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2016年1月の15件の記事

2016年1月 8日 (金)

先人の知恵は脈々と長生きしてほしい

P1072373_640x479 寒の入りが始まると身も心も締まる感じです。寒さはそのきっかけをつくってくれます。その経験が積み重なって、体得となり、暮らしの知恵と文化に発展されてきたのかもしれません。

P1072367_640x407 昨日は春の七草粥を食べました。フランス人も春の訪れとともにデパートの食品売り場でタンポポの葉を買って食します。雪国・下北半島の方も雪が融けだす頃、イワシの焼き干しと味噌と柔らかいタンポポの葉を混ぜたものをホタテの貝殻で焼き、最後に卵をからませて食します。

P1072370_452x640 始めて食した先人は相当な勇気があったと思います。毒が含まれているかもしれない、棘があって身体を傷つけるのではないか等など。食べてみると、身体の変化に気づかされ、柔らかい葉は身体に良いタンポポとなっていったのでしょう。現代では、葉の植物繊維の働きによって整腸される、となりますが。

P1072374_640x480 七草粥を食べる、ということは無病息災を祈るということが言われています。“自然の力に感謝し、植生を敬う”という、人は森に生かされていることを身体に吹き込む、ということではないかと思います。そんなことを思って食べました。

P1072386_640x480 ラジオニュースやテレビ報道を観ていると、寒の入りに感謝する気分にはなれません。「癇(かん)」に障ることが多い新年明けですが、生物社会の小さなコミュニティーが人間社会に過ぎない、という冷厳たる事実からこれからの文明を創造したいものです。

640x491 筆者は現役時代に、中国から北朝鮮に米と塩を列車で運び入れました。食糧難で困窮している北朝鮮の子供たちに立食べてもらおうと。その時、感じたことは北朝鮮の森には木々が少なく、雨が降る度に農作物が一気に流されてしまう土地になっていた、ということでした。

(理事 髙橋佳夫)

2016年1月 7日 (木)

「申年」の主役に歓迎された足尾・松木沢

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2016_0106_151223dscn2293_606x500  寒の入り(小寒)の昨日、今年初めての足尾森作業でした。“どくだみ荘”に立ち寄ると、けたたましい鳴き声とトタン屋根を叩く音にビックリ。申年の歓迎かなと思って屋根を見上げると、猿の一団があわてて逃げるところでした。心の中で「今年もよろしくな!」と新年のあいさつをしながら、追い払いました。

2016_0106_121210dscn2260_640x480 鎌田スタッフと筆者は、道路の凍結に備えて少し遅れて現地に到着しましたが、松木沢の気温は5度という暖かさでした。今年の“初舞台”は、民集の杜、松木の杜の獣害点検でした。 昨年5月の植樹祭で植えた民集の杜の木々達は、殆ど枯れもせず厳しい寒さに耐えて、静かにたたずんでいました。

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2016_0106_134252dscn2275_640x478松木の杜は、ネットの異常は見られませんでしたが、動物の食害がかなり多くみられました。そんな中で救いだったのが、膨らんできた冬芽、ほんの少しの花びらを付けた寒桜、茶色一色のなかで白い肌を見せているシラカンバが元気なことでした。

2016_0106_140518dscn2290_640x478 鎌田スタッフは、ネット点検をしながら大きくなってきた木々の下枝を切っていました。余分な下枝を切ることで、上に伸びる速度が速くなるそうです。

2016_0106_120715dscn2257_640x477 昼ごろになり空は青空に変わり、さらに暖かな一日でした。昼食を食べながら、北朝鮮の水爆実験?に憤りを感じ、気候変動や戦争、紛争等で「生存が不安定」な時代を生きる大人は、出来ることを着実にやっていきたいものです。森ともの皆さん、今年もよろしくお願いします。(スタッフ 橋倉喜一)

2016年1月 4日 (月)

暖冬の足尾・松木沢でも森作業をはじめました

Dscf2704_640x480 明けましておめでとうございます。森びとプロジェクト委員会の新たな10年がスタートしました。

Dscf2708_640x479 今日の森びと広場の天気は雪も雲もない快晴でした。異常気象のなせる業なのですか、正月にもかかわらず足尾の峰々に積雪を見ることができないのは、10年前に植樹活動をスタートさせて初めてのことです。

Dscf2709_640x479 また、食害対策に頭を悩ます鹿が少ない、空を見上げても猛禽類のタカ・ワシが舞う姿も大幅に減少しているようです。人間は暖冬で過ごし易い日でしたが、他の生き物たちはどうしているのだろうか。

Dscf2706_640x479 などとのんきな事は言っていられないのが自然界。こんな無降雪状態が続くと、今夏は水不足が心配です。この暖かさは気候変動を実感した一日でした。

Dscf2712_640x581 今日は森作業始め。柳澤スタッフと筆者の2人で南相馬市の森の防潮堤に提供する苗木の観察と散水をしました。暖冬が続いた5日振りのハウス内は相当な乾燥であった、と心配していましたので、苗木に水をあげました。

Dscf2711_640x480 このような暖冬が春まで続いていくなら、木々の芽吹きも早まめるのか、と心配しながら散水しました。森ともの皆さん、今年もよろしくお願いします。

Dscf2701_640x480(スタッフ 松村宗雄)

森の恩恵に支えられている人間の暮らし  

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 暖冬の新年を迎えた。朝6時半頃、森は薄暗く、窓から三日月を観ていると外は寒そうだ。20年以上も標高約1300㍍の森で新年を迎えているが、こんなに暖かい年は初めてだ。とは言っても朝の気温は-10度程になっているが、いつもの時季は-15度程であるから今年は暖かい。

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 寒いと身体を縮めてしまうが、唯一常緑樹のシャクナゲの葉も縮こもる。しかし、朝陽が当たってくると写真の様にシャクナゲも葉を拡げて、嬉しそうに深呼吸をしているようだ。

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 暖冬だからいつもの冬鳥たちには遭えないと思っていたら、ベニマシコが餌台に姿を見せてくれた。遠方より友来る、である。

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 太陽の陽が眩しくなると、小鳥たちが活発に飛びまわる。

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 浅間山は1873年に大噴火した。火砕流などで大勢の村民がその犠牲になった。毎年、その犠牲になった村民の気持ちを忘れまいと、近くの鎌原観音にお参りする。今年は、近くの鎌原神社にもお参りした。

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 この境内には、寿命250年のモミの木、樹齢350年のケヤキの巨木が生きている。案内板によると、昔はモミの木で棺桶を作り、亡骸を土に戻していたという。ケヤキは鎮守の森の主役になって神社を守っていたという。

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 また、神社の入口には1800年代の土蔵がある。異常時の村民共有倉庫らしい。写真の様に土蔵には一切金属は使われていない。材は土と植物だけである。土は植物の葉や枝などを土壌分解動物たちの働きで作られたものだ。

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 2016年は、“ストップ!地球温暖化 原発に頼らない 森と生きる暮らし”を創るアクションのスタート年。人類の責務として、改めて、森に寄生して生かされている冷厳な事実を認め、生存が不安定な時代を迎えないようにしたい。(理事 髙橋佳夫)

 

2016年1月 1日 (金)

世紀末の「生存の不安定」な時代を脱するアクション年!

640x480 2016年明けましておめでとうございます。今年も“森とも”の志と情熱に支えられて、12年目の“山と心に木を植える”運動を地道に逞しく進めていきたいと願っています。(写真:足尾中倉山からの富士山)

P4229963_640x601 皆様と共に育てている足尾の森は、未来のいのちを育む大切な森に育ち、八幡平の森も厳しい環境の中で逞しく生長しています。また、南相馬市のいのちを守る森の防潮堤づくり応援は今年で3年目を迎え、市民と結成した「応援隊」がその運動をけん引していけるようになりました。皆様のご支援、ご協力に心から感謝申し上げます。 

640x480_2 昨年12年のCOP21パリでは196の国と地域が「パリ協定」を採択しました。この協定は、地球とともに生きていく全人類の誓い、という意味が含まれているのではないでしょうか。今後は、地球温暖化にブレーキをかける全人類の本気度が試されます。(写真:岩手山)

640x547_2 今、人間が排出する二酸化炭素排出量は森や海が吸収できないほどの量になっています。その上、国連に提出した各国の二酸化炭素排出削減目標が全て達成できたとしても、気温上昇を2度未満に抑えることはできません。このままの暮らし方を続けていくならば、世紀末には「生存が不安定」な時代を迎えることになるでしょう。

Pc312805_640x579 言うまでもありませんが、COP21パリ協定は採択した国と地域の対策だけでなく、私たちの暮らしを見直す問題でもあります。しかし、どんなに市民が暮らしの中から二酸化炭素排出を削減しても、排出量の多い企業の削減努力が実現しなければ、地球温暖化にブレーキをかけることはできません。その上、環境問題は重要な政治問題でもありますので、市民の政治へのかかわりにおいて、その力量が問われます。

640x439 新年を迎えて、私たちは、地球温暖化や戦争政策による世紀末の「生存の不安定」から脱するために、平和で安心な地球での生存を可能にする新しい時代の創造をめざすスタート年と位置づけようではありませんか。(写真:足尾中倉山稜線の孤高のブナ)

640x543 昨年116日に開催した「ストップ!地球温暖化 森と生きる暮らしを考えるフォーラム」では、地球温暖化にブレーキをかける宣言を採択し、原発に頼らない未来のいのちを育む森と生きるライフスタイルを世界へ拡げていくことを誓い合いました。

607x519 ご存知のように今年4月からは電力は自由に選べるようになります。原発に頼らない暮らしを求めていく私たちにとっては、地域で再生可能エネルギーを開発しているエネルギーを消費し、その輪を拡げ、原発回帰の流れをストップさせなければなりません。

Photo 新しい時代の創造は、森と生きてきた縄文人の智慧と文明をヒントにして、多くの方々との話し合いの積み重ねが欠かせません。今年も、健やかにそして逞しく、“山と心に木を植えて”いきましょう。(理事長 岸井成格)

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