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2008年9月29日 (月)

「いのちの森」は渋民村にありました

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 「林中の鳥なり 風に従い樹梢を渡る 私はコスモポリタン」、と謳ったのは石川啄木です。また、啄木は、猿に扮して人間に警告しています。猿は、「権力で自然破壊をすることが可能だと考える人間に、これは人間最悪の思想だ」と。
 昨日(28日)、盛岡市内で「石川啄木記念館」学芸員・山本玲子さんと会いました。話は、石川啄木著『一握の砂』・「林中の譚」を絵本にしよう、というものでした。今年1月に開いた「森びらき」で山本玲子さんの講演を聞いて、是非、大人の絵本にして森づくりに活かしたいと、事務局は検討してきました。雑誌社とも相談してきましたが、利益第一の会社にはこの社会的使命が失われているようです。よって、山本さんと自費出版する話をしてきました。
 「・・ああ、お前はとうとう人間の最悪の思想を吐き出した。お前らはいたるところで悪いことを考えて、自然を殺そうとする。そうして自然に逆らうことは、この世の本当に正しいこと、本当に美しいものを殺してしまうことなのだ。お前らはいつの時代も木を倒し、山を削り、川を埋めて、お前たちのための平らな道路を作ろうとしてきた。だが、その道は真と美との境、すなわちお前たちにとって、天国に通ずる道ではなくて、地獄の門に行く道であることを知らないのか。お前たちはすでに先祖を忘れ、自然にそむいている。ああ、人間ほどこの世にのろわれるものはないだろう。・・」と、人間に警告してきた猿(啄木)。
 「生命(いのち)の森」は石川啄木が命名した森です。この世に生きるあらゆる生命がこの森に集まるのだということで「生命の森」となづけていたのが、啄木でした。啄木記念館近くには愛宕神社があり、啄木が子どもたちと過ごした「いのちの森」が今でも残っています。
 来年2月20日の啄木生誕123年に向けて、大人の絵本作りは始まりました。

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