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2020年8月24日 (月)

足尾・ふるさとの森づくり、15年の森の観察会

 本日は8月23日(日)、2005年の植樹開始から15年間で成長した森・杜の観察を行いました。本日の生態観察には当委員会の川端アドバイザーに同行をいただき、アドバイスをいただきました。

 まずは“みちくさ”西側のヤシャブシの森の林間に、東京電力が植えたブナやミズナラ、カエデなどの樹々を観察しました。10年以上前に2mほどのブナやミズナラの幼木が植えられました。だいぶ大きくなり、将来的にはヤシャブシの後に森を形成する主木になる樹木です。

 荒廃した足尾の植生を回復するために、酸性化した土壌に強いヤシャブシやニセアカシアが植えられましたが、更新する時期が近づいているようです。ヤシャブシが覆いかぶさるような状態になっており、生長を促すためにどうすればいいか話し合いました。

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続いて、「臼沢の森」を観察しました。15年を経た木々は、樹高10mは優に超えています。

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 林内に入ると、日光が遮られヒンヤリとし、外部とは温度が3~4度ちがいます。林床を見ると、西側の森には落ち葉がたまり腐葉土ができているのに対し、東側の森は、落ち葉がなく、苔が生えている点に注目しました。風によって落ち葉が飛ばされてしまうのか、降雨時の水の流れが違うのか、今後の観察のポイントがひとつ見つかりました。

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 1㎡に3本の苗木を混植・密植しましたが、15年を経てりっぱな森へ生長しました。しかし、樹々それぞれが細いことが気になります。細木の根っこは貧弱ということもあり、土砂流出防備保安林として、これからさらに成熟した森とするために、樹々の除伐を実験的にやってみるのも一つではないかと話し合いました。

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 下山後、「松木の杜」の観察を行いました。「松木の杜」は、苗木を植える場所を掘り、黒土を入れ3本の植樹を行った場所ですが、競争に勝ったミズナラやシラカバが生長しています。風で種が飛ばされ活着したカラマツは10mほどに成長していました。

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 昼食休憩を取り、午後は「新松木の杜」「民集の杜」の観察を行いました。各杜は植樹地全体を開墾し、土づくりを行いました。当委員会が植樹した樹種以外の活着も確認し、「新松木の杜」ではヤマナラシやヤナギ、ネムノキなどの樹木とヤマユリ、スミレなどの草花も確認しました。

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 「民集の杜」では、その生長の速さに驚きました。樹徳高校生が植えたクリの木はりっぱな実をつけてました。実が熟した時、人間が森の恵みをいただけるか、冬眠に備えた熊がいただくか、この実りを求めて生物たちが集まる、まさに「民集の杜」になるのではないかと話しに花が咲きました。

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 2015年に植え、5年たったシラカンバは9mを超えてます。林縁ではススキが穂を広げ始め、秋の気配を漂わせています。

 

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 本日は、「ヤシャブシの杜」、「臼沢の森」、「松木・新松木の杜」、そして「民集の杜」と駆け足ではありますが、川端アドバイザーの助言を頂きながら有意義な観察ができました。それぞれの特徴と今後の課題点が明確になりました。

 気候変動によって世界各地で災害が発生していますが、温暖化ガスを吸収し、土壌をしっかりと抑える根を持つ“本物の森”へと磨き上げていきたいと思います。

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 本日の観察会参加者は、川端アドバイザー、清水さん、林子さん、筆者・宮原でした。

(報告 事務局員 宮原哲也)

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