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2024年2月の4件の記事

2024年2月23日 (金)

悔しさをバネに、決意を新たに!

 昨日(2月22日)、横須賀石炭火力控訴審判決があり、清水副代表と一緒に参加をしました。東京高等裁判所101号法廷は9割方の席は埋まりました。11時に開廷し、裁判長は「本件控訴をいずれも棄却する。控訴費用は原告が持つ。以上」とだけ言い、怒りの声が響く中、僅か10秒ほどで閉廷しました。やましいことがなければ、堂々としていれば良いものの、逃げるように法廷を立ち去る姿には怒りとともに呆れを感じてしまいました。1708608725541

 その後の報告集会では、小島延夫弁護団長からは原告側の主張を認めつつ、否定をする裁判官の保身について語られ、①CO2の累積的影響を認識しながらも、横須賀石炭火力発電所からの排出を許容している、②気候変動は地球規模の問題と認めながらも原告への影響はないとしている、③合理化ガイドラインの適用が妥当と判断する根拠が環境アセスメントの趣旨に反している等、判決に対する3点の矛盾点が述べられました。1708608746948_2

 原告団長の鈴木陸郎さんからは、「判決の言い渡しは、ほんの数秒で終わった。衝撃を受けた方もいると思うが、あの場面は、あれ以上あの場に裁判官がいることができない、ということの表れだったのだと思う。内容的には圧勝している闘いをやってきているということ。ここでやめたら自分たちは諦めたのかということになってしまう。最高裁判所に最後まで判断を仰ぎたい。ぜひご賛同いただきたい。また、この裁判を通じて学んだのは、今の社会が、このままの状態で将来に渡していいのかという状況にあるということ。CO2を出していることによって今の社会が成り立っている、そんな社会の仕組みを作ってしまった、そういう責任があると思う。それを解決する方法を目指さないと、次の世代に申し訳ない。その方法として、我々が武器にしていた環境アセスメントはものすごい武器になるはず。環境アセスメントの仕組みは、そんな法律にしていかないといけない」と決意が述べられました。

1708608753575 これまで、地元・横須賀市民を中心に、気候危機や大気汚染への影響を懸念し、「反対」の声をあげ続けています。石炭火力は地球温暖化の最大の原因であり、G7でも全廃すると約束が交わされており、まずもって減らすべきものです。

1708608766446 世界では訴訟によって市民が勝利をした例もあることから、決してあきらめずに、化石燃料を使用する事業主体にプレッシャーをかけ続けることが大切であり、闘いの歩を止めるわけにはいきません。最高裁に上告することが確認され、熱気あふれる報告集会そして次の闘いへの決起集会となりました。

https://yokosukaclimatecase.jp/news/nishin-hanketsu/?s=03

(運営委員・小林敬)

2024年2月22日 (木)

ボタン雪が降る足尾で笑いとカーンと音響く森作業

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 本日の足尾の9時の気温は3度でした。9時40分には作業小屋に参加者全員が揃いました。

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 今日の責任者は済賀スタッフ。いつものようにコーヒーを飲みながらミーティングを行っていると、外は牡丹の花びらのような雪が降ってきました。今日の森作業は、春にハイカーやクライマーの方などが休憩する苔テラス内の歩道に「杉皮」を敷くこと。②遊動学舎=みちくさの土留めの丸太が設置してから15年が過ぎ、腐った杭を新しいものに交換すること。③各森・杜の看板を設置することにしました。

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 まずは、苔テラスの歩道に杉皮を敷く作業を全員で行いましたので、それは30分程で終わりました。次は、土留用の杭の交換。古く朽ちた丸太は1㍍ほど埋まっていたので抜き取るのが大変でした。苦労しながらスコップやツルハシで丸太の回りを掘り起こして一本一本抜きました。

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 本間スタッフが「テコの原理でもっと簡単に抜くことが出来る」とロープと単管パイプを使って教えてくれました。その結果、杭は2本いっぺんに抜け、午前中に全ての杭(80本)を抜くことができました。その後、穴掘りと新しい丸太(直径25cm×2m)を丁寧にしっかり打ち込みました。ボタン雪が降る中でしたが21本の丸太を設置しました。

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 昼食が終わるころには雪が止みました。

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 午後は、継続して丸太を設置するメンバーと各森・杜の看板を設置するメンバーに分かれて作業することにしました。作業開始前に、柳澤スタッフが4㍍の真竹60本を運び入れてくれましたので、「うんしゅう亭」に降ろしました。

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 各森・杜の看板設置は4人で行い、民集の杜 北、民集の杜 東、民集の杜西、臼沢の森、臼沢西の森の入り口には植樹年や写真などを印刷した看板を立てることができました。また、臼沢西の森の入り口付近の獣害柵が壊れていたので、即、仮修繕してきました。

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 森(杜)から下山すると、土留め設置終わっていのせんでしたので、最後の力を振り絞って58本の丸太を打ち込むことが出来ました。松木郷の谷間に杭を打ち込む”カーンカーン”という音が響き渡り、その音色は春の足音のように聴こえました。改めて人間の智慧と力は計り知れないこととを実感し、森に感謝しました。時すでに15時を回っていました。

本日の森作業は、鎌田、山本、本間、橋倉、山田、加賀、済賀、坂口、大野でした。

<報告は大野昭彦>

2024年2月18日 (日)

第6回エコ散歩で自然教育園を歩きました!

昨日(2/17)は港区の自然教育園でエコ散歩を行いました。今回は初の真冬での開催です。真冬とは言いましても、春一番の風が例年より2週間も早く吹いた2日後ですので、厳しい寒さにはほど遠く陽が射すとむしろ暖かいような一日でした。

P2173877・フクジュソウは満開

今日は春植物(スプリング・エフェメラル)も少し見られる期待もあり、時間切れになって奥までたどり着かないことも多いので、春植物がみられそうな一番奥(武蔵野植物園)のあるところまで速足で歩き、ゆっくりと戻ってくるというコースで散策しました。

P2173871・里山として管理している武蔵野植物園

いつも通り花言葉が”幸運、健康、長寿”のケヤキの木の下からスタートです。
共催2団体の代表のご挨拶ののち、まずは歩きます。寒いから温まろう、という意図もありましたけれど、結果的にはうっすら汗をかくほどでした。

P2173864・まずはご挨拶から

武蔵野植物園手前の広場で一同自己紹介をした後に、森の案内人・中村幸人先生からの案内がスタートしました。以前はこの辺りもコナラの大木がたくさんあったのですが、ナラ枯れのためすっかり開けています。

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・イヌビワの木の前で


世界から見た日本の森の貴重さという視点はいつも新鮮な気付きを与えてくれます。「山菜なんて食べるのは日本人ぐらいです」野にあるものをそのまま頂くという発想は、日本の自然の豊かさと、付き合いの深さを物語ってるのかもしれませんね。

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・皆さんは恵まれています!


氷河期の時代、たくさんの種の避難場所になっていたために、現在は多様な種が存在するホットスポットになっているのが日本という場所だそう。これからくる気候変動に対しても、大陸と違って影響の変動幅がゆるい日本は、人類にとってもより生き延びるチャンスがある環境なのだとか。

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・里山は人による管理維持が必要です

武蔵野植物園では日本の里山、雑木林の話がありました。人が森を持続的に付き合ってきた結果成り立っていた林の姿です。木が落葉性を獲得したのはいまの北極のあたり、寒さへの耐性を手に入れたのだとか。木は動けないだけに生き延びる戦略は動物よりも豊富で知恵があるそうです。

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・ウコギの仲間ハリギリの強そうな冬芽も山菜として食べられています

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・セツブンソウがかわいらしい


曇りがちでユキワリイチゲは花を閉じていましたが、セツブンソウとフクジュソウ・フキノトウがお出迎えしてくれました。

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・フキノトウ、取られた跡もありました。「取ったのは日本人でしょう(笑)」


続いて向かったのはこれまでエコ散歩では行けなかった水生植物園です。モズがずいぶん近いところの枝に遊んでいて、ハンノキの花穂、アゼスゲ、カサスゲ、ススキ、オギ、ヒメガマの穂、マユミの冬芽などを見て回りました。特別なものは見当たりませんでしたが、もう少しするとノウルシやミツガシワが咲き誇ってとても幻想的になる場所でもあります。

R0000096 ・水生植物園にて

R0000101・ハンノキは貴重です

R0000098・ヒメガマの穂はふっかふか


いつものひょうたん池の休憩所でお菓子休憩をして、アカガシやスダジイの大木を眺めながらゆっくりと戻りました。

R0000106・大きなスダジイ、これからも長く残りますように!

再び入口に戻り、新しく参加してくださった方からの感想を伺いこの日は終了となりました。感想のいくつかをご紹介します。


・大きな視点からの見方を含め知らなかったことをたくさん教えていただいた。
・勉強になった。冬の季節で常緑樹が良く見られて良かった。季節を変えて参加したい。
・小さなセツブンソウといった普段見られないものが見られてよかった。
・説明付きでとても贅沢な散歩だった。
・楽しかった、そしてとても有意義だった。また参加したい。

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・常緑の木々もよく観察ができました。


飛び入りの方も含め、総勢15名のとても楽しいエコ散歩となりました。参加くださった方々には改めてお礼を申し上げます。

Dsc08493・参加者全員での集合写真

来年は明治神宮新宿御苑を年4回歩くことを考えています。もう少し早めに開催日を教えてもらえると参加できたのに(参加したかった!)、という声もちらほら聞きますので、年のスケジュールが決まり次第アップしておくようにします。また来年もお会いしましょう。たくさんの皆様のご参加をお待ちしています。(運営委員 小黒)

2024年2月 7日 (水)

残雪がキラキラ輝く、松木郷の生き物たち

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今日は、先月25日に森作業が設定されていましたが、大雪のため中止になりました。そして2月5日から6日にかけて南岸低気圧接近により、関東甲信で大雪が降り、足尾でも25cm以上の積雪ありました。そのため安全を考えて森作業を中止しました。昨年松木郷の樹々たちに施した越冬対策がどうなっているか。また、雪の重みでビニールハウスなどが壊れていないか心配なため点検を含めて観察することにしました。

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       足尾ダムから松木郷・中倉山方面(上)

9時30分に足尾・ダムゲートに、清水さん、山田さん、橋本さんと待ち合わせして松木に入りました。山田さんと清水さんの車は四駆でないので、以前ヘリポートがあった入口付近に車を止めて歩いて作業小屋に入りました。

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     上:2005年から育てている松木郷の「臼沢の森」

     下:森びと広場から足尾グランドキャニオン方面

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 朝10時の気温は3℃でした。広場には20cm程の積雪で、日陰の所では25cmの積雪を確認しました。ストーブに火を入れ、暖を取り4人でミーティングを行いました。

今日は、20年間作ってきた松木郷の森の点検と立春を過ぎて、どんな生き物たちが森に寄り添って生き抜いているのかを五感を働かせながらで感じ取る「観察」を行うことにしました。

りんねの森、民集の杜、そして苔テラスやこころの園などを観察しました。

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上:芽吹きが楽しみな待つブドウやお茶そしてミカン等

下:春を待つハウス内のユズ、みかん

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上:雪虫?

下:温もりを伝えてくれるヤナギの蕾

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以上の写真を見ても感じていただけると思いますが、臼沢の森や民集の杜ではシカ、シジュウカラ、トビ、キジ、ヒガラ、エナガ、ヤマガラなど生き物はたちが飛び交う姿を観ることができました。小鳥のさえずりは聞くことが出来ましたが残念にも一枚の写真におさめることはできませんでした

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しかし、明らかに、森の中では樹々たちの息吹を五感で感じ、聴く小鳥のさえずりが冬の寒さも峠を越えて”春の兆し“を感じることができ、春を待つ私達にも元気をいただいた一日でした。一緒に観察していただいた、橋本スタッフ、山田スタッフ、清水スタッフお疲れ様でした。

今日の報告は大野昭彦でした。

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