人が寄り添える森に育ってほしい足尾・松木村跡地の小さな森
人間の平均体温よりも高い厳しい日が続いている。ジリジリと照りつける陽が皮膚に当たると痛いと感じる時もある。木々はどうしているのだろうと思って、ブナの葉を触ってみると葉の表は熱いとは感じなかった。森の中のだから気温は30度ほどだと思うが、木々の熱中症対策の不思議に感謝した。
木々の暑さ対策があるから街路樹の下や森の中は涼しい。強風が吹けばその勢い弱め、大雨が降れば根が土砂流出を防ぐ木々。何十年、何百年も生きた幹は私たちの命や先人の知恵を守る建屋となる。やがて朽ちる木々は土に還り、さらに時間が経てば、争いや戦争までに発展して奪い合った化石燃料等にもなる。
手前右が「民集の杜」、左側2箇所が「新松木の杜」と「松木の杜」
日毎に日の入りが早くなっている。秋が訪れ紅葉がはじまると、木々は人々に感動や創作意欲、そして癒しを与えてくれる。また、熊やリス、昆虫たちには命を繋ぐ木の実や棲み処を与えてくれる。
私たちが育てている足尾・松木村跡地の小さな森も猛暑の中で生きている。一面草地だった地を小さな森に育てたのは人間。荒廃地を草地に変え、その地を耕さなければあと何十年も草地であろう。気候変動に危機感をもって始めた“山と心に木を植える”時短森づくりは、植林ボランティアが未来の命を育む小さな森に育てた。森は人が育て、人は森に支えられていることが実感できる。
この小さな森は人が寄り添える森に育てたい。その小さな足尾・松木村跡地の森(杜)をご覧ください。写真は、森びとインストラクター・小柴隆一さんが撮ってくれました。
植林地を提供して下さっている古河機械金属㈱に感謝します。(理事・高橋佳夫)
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