森を敬い、森と生きる日本人の心を明治神宮から世界へ!?
「スーパー台風」の上陸が心配でしたが、明治神宮の杜の力が台風の速度を抑えてくれました。
その杜は、「心の森探訪in明治神宮」に参加した34名の皆さんに100年後の杜をイメージして育てた先人の本物の杜づくり哲学、そして100年後の杜が人の生命を育む杜に育った自然の力の素晴らしさを教えてくれました。
昨日は、「心の森探訪in明治神宮」を開催してきました。10時半、強風と豪雨を気にしながら集まってくれた皆さん。最初は、青木淳一先生の神宮の杜案内、心の森探訪を企画運営した小黒事務局次長からのタイムスケジュールが説明されました。
その後、明治神宮管理部管理課主幹・田中昌之技師による明治神宮の杜の歴史と現状について、杜を散策しながら案内がありました。同行してくれたのは、総務部広報調査課・稲葉梓さんでした。
100年前のこの地は、アカマツ林と畑や草地そして沼地の荒れた地でした。明治天皇を祀る神社をつくるには、“鎮守の森”が必要として、林学博士・本多静六先生をはじめとした「明治神宮造営局」が発足して、1914年から杜づくりが始まりました。
全国から送られてきた10万本の献木を植えましたが、この杜づくり計画は4段階を経て完成する内容で進められました。現在の杜は234種・約4万本で杜が構成していますが、計画はその最終段階にあります。植物社会の競争・掟などに任せて、主木のカシ、イシ、クスノキが成長し、二世代目の木々も育ち、常緑広葉樹が広がっている杜の様子を見ることができました。これからは主木が人手を介さず、自ら世代交代を繰り返す“天然相林”に到達していくそうです。
青木先生からは、この“鎮守の森”と生きている動物たちが説明されました。生き物たちの暮らしは、杜づくりを始めてから50年後、100年後に調査をしてきた青木先生たちのデータを基に、“鎮守の森”に生きている動物たちが紹介されました。
13時頃からは、原宿のレストランで昼食・交流をしました。交流会では、“自然の猛威が荒れ狂っている現代には、この杜が何十万人の生命を守ってくれるのではないか”、“日本の先人が培ってきた森を敬い、森と共に生きていく文化を世界の人々へ拡げていくべきではないか”、等を語り合いました。田中さん、青木先生、稲葉さん、忙しいところ案内していただきありがとうございました。(理事 高橋佳夫)
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