オオムラサキが感動を与える森づくり
いのちの森だ、ということを感じてもらうためにはどうしたらよいのか。森はいのちの源泉だと言うけれど、どうしてだと質問されると困ってしまう。今日はそんな質問に難しい答えは必要ないと自信をもちました。今日は、中央本線小渕沢駅の東京寄りの日野春駅を下車して八ヶ岳に向かって900㍍の所にある「北杜市オオムラサキセンター」を訪ねました。この地にその答えがありました。
ここには小さないのちが枯れ葉の下で越冬していました。昨年、オオムラサキがエノキの葉の裏に卵を生み、孵化した幼虫が霜柱の上にあるエノキの葉の裏で芽ぶきを待っていました。幼虫は高さ2㍍程のエノキの葉を3分の1ほど食べて、6月中旬に羽化します。このオオムラサキの羽化は多くの人たちに感動を与えるといいます。
この幼虫の多くは越冬する前にシュジュウカラの餌になってしまうと言われました。多くの蝶もそうであると言われました。また、オオムラサキをはじめとした蝶は棲み分けをしているとも言われました。蝶の幼虫は餌(オオムラサキはエノキだけの葉を食べて他の蝶も餌・葉を特定している)を分け合い、羽化すればクヌギなどの樹液をカブトムシやクワガタなどと分け合って舐めていると言います。エノキ、クヌギ等の樹液、葉、樹皮など木のあらゆるものは、全ての生物のいのちを育んでいるということを実感しました。
今日は、このセンターの元館長さんであった跡部さんの森づくりの話を伺ってきました。話では、足尾の森でもオオムラサキが舞い、蝶の美しさに感動する森をつくろう、と話が弾みました。5周年記念の森づくりではエノキを植えることになりそうです。跡部さんお世話になりました。
コメント