42年前の足尾銅山閉山に想う
昨日(24日)は1973年に足尾銅山が閉山した日です。今から42年前のことですが、100年間以上も続いた銅の精錬による間伐、煙害等によって壊された自然は、痛々しい姿として残っています。
先週20日付けの『毎日新聞』17面では、100年以上も生きているブナが紹介されました。
一世紀以上も生きているこのブナの根元は、その北斜面が豪雨や雪解けによって削られ、土砂が流出しています。
100年前からは煙害による土砂崩壊に耐え抜き、現在は地球温暖化による豪雨にも耐え抜いていかなければならないのがこのブナです。多分、このブナは人間の傲慢な経済活動に、暮らし方に警鐘を鳴らしているのかもしれません。
1956年頃から本格的な治山・緑化事業が開始されて緑が多くなりましたが、今でも岩山(はげ山)が目立つ足尾銅山跡地。
その緑も本物でなく、先駆種であるヤシャブシ、ニセアカシヤ、リョウブ等での緑です。ハゲ山を森に蘇らせるには気の遠くなる人間の労苦がともないます(『よみがえる国土』社団法人日本治山治水協会発行参照)。
でも植林しなければ、いのちの源泉である森は育ちません。今日も足尾松木沢ではわが森びとスタッフが育樹活動をしています。(理事 高橋佳夫)
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