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2024年12月の10件の記事

2024年12月29日 (日)

正月飾りに誓う!20周年の年の自分の課題!

 今日(12月28日)の足尾は曇り空。「放射冷却現象」が無かったせいか、そんなに冷えてはいませんでした。それでも、風に流されて来た雪がチラチラと舞い、作業小屋の寒暖計を見ると10時の気温は1℃と厳しい冬を感じさせてくれました。 Dscn3462

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 今年も残りわずか、今日は今年最後の森作業日です。とは言っても、正月飾り取り付けが中心の作業で、臨時作業に参加したのは柳沢スタッフと清水副代表、筆者の3名だけです。ホットコーヒーと薪ストーブで暖を取った後、「雲集亭」の竹を搬出するための積み込み、作業小屋に正月飾りと「謹賀新年」を取り付けました。

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 引き続き、「雲集亭」「みちくさ」「森びと看板」と作業を進めました。「みちくさ」では仁平村長が出迎えてくれました。

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 各森・杜の木々も葉を落とし、すっかり越冬中です。臼沢のふもとには常緑広葉樹樹のアラカシが太陽の光をあびて緑色に輝いています。民集の杜ではコブシが綿毛の穂をたくさんつけていました。

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 最後の作業は、臼沢に向かう途中の「祠」の屋根が落下していて、元に戻す作業でした。見つけた清水副代表によると、「原因は、動物によるものか、風か、人為的なものか分からないが、土台が割れだして、この部分を直さないと落下する可能性がある」とのこと。新年の無病息災を願い、松を添えました。

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 2024年の締めに一言!足尾のシカたちが言っていました。

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 「正月は、飲んで食べてゴロゴロしているな!『森づくり20周年を迎える主役の一人として、”母なる森”へ何をするのかを考えなさい!』と。また、「シカだけじゃなく多くの動物がすみやすい森を作ってくれてありがとう!」と、私たちに感謝しているようでしたよ!

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 今日の森作業は、清水、柳沢、筆者の3人でした。それでは森ともの皆さん!良いお年を!!!

 (報告は橋倉喜一)

2024年12月23日 (月)

できないと思っていることをやってみる

 今年の足尾・松木沢の森作業は20日が仕事納めでした。森づくりスタッフ、サポーターの皆さん、1年間の森の手入れお疲れさまでした。また、この活動を支援してくれました各団体さま、会員の皆さまにこころから感謝申し上げます。ありがとうございました。202412251 足尾の森づくりスタッフ、サポーターは年間延べ約1か月も見地に入り、土を耕し、苗木を植え、草を刈り、時には獣害に向き合ってきました。この活動は全ての生きものたちの命を守る「母なる森」へと、その希望を次世代へつなげているものです。202412252 特に、今年(2024年)は煙害や山火事で荒廃地になった地に木を植えて来年で20年を迎える松木沢に、人が森に寄り添って生きていける“松木郷”が体感・体験できる環境を整えてくれました。202412253 来年はこの森を散歩しながら、 “自然環境と人とのつながり”や“森は友だち!”ということを体感できることを楽しみにしています。202412254 世界中の人々の生存を脅かしている異常気象は今年も各国で猛威をふるい、その被害は拡大するばかりで、私たちはその猛威が過ぎ去るのを待つばかりでした。師走の寒気・寒波は乱高下しながら関西や四国などに雪を降らせています。気象専門家や学者によると、暖かく湿った水蒸気が上昇し、それが北極の極渦を分裂させ、寒気が乱高下していることが関係しているらしいのです。世界中の異常気象(大雨・猛暑・暴風・豪雪等)の猛威もそうであるように、地球の海水温度の上昇から異常気象がはじまっているようです。202412255 海水温度を下げていくにはなんとしても温室効果ガス(二酸化炭素)排出を削減しなければなりません。しかし、その排出量が多い国々の首脳は自国の経済第一路線を強力におしすすめ、削減どころではありません。このままでは私たちの生存の基盤であるエコシステムと密接に連関している様々なサイクルは衰弱し、生きものたちの生存がますます不安定になっていきそうです。202412257 足尾の森づくりの恩師である故・岸井成格さんは、生前、“現代は人間活動のパラダイムシフト期だ!”という旨のことを何度も言っていました。私は、今でもそのように思っています。2025年は、自然環境と人とのつながりを軸(自然環境に負荷をかけ過ぎない人間活動)とした社会像を描き、試行錯誤をしながら、私たちが生存していく価値観を養う体感・体験が求められていると思います。(写真上:次世代の草木の土壌づくりに励む煙害地に50年以上も生きるヤシャブシ2本)202412256 私は、20年間の森づくりで得た体感・体験を言葉に紡ぎ、それを森づくり20年後の“山と心に木を植える”活動の軸にできないかと熟慮中です。とりあえずは、2011年東日本大震災・東電フクシマ原発事故の恐ろしさ、新型コロンウイルス感染のパンデミック恐怖の体感・体験で得た生存のための心得を整理しています。来年春には森びとのシンポジウムが計画されているようですから、出席者の方々との意見交換を愉しみにしています。健やかな新年をお迎えください。
                              (森びとアドバイザー・髙橋佳夫)

2024年12月21日 (土)

森づくりを支えてくれた道具や作業小屋に感謝し大掃除

 12月20日(金)寒気も弱まり、足尾「松木郷」には青空が広がっています。10時の気温は4℃でしたが陽射しもあり暖かさを感じます。

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 今年最後の森作業集中日となった今日は、午前中に作業小屋の大掃除と19年間の森作業で使ってきた道具の整理整頓。矢口さんが持参してくれた2tトラック一杯のヒガンバナの苗の移植を行い、午後は1年の振り返りと2025年の森づくり20年記念事業について打ち合わせを行いました。責任者の大野さんより班分けが行われ、早速作業に入りました。

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 ヒガンバナの苗は「こころの園」の階段東側の獣害柵沿いに移植しました。一株一株が大きく穴を大きめに掘り、黒土を入れて植えました。地面には霜柱が立っています。厳しい足尾の冬を乗り越え来春には根を張り、秋に真っ赤な花を咲かせてくれるよう丁寧に植えました。

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 作業小屋の清掃では、朝のコーヒー飲みながらの作業打ち合わせや、昼食・味噌汁づくり、育樹ボランティアとの意見交換など、雨の日も風の日も雪の日も森びとスタッフがお世話になった作業小屋に感謝し、室内清掃と土埃で汚れた窓の清掃を行いました。

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 ビニールハウスの整理整頓では、使わなくなった道具や資材を、継続して使用するものと廃棄するもの、リサイクルするものに選別しました。3つのビニールハウスにあるものを2つのビニールハウスにまとめ、空になったビニールハウスは来年解体しリサイクルに回したいと思います。

 2005年からスタートした植樹活動には、多い時には1000人を超えるボランティアの皆さんが参加してくれました。急斜面の「臼沢の森」への植樹には参加者一人一人の安全を守るヘルメット、苗を植える移植ゴテ、穴を掘るスコップ、草刈り用のカマを準備しました。

それらが大切に保管されていましたが、現在は育樹活動がメインになっていますので、継続して使用するものと処分するもの、スコップや移植ゴテなどリサイクルするものに分別しました。

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 19年間の活動を支えてくれた道具や資材類を広場に並べ、「これは残そう、これはリサイクルに回そう、これはもったいないけど処分だな」など声を掛け合い、来年以降の森作業を頭に浮かべながら整理していきました。

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 コンテナの整理では、草刈りで使用してきた刈払い機とチェーンソーの点検を行い、壊れて使用できないものを処分しました。機体に描かれた購入時期を確認すると10年以上使用してきたものもあり、年々広くなる植樹地の草刈りで大きな役割を果たしてくれた刈払い機に感謝しました。

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 前回の作業でフレコンに入れた防草シートと処分するヘルメットや廃材などを柳澤さんと矢口さんのトラックに積み込み、処理施設に運んでもらいました。

 

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 残ったメンバーで使用する道具や資材をビニールハウスに入れ、広場の隅に今回の処分で運び出せなかったものと、リサイクルするものを分け、ブルーシート掛けて保管しました。

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 区切りがつくまでと作業を行い、気が付くと13時。遅い昼食を取りました。1年の締めくくりで、スタッフに感謝し事務所から、足尾町内の植佐食堂のお弁当と済賀スタッフ手作りのお味噌汁「クマ汁」が準備されました。満腹になる豪華なお弁当とコリコリしたクマ肉、野菜たっぷりのお味噌汁を味わいました。

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 昼食後は、1年を振り返り皆さんから、嬉しかった・楽しかった思い出や来年の抱負などをいただき、2025年の森づくり20年記念事業について報告し意見交換を行いました。

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 雪の中での森作業でスタートした2024年でしたが、春には新緑とサクラやスミレ、リンドウ、夏にはヤマユリやアジサイ、秋にはコスモス・ヒガンバナと紅葉など、1年を通した森作業に楽しみを与えてくれた松木郷の木や植物たち。森びと広場で戯れるアナグマの親子、サクラの花や実、栗・柿の実が熟すと一斉に木に群がるサルや鳥など、木々の生長に伴って豊かになる生態系。夏の台風10号による豪雨では自然界の猛威を体感。そして、育樹活動に参加していただいた皆さんとの交流を通じて「人間は森に生かされている」ことを共感する1年となりました。

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 2025年は森づくりから20年になります。「気候崩壊」とまで言われる地球環境下で、小さいながらも、いのちを守り育む「希望の森」を、森づくりにご協力をいただいた皆さまに観察していただければと願っています。

 本日の森作業は、大野さん、加賀さん、済賀さん、鎌田さん、山本さん、橋倉さん、栁澤さん、坂口さん、山内さん、田村さん、矢口さん、田城さん、林子さん、ボランティアの田口順一さん、筆者清水でした。

 森びとスタッフ、サポーターの皆さん、本年1年間大変お疲れ様でした。

202449【2024年4月9日 シニア1期記念植樹(カツラ)】 ~ 来年も頑張るぞー! ~

 「3R 身近で出来る環境保全(リデュース、リユース、リサイクル)」(作:柳澤)

(報告:清水 卓)

2024年12月18日 (水)

初めての経験を、習う楽しさ・教える楽しさ!

 今日(12月18日)の足尾、早朝は氷点下の寒さです。朝焼けとまだ沈まぬ月がとても綺麗です。

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Dscn3435  本日の森作業は、済賀スタッフの呼びかけに山田さんと筆者が参加をし行なわれました。9時30分の気温は3℃、コーヒータイムは薪ストーブを囲み身体を温めながら話がはずみます。

Dscn3423   責任者の済賀さんから、①熊によると思われる獣害防止柵の破損個所の修理、②広場横「記念樹コーナー」の木々達へ籾殻を撒く、③「心の園」に4~5段の階段の設置を行いたいとの提起がありました。①の被害程度はそんなに大きくは無く、あっという間に補強をしました。ところが「心の園」を横断した熊の形跡があり、今後も注意が必要です。

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   ②は、足尾の厳しい寒さを乗り越えてほしい願いながら籾殻を撒きました。籾殻は草が生えるのを抑えてくれますので、フレコン1袋では足りないくらいでした。籾殻を提供してくれた柳澤さんに感謝です。

Dscn3432   ③は、手作りのベンチ近くに4段の階段を作りました。階段作りの経験がない山田さんに対し、丁寧に済賀さんが教えてあげていました。

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Dscn3446   昼休みには、昨日に引き続き「薪割り体験会」が行われ、山田さんが初体験しました。最初はへっぴり腰でしたが、要領を即座につかみ、快調に気持ちの良い薪割りを行っていました。

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Dscn3437   冬の松木沢は午後2時を過ぎる頃になると、中倉山の陰に太陽が隠れ急に寒くなります。寒さと闘っている「みちくさ」のシンボルツリーのクスノキに別れを告げ帰途につきました。Dscn3441   今日の作業者は、山田、済賀、筆者の橋倉でした。(報告者:橋倉 喜一)

 

 

2024年12月17日 (火)

寒さに負けず、森作業が順調に進みました!

 本日(12月17日)の足尾・松木の気温は3℃(8時40分)でした。晴天で風もありません。しかし、寒いので私は背中をまるめて歩いています。靴下は厚手の物です。全員が揃いましたので9時30分に森作業の打合せを行ないました。

11月にJREU大宮OB会の皆さんが、森作業と森の観察に来られて「自分たちに出来ることとして足尾の森作業に参加します」と言ってくれた田口さんが初参加です。

Dscn3399 作業責任者・済賀より、作業ひとつめは「みちくさ」の大雨対策の桝の設置の完成と玄関のひさしの柱の補修です。二点目は、昨日、足尾の住民の方から頂いた伐採したクリの木を薪にすることを提案し、作業にとりかかりました。

 軒下の補強は、柱の下に腐食が見えますので車のジャッキアップの機材で柱を持ち上げ、柱の周りの石や砂利を敷き、腐食した部分を切断し、新しいコンクリの台に固定しました。慣れない作業で、みんなで知恵を出しながら無事に昼前に柱の補強は終えました。

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Dscn3415 午後の早い段階で、排水桝の設置も終了しました。
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 薪割りに初挑戦の田口さんは、斧で力強く綺麗に薪を割っていました。綺麗に薪が割れて薪を見て、田口さんは”ニコニコ顔”でした。

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Dscn3400 薪割の体験がある深津さんも軽々と斧を使い、栗の木割りを楽しんでいるようでした。早めに作業が終りましたので、コンテナ脇の二本の幼木の獣害ネットが傷んでいましたので、スチール製のネットに交換しました。この方法は、福原さんが考案しましたので「福原方式」の獣害ネット補強と皆さんが呼んでいました。見た目も美しく、獣害に負けないで幼木が大きく生長出来る獣害ネットです。福原さんありがとうございました。

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Dscn3421 本日は、予定した以上の森作業が無事に終わりました。寒いと気持ちが重くなりますが、今日は田口さんのヤル気で心が温かくなりました。寒い中での森作業にご協力ありがとうございました。

 本日の森作業者は、橋倉さん、加賀さん、田口さん、深津さんと筆者でした。

(報告者:済賀正文) 

2024年12月16日 (月)

身の丈にあった活動を仲間とともに

12月15日、宮城県ファンクラブは仙台市荒浜・名取市閖上の「いのちの森」の観察会を行いました。仲間達6名と森びとから清水副代表・田城運営委員と共に、現地に向かいました。

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 新緑や紅葉の時季には、私たちの目や心を癒し、広げた葉が日陰を作り暑さを遮り、草の生長を抑制してくれた、落葉樹の木々は葉を落とし(カシワは春に新芽が出るまで葉を落とさない)、寒風の吹く厳しい冬の寒さに耐えていかなければなりません。

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 今年は3回の育樹作業を行い、1回目(5月25日)に森の中に足を踏み入れた時、ケムシの大発生に驚かされました。改めて人間の活動による気候変動によって、生態系に影響を及ぼしていることを、現場で実感しました。

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 2024年も気温上昇は止まらず、観測史上最高を更新し、「誰も想像がつかないほど異常な速さで温暖化が進んでいる状況」になっています。できることを実践すると共に、仲間達と危機意識を共有し、持続可能な社会のためどう変われるか考え、活動していきたいと思います。

(宮城県ファンクラブ代表・林雄一)

2024年12月15日 (日)

私たちの暮らしに原発回帰はプラスにはならない

 先日、政府が原発を「可能な限り依存度を低減する」の言葉を削除しようしている記事を目にしました。

20241215_191118_2 先月、国民民主党の玉木代表が石破首相を訪ね、原子力発電所の稼働や建て替え、増設といった活用方法を政府の新たなエネルギー基本計画に明記するよう要請しています。言うまでもなく地震大国の日本では、今年元日に発生した能登地震において土砂崩れや海面の隆起・道路の陥没が起き、原発の立地する地域での災害時の避難の難しさが露呈し、安全面の不安は増したばかりです。9月には豪雨にも見舞われ、いまだに数万人もの人が避難を余儀なくされている中で、住民の方の不安を解消することなく、政府へのこのような要請や原発回帰への動きに怒りしか出てきません。

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 そのような中、アメリカのIT大手の間では、原発による電力を活用しようという動きが広がっているそうで、AIの利用拡大でデータセンターの電力使用量は、2023年~30年の間におよそ3倍になるとの予測もあります。日本では、JR東海の進めるリニアの消費電力は東海道新幹線の約3倍、原発3~5基分の電力が必要と言われています。

20241215_191349 さらに、経済産業省は原発の新増設を進めるため、建設費を電気料金に上乗せできるようにする制度の導入を検討していることが報じられ、私たちの生活を苦しめようとしています。

20241215_194634 果たして、便利になること=私たちの暮らしが良くなるのでしょうか。政府や企業等一部の利益がもたらされる人たちのために原発の利活用が推進されるとしか思えません。原発の利活用に舵を切るということは、原発事故によるリスクを堂々と包み隠すことなく明らかにして議論するべきです。ちなみに、福島原発での廃炉が13年でデブリの12億分の1の回収しかできていません。反省をすることなく、いつとも分からない未来へ廃炉を押し付けていく企業の責任は極めて重大です。

 最後に1つ明るいニュースですが、全国知事会で栃木県の福田富一知事は、新たな温室効果ガス削減目標をより高く設定するよう環境省に要請しました。政府は2035年度までに温室効果ガスを13年度比60%減とする方向で調整中ですが、研究者や市民団体などは75%とも80%減が必要と言っており、削減目標の引き上げのうねりを大きくしていかなければなりません。ひとたび事故が起きれば土地を汚染し、市民のいのち・暮らし・仕事を奪う原発の利活用にはNOをあげ続けていきます。(運営委員・小林敬)

2024年12月10日 (火)

冬日和に汗をかく越冬作業

今日は12月に入って初めての森作業。集合時間が冬時間になりダムゲート10時集合でしたが、参加者の皆さんは早めに集りました。

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 責任者は加賀スタッフ。11名全員が作業小屋に集合した所で、前回に続き「果樹園」の除草シートを剥し、籾殻を敷くこと。それからハウス、コンテナ、「うんしゅう亭」の整理・整頓を行うことが報告され、直ちに作業を開始しました。

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「果樹園」の除草シートはがしが大変な作業になりました。ブドウやミカンを植えた所は2重にシートが敷いてあり、萱などの草も生え、鉄の留めピンも錆びていて抜くのが大変でした。それぞれがグループになり協力して万能鍬やバールを使ってやっとのことで除草シートを剥し終えました。

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果樹園の奥にリンゴ、ナツハゼの所は、来年「みちくさ庭」にあるイチゴの苗が植えられるように土を均しました。その後、樹木の根の周りに追肥し、霜や雪から根を守るために柳澤さんが持ってきてくれた籾殻をフカフカの毛布のようにかけてやりました。

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12時を回っていましたが、後片付けをして「果樹園」の冬支度が終わって昼食を取りました。

食後の少しの時間でしたが、柳澤さんが、「森びとカルタ第2弾」を作って持ってきてくれたのでお披露目していただきました。

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「ふ」・・腐葉土を おしどり夫婦が 2000袋。

「た」・・暖流が 三陸沖で さようなら。

「ま」・・まだまだ 序の口 20年。

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などなどを聞いて、参加者らは「その心」を改めて柳澤さんから聞いて「なるほど」と納得でした。これを一夜で書き上げた意気込み、情熱には敬意を表するところです。楽しく、あれやこれやと話は盛り上がりました。これまで「ふるさとの森づくり」に参加された森ともの皆様も足尾の思いの句を読んで盛り上がってみてはいかがですか。

 午後は、午前中に使った道具類をみんなで片付け、うんしゅう亭に置いてあったヘルメットを棚から降ろして整理しました。

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 今日は、身も心も綺麗になるような清々しく穏やかな一日でした。そして一年が間もなく終わると共に越冬作業で汗を流し、森づくり20年を区切りに新しい一年に想いを馳せる「冬日和」になりました。お疲れ様でした。

 本日の森作業は、鎌田、松村宗、橋倉、加賀、柳澤、坂口、田城、清水、林子、そして筆者の大野でした。

<報告:大野昭彦>

2024年12月 8日 (日)

「第9回エコ散歩」で師走の明治神宮を歩きました!

12月7日(土)はエコ散歩で、前回に引き続き、明治神宮を歩きました。ご存じの通り、この明治神宮の森は100年前に人の手で作られた森ですが、一木一草たりとも持ち出すことは禁じられ、折れた木や落ちた葉はすべて森に戻すことになっています。この時期は落葉も大量にありますが、それらがすべて分解され、森に還っていくのですから、自然の力は凄いですね。葉を集めてゴミに出すことが実に無意味なのだということが良く分かります。

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森に入ると街の喧騒がふわっと消えて、人々の歩く音と、少しの会話の声が、鳥の声に満たされます。やはり少し気温は下がりますね。少し前までは都内ではまだイチョウも色づかないと聞いていましたが、常緑の森の中に所々赤や黄色の葉っぱが青空に美しく映えていました。

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この日の参加者は20名。森の案内は、今回も森びと植生アドバイザーの中村幸人先生です。この時期ですので紅葉の仕組みからスタートです。落葉する木々の奥深いしくみについてわかりやすく説明してくださいました。

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今回は、人数も多く、明治神宮という場所がら大声を出すわけにもいかないため、FMラジオを全員に配り、それをトランシーバーのように使って先生の話を聞きました。少し離れてしまうともともとの周波数から送られてくるアニメ音楽が聞こえてくるおまけつきです。道すがら見つけた木々を一本一本解説してもらえるので何とも嬉しい限りです。

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クスノキは九州に植生があるものの、はっきりした出自がわからない木だと言います。船の材として有用で液果で鳥によって至るところに運ばれるものの、明治神宮では実生はありつつなかなか次の世代を作れないのだとか。この地には合わない木なんですね。タブノキ、シラカシ、アラカシ、ツクバネガシ、ケヤキ、エノキ、ムクノキ、ヤシ、モチノキ、ネズミモチ、サザンカ、サカキ、ヒサカキ、チャノキ、ヒノキ、イチョウ。このほかにもたくさんの木本、草本類の話がありました。これだけの種類の木々があるというのですから実に豊かな森なのでしょう。

Pc074617_2イイギリの実がついていました

今回もリピータで小学2年生の女の子とそのご家族が参加てくださいました。縦横無尽に森を楽しんでくれていて、みんなを笑顔にしてくれました。お馴染みの「宝さがしビンゴゲーム」は史上最ムズでしたが、美味しいドングリも見つかったし、松ぼっくりも、ふ〇〇う(笑)も見つけられたので良かったですね!土壌動物を見るミニ企画でも興味津々に観察してくれていて、準備しがいがありました。解説は少しだけ難しかったかもしれませんね。

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今回も前回と同様、原宿駅前の鳥居から北参道に入り、本殿をぐるっと回り、西側の客殿の前で解散というコースとなりました。以下、皆さんから頂いた感想や気づきです。

・同じ場所を歩いても季節によって変わるし理解も深まる。また参加したいです。
・普段みているものも植物といろいろ関係があるのだと知った。
・植物をいろいろ教えてもらい面白かった。
・こんなに時間をかけて森を歩いたのは始めてだった。
・戦争があるとこういう豊かな森も一瞬で破壊されてしまう。
・人間はろくなことをしないけれど、こういう森を作ることもできる。
・100年で森ができる。鳥が種を運んでくる。感動した!楽しく学べた。

また今回のエコ散歩に初めて参加下さり正会員になってくださった方もいらっしゃいました。本当にありがとうございます。

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この日は同じ時間に「緑と空の神宮外苑ウォッチ」という集まりがありました。森びとのメンバーも参加していたと聞いています。内苑も外苑も、植物の大切さは変わりがありません。もっと森が大切に扱われる社会になると良いなと願います。

来年の森散歩は、20周年記念事業があるため一時休止します。再来年(2026年)にパワーアップしてまた開催しますので、その際にはたくさんの皆さまにご参加いただけたら幸いです。(運営委員会 小黒)

2024年12月 1日 (日)

森ともの声を社会運動へ反映したいと願う

 先月、私は二人の感想文を読んで気候危機等から自分の命を守ることの危機感が薄氷のようなものであることを突きつけられました。

 その感想文は、11月3日に実施した「中倉山のブナを元気にする恩送り」というブナ保護活動でご一緒した登山ガイドのMさんと9日に行われたJREU大宮シニアの森の散策と以前植樹した地の草刈りに参加してくれたMさんからのものでした。

 ガイドのMさんは「一歩一歩自分と向き合い登っていくとそこに凛々しく立つブナが待っており、“このくらいで大変と言ってはダメだよ”と、まるで“人生の師”のような圧倒的なブナに逢う事が出来ました」(一部)と感想を書いていました。シニア会のMさんは「今、我々が行動しなければ手遅れになる。子や孫たちが気付いた時では間に合わない。現状に危機感を持っていない自分に気づかされた」「自分に出来ることを考え、危機意識を共有する場をつくる」と書いていました。その後、登山ガイドのMさんは、今後は中倉山を案内したいと言ってくれました。

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 東京郊外に住む私は、気候危機という生存の不安定な社会を前にして、LED電球の交換、あるいは中倉山のブナの種から苗を育てるという程度のものでした。私は、二人の感想文を読み返し、2024年の世界平均気温が過去最高を示すと言われている中で、次期米大統領の「燃やせ!燃やせ!」に現われている温暖化姿勢、COP29での二酸化炭素大量排出国や産油国等の温暖化対策へのブレーキ踏み言動等を見聞きすると、海水温度は更に上昇するとともに気候も変化し続けると思います。世界各国の人々は年を追うごとに異常気象に怯えた生活を強いられます。

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 このような予測をすると、二人の感想は“気候危機には待ったなし!”というレベルではなく実践的であると思い、感動し、嬉しく思いました。運営委員2年目に入る私の1本の柱がふたりから提案されました。本格的に始まる「エコ散歩in足尾」では、私の生存の危機を一緒に散歩する方々と共有していきたい思います。そして、この危機感を社会へ拡げていく私たちの勇気へ繋げていきたいと考えています。

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 最後になりましたが、己の生存危機に向き合う姿勢を振り返ることの大切さに気づかせてくれた二人に感謝申し上げます。 

 運営委員  田城 郁

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