フクシマそして日本の針路を決める市民の力
昨日から福島県では、2011年3月11日の東日本大震災と東京電力福島第一原発事故が起きた後の初の知事選挙であり、26日の投開票まで長い選挙戦が始まりました。6人が立候補を表明しましたが、現知事から後継指名された候補者に対して、与党と野党が相乗りしたため、脱原発という大きな争点が隠されてしまったように思います。選挙戦を前に再生可能エネルギーの買い取り手続きを各電力会社が中断しました。このことは原発再稼働を進めていくためにされているように思えてなりません。今回の県知事選は福島県だけの問題ではなく、このような力づくでの環境づくりに対し、各地でNOを突き付けていかなければなりません。
昨日は、南相馬市鹿島区の仮設住宅にお住いの「相馬野馬追」で北郷の侍大将を務められている菅野長八さんに時間を割いていただき、お茶を飲みながらゆっくりお話を伺おうと福島県ファンクラブの岩橋さんと東城さんとともに伺いました。現在、菅野さんは津波によって家と家族を失い、お1人で仮設住宅で生活をされています。ちょうどお姉さんもいらっしゃいましたので、一緒に加わっていただきました。
まずは、南右田付近の震災前の空撮写真を見せていただきました。昨年10月6日の植樹会場と目と鼻の先に菅野さんのご自宅があり、「ここが自宅で、このあたりが植樹会場だよ」と教えていただきました。大きな松林が植えられていましたが、家屋ともども流されてしまうほど、強くて大きな津波だったことが分かります。
その後、菅野さんから 「(新潟県に」避難したくなく、家族を探したかった」、「避難をしている間に、(見つかった家族の)荼毘が済まされていた」、「20km圏内、20~30kmとの格差がある。コンパスで引いたもので、決められるがいかがなものか」など行政や東電への不満が出されました。道を隔てて、こちらと向こうでは補償額が違うだとか、あちらは仕事をしなくても生活ができるなど同じ市内の中での住民の分断・不満の根が深いと感じました。
菅野さんがご育てていらっしゃるマサキとベニカナメ。「私も案外こういうの好きなんですよ」とはにかむ笑顔が素敵でした。
来月以降もお茶会を継続して開催していきたいと思います。
事務局・小林敬
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