温暖化にブレーキをかける“本気度”が試された2017年
今日は大晦日。今年も異常気象で世界各国の人々の暮らしが脅かされた。師走に入って「爆弾低気圧」で大雪と強風が吹き荒れた日本。温められた日本海が「爆弾」となったらしい。世界では、下の写真のようなスーパーセルが現れ、各国で暴風と大雨そして干ばつや季節外れの雪などを降らせて暮らしを脅かした。
私たちは森作業をやりながら大雨や暴風など地球の悲鳴を身体で感じ取り、どうすればよいかと話し合ってきた。話合うことは実行することなので、南相馬市の「応援隊」、森びと栃木県ファンクラブ、神奈川県の市民たちと“地球温暖化にブレーキをかける暮らし方”を話し合ってきた。参加した市民からは、「もっと多くの人たちが集って語り合わなければ駄目だ!」という声をいただいた。
同時期の秋頃、国連は「パリ協定」で約束した各国の二酸化炭素削減目標が達成されても、世紀末には世界の平均気温は3℃上昇してしまう、という報告書を公表しました。そんな中で、地球を温めている温室効果ガスのひとつである二酸化炭素濃度は過去最高になってしまった。
トランプさんと安倍さんは、二酸化炭素排出量が多い石炭火力発電を推進する「お友だちファースト」で世界中の人々の生存を不安定にしている。「パリ協定」の順守や途上国支援を装って温暖化のアクセルを踏んでいる両国首脳と言われても仕方ない。
世紀末に「生存が不安定な時代」を迎えないために今の暮らしを見直すことが“待ったなし!”と森ともたちに訴えてきたが、先行きが猛吹雪で不透明になった今年。ところがクリスマスの日、新聞(『毎日新聞』12/25付)を読んで猛吹雪の奥から白い明かりが見えた。ポルトガルの中部に住む子供たちとその親たちが「温暖化による山火事(惨事・被害)の背景は地球温暖化にあるとして、欧州主要国に温室効果ガス削減強化を求めて提訴」しているという。欧州各国の政府が温暖化対策を怠ったとして、欧州人権裁判所に提訴している。ちなみに人権裁判所の判決には拘束力がある。
このような訴訟は、アメリカ、ノルウェー、アイルランド、ベルギー、スイス、ニュージーランド等でも行われているという。2018年は、すべての生き物たちの命を守る“つもり人”の本気度が試される年になりそうだ。一年間“山と心に木を植えてくれた”森ともの皆さん、大変お世話になりました。(理事 高橋佳夫)
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