高校生の「森は友だち探し」、“森の友だち”が見つかりました。(その2)
8月23日(土)、栃木県・那須拓陽高校から9名、群馬県・樹徳高校から15名の生徒、先生、保護者の皆さんを足尾・松木郷の杜に案内しました。
午後は、苔むした「民衆の杜西」の中での意見交換です。前日に“桜街道”の両脇に丸太と甲羅板でベンチをつくりました。思い思いの場所に座っていただき、大野スタッフの進行で午前中に歩いた杜の感想を出していただきました。
高校生からは、
・山に木がなくなった写真と現在を見比べて、かなり木が生え始めている。村人たちは去ってしまいましたが、きっと喜んでくれていると思います。
・足尾銅山のことは学校で知りました。参加して良かった。自分が思っているより色々なところに被害が出ている。はげ山を見ると人間のやることのエゴを感じる。
・生き物が好き。今日はトンボ、セミ、カエルを見た。数十年前、生き物がいなくなった。森びとのおかげで生き物の命が続いている。
・人間は自然とつながっている。自然も地球温暖化も直していきたい。
・孤高のブナを元気にする活動に参加している。初めて再生する森を見て、森を再生させる難しさを知りました。
・森の中は涼しい。自分が住んでいる所と比べると空気もきれいだ。参加出来て良かった。
先生からは、
・緑が増えてきたのかなと思います。最初(10年前)から環境学習・植樹にかかわってきました。生徒のみんなが見て、今日感じたことを後輩に伝えていくことが大切です。
・何もないところから木を植えてきた。まだ木が細いので土壌が薄いのかと思う。生き物が増えてきたと思うし、空気もおいしい。先輩が卒業し、次の世代へ引き継いでいかなければならない。
・2016年から植樹に参加。10年で森が再生するのかと驚いた。教室では学べない「過去・現在・未来」が学べる場だ。
・20年前から参加。その頃はもっと緑が少ないところだった。ネイチャーボランティアの学べるところ。今回は卒業生も参加している。森の中は風が気持ちいい。100年前も200年前も同じように感じていたのではないか。
など、参加者全員から感想をいただきました。ありがとうございました。
意見交換の最後に森びとプロジェクトから、両校の生徒の皆さんが「森は友だち探し」に参加された記念に「記念樹」を植える提案をさせていただきました。植える木の種類は生徒の皆さんに考えていただき、「森びと広場」に植樹をしたいと思います。
「うんしゅう亭」に戻り、記念品として「森びと手ぬぐい」を贈呈し閉会となりました。
気温40度を超える猛暑、山火事、1時間に100㎜を超える豪雨・洪水と土砂崩壊、1日で2mを超える降雪、日本ばかりでなく世界各地で気候変動の影響が目に見える形で人々の暮らしと命を奪っています。
「想定外」から「想定内」へと意識と暮らしの転換を図らなければなりません。
「地球温暖化にブレーキをかけよう!」と足尾の荒廃地に木を植えて20年。高校生の皆さんが感じたように、トンボやセミ、カエルやヘビ、キツネやウサギ、アナグマやツキノワグマ。土の下ではミミズやササラダニなどたくさんの生き物たちが命をつなぎ、「母なる森」を育てています。私たち人間は森がなければ生きていけない存在であることを、「森の友だち」から教えられました。
「森は友だち探し」に参加された栃木県・那須拓陽高校、群馬県・樹徳高校の生徒、先生、保護者の皆さま、大変ありがとうございました。
サポートさせていただいたスタッフは、鎌田さん、松村宗さん、橋倉さん、大野さん、加賀さん、済賀さん、田口さん、山田さん、大山さん、筆者・清水でした。
(報告:清水 卓)
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