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2018年7月の28件の記事

2018年7月 8日 (日)

松木村民に思いを馳せ、“蛍の舞う里”づくり

本日7月7日(土)は七夕です。彦星と織姫が年に一度会える日と言われていますが、足尾の天候は曇り空で時折霧雨です。“みちくさ”の9時の気温は20℃。舎人の長袖のユニフォームで丁度いい気温です。

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九州・関西、西日本では停滞した梅雨前線の影響による集中豪雨によって河川の氾濫、山の斜面が深層崩壊によって崩れ大きな被害を発生させています。多くの死者、安否不明者が出ています。そして数十万人が避難を余儀なくされています。ご冥福をお祈りするとともにお見舞い申し上げます。
広範囲に及ぶ豪雨は、高知県香美市では降り出しから1000ミリを超え、愛媛県では1時間に約100ミリの猛烈な雨が降り、記録的短時間大雨情報が発表されました。
“数十年に一度の豪雨”と報道されていますが、海外でも気候変動による被害が伝えられています。カナダ東部ケベック州を襲っている記録的な熱波の影響で、モントリオールでは5日、体感温度が45度近くまで上昇、州都のケベックシティでも気温が34度まで上昇。ケベック州では暑さを原因とした死者が33人に上っています。

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地球温暖化を食い止めるには、私たち人間の暮らしの見直しが求められています。荒廃した足尾の山に木を植えて15年。木々の生長にともない多くの生物が森に帰ってきました。ここに来ると私たち人間も生物の一員として森に生かされていることを実感します。

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今日は、松木村に暮らした村人に思いを馳せ、“蛍の舞う里”をつくろうと“遊働楽舎・みちくさ”で打ち合わせが行われました。インストラクター・山本さんの紹介で、蛍を育成している高橋 潔さん(栃木県生物多様性アドバイザー)から蛍を育てていくための基本をアドバイスしていただきました。
高橋副理事長から「森びと」の活動が紹介され、生長した森の案内や100年生きるブナの保護活動を行っていくことと、「負のイメージの足尾を、未来を考えられる場所に、森に生かされていることを考える場所にしていきたい」と抱負が語られました。
昔、松木村にはオオムラサキが飛んでいたそうです。豊かな森に囲まれた村には蛍も舞っていたのではないかと、具体的に蛍の育成について、舎人の松村宗さん、筆者の清水も同席し、高橋 潔さんからお話を伺いました。

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全くの素人から蛍の育成を行い、失敗の連続だったそうです。ですから、理屈ではなく20年間の実践を通して、蛍の羽化から、発光、交尾、産卵、孵化、幼虫の成長、上陸し蛹への変体、そして羽化へと1年のサイクルを通して学んだ育て方を聞かせていただきました。
蛍の幼虫は淡水にすむ巻貝・カワニナを食べて成長します。ですから、生育するための条件があることを教えていただきました。①一年中水があること、②エサとなるカワニナがいること、③上陸する土があること、④成虫は草の裏にいるため、近くに草や木があることです。
山本さんがカワニナ約160匹持参してくれたので、“みちくさ”西のビオトープを整備し、エサとなるカワニナが生息できる環境にあるか放流を行いました。

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カワニナは鳥にエサとして狙われるため、ビオトープの上に竹を通して網を張りました。
子砂利を撒き濁っていた水も時間と共に澄んだ水へと変わり、池底で動くカワニナを見ることが出来ました。しばらく生育状況を観察し、蛍の幼虫を放流できるかを判断します。
 蛍の幼虫がいるわけではないのですが、環境を整えているだけでも、蛍が舞っている様子を想像してしまい、気持ちがワクワクしてきます。

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 舎人当番と森びとスタッフの皆さんの協力で、水を涸らさないように、鳥に狙われないように育てていきたいと思います。
 当月28日に森びと観察チームの観察会がありますので、観察チームのみなさんカワニナの成長を楽しみにしていてください。

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 本日“みちくさ”の訪問者は山本さんと高橋潔さんの2名でした。
日本列島を襲う豪雨は大きな被害をもたらしています。癌と闘い4月に“天空の森”へと旅立った森びとアドバイザーの竹内巧さんが、生前拾い集めたシロダモの種が一斉に芽を出しました。苗床に所狭しと双葉を広げています。この足尾の地でしっかりと育て、南相馬市いのちを守る森の防潮堤の一木として送り出したいと思います。

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苗床ではエノキも発芽しました。那須拓陽高校の皆さんが植えたエノキは新しい葉を広げています。根が足尾の大地に伸びはじめたのでしょう。じっくりと、そしてしっかりと根を張り成木へと生長し、オオムラサキの舞う松木村となる日が待ち遠しいですね。

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周辺の森からはヒグラシの鳴き声が聞こえます。トンボも空を舞っています。7月22日(日)は“夏の感謝デー”。森に感謝し、民集の杜の育樹活動を行います。除草作業の後は杜を散策し、育った樹々たちの生長を観察します。多くの森ともの皆さんの参加をお待ちしています。

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(舎人:松村宗男、清水 卓、本日の線量 0.131mSv/h)

2018年7月 7日 (土)

ヒグラシの鳴き声に癒される当たり前の暮らしに感謝

Photo             社宅から見える朝の足尾の山

 今夜の足尾の夜空は星が見えそうもありません。七夕ですが願いが届かないようです。足尾・松木川の水は濁っていませんでした。渡良瀬川源流の山では豪雨ではなかったようです。ビロウドモウズイカ、ネジバナたちいつもの夏の雨に感謝しているようでした。

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Photo_3            カラミ(精錬滓)手前にある墓石の草刈

 銅山や鉱山で栄えた町には日本各地から仕事にやってきた方々が住んでいます。そんなこともあって足尾町では先祖を迎えるお盆は今月に迎える方が多いそうです。旧松木村村民のお盆は来月かもしれませんが、今日は、蛍を松木村跡地に飛ばすために基本的な事を教えていただいた後(詳細は「みちくさ日記」でアップします)に、村民の墓石周辺の草を刈りました。

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Photo_5  草刈りをしながら、天の川には届かないかもしれませんが、世界人類の国際連帯で“地球人の恩送り事業”として、地球温暖化防止のライフスタイルにシフトしてほしいと願いました。

Photo_6           枯れたと思ったクスノキが元気になった!

Photo_7  足尾・松木沢ではニイニイゼミとヒグラシが鳴きはじめました。ヒグラシの声に癒される当たり前の暮らしが持続するように森作業を地道に続けます。松村宗さん、インゲンありがとうございました。(報告 高橋佳夫)

2018年7月 6日 (金)

いつまでも知らんふりしていられない地球温暖化防止!

40名以上の命を奪った九州北部豪雨から一年が過ぎた。今年の同時期の今週、48時間で900㍉、1度間で113㍉の雨が高知県で降っている。 

P4150330  日本各地を襲っている豪雨は今週末まで続くという。このような豪雨は2008年から続いている気がしている。気流の動きを見ると、偏西風の位置がいつもより北にあるらしい。日本近海の海水温度は27度以上あり、温められた海面から水蒸気が巻き上げられている。

701  地球温暖化防止へのメッセージを信者に発した2015年のフランシスコ第266代ローマ教皇による回勅。今年(2018年)6月、ローマ法王は再び、「一国の猶予もない!人類は気候変動により壊滅の危機に晒されている」と地球温暖化を警告した。

P6111064  もはや他人事ではない地球温暖化防止。できることを実行することも“待ったなし!”。温暖化防止のための市民の責務とは?、企業や行政の責務とは何か?、智慧を出し合って温暖化防止策へアクセルを踏み込まなければならない。下旬の理事会ではその議案を審議したい。さて、これから足尾の現場で生きる草木たちのメッセージを聴きに行く。(理事 髙橋佳夫)

2018年7月 5日 (木)

極端に早すぎる梅雨明けに危機感をもちつつ森作業

Photo  6月に梅雨明け宣言という異常気象の中で、気温30度を超す日差しが降り注ぐ足尾松木沢。今年の植樹祭で植えた苗木たちの懸命に根と葉を広げている様子を感じると、早く雨が降ってほしいと祈っている様でもありました。

Photo_2  一昨日(3日)の森作業は、「暑いので無理はしないで!」と皆で話合い、3つの班に分かれて作業開始。作業は、① ポット苗の草取りと散水

Photo_3  ②民集の杜、新松木の杜、外周部の草刈り

Photo_4  ③臼沢西のチェックと階段補修等でした。

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2  じっとしていても汗が流れ落ちる暑さの森作業の中で、幾つか問題点が見つかりました。一つは、「秋の感謝デー」で臼沢西に植えた苗木の生長が遅いこと。日照不足なのか、養分不足なのか?

Photo_6  二つ目は、民集の杜の「柱の看板」の取り換えが必要。腐食とクマ被害が荒々しい。

Photo_7  三つ目は、新設した散水用ホースが途中で分離する(散水口で出水を停止すると太いホースから細いホースの接続部に圧力が加わる為)。よって、散水口を開放したままの状態で取水口を木栓で止めるという事の徹底が必須。

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Photo_9  嬉しいことも発見できました。亡き竹内アドバイザーが夢を託して採取し、奥様から預かって撒いたシロダモが元気に芽を吹き、ネズミよけネットから顔を出すまでに生長していました。早速、福原、鎌田両スタッフはネットの再利用でネズミの害を防ぎました。“竹さんのシロダモ”の生長を見守っていきたいものです。

Photo_10  また、那須拓陽高校から頂いたエノキも緑の葉を大きくして枝を広げていたことです。スタッフ達をホッとさせてくれました。

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P6241286  松木沢の草地には、今、その名の通り、らせん状の薄いピンク色の可憐な花を咲かせています。森びと広場にはアキアカネが早くも姿を見せています。フッと暑さを忘れさせてくれましたが、これからが夏本番の松木の里です。暑さを吹きとはして作業したのは、鎌田、松村(宗)、岡安、加賀、福原の各スタッフ。報告は橋倉でした。 

 

2018年7月 3日 (火)

東京湾で発信しているザトウクジラのメッセージ!?

 先月、ザトウクジラが東京湾に迷い込んだ、という報道があった。この時季、沖縄方面からアラスカ方面に移動するザトウクジラ。迷い込んだかどうかは鯨に訊いてみないと分からない。インターネット上で書かれている「地震の予兆か」との関連は「何の根拠もない」(東京海洋大・中村玄助教)という。

Photo_2              ヤフーより

 体長10㍍以上だから大食漢だろうから、美味しそうな餌が湾内にいたのかもしれない。あるいは高い海水温から身体を冷やすために湾内に入ったのかもしれない。ともかく、マスメディアは「単なる迷い込んだ」というだけの報道は再考してほしい。

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Photo_4  偏西風の北上と低気圧に運ばれた大量の水蒸気のぶつかりによる大雨そして台風。その大雨に被災している住民の気持ちも汲み入れて、大食漢鯨の餌・小魚と海水温度との関連、鯨が過ごしやすい海水温との関連などを取材し報道してほしい。

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Photo_6  今、地球に排出されている二酸化炭素の44%が吸収できなくなっている。森と海の吸収力にも限界がある。もしかするとザトウクジラはそんなことを伝えるために湾内に入ったのかもしれない。(理事 髙橋佳夫)

木洩れ日に癒されてコミュニティーの原点を考えたい

P6121787          みちくさ”木漏れ日ガーデン” 

足尾・松木沢の森ではクリ、ヤマグワ、ウワミズザクラの実が熟するようになった。ここ3年~4年、秋にはクリを茹でて食べ、ウワミズザクラの実や桑の実を美味しくいただく時季になるとその話が楽しい。

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P6141117  猛暑日が続く足尾・松木沢の森では今が草刈りの真っ盛り。クリ、ヤマグワ、ウワミズザクラの近くで作業すると、恵みを与えてくれる木々たちを“大切にしたい”という気持ちが芽生える。

P6151136  自然の恵みの有難さをスタッフと話していると、その実は誰かに取られたくないという気持ちが芽生える。どういう訳か、自分たちだけが独占したいという気持ちが頭を過ぎる。この気持が優先されると、熊や虫たちと我々との恵みの分配とかという意識が薄れてしまい、独占欲、独占するための悪知恵が人間社会に浸透してきたのではないかと思う。

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P6241234  森に生かされている一員にすぎない人間ということを忘れてしまうと、コミュティーを成り立させている「平等意識、所有欲や名誉意識など個人の欲望を抑える力・・・。」という共同体の原点が退化させられる気がする。日本の一部政治家の言動やトランプさんたちの「〇〇ファースト」を読んだり見たりしていると、彼らは、石川啄木が言う“人類の退化”(大人の絵本・『サルと人と森』森びと著書)の路を進もうとしている気がしている。

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P6292133  足尾・松木渓谷入口の憩いの場所・「みちくさ」の“木洩れ日ガーデン”に癒されていると、こんなことを創造させてくれる。この森の力に感謝しつつ、連日の猛暑日を引き起こしている原因のひとつである人間の暮らし方が気にかかる。地球温暖化にブレーキをかけていく運動のアクセルを踏み込み続けなければならない。今日はそのアクションのひとつを国会議員会館で話し合う。(理事 髙橋佳夫)

2018年7月 1日 (日)

夏本番、足尾・松木での~んびりしよう!

7月1日関東は梅雨が明け、ここ足尾も朝からものすごい暑さです。8:45「みちくさ」の寒暖計はなんと33℃。今日はうだるような暑さとのたたかいかと思っていたら、風が何とも心地よい。実に静かな足尾・松木の里です。

P1020712 目を閉じると聞こえるのは、ウグイスの声、あとはよくわからないが、美しく鳴くのはオオルリかキビタキか。声はすれども姿は見えず。小鳥を写真に納めるのは難しい。遠くの方では、ピーヒョロローとトンビの声だ。ギシギシと聞こえるのは虫のようだ。バッタ飛んだ。羽の音がバッタバッタと聞こえた。あとは何が聞こえるか。耳を澄ましているが聞こえるのは木々の間を通り抜ける風の音のみである。実にのんびりとしたものだ。

P1020716_2 今日は昨日と同じで暑すぎるのか、訪れる方は居ない。早速、岡部君はドローンの練習をしました。

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P1020719_2 私も挑戦したが距離感が掴めない。壊したら大変と早々にやめました。木陰で腰をおろして涼んでいると眠くなってきた。ガクッと倒れそうになり目が覚めるがすぐにまた瞼が落ちてくる。訪問者はいっこうに現れない。午後になり気温はぐんぐん上昇し、実に37.5℃

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P1020714 柿の木には、小さな実がなっていた。秋が楽しみだ。釣り人さんが通るが、足早に帰っていく。今日の訪問は、大きな蜂一匹でした。

P1020735 本日の放射能線量は0.123μSv/h  舎人:岡部、加賀

仙台市荒浜と名取市の森の防潮堤を育てる「森びと宮城県ファンクラブ」

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Photo_3  関東甲信越地方が6月に梅雨明けしたのは観測史上初めて(気象庁)の昨日(6/30)。宮城県仙台市荒浜は真夏日でした。7年前の東日本大震災で津波に襲われた荒浜小学校の裏側の国有地に植林を始めたのは今から5年前。昨日(6/30)はこの地の森の防潮堤を観察しました。

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                   荒浜の樹木たち

Photo_8       元気なカシワの葉・来年は木の葉で柏餅?

 植林から育樹活動をしているのがみちのく事務所と森びと宮城県ファンクラブ。集まってくれたのは15名の宮城県の皆さん、どんな森に生長しているのかワクワクしながら現地に向かいました。

Photo_6          飛行機が飛び交う下の名取市の樹木たち

Photo_7            一本一本樹木たちと心の交信?

Photo_9             名取市のカシワ

 5年前には名取市の仙台空港近くの国有地にも植林した宮城県ファンクラブ。その地の森の防潮堤も観察しました。2カ所とも林野庁が土を盛ってくれましたが、当時の地は幼木が育つのが心配だったところでした。

Photo_10                  ヤマザクラとカシワ

 荒浜の森を観察してみると命をかけて育っている樹木たちに驚き、松の木だらけの松林の一角に育つ落葉広葉樹の10年後の森が楽しみになりました。ヤマザクラは樹高3㍍50㌢、カシワは2㍍50㌢も伸びていました。

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Photo_15            テントウムシの仲間?

 名取市の地は誰もが感じた水はけが悪い場所でしたが、この地でも落葉広葉樹は松林の中で必死に生きている様でした。飛行機が飛び交う下で育つ小さい森を観ていると、100年後命を守る森の姿を描けるようでした。虫やモズたち姿が見えました。

Photo_16  仙台市に戻った会員は、15時から宮城県ファンクラブの今後の活動について意見交換をしました。宮城県ファンクラブの皆さん、熱い中での観察会を開催してくれてありがとうございました。(報告 髙橋佳夫)

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