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2020年11月の15件の記事

2020年11月12日 (木)

心に植えた森づくり15年の宝物・・・その③

 間もなく足尾・松木村跡地の森(杜)は眠りに入るが、その森の紅葉は9日のブログで紹介した。奥日光や中禅寺湖周辺の紅葉狩りは交通混雑しているので足尾・松木沢に来ました、という方々が松木沢に訪れる方を毎年、増えている気がする。以前、植樹祭に参加して、木々の生長を見に来ましたという方もいる。

Pb094525  また、中倉山の「無言の語り木」(「孤高のブナ」)に会いたいと登山する方が多く、中倉山は栃木県の百名山に紹介された。

20201028 写真:宙林子さん

 足尾スタッフがチャレンジ精神を15年間も貫き通したのは色々な理由があると思うが、筆者は、旧足尾銅山の歴史探訪以外の足尾の魅力、つまり、森の素晴らしさ、生きものたちの息づかいに遭いに来る方々の声が、チャレンジ精神を支えている。松木村跡地に立って、「緑が増えましたね」、「カモシカに遭いに来ました」、時には、海外の方々の訪問など声を聴く度に、森づくり作業が愉しくなっている。

Pb093801  もちろん、森作業中にはそんな気持ちになっているわけではない。それぞれが真剣に、かつ丁寧な作業をしている。その結果が松木沢の森(杜)になり、その杜(森)は人々の心を豊かにしているのではないかと思っている。足尾・松木村跡地は“負の遺産から未来の財産”を創っているのではないかと思うと、70歳を過ぎても森作業が愉しくなる。

Pb093764  多くの皆さんに支えられている足尾ふるさとの森づくりに感謝である。(理事・高橋佳夫)

2020年11月 9日 (月)

足尾・松木沢の紅葉狩りを愉しみながらの森作業

Photo 足尾・松木沢の朝8時半の気温は6度。天高い青空が透き通っている中を西北の風が吹いていました。モーニングコーヒーを飲みながら、本日の森作業打合せ。Photo_2 Photo_3 Photo_4 Photo_5 Photo_6 3 午前中は予定通りのクヌギとエノキの移植。ビニールハウスをオオムラサキ園に作り変える作業。ハウスの屋根のビニールをカットして、ハウス内にクヌギとエノキを植えました。Pb093721 時折、風花が舞っていましたが、作業は、予定通り、12時10分前に移植は終わりました。Photo_8 午後は、先月JR貨物労組関東の組合員に運び上げていただいた獣害防止用のスチール製の柵で苗木の周囲を囲いました。Photo_9 Photo_10 Photo_11 Photo_12 3_2 Photo_13 急斜面の階段を登っての作業でしたが、今日は写真のように「臼沢の森」は紅葉真っ盛りでした。とても贅沢な気持ちで作業ができ、終わらないと思っていた柵設置は95%が終わりました。残り5%は柵の出入口を作るだけです。Photo_14

Photo_15 Photo_16 本日の作業は、鎌田、小川、福原そして筆者でした。(報告・高橋佳夫)

2020年11月 8日 (日)

応援隊結成5年の経験を磨き上げて次のステップへ

 昨日(7日)13時、南相馬市応援隊は市内で応援隊結成5周年記念慰労懇談会を開催しました。市役所からは、南相馬市役所・経済部中目理事、農林整備課武内係長、諸井副主査が来賓として出席していただきました。

Photo  外部からの出席者は、NPO法人森びとプロジェクト委員会・髙橋副理事長、足尾スタッフ松村宗雄さん、加賀さん、柳澤さん、森びと福島県ファンクラブ・斎藤さんが参加してくれました。慰労懇談会では、会員と来賓の方々含めて25名で意見交換が行われました。

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Photo_4  結成から5年の活動報告は佐藤スタッフがパワーポイントを使って、その歩みと意義について報告しました。その後、森びと・髙橋副理事長からは、15年間の森づくり活動で学んだ事、世界中の人々が初めて体験している「複合災害」下での暮らし方等についての話を聞きました。第2部は、進行役・東城スタッフのリードで、森の防潮堤づくりの市民と行政間の意見交換を行いました。前市長の桜井さんからは、震災当時の状況や脱原発宣言都市の策定時の熱い思いと経緯などが紹介されました。

Photo_5  本日(8日)は、東日本大震災の津波に耐え抜いた南相馬育ちのシロダモの子(苗木)約960本を苗場に搬入、苗木の里帰り整備を行いました。

Photo_6  まずは、モーニングコーヒーを飲みながら、苗床の様子を紹介し、網の中のシロダモをトレイに移しました。

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Photo_9  その後、60㌢ほどに育ったシロダモ30本を持って、場所を移動。先月25日の植樹祭会場の南側に、そのシロダモを祈念樹として植えました。故・竹内アドバイザーの魂が宿っているシロダモですので、30本に目印を付け、丁寧に育てていきます。

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Photo_12  これからの応援隊は、鎮魂復興の心をしっかり持って、ふるさとの木による命の森の防潮堤づくりを継続していきます。会員の皆さん、市役所の皆さん、足尾スタッフの皆さん、2日間お疲れ様でした。(報告・岩橋)

2020年11月 6日 (金)

故・竹内アドバイザーの魂が宿るシロダモが故郷へ帰る

 明日は南相馬市生まれのシロダモ950本を足尾から出生地へ運びます。 昨日は、その作業を行いました。当会のアドバイザーであった故・竹内さんが南相馬市のシロダモのどんぐりを収拾したものを、私たちは奥さんからそのどんぐりを引き受け、鎌田スタッフと足尾スタッフが育てました。竹内さんの魂が宿っているシロダモですので、南相馬市の森の防潮堤に植えてもらうために、明日、運びます。Content_1 天気は写真のように青空で、「臼沢の森」の紅葉が真っ盛りを迎えようとしていました。Content

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 午前中は、950本の苗木をネット袋に入れ、コンパクトにしました。午後は、「臼沢西の森」内の階段を造りました。来年から開始する「代行植樹」会場になる「臼沢西の森」の整備です。木を植えたくても東京から足尾に来るには時間がかかり、日光駅から足尾への交通の便も悪く、その上コロナ禍ということでは現地を訪れて木を植えるのは難しい。Content_4 そこで電話やインターネットで木を植えたい人の依頼を受けて、足尾スタッフが木を植えようというもの。植えた苗木はインターネット上で位置を確認でき、植えた報告はブログで報告していくという方法で森づくりを始める予定です。Photo_6 その会場の急斜面に階段を造りましたが、もう少しというところで間伐材が足りなくなり、作業は中断。今月中には仕上げる予定です。昨日の作業は、加賀、橋倉が行いました。(報告・橋倉喜一)

 

2020年11月 3日 (火)

中倉山「無言の語り木」(孤高のブナ)を元気にする恩送り

 本日11月3日(火)は、『中倉山「無言の語り木」(孤高のブナ)を元気にする恩送り』を行いました。

 煙害の影響で、今も”孤高のブナ”の生きる北斜面は表土がなく、風化した岩山となっています。大雨が降るとわずかに残る土壌も流出し、煙害に耐え120年以上生きているブナの根がむき出しとなってしまいます。当会は「無言の語り木」(孤高のブナ)を守ろうと、林野庁の指導もいただきながら、根を守る活動を行っています。

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 昨年は、林野庁の皆さんや宇都宮ハイキングクラブ、森ともの皆さんと一緒に、黒土と植生袋を背負い上げ、根がむき出しとなった斜面に植生袋を貼り付けましたが、今年は、コロナ禍でもあり、感染拡大防止の観点から、今回は森びと関係者10名で行うことにしました。

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 各自、10リットル入りの黒土を背負い、登山口を9時に出発。一路ブナを目指しました。登山口からは九十九折の急斜面、すぐに汗が吹き出します。小休止を取りながら登り、1時間ほどで最初の尾根に到着しました。

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 ここから中倉山の尾根を眺めると、一本スクッと立つ木が見えます。これから会いに行く孤高のブナです。

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 息を整え、尾根筋を更に上ります。青空が広がり、南側の山々の紅葉が目に飛び込んできます。疲れも一気に吹き飛びます。

 

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 登り始めから2時間。11時に待望のブナと再会です。

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 荷物を下ろし、早速、植生袋づくりです。2人1組となり、10リットルの黒土で草のタネが入った植生袋を2つ作ります。

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 ブナの根が伸びる北斜面を確認すると、むき出しとなっている根を見つけました。昨年貼り付けた下の段です。

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 出来上がった20 袋を斜面に貼り付け、鉄の杭で止めました。土壌流出地からすると猫のひたいほどかも知れませんが、木にとって大切な根端を守ることが出来ました。

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 ブナは葉を落とし、冬に備えています。

 気候変動によって巨大化する台風や豪雨に耐え続けるブナは私たち人間に「暮らしの転換」を訴えているように思います。

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 2年前から張り付けた植生袋からは草が生え、もとの草地と一体化しています。引っ張っても取れず、土壌をしっかりと抑えつけていました。芽が出るとシカにたべられ、それでも根を張り、芽をはやす姿に涙が出そうになりました。

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 中倉山を愛する登山者のみなさんの“ブナを愛する心”にも感謝申し上げます。

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 作業を終え、森びとを代表して清水理事がお礼の言葉を述べ、ブナをバックに記念撮影を行いました。

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 南斜面に座り、紅葉する山々を眺めながら昼食です。ひと味プラスされます。

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 昼食を終え、下山の途につき、尾根筋から北側の松木方面を眺めると、荒廃地の中に小さいながらも紅葉する森が見えます。当会が15年前から多くのボランティアの皆さんと育てた森です。

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 松木川上流部の荒廃地に森が蘇るまでには、どれほどの労力と年月がかかるのでしょうか。人間が壊した自然は人間の手で直さなければなりません。一人の力は小さいですが、多くの森ともの皆さんとこれからも木を植え、いのちの森を育てたいものです。

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 下山は膝を痛めやすく、70才を超える先輩スタッフにはこたえます。背負う荷物を分担し、休みながら歩き、無事登山口までたどり着くことができました。

 

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 「ブナを元気にする恩送り」に参加していただいた森ともの皆さん、お疲れ様でした。横断幕作成に協力をいただきました、JREU大宮の皆さんありがとうございました。

 本日の参加者は、松村宗さん、山本さん、清水さん、宮原さん、菅野さん、小柴さん、木村さん、 太田さん、野澤さん、筆者・小川でした。

(報告・小川 薫)

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