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2009年6月の16件の記事

2009年6月29日 (月)

子どもたちへ何かを育む、辛い植樹!

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 「どくだみ荘」の窓から足尾ダム方向を観ると山肌に朝日が当たり、今日も暑くなりそうです。天気がこれ以上続くと、まもなくてるてる坊主を吊して雨乞いをしなくてはなりません。
 昨日は、EU高崎の組合員・家族、労組がお付き合いしている方々100名が臼沢の森と松木の杜に植樹をしてくれました。臼沢には360本、松木には200本を植え、苗木に命の息吹を吹き込んでくれました。臼沢の森の植樹では、堀口委員長さんを先頭にして背負子を担いで黒土や腐葉土を何往復もしていました。この元気は子どもたちや女性達の声援を受け、辛さや汗をみんなで共有していたようです。
 松木の杜でも、心身にハンディキャブのある親子が大きな声を掛け合って植樹していました。彼らはバケツに黒土を入れてもらい、声をかけられた所に黒土を何回も運んでいました。足場がでこぼこしている砂地ですが、怪我もなく最後の一本まで声をかけ合って植えました。
 閉会セレモニーでは、いい汗かいた皆さんから感動が参加者全員に伝えられました。女性の方は、「辛い植樹でしたが、この大人の植樹作業を観て子どもたちの心には何かが育まれています」、と述べていました。

臼沢の森では写真(下)のように、辛い育樹作業が小さな生命を育むんでいます。それは理事会、事務局員の心を豊かにしてくれています。EU高崎のみなさん、ありがとうございました。

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2009年6月28日 (日)

多くの生物が小さな社会を形成している足尾の森

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 おはようございます。ここ数日、足尾は良い天気が続いています。先月30日に植えた苗木は大地に根を伸ばし新芽が顔を出しています。今月19日、松木の杜の小さな畑に蒔いた大豆、ヒマワリも芽を出しました。
 昨日は第11回「足尾・ふるさとの森づくり」の準備をしました。私たちと同じようにほぼ毎日、松木の杜を訪れている方がいます。その方は何時も望遠レンズで臼沢の森方面を観ています。話を聞いてみると、ここ松木沢周辺の動物達を撮影しているそうです。冬はロシア方面かに飛来する猛禽類をはじめ冬鳥や夏鳥、そしてほツキノワグマ、カモシカ、タヌキやキツネ等がこの地に棲息しているそうです。また、この方は可愛い○○○○の親子が棲息しているのを発見し、現在はこの親子の様子をウオッチしている、と小さい声で教えてくれました。また、この方は「このような動物達がこの地に棲息していることは自然が豊かになりつつあるからだ」、と言っていました。「皆さんたちが森をつくってくれているからです」、とお礼を言われました。人間の愚かな行為で自然破壊してしまったこの地も、人間の知恵と継続してた力で生態系が成り立っているようです。
 今日の森づくりの主役はEU高崎の皆さんです。約90名の皆さんが臼沢の森と松木の杜に木と心を植えます。

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2009年6月26日 (金)

天に翼を広げているようなミズナラに感謝!

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 今日と昨日は植生調査をしました。2005年春から始まった森づくりは今年で5年が経ちました。そこで当委員会は森づくり5年報告書を作成することにしました。報告書は来年の通常総会に提出します。その調査をしました。調査の目的は、5年前に木を植えた場所と木が植えられていない場所との生態学上の違いはあるのか、あるとすればそれは生態学上どのような意味をもつのか、を確かめることです。
 煙害に遭ってはげ山と化した場所に植樹した森、煙害には遭ったが生き延びているミズナラの森とでは、何が違うのかを探ってみようと、今日は阿蘇沢1200㍍~1300㍍に生きているミズナラの森に入りました。今年3月に発見した阿蘇沢のミズナラは葉を付けていませんでしたが、今回は太陽のエネルギーを葉で吸収しているミズナラを観ました。また、今日は少し足を伸ばし、1350㍍付近に生きているミズナラを観察しました。
 写真下のように周囲にはシラカンバ、カラマツが生えている以外に木は生えていません。草の中にポツンと2本生きていました。このミズナラを観ていると、対岸の山をはげ山にした人間の愚かな行為に、「喝!」と怒っているようでした。このミズナラは「森びと広場」から望遠鏡で見ることができる所に生えています。

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2009年6月21日 (日)

みんなで辛さを共有して21世紀の森づくり

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 今日の森づくりは絶好の天気でした。植樹開始前は小雨で一日中の雨を心配しましたが、植樹を始める頃は曇りになりました。その後も植樹が終わる13時過ぎまで雨は降りませんでした。
 第10回「足尾・ふるさとの森づくり」に参加してくれた皆さんは160名です。ゼロ歳から70歳代までの皆さんは、苗木に元気を与えるためとグループのために黒土や腐葉土を運びました。下から360段もの階段を登ってきたグループのメンバーに暖かい拍手がありました。木を一本植えるにもグループの皆さんの声援を受け、背負子で黒土や腐葉土を運ぶ辛さをグループ一人ひとりが共有できた瞬間です。
 今日は704本の苗木に生命の息吹を吹き込むことができました。JREU東京の皆さん、ありがとうございました。参加者をリードしてくれました森びと・インストラクターの皆さん、事故・怪我もなく参加者へ感動を与えてくれてありがとうございました。

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2009年6月20日 (土)

全ての生物が生きていける森に変身中?

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 朝8時頃の松木沢ではカジカガエルが軽快に鳴き、9時を過ぎるとエゾハルゼミがそれに負けじと鳴き始める足尾です。もう少し耳を集中させると、ホオジロのさえずりの合間にオオルリの鳴き声も聞こえます。昼頃になるとキジが羽ばたき、その次には雄の存在を表す鳴き声が聞こえます。
 苗床ではインストラクターの森戸さんが連日、ポット内の草を取り除く作業に専念しています。草が生き残るか、それによって苗木が死ぬか、という瀬戸際に生きる苗木の元気の素を与えている森戸さんです。
 明日は、第10回「足尾・ふるさとの森づくり」です。JREU東京の皆さんが臼沢の森づくりを行います。その準備に20数名の若者たちが「森びと広場」に集まり、黒土、腐葉土そして唐鍬、万能等を背負子に背負って植樹会場まで運んでいました。
 運びながら臼沢の森に生きている樹木を観ると、栗の木が花芽を付けていたり、クヌギがドングリの子を付けていました。梢や幹をよーく観ると、蟻や毛虫、蝶などが元気な樹木から恵みを頂いているようです。
一方、人間社会では、一部労組は植樹を行い、もう一方の一部労組は麻生総理大臣に温室効果ガス削減目標を低くしろ、とお願いしています。足尾・松木沢周辺は、ミミズ、昆虫、鳥たちが生きていける環境ができつつあることを実感できるようになりつつあります。明日の天気が心配ですが、若木に生命を吹き込むにはベスト・デーになるようです。
 本日は、親子が、子どもたちが遊び・学べるビオトープ造りにチャレンジしてみました。

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2009年6月19日 (金)

松木の杜に願いをこめて

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 今日は松木の杜内にある狭い畑に小豆、大豆、ひまわりの種を蒔きました。先月下旬に植えたニラは元気です。ウサギも食べないようです。2週刊後には小豆や大豆の芽が顔を出すことを願っています。
 21日はEU東京の組合員・家族の皆さんが臼沢の森に植樹する、第10回「足尾・ふるさとの森づくり」です。今日はその準備を手伝いました。苗木の用意、手洗い場の設置、ヘルメットや背負子の点検などを行いました。
 作業の合間に先月30日に植えた樹木を見ましたらクワノキが若葉を出していました。それを見て、私は100年以上も前のようにこの村にしっかり根を張って、森びと達に元気を与えてほしいと願いました。
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2009年6月17日 (水)

八幡平の雲上の森に命を吹き込む

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 第5回「八幡平・ふるさとの森づくり」は前々日から降り続いた大雨で、植樹場所が田圃の様になってしまい、急遽、中止にしました。悪天候の中、遠路から参加してくれました多くの皆さん、本当に申し訳ありませんでした。
 当日、角岸所長からは「植樹については事務局が責任をもって早急に行います」、と約束しました。早速、事務局は天気予報を予測して、9日と10日に植樹を行いました。両日とも青空の見える好天気に恵まれ、新緑のみずみずしさを感じながら12種・2,200本の苗木を植えました。植樹には事務局員とその家族、JREUの若者たちが集まってくれました。皆さん、ありがとうごさいました。
今回の教訓は来年の植樹に活かしていこうと、事務局はその対策を練っています。(みちのく事務所発)

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2009年6月15日 (月)

ナラ枯れの原因が見えてきた

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 足尾は雨が降っています。日中は曇り時々晴れでしたので、育苗作業をするには快適な天気でした。本日は事務局員有志と事務局スタッフによって苗床の草取り作業をしました。臼沢の森では今月28日に森づくりを行うJREU高崎の若者たちが草刈りをしていました。
 また、事務局員は草取りと並行して新潟県佐渡市のナラ枯れ地域から採取した土の酸性濃度を測りました。土はドンデン山周辺、安養寺地区、白瀬地区、妙見山地区、乙和池周辺から採取してきました。酸性濃度をpH器で測ったのは、ナラ枯れの原因は土壌に隠されているのではないか、との疑問を解くためです。結果は、ドンデン山のpH6,6から、妙見山のpH3.8でした。多かったpH値はpH4台でした。
 pH5になるとアルミニウムが溶け出す言われ、松茸菌や微生物が死ぬと言われています。測定した事務局員たちは、「何十年も前から降り続いた酸性雨によって、土壌が酸性化して赤松が枯れ、その後にはミズナラ、コナラ、ブナ等の広葉樹が枯れてしまったのか」、と話し合いました。とにかくこの状況を放置していると、日本の森ははげ山になってしまう大変な事態になってしまう気がしました。私たちは日本の森を守るために、今後も各地のナラ枯れを調査していく計画です。(pH器は、「ビー・エー・エス㈱のKS701」を使用)

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2009年6月13日 (土)

佐渡の森を守る情熱民の炎が燃え上がる!

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 佐渡の自然を愛し、文化を大切にする方々の案内でナラ枯れ調査は終わりました。昨日の天気は晴れ時々曇りでした。絶好の調査日和の中、午前中はブナ林の調査、午後は小佐渡の植生を観察しました。
 ブナ林の調査は、大佐渡スカイライン沿いのブナ林、乙和池のブナ林で行いました。ブナは幹の周囲が250㌢程、樹高は20㍍程ありました。多くのブナが沢山の実を付けていました。「今年はブナの実が豊作だなあー!」と話し合いながら、りっぱなブナ林の植生を調査しました。昔の佐渡島民はブナを「ヤマンバノキ(山姥)」と呼び、その意味は「美しい女神」ということでした。確かに、この意味が分かるような気がしたブナ林でした。
 ところが樹高20㍍程の頭付近を双眼鏡や望遠レンズで観てみると、葉が付いていない梢、葉が付いていてもその密度が薄い、ということに気づきました。上の写真のように左側のブナの葉の密度が濃く、右側が薄くなっています。このようなブナは幹に小枝を伸ばししていました。この小枝は、ドイツ人が言う「恐怖の芽」(宮下理事の言)ですが、地上から2㍍程から上に小枝を付けていました。
 モリアマガエル、アカショウビンの鳴き声を聴きながら、土壌の採取をしました。午後は、小佐渡に足を伸ばし、カシワ、シロダモ、タブノキ、アカガシ等を中心に、その生態を観察しました。夜は19時から、「トキどき応援団」(NPO法人)主催の学習会に出席し、宮下正次理事が講演をしました。22時半頃からは、佐渡のナラ枯れ防止策の話に熱中しました。
 今日、両津発9時30分のジェットフォイルで帰路につきました。牧さん、中川先生そして専門学校の学生のみなさん、「桃華園」のみなさん、こころ温まる案内をしていただきありがとうございました。

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2009年6月12日 (金)

ナラ枯れの原因は土壌に隠されている?

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 おはようございます。今日は晴れのようです。朝陽が眩しく感じます。昨日の調査は古澤諭吉さんの案内で、古澤さん所有のタンデラ地区のコナラ山の枯木でした。
 古澤さんは農・漁業を営んでいる方です。コナラの原木でマイタケ、ナメコ栽培、椎茸栽培などを行い、今頃からはサザエ、アワビそして夏になると牆を捕っています。案内されたタンデラ地区の山ではナラ枯れがひどく、古澤さんは「この山のコナラは今から15年~17年前からおかしくなっていた」と言っていました。続いて、白瀬地区の山も案内してもらいました。
 両地区の枯れたコナラを伐った木の年輪を調べてみると、今から15年~17年前から1年で2㍉程度の生長でした。殆どの伐り株の年輪を調べてみると、5㍉程度の生長をしていたものが急に生長が鈍っていたことが分かりました。
 午後には、専門学校の学生達と白瀬地区の自習調査を行いました。白瀬地区の調査ではっきりしたことは、コナラ、ミズナラの枯木、80%の死にかけている木、50%死にかけている木を数十本はカシナガの被害に遭っていないことでした。枯木の原因は「カシナガが運ぶ病原菌」と言われていますが、タンデラと白瀬地区の枯木にはカシナガがナラの木に浸入した形跡はありませんでした。
 私たちは枯木の周辺の土を採取してました。ナラ枯れの原因は土壌に隠されているのではないかと思っています。そこで私たちは、必死になって生きようとしているコナラ、ミズナラの周辺に持参した炭粉50㎏を散布しました。元気になってくれよ!、と言葉をかけて炭粉を蒔きました。
 夜は、佐渡の自然を愛し、文化を大切にしている皆さんと交流会を行いました。

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森びと検索

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