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2021年8月の22件の記事

2021年8月30日 (月)

宮脇先生、天空の森から応援してください。いのちを守る本物の森づくりを!

 「一番困難な場所で森がつくれれば、世界のどこでも森がつくれる!」2004年9月、足尾銅山跡地に立った宮脇昭先生は、草の生い茂った松木村跡の土を掘り、手に取って匂いを嗅ぎました。

 「地球温暖化にブレーキをかけるために、温室効果ガスの吸収源となる森をつくる」という「森びと」の調査に同行させていただいた私に「土の匂いがするか。匂いを嗅いで、舐めてみなさい」と言われ、茶色い砂の多い土壌からは、ミミズなど土壌動物が分解したあとの腐葉土のような匂いはしなかったことを覚えています。のちに開催される「森びとインストラクター」養成講座での講義で「木は頭から枯れる。木は根、根は土だ」とその意味を知りました。

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 2005年から植樹を行った「臼沢の森」は県が植栽した場所ですが、植樹後の育樹作業の不足と思いますが、竹に支えられた苗木の大半が枯れており、根を確認すると根腐れを起こしていました。宮脇先生は「苗木を植えた後の3年間は下草刈りを行う。3年経てば幼木は草より生長し、草に負けず、木々との競争で成長する。競争しながら、お互いに少し我慢し、共に共生していく」と人間が手をかけた森づくりは、赤ん坊を育てるように、子供の成長を促すように、植樹地の状況を見ながら育樹を行わなければならないことを教えてくれました。しかし、働きながらのボランティア活動のため、どうしても人間の都合に合わせた森づくり参加になっていきました。

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 足尾の松木地区はシカやサルが多く、禁猟区のため冬になると尾瀬や日光中禅寺方面からシカが越冬にやってきました。木々を守る獣害柵が張られていますが、落石やシカの体当たり、イノシシが柵の下を掘り入り込んできます。点検を怠ると幼木の頭が全部食べられてしまった年もあります。また、草刈りを怠り、苗が蒸し風呂に入ったように草に覆われ枯らしてしまうこともありました。常に問われていることです。

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 こうした足尾の荒廃地では、3年の草刈りで木々への手助けが終わるわけではなく、豪雨による落石や動物たちに穴をあけられた獣害柵の修繕、植栽地の階段づくり、土留めづくりなど、多くボランティアや献身的なスタッフ、サポーターの皆さんの手仕事によって森がつくられてきました。

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  2005年に宮脇先生と一緒に植えた40cmほどの木々は、10mを超える森へと生長しました。「公害の原点」と呼ばれ、はげ山(荒廃地)となった足尾の山々ですが、巨大化する豪雨災害に強い森へと育てていく挑戦は終わることはありません。

 

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 森づくりの巨人・宮脇昭先生が7月16日に“天空の森”へと旅立ちました。先生、旅立つにはまだ早いですよ。9月15日、森びとプロジェクトは宮脇先生の森づくりへの情熱を少しでも継承できるようにと、臼沢西の森に93本の苗木を追悼植樹します。強者スタッフ、サポーターの先輩方と気持ちを一つにして、山と心に木を植え、いのちを守る本物の森へと育てていきます。

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 『希望の明日を拓くのは他人まかせではいけない。一人一人が、自分の命、愛する人の命、かけがえのない遺伝子の細い絆を守るために、木を植え本物の森をつくる。これは、いつの時代でもどこでも、人類が生き延びるための正攻法であると確信している。まず植える。植えながら議論しよう。机上の議論をいくら繰り返しても、それだけでは不十分である。実際に木を植え、いのちを育てていこう』(宮脇昭著:いのちを守るどんぐりの森)より。

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 (運営委員・清水卓)

松木渓谷を吹き抜ける風に秋の気配を感じ、里親植樹の準備に汗を流す

 本日は8月29日(日)、曇り空ですが作業小屋の9時の気温は25℃、蒸し暑さを感じます。橋倉さんが入れてくれたコーヒーを飲みながら本日の作業打ち合わせです。9月15日の森作業集中日には第4回(8月里親植樹)と第5回里親植樹、そして、7月16日に“天空の森”に旅立ちました宮脇昭森びと顧問の追悼植樹を行います。コロナ禍での準備を進めていますので、作業にはワクチン接種2回目を済ませた栃木県在住のスタッフ、サポーター4人が集まりました。

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 15日は臼沢西の森の階段西側の上部Q~Tの段に植樹を行います。Tの段に黒土が運ばれていないので、午前中は黒土運びを行い、午後は臼沢西奥の森の草刈り、T段の下の土留めづくりを行うことにしました。さっそく、背負子を軽トラに積み出発です。

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 背負子に黒土20ℓ袋を載せ臼沢西へ向かいます。水分を含み重さは倍増です。2袋積むと体感は30kgを超える重さに感じます。自分の体力、体調に合わせ無理のないように運びました。 

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 まずは階段下に積み上げ、階段2段ずつ黒土袋を上げていきました。一番下の段は風の通りが悪いため、汗だくです。上の段に行くにつれ松木川からの風が通り、爽快感を感じます。無理せず、声を掛け合い、休みを取り、呼吸を整え、48袋をT段まで運びきりました。 

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 午後は、岩が多く植樹地が地続きでは無くなってしまうため、安全に植樹が出来るようにT段に繋がる階段をつくろうということになり、甲羅板を半分に切り、階段づくりです。甲羅板を押さえる鉄筋を打ち込みますが、地中の岩に当たり、打ち込むのに苦労しました。何とか5段つくることができました。

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 鎌田さんは刈り払機で臼沢西の奥の森に繋がる道の草刈り、橋倉さんは奥の森の草刈り、加賀さんと筆者はT段下の土留めづくりを行いました。

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 岩の多い急斜面のため、土留め(植樹地)づくりは大変です。甲羅板を押さえる鉄筋がスムーズに打ち込めても、残り10cmぐらいで岩に当たりやり直しです。何とか足場となるU植樹地に甲羅板5枚分の土留めをつくることができました。残りは6枚分です。 

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 奥の森に繋がる通路はきれいに草が刈られました。奥の森の下草も刈ることができ、幼木が元気な顔を出しました。

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 臼沢西の森にもススキが生え、穂が風で揺れています。トンボは里に降りる準備をしています。秋が近づいていることを感じます。3時を過ぎたので、作業に区切りをつけて、道具を片付け、本日の作業を終了しました。

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本日の森作業は、鎌田、加賀、橋倉、清水でした。(報告・清水)

2021年8月27日 (金)

子や孫にツケを押し付けないようできることをやろう

 今月9日、国連の気候変動に関する政府間パネルIPCCが発表した「第6次評価報告書」では、「人間の影響が大気、海洋及び陸域を温暖化させてきたことには疑う余地はない。大気、海洋、雪氷圏及び生物圏において、広範囲かつ急速な変化が現れている」と断定しました。

Https___imgixproxyn8sjp_dsxzqo091_2  今月に入って九州、中国地方を中心に豪雨が発生し、山間部では土砂崩れの被害が多数起きていますが、2014年の広島や2018年の西日本など、ほぼ毎年起きています。もはや想定外の異常気象が日常化していると捉えなくてはなりません。 皮肉なことに、人間が自ら作り出した地球温暖化によって、命にかかわる異常気象が日常化し、私たちの生活が脅かされています。Photo_3

 昨年、菅首相は2050年カーボンニュートラル宣言を発表し、2030年の削減目標を2013年度比で46%、そして50%の高みに向けて挑戦すると発表しました。しかし、そこには化石燃料依存、原発依存のエネルギーミックスを掲げています。私たちは、最も二酸化炭素を排出している化石燃料、そして危険な原発を止め、自然エネルギーへと転換していかなければならないと考えています。あわせて、植林による気候変動対策を国民運動として活用していくことも同時並行し行動しなければ、この気候危機を乗り越えることはできません。気温上昇を1.5度に抑えるためには、二酸化炭素の排出許容量は約4,000億トンだと推定されています。現在のペースでの排出が続けば、あと10年程で使い切ってしまう量であり、地球は悲鳴をあげています。もはや残された時間はなく、対岸の火事ではいられません。

202106290305_top_img_a 環境に負荷をかけない大量生産・消費型の経済システムからの転換の第一歩をできることから始めませんか。私たちは栃木県日光市足尾の荒廃地に木を植え、森を育てる「里親植樹」を行っています。http://www.moribito.info/fosterplanting.html

Graph1 (運営委員・小林敬)

2021年8月24日 (火)

なごやかな気分を持ち続けて森の防潮堤づくり

2021824  今日(8/24)は8月後半の3回目の作業でした。昨日の大雨で苗木はひと安心。苗場は砂利を敷いたので今までのようなぬかるみが解消、すっきりした環境で作業ができました。飲み物は、ホットコーヒーから麦茶になって、岩橋さんが用意した麦茶を飲みながらの打ち合わせ。

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2021824_4  今日もポット苗の草取りと苗木のチェック、松林さんは農園のキュウリ(馬込半次郎)とカボチャの収穫、そして農園の後片付けを行いました。愛情がたっぷりで育てましたので、キュウリは苗4本で80本、カボチャは苗6本で30個が収穫できました。地産地消の自然の恵みを仲間たちで分かち合い、美味しくいただくことができました。松林さんは、すでに秋野菜を考えているようで、秋の恵みを楽しみにしてくれ!と話していました。

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2021824_6  草取り班からは、シャリンバイのポット内にユリがあることに気づき、切り離さないで静かに見守っていくことにしていました。何と心優しいスタッフたちでした。遠くの森の中からはツクツクボウシが力を絞って鳴いていました。

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2021824_13 休憩タイムでは、先日、市長選に立候補の意思を表明した応援隊顧問の桜井さんの話題、そして、来月の作業計画の予定や補植・草刈りの再確認を行いました。最後に、今日で収穫最後のカボチャを手に持って「ありがとう。おいしかったよ」とつぶやきながら記念写真を撮り、散会としました。

2021824_8  散会後、松林さん、岩橋さん、筆者で10月24日に開催する第9回鎮魂復興市民植樹祭の北泉地内の会場を見てきました。残念ながら今年も昨年同様、コロナ感染拡大防止のため「市民限定の縮小規模」とはなりますが、市役所との協働作業で実りある植樹祭をつくり出します。スタッフの皆さん、お疲れさまでした。

2021824_12         秋の植樹予定会場

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2021824_11  伊達市までの帰り道、飯舘村の畑一面に咲くヒマワリと白く咲くそばの花を見ると気持ちが癒されました。今日の作業は、菅野、松林、岩橋、道中内、松本そして筆者でした。(敬称略・報告 東城敏男)

2021年8月23日 (月)

県議が臼沢の森・松木・民集の杜を視察しました。

 世界中の大雨や猛暑のニュースが絶たない。その情報を聴く度に、明らかに気候変動(地球温暖化)の影響だと思う。IPCCはその原因が人間の活動によるものだと断定した。このままの暮らしを続けていくと、2021~2040年の間に気温が1.5度上昇する可能性が高いという。今までの調査よりも10年早まった。既に1.09度に達している。このままだと熱波や豪雨が増え、それが原因で山火事や水害が世界中で頻発するという。P1010071_2 これからの暮らしがどうなるのかと、危機感を抱いている人は多いと思う。しかし、それは他人事で済ませているのではないかと思う。企業や自治体はその対策を打ち出していますが、経済成長との関連でその技術開発に重きを置いているように見えます。それは私たちの生活に直結します。これは大事なことですが、炭素社会の生活を見極めていかないとついていけない人が社会に溢れてしまうことになると思う。今、早急にやらなければならないことは、世界中の人々の暮らしを脅かしている二酸化炭素排出量とそれを吸収できない森と海にしてしまっている現状を、自然界が吸収できる範囲内の排出にすることではないか。

P1010066P1030307 私たちはその吸収力を高めていくために、足尾の荒廃地に森をつくっている。しかし、市民の森づくりでは世界の排出量を吸収していくには間に合わない。政府が計画する10年間で1億本の木を植える「国民参加の森林づくり」を期待したい。そこで、県ファンクラブはその国民運動を積極的に推進していきたいと願い、県議会に陳情書を提出する準備をしている。

 その一環として、M県議会議員に現地を見てもらった。昨日(8/22)の視察では、私たちが育てている「臼沢の森」、「民集の杜」を見てもらった。M議員からは、「本当に素晴らしい森で、この活動は今まさにタイムリーなこと、陳情書の提出にバックアップしていく。」とのコメントをいただいた。

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 是非、足尾の地でも「国民参加の森林づくり」が始められることを願っている。Ⅿ県議会議員に感謝を申し上げます。(栃木県FC:加賀春吾)

2021年8月22日 (日)

想定外の気象現象に気持ちを引き締めて足尾の森作業

Dscn7557  昨日(21日)の足尾町・三川合流ダムから落ちる水は激しい音を立てて川幅いっぱいに流れていました。でも気分は、雨天続きに終止符が打たれた日が表れ、ホッと一息ついています。昨日の足尾の天気は、、時々雲の合間から陽がさしこんでいました。長雨で被害はないかと周囲の様子を見ながら作業小屋に向かいました。

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Dscn7568  9時の気温は24℃で少し蒸し暑い感じがしました。昨日は、人間の都合で衰弱させてしまった苗木が猿にいたずらされてしまった場所の補強です。現場に行ってみると、オオシマザクラが10本、ミズナラが2本ポットから引き抜かれていました。衰弱した苗木はこれから暑く乾燥が強くなるのでは予想し、土を掘ってポットを埋め込みました。

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Dscn7574 午後は、土砂が流れ込んだ給水口の復旧と松木の杜、民集の杜の点検を行いました。大きな異常はありませんでしたが、単管パイプの折損が2カ所ありました。民集の杜は、以前土砂が流れ込んだ場所と同じ個所に30㌢大の落石があり、フェンスも倒れていました。

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Dscn7577  自然のパワーは人間の都合を裏切り、同じようなことが起こり、物事は私たちが考えている通りには進まないことを改めて思った昨日の森作業でした。森作業は、鎌田と筆者でした。(報告 橋倉喜一)

2021年8月21日 (土)

残暑の潮風を浴びて南相馬の森の防潮堤づくり応援

本日(21日)の天気は、昨日と違って気温28℃でむし暑い曇天でした。

P1020113  応援隊9名は本日、ポット苗の草取りと育苗場の整備を行いました。この10日間は雨が多く、ポット苗の雑草は伸び続け、草取り作業はやりがいを感じました。

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P1020110  そんな中、松林副代表が精魂込めて育ててきた農園のキュウリは今日が最終収穫でした。最後の最後はカボチャで間もなく収穫になります。25㌢程のスイカを本日収穫しましたが残念なことに、写真のような状態でたべることはできませんでした。

P1020121  休憩時、小川事務局から市役所との意見交換の進捗状況が報告され、それは私たちの要望が実りつつあるようでした。

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P1020117  育苗作業が終了した時には、東城さんが持ってきてくれた美味しい桃(あかつき)と、佐藤さんからはシュークリームが届いていましたので、全員で美味しくご馳走になりました。フルーツの菓子の甘味が身体に沁み込み、蒸し暑い日の森作業の疲れが取れました。ごちそうさまでした。

P1020122  残暑が続きそうですが、応援隊は苗木たちが枯れないようにしっかりと育苗作業を継続していきます。猛威をふるっている新型コロナウイルス感染にも特段の注意を払って、森に寄り添う生活を送りたいと思います。本日の森作業は、松林副代表、菅野副代表、山田事務局、小川事務局、東城スタッフ、道中内スタッフ、原田スタッフ、岩橋恵美スタッフ、佐藤スタッフそして筆者が行いました。(報告・岩橋 孝)

2021年8月20日 (金)

国際連帯で二酸化炭素削減アクションを

 昨日迄の1週間の天気は、8月下旬に梅雨の再来でした。今日(18日)は、やっと木々の間から夏の青い空を見ることができました。夏空がなつかしく感じられました。この期間、九州・四国・山陰地方では年間降水量の半分の雨が降り、土砂崩壊などで人命が失われ、今も行方不明者の捜索が続けられています。お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りすると共に行方不明者の皆さまが一刻も早く発見されることをお祈りいたします。 

Dsc05838  先月は、熱海市で大規模な土石流の発生で多くの人命が失われ、今でも行方不明者の捜索が進められています。一方でコロナ感染症が急拡大し、緊急事態宣言の延長と地域の拡大が出されました。これは日本だけでなく、世界中に急拡大しているようです。

Dsc05834  この自然災害は人間の誤った生活スタイル=大量生産・大量消費のための生活によるものだと思います。対策を速球に実施に移さないと、この自然災害は大きくなるばかりだとIPCCは警告しています。政府の森林・林業事業計画では「国民参加の森林づくり」が計画され、10年間で1億本植樹を目指す国民運動が計画されています。今は、このような対策を国際的に実施することではないかと思います。

Dsc05835  茨城県FCでは、どんな対策が可能なのかを話し合っていますが、二酸化炭素を吸収する木を植えること、しかし、これだけの対策では気温を下げることができないので、二酸化炭素削減を世界中で一斉に行う統一アクション日を設けて、国際連帯の削減アクションを実施するように、国連にお願いしていけないかと模索しています。

Dsc05836  森ともの皆さんのアドバイスをお願いします。(茨城県FC・済賀正文)

2021年8月18日 (水)

“山と心に木を植える”活動を今秋に再スタート

 各県ファンクラブの皆さん、“山と心に木を植える”活動が出遅れていました神奈川県FCです。やっと活動を始められるようになりました。以降よろしくお願いします。神奈川県FCの活動は秋から再開する予定です。

Dsc02645        足尾にて(2011年)

 8月に入っても全国各地で異常気象により強風や豪雨で、河川の氾濫や堤防の決壊、土砂災害が発生しています。7月には神奈川県の隣にある静岡県熱海市では「人災」と言ってよい大規模土石流により、多くの人命と生活が奪われてしまいました。地球温暖化による気候変動と合わせて、人間の悪行によって引き起こされた人災に遭うたびに、“山と心に木を植える”活動の大切さを実感しています。

20210816_125542  毎年、想定外の異常気象に怯えることなく、森と海の恵みが持続され、命を育む循環ことのできる安心・平和な社会でありたいと願っています。そのために私たちの活動に賛同してくれ、共に活動を担っていただける“森とも”との出会いを求めていきたいと構想しています。当面は、身近なシニア世代に呼びかけ、現役で培った知識と知恵を次世代の心に植えられる活動に視点をおいています。各県FCのアドバイスをよろしくお願いします。

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 その誓いを固めていくために、真鶴半島(神奈川県)の「魚つき保安林」に起っていきます。また、少しでも二酸化炭素を吸収してくれる木を植えていくために、「里親植樹」にも参加していきたいと考えています。(神奈川県FC・木之下貴弘)

2021年8月14日 (土)

“希望の楽園”を健全に持続させる使命を果たす時がやってきた

 下の写真は昨年夏の足尾で体験した大雨の写真。雷雨ならば30分ほどで雨は止むのだが、その時は1時間以上も降り、川の水があふれ出す前に帰宅したスタッフもいた。

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P8222634  九州地方から東日本地方にかけて大雨が三日間以上も降っている。大雨に襲われている地域の方々は避難するしかない。毎年の自然災害になってしまっているが、これからもこの猛威は続くと思う。

20210815  何故なら、気温の上昇に応じて極端現象は増大していく。例えば、0.5度ごとの気温上昇で、熱波や激しい降水の頻度や強度の増加がみられる。50年に一度の記録的な熱波が起きる頻度は、1.5度の気温上昇では産業革命前に比べて8.6倍、2度では13.9倍、4度では39.2倍にも達する。このままの暮らし方を続けていくならば、2021年~2040年の間に1.5度を超える可能性がある、という趣旨のコメントをIPCCが公表(第6次評価報告第1作業部会報告書)したからだ。

Photo  欧州、アフリカ、ロシア、中国そしてアメリカで起きている熱波と森林火災、そして大雨による災害。この自然現象の原因をどのように捉えるかは色々とあると思うが、人は自然の猛威が過ぎるまで待たなければならないこと、安全な場所に逃げるほかないという事、その上、失われていく自然資源と生存基盤の衰弱という現実は誰もが身にしみて感じていると思う。

2  それは、いわゆる「気候難民」を増加させつつ、世界人口の増加と食糧危機という社会現象につながっていくことは目に見えている。前述のIPCC報告書の人類への警告のように、今後の気温上昇を可能な限り1.5度に抑えるために、私たちはグレタさんの呼びかけに応えていかなければならない。難しいことは考えられないが、命を守るために体験できたコロナ感染対策下での二酸化炭素削減を基に考えることができる。昨年は、世界中の炭素排出量を24億㌧減らすことができたというデータがある。経済活動自粛等で前年比6%削減とも言われている。

Photo_2  荒れ狂っている大雨の中で、命を守ることが第一にする方々以外の私たちは、この冷厳な事象を評論している場合ではない。気候変動対策の具体案を持ち寄って、できることを始めていかなければと思う。地球に生きる私たちの“希望の楽園”として、その基盤(生命圏)が健全に持続できるように、私たちは“山と心に木を植える”活動を精一杯つくりだす使命を持ち続けたい。(顧問・高橋佳夫)

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