきましょう。(理事長 岸井成格)
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