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2011年11月の14件の記事

2011年11月30日 (水)

人類の幸せは森づくりから始まる

Dsc04231  明日からは師走です。アフリカではCOP17が開催されていますが、各国のエゴがぶつかり合っているのでいのちの大切さが蔑ろになっています。二酸化炭素削減目標に向けた各国の取り組みが進んでいますが、時間が過ぎるのが早いものですね。貴方の目標は達成できましたか。

Dsc04235 そんな思いをしながら今日は、朝、早くからJICA研修の事前研修でした。と、言ってもサルが越冬準備で樹皮を食べてしまうので午前中はその対策をしました。松木の杜ではユキツバキやヤブツバキの葉がウサギに食べられてしまっているので、今日の前半は桜の樹皮がサルに食べられる前に枝のガードをしました。

 午後からはJICAのお手伝いです。事務局の宮原、小川両氏のフォローで5カ国9人の荒廃地植生回復のお手伝いができました。明日は、研修者の皆さんが足尾現地に立っていただき、私たちの7年間にわたる森づくりの教訓を伝えていきたいと思っています。現在、そのためのリハーサルを行っています。東日本大震災・原発事故は世界の人類への警告です。“森に生かされている”ことを政治と経済そして暮らしの基底に据えていくことが幸せにつながっていくことを伝えていきたいとリハーサルをしています。

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2011年11月29日 (火)

臼沢で越冬する鹿がやってきた?

Pb294058 来年夏に顔を見せてくれることを願って作っているカブトムシ、クワガタ飼育の枠組が今日、完成しました。作業は済賀事務局が手伝ってくれましたので午後の時間で仕上げられました。

Pb292528  今日は風もなく時々太陽が顔を出してくれました。朝、松木の杜を見回ると鹿が一匹侵入していましたので、ネットをチェックすると2箇所に穴が空いていました。ビニール製のネットをかじっているようでしたのて、新しいネットでその部分を覆いました。いよいよ越冬する鹿が臼沢周辺に集まって来ています。雄鹿は角があるのでネットの穴を通って侵入するのは大変なようですが、若い雌鹿が怖さ知らずに入ってしまうのでこれからはそのチェックが重要な育樹作業となります。この周辺が縄張りの鹿たちは“ネット侵入はやばい”ということを学んでいるのですが、遠くからやってくる鹿たちは“やばい”ことを学んでいないので侵入してしまうのでしょう。

Pb292523  明日は今年で5年目になるJICA研修のお手伝いです。

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2011年11月25日 (金)

猟友会の皆さんに感謝します

Pb252483  今日は、粉雪が舞ったり、太陽が顔を出したり、北風が冷たかったりした一日でした。朝の気温は4.5度でしたが、午前中は北風が強く冷たい中で仕事をしました。

 星野スタッフと相馬さんは厳しい寒さから太陽光発電バッテリーの劣化を防ぐために、物置内に断熱材を張ってくれました。筆者は、昨日に引き続き腐葉土枠作りを続けました。大きさは2㍍×4㍍の長方形で、ログハウスの様に間伐材を積み重ねました。星野さんは今年、腐葉土の中でカブトムシやクワガタを百匹以上飼育した経験がありますので、この枠の完成後は星野さん知恵を頂いて来春に元気な顔を見せてくれることを楽しみにしたいと思います。

Pb252488  昼頃になると日光市の職員の方が現地に来てくれました。用件はイノシシ害を聞きたいということでしたので、臼沢の森や苗床、松木の杜の被害を報告しました。どうして現地調査ですかと尋ねると、職員の方は「猟友会と市の会合があって、その場で猟友会から被害報告があった」と言っていました。

そういえば今月、”みちくさ”に鹿沼市在住の猟友会の方が寄って鹿害やイノシシ害と狩猟の話をしていたことを思い出しました。猟友会の皆さんありがとうございました。日光市の職員の皆さん、イノシシ対策をよろしくお願いします。

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2011年11月24日 (木)

ヒューヒューと“木枯らし”が吹きました!

Pb242474  今日の朝は氷が張りませんでしたが、北風が冷たい一日でした。晴れて青空も見えていたのですが木枯らしが吹いているような中で、今日は臼沢の森内チェックと腐葉土と黒土を覆っているカバーを補強しました。

 臼沢の森では秋色に輝いていた葉が落ちて林床が見えるようになっています。足尾町は常緑広葉樹帯と落葉広葉樹の境界ですので、標高800㍍以下の地でシラカシ、アラカシ、アカガシを2005年から試験的に植えてきました。写真のように生長は鈍いのですが、落葉広葉樹が葉を落とす時季になると太陽のエネルギーを沢山うけているようでした。

Pb242476  上に登るほど松木沢から冷たい風が身体に染みこんできましたが、来年春用の腐葉土と黒土を雪から守るために冷たい風を吹き飛ばしながら作業をしました。午後は、間伐材を使った腐葉土作り(カブトムシやクワガタ飼育用)の枠を組み立てる準備をしました。子どもたちの喜ぶ笑顔を願って準備しました。

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2011年11月23日 (水)

今日は“労働感謝の日”でした

Pb232453 今日は勤労感謝の日、足尾の朝は氷が張りました。天気予報では曇り時には雨ということでしたが、朝から夕方4時半頃までは秋晴れの一日でした。8時30分の森びと広場の気温は2、5度、快晴でした。対岸の岩山を双眼鏡で観察していると朝日に当たって鹿が草を食べていました。

 2週間ぶりに松木の杜を調査して驚いたことは、桜が咲いていました。それも満開でした。そういえば春に寒桜を一本植えました。植えた直後にイノシシに土を荒らされて心配していましたが、写真のような花を咲かせてくれました。今日は氷が張ったというのに、何と素晴らしい感動をつくってくれた寒桜に万歳をするような気持ちになりました。

Pb233984  「みちくさ」畑では松村宗雄スタッフが畑を耕し、落ち葉と木酢油を土に混ぜていました。松村さんは9時30分に「みちくさ」に到着しましたが、ここに来る前に銀山平キャンプ(足尾)で落ち葉拾いをしてきました。来年も美味しい里芋やジャガイモが育つようにと、真っ青な空の下で丁寧に畑を耕していました。

 人が自然と共に生きていくために丁寧な労働を遠くから見ていると、今日は“労働感謝の日”であり“自然に感謝する日”でありました。

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2011年11月22日 (火)

ドングリは生きる元気を育みます

Pb222451  今日は北関東で霜が降り、薄氷が張ったという報道がありました。寒さが今年一番でしたが毎年のことですので、あちこちのテレビやラジオで一日中報道することではありません。足尾のポット内でも霜柱ができ、溶けると水分となって蒸発しますが、土は湿ります。これからはそのようなことを苗床でチェックします。

006  北関東の鹿沼市にある「希望の家」は一昨年から足尾の森づくりに参加しています。森づくりは植樹とポット苗づくりを始めてきた「希望の家」の皆さん。今月の12日には、施設利用者と保護者がポット苗づくりを行いました。森びとインストラクター・山本さんのアイデアで始まった「希望の家」の森づくりは、施設利用者の皆さんの自立に大きなきっかけをつくっているようです。当日は1700粒のドングリをポットに撒き、その後は楽しいバーベキューを行ったそうです。

005  霜柱が高くなっているのは、地表と土の温度差、土の中の水分の量そして土が粗いことが関係するようです。そんな中、アブラムシも樹皮の中で寒さに耐えていました。いつものように冬本番が近づいています。

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2011年11月20日 (日)

炭発電の電気で新幹線が走った?

Pb202436  東京のイチョウやケヤキも色づき始めました。昨日と今日は、森から遠ざかりがちな首都圏の皆さんに森と生きることを考えるきっかけを設けさせていただきました。

 JREU東京が毎年開催している「秋の文化展」が昨日と本日、東京都内で開かれましたので私たちも出店させていただきました。事務局の済賀さんと森びとインストラクター亀田さんが2日間とも担当してくれました。今年は、自然のエネルギーを暮らしに活かしていけることを身近に感じてもらうために、備長炭とアルミフォイルと塩で電気が作れることや「エコクイズ」そして炭の効果などを紹介しました。

 JRの皆さんの「文化展」なので国鉄時代の模型電車からはやぶさ新幹線の模型が走っていましたが、その電気も炭とアルミと塩から発電する電気で走っていただきました。炭のお菓子にも興味を持っていただくことができました。また、新そば打ち体験コーナーがありましたので、OBの斉藤さんと小林さんから丁寧に教わることができました。

 準備や後片付けを手伝ってくれましたネイチャーCの皆さん、準備委員の皆さん大変お世話になりました。

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2011年11月18日 (金)

生物の減少は私たちの暮らしの指標!

Pb162431  政府は17日、福島市大波地区で生産された米の出荷制限を県に指示しました。政府と県は原因究明をする、と報道されています。それによると、出荷制限を受けた地区の水田は山間地の森林に囲まれているので、「地形などを踏まえて土壌や水などを調査する」ということです。

P9241499  先日、栃木県に住む笠倉貞男さん(第3期インストラクター)から『栃木県版レッドリスト』(2011年改訂版)等が東京事務所に送られてきました。手紙も添えられ、そこには「南相馬の森林での除染の取組をみるにつけ、表土の剥ぎ取りにより500年分の黒土を取り除くことになることの困難さは、里山の収奪の比ではなく、どこにもプラスはなく完全にマイナスなのです。森林を除染しなければ、いくら家の周りを除染してもすぐに汚染されてしまう状況。さらに川の水や海の汚染はどうなるのでしょうか。果たして除染は人が住み続ける解決となるのでしょうか。」(手紙の一部分)、と書いてありました。

 レッドリストを読んでみると、「Bランク」のシロチドリ、カワラノギクが筆者のカメラに収まっていました。それを見ると、足尾・松木沢での森づくりではもっと“心に木を植えて”いかなくてはならないと感じました。多分、笠倉さんの想いもそのようなことなのかと手紙を読みました。

P8053233 また先日、東京都港区のY・Mさん(女性)からは、絵本の代金と共に「僅かではございますが活動にお役立ててくださいませ」、と寄付が送られてきました。“山と心に木を植える”活動に応援してくださっている笠倉さん、Y・Mさん、ありがとうございました。

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2011年11月11日 (金)

未来の進路は“森と生きる”

Dscf8282 昨日、国土緑化推進機構主催、毎日新聞社共催、林野庁後援の第3回間伐材活用シンポジウム「木が育む文化、木と育む文化」が銀座・時事通信ホールで開かれました。来賓で出席された林野庁長官・皆川芳嗣さんは、「世界の陸域の3割しか森林がない。1700年代には5割だった」「森の恵みを生かした復興が大事な課題です」等とあいさつしました。続いて、シンガーソングライターの上田正樹さんの「緑の募金」東日本大震災復興支援コンサートが行われ、彼は心にしみる歌を熱唱しました。

Dscf8281 休憩後、環境考古学者の安田喜憲さんから「木とともに育まれた文化・文明」と題した基調講演が行われました。特徴的には、「森からは130キロヘルツにも達する高周波が発し、皮膚で感じ、脳幹に影響をしている。鳥や虫の声、川のせせらぎの音はドーパミンやセロトニンなどの脳内の神経伝達物質の分泌に深く関わっている」、「(3月11日の大震災で被災に遭われた方々の姿勢を見て)日本人の気高い心は未来に引き継ぐべき財産。これは人間が美しい自然と関わる中で培ってきた心です」、「私たちが稲作漁撈社会で生きるためには他人の幸せを考えながら生きていかないといけない」「植樹祭は来年から止めて、宮脇昭さんの推奨する緑の長城運動を国民運動に」等と訴えていました。

パネルディスカッションではNPO法人土佐の森・救援隊事務局長の中嶋健造さん、NPO法人森林(もり)をつくろう理事長の佐藤和歌子さん、そして森びとプロジェクト委員会の岸井理事長の3名が「木が育む文化、木と育む文化」と題して話し合いました。

中嶋さんは、地域に根ざした小規模分散型自伐林業システムの確立のために3月11日以降、岩手県で自伐林業を展開し、雇用の創出につながったことが報告しました。佐藤さんは、佐賀県でライフスタイルの変化によって木になじまない生活が普及し、森と人の生活が乖離しているので木の良さを知ってもらう活動をしている報告がされました。岸井理事長からは、2004年から始めた足尾と八幡平での山と心に木を植える活動趣旨、日本のナラ枯れを食い止める運動の拡がりについて、そして『サルと人と森』について報告がありました。

間伐材の活用法については、「仮設住宅は工業製品でなく、木材を使うべき」(佐藤)、「広葉樹も使うべきだ」(中嶋)、「炭焼きの復活」「公共施設などの建て替えの際は全て木材の活用を」(岸井)等の意見が出されました。聴衆者へのメッセージとして岸井理事長は、「外国の特派員が取材に来た際に、被災地を中心とする3月11日以降の日本人の冷静沈着さ・国民性はどこから来たのかと。歴史や伝統、文化に対する関心が非常に強い」、「(被災地の方は)全てを失っているのに、遠くから救援に来ている者は感謝を形で示せないのが残念でしょうがないのではないか」、と仰っていました。

Dscf8285 シンポジウムに出席してみて、森の恵みの素に暮らしてきた日本人であることを誇らしく思えたこと、この日本人の文化を決してなくしてはならないと感じました。(報告:小林事務局長)

2011年11月 7日 (月)

いのちの森を守る心がひとつになった秋の感謝デー

Dscf4161  ヤシャブシの葉がカサカサと音をだして落ちていく幹や枝にエナガが数匹集まり、樹皮の内で越冬する昆虫を追っている朝の6日。曇り空下に“森とも”が集ってくれました。昨日は「秋の感謝デー」でした。同日はJREUの育樹デーと「サポーターゼミ」が重なって“森とも”は40数人となり、これから厳しい冬を迎える木々に感謝しました。

Pb063949  臼沢の森では、鹿やイノシシから木々を守るために16人が食害防止の柵をチェックし、補強しました。作業をはじめた途端、鹿が侵入していることを発見。総出で鹿を柵外に追い出しました。皆さんは急斜面での作業に汗を流して鹿を追い出してくれました。

Dscf4172  移植チームは、台風15号によって土砂が流された絆の森に生き残っているコブシ等の木々を掘り返し、根回しをした木々を松木の杜に移植しました。4年間生き延びてきた木々の根はしっかり砂地に張り巡らされていましたので、根回し作業や運び出す作業は大変な労力を伴いました。それでも二人で木々を運び出し、軽トラで松木に運び、そこから一輪車に木々や黒土を段差の激しい杜に移動させて移植しました。

Dscf4200  新松木の杜チームは今年植えた幼木を全てチェックし、植え方の浅い木々を植え替え、風で飛んでしまったマルチングの枯れ草を根元に集めました。植え方が浅いとこれから雪が降るまでの間は、風によって木々が吹き飛ばされたり、乾燥で根が張れなくなります。

 感謝の作業後は自然の恵みをいただきました。秋は、松木の畑で獲れた里芋を味わい、秋田県から取り寄せたキリタンポを美味しくいただきました。昨日は、いのちの森を育てている“森とも”の皆さんの森を守る心が連携作業と協働に反映できました。素晴らしい協働に感謝しています。“森とも”の皆さん、ありがとうございました。

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