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2020年8月の23件の記事

2020年8月30日 (日)

豪雨災害を未然に防ぐため、渡良瀬川源流の森を元気にしよう。

本日は8月30日。二十四節季では処暑。厳しい暑さがようやく収まり、穀物が豊かに実るころです。

 

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七十二候では「天地始粛(てんちはじめてさむし)」。天も地もようやく夏の気が衰え、朝晩を中心に秋らしい涼しさが訪れる「秋めく」時期ですが、台風が太平洋高気圧を押し上げている影響で36℃を超える猛暑が日本列島を覆っています。日本近海では海面水温が北の地域まで28℃以上となっていて台風が発生しやすい環境になっています。

Img_2020827   【日本気象協会HPより】

Epson060  【下野新聞 8月21日】


 

防災の日(9月1日)が近づいていますが、昨年10月に関東地方を襲った台風19号による記録的な大雨は、多くの地点で12時間の降水量等の観測史上1位の記録を更新しました。栃木県内では土砂災害、浸水や洪水被害が発生し、河川流域で被災された皆さんは避難生活を余儀なくされました。私たちが森づくりを行っている足尾町・松木でも道路がえぐられたり、斜面の土砂が崩れ落ち道路を寸断するなど被害が発生しました。

 

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気象庁・宇都宮地方気象台の「令和元年 台風第19号に関する栃木県気象速報」によると10月10日00時から13日09時の総降水量は、奥日光で512.5ミリ、足尾で438.5ミリと山間部を中心に大雨となったことを報告しています。

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地球温暖化の影響が指摘され、このまま温暖化対策をとらなければ、栃木県では平均気温が100年で約4℃上昇し、滝のように降る雨(1時間降水量50m以上)の発生回数が100年間で約2倍になると予想されています。(下野新聞8/30)

 

先週23日(日)に当委員会の植生調査チームが足尾町・松木地区で育てている15年の森の調査を行いました。昨年の台風19号来襲後の臼沢の森の調査では、降雨を葉が受け止め、幹を伝い根が吸収するなど、地表の流れを弱めてくれた様子で、土砂流出は見られませんでした。森の大切さを実感したことを記憶しています。

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今回は川端アドバイザー、宮原事務局員(生態調査チーム)と共に調査を行い、林野の専門的な視点から森を見ていただきました。15年前、酸性土壌に負けないように1mに3本の木を混植・密植した臼沢の森は、木々の競争により樹高を伸ばしていますが幹が細く樹冠の広がりがありません。樹冠が狭いと根の張りも狭いことが想定できます。

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地球温暖化により海面水温の上昇が続けば、豪雨はより頻繁になり降雨量も増大するため、河川上流部の森の役割は非常に大切です。渡良瀬川源流の松木川両岸はまだまだ荒廃した斜面が広がり、植生回復は急務な課題です。小さいながらも土砂流出防備保安林として木々の根がしっかりと大地を押さえられるように、臼沢の森の除伐などブラッシュアップを行いながら「いのちを守る本物の森」へと育てていきたいと思います。

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(筆者・清水 卓)

2020年8月27日 (木)

シニアの技と若者のフットワークが冴えた南相馬の森作業

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 早いもので間もなく9月です。残暑厳しい中、今日(8/27)も前回に引き続き、10時に現地苗床集合。早速、森作業、今日はシニアスタッフに負けずと若手の菊地スタッフが水撒き作業に挑戦をしました。

2020uff0e827  先輩から、水撒き作業の注意やポイントを伝授してもらい、水の勢いを加減しながらたっぷりと苗木に注いでいました。シニアスタッフの面々は、これまで残していた200本のシラカシへの土、肥料の補充を今日に終わらせようと、黙々と作業を行い、それを達成したスタッフの笑顔が素敵でした。

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Uff0e_2  一段落しながら水分補給、この間に打ち合わせをしました。話では、地球温暖化による自然の破壊状況や森びとの組織の現状把握、応援隊結成5周年のイベントの考え方について話され、短時間でしたが参加者全員で話題を共有ができました。

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Uff0e_4  菊地スタッフは今日の作業を振りかえり、「水撒き作業を先輩に任せっぱなしであったがいざやってみると大変な作業だ」との感想をいただきました。また、上っ面だけの水まきではポットの底までしみこまないことを実感したことも話されました。

2020uff0e827_3 2020uff0e827_2  シニアスタッフの技を使った元気さと若手のフットワークの良さが光った森作業でした。今日の作業スタッフは、菅野、松林、山田、岩橋、道中内、菊地、筆者でした。(報告:東城敏男)

日光「城山の森づくり」植樹地の整備終了

 毎週木曜日は日光「城山の森づくり」の準備です。本日、27日の作業は前回に続き植樹地の整備。丸太の片付け、横に張り出している木の伐採、枝の片付けなどです。かけや・チェーンソー・のこぎり・剪定ばさみ等を持って現場まで登りました。熱中症予防の水も必需品。現地で日光連山を眺めると、雲がかかって何も見えませんでした。

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Img_0152 10時半頃からは片付け作業に入り、そんな時、JR日光線の電車が下を走っていきました。これから植える桜や紅葉が車窓からも見えるといいなぁ、と思いました。その後、呼びかけチラシ、来月の作業、苗木の注文などについて現地でミーティングを行いました。

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Img_0154 花があまりない時期ですが、小さな花に癒されます。今日のメンバーは、鎌田さん、橋倉さん、小川さん、福原さん、筆者でした。(報告:加賀春吾)

2020年8月24日 (月)

足尾・ふるさとの森づくり、15年の森の観察会

 本日は8月23日(日)、2005年の植樹開始から15年間で成長した森・杜の観察を行いました。本日の生態観察には当委員会の川端アドバイザーに同行をいただき、アドバイスをいただきました。

 まずは“みちくさ”西側のヤシャブシの森の林間に、東京電力が植えたブナやミズナラ、カエデなどの樹々を観察しました。10年以上前に2mほどのブナやミズナラの幼木が植えられました。だいぶ大きくなり、将来的にはヤシャブシの後に森を形成する主木になる樹木です。

 荒廃した足尾の植生を回復するために、酸性化した土壌に強いヤシャブシやニセアカシアが植えられましたが、更新する時期が近づいているようです。ヤシャブシが覆いかぶさるような状態になっており、生長を促すためにどうすればいいか話し合いました。

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続いて、「臼沢の森」を観察しました。15年を経た木々は、樹高10mは優に超えています。

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 林内に入ると、日光が遮られヒンヤリとし、外部とは温度が3~4度ちがいます。林床を見ると、西側の森には落ち葉がたまり腐葉土ができているのに対し、東側の森は、落ち葉がなく、苔が生えている点に注目しました。風によって落ち葉が飛ばされてしまうのか、降雨時の水の流れが違うのか、今後の観察のポイントがひとつ見つかりました。

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 1㎡に3本の苗木を混植・密植しましたが、15年を経てりっぱな森へ生長しました。しかし、樹々それぞれが細いことが気になります。細木の根っこは貧弱ということもあり、土砂流出防備保安林として、これからさらに成熟した森とするために、樹々の除伐を実験的にやってみるのも一つではないかと話し合いました。

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 下山後、「松木の杜」の観察を行いました。「松木の杜」は、苗木を植える場所を掘り、黒土を入れ3本の植樹を行った場所ですが、競争に勝ったミズナラやシラカバが生長しています。風で種が飛ばされ活着したカラマツは10mほどに成長していました。

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 昼食休憩を取り、午後は「新松木の杜」「民集の杜」の観察を行いました。各杜は植樹地全体を開墾し、土づくりを行いました。当委員会が植樹した樹種以外の活着も確認し、「新松木の杜」ではヤマナラシやヤナギ、ネムノキなどの樹木とヤマユリ、スミレなどの草花も確認しました。

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 「民集の杜」では、その生長の速さに驚きました。樹徳高校生が植えたクリの木はりっぱな実をつけてました。実が熟した時、人間が森の恵みをいただけるか、冬眠に備えた熊がいただくか、この実りを求めて生物たちが集まる、まさに「民集の杜」になるのではないかと話しに花が咲きました。

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 2015年に植え、5年たったシラカンバは9mを超えてます。林縁ではススキが穂を広げ始め、秋の気配を漂わせています。

 

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 本日は、「ヤシャブシの杜」、「臼沢の森」、「松木・新松木の杜」、そして「民集の杜」と駆け足ではありますが、川端アドバイザーの助言を頂きながら有意義な観察ができました。それぞれの特徴と今後の課題点が明確になりました。

 気候変動によって世界各地で災害が発生していますが、温暖化ガスを吸収し、土壌をしっかりと抑える根を持つ“本物の森”へと磨き上げていきたいと思います。

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 本日の観察会参加者は、川端アドバイザー、清水さん、林子さん、筆者・宮原でした。

(報告 事務局員 宮原哲也)

2020年8月23日 (日)

2013年植樹地の草刈り終わったどー。

本日(23日)の足尾の気温は、13時で27℃で過ごしやすい日でした。昨日の大雨で作業の水が出ません。取水口に行ってみると、大雨で流れてきた土砂が詰まっていました。土砂を取り除き水の流れを開通させました。その後、作業打合せを行って、観察会チームの観察、作業小屋の雨漏り修繕、そして臼沢の森の草刈りをすることにしました。

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Img_0094 臼沢の草刈りは、昨日に引き続き2013年に植樹した場所で行いました。ところが草を刈っても苗木が顔を出さず、「なんか張り合いがないよな」、「ここは補植をしないだめだなあー」と呟きがでました。12時には、この場所の草刈りを全部終了させました。Photo2
Img_0113Img_0119 下山すると、業小屋の屋根には新しいトタンが張ってありました。Photo_2 Img_0123 昼食時、観察に参加した川端森づくりアドバイザーの家庭菜園が紹介され、早速、トウモロコシを茹でてご馳走になりました。とても甘いトウモロコシでした。川端さん、有り難うございました。Img_0125

Img_0126 午後は、観察チームから松木の杜の獣害防護柵が壊されているところがあるとの報告を受けたので筆者と小川スタッフがその修繕、民集の杜の草刈り、みちくさの庭の草刈りを行いました。

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熟したブラックベリーが食べ頃でしたので、ひとつ食べてみました。とても甘く疲れが吹っ飛びそうでした。

 今日の作業メンバーは、川端さん、清水さん、宮原さん、高橋さん、鎌田さん、松村宗さん、仁平さん、小川さん、観察会取材・宙ガール林子さん、そして筆者でした。(報告:加賀春吾)

2020年8月22日 (土)

有難い雨でしたが、初体験の大雨で松木側の水が赤茶色

Photo_3現場から見下ろした松木川
 今日の森作業は昨日の続きで臼沢の森の草刈りでした。気温は30度を超えましたが、太陽が雲に隠れていましたので、作業は沢風に助けられました。Photo_2 Photo_4 Photo_5

Photo_6 2013年に植えた場所で、草を刈ってみると活着している苗木が少なかった場所でした。Photo_7 Photo_8Photo_10臼沢の森の草刈り跡
 草を刈っていると地面にどんぐりが落ちていました。また、細い幹は岩をしっかりガードしていました。小さいながらも森の機能が働いていることに嬉しくなりました。

Photo_11 松村健さんは、蕎麦の実をチェックしていました。実の付きが悪いと言っていました。考えられるのは種を蒔くのが遅かったこと。蕎麦を刈り取ってしばらく干すために自宅へ持ち帰りました。

 今日の昼食は各自持参の弁当ではなく、柳澤スタッフから頂いた上州うどんを皆で食べました。汁の具は、松村健さん栽培のナス、薬味は柳澤さん栽培のネギ、おしんこは鎌田ご婦人手作りのキュウリ、食後のフルーツは橋倉さんからの梨で豪華な昼食になりました。久しぶりの上州うどんを温い汁で食べましたので、皆さん満足げでした。Photo_12 Photo_13 Photo_14 午後は、苗の散水用のホースのコックが外れてしまう箇所のチェック、「みちくさ庭園」の草刈り、「民集の杜」入口の草刈りを15時まで行いました。Photo_15 途中、久しぶりの雷雨が降ってきました。ところが、その雷雨は皆さんが体験したことのない大雨でした。1時間も降っていました。松木川は赤茶色の水が音をたてて流れていました。Photo_16 Photo_17 本日の作業は鎌田、松村健、柳澤、橋倉、仁平そして筆者でした。(報告・高橋佳夫)

浜風に癒されながら森の防潮堤づくり応援

 昨日(8/21)は朝からギラギラと強い日差しが照りつけ、むせ返るような酷暑でした。南相馬育苗場は海岸近くにあるため、涼しい浜風が森作業をやりやすくしてくれました。

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2020 10時にミーティング、作業は11日の作業の続きをすることにしました。熱中症防止のため、作業は簡易テントの下で、こまめに水分補給を行いながらの作業でした。2020821_2 日照り続きのためポットの土は乾燥していました。早朝、渡部代表一人で水撒きを行ってはいるものの、砂漠に水をかけているようですぐに乾燥します。昨日は、タンク2個分の水を苗木にたっぷりかけポット内の下までしみ込んでいるかをみんなで確認しました。2020821_3 しみ込んでいないポットはじょうろ作戦で補いました。一週間前の白ユリは全面開花し、浜風が香しいにおいを放ち、スタッフみなさんは癒されていました。作業しながらの話では、「栗の木を植えるのもいいね、観桜会にちなんで栗ご飯会と言うのもおつですよね」と。Photo 2020821_4 酷暑が続きますが、色々とアイデアを出し合いながらの楽しい作業に心掛け、「いのちを守る森の防潮堤づくり」で汗を流しています。2020821_5 今日の作業スタッフは、菅野、松林、山田、岩橋、道中内、筆者でした。(報告:東城敏男)

2020年8月21日 (金)

連日の森作業を支えてくれる足尾・松木沢の心地よい沢風

 今日の昼の気温は32度、沢風がないと立っていられないほどの暑さでした。しかし、直射日が当たる時間よりも沢風が吹いている時間が長かった一日でしたので、疲れはそれほどでもありませんでした。Photo 午前中は、臼沢の森の草刈りをしました。久しぶりの森作業であった仁平スタッフはこの酷暑に少しバテ気味だったようでした。おにぎりを一つだけ食べた仁平さんでしたので、バテないようにもう一つのおにぎりを食べてもらいました。その結果、午後の作業の草刈りも支障がなく進めることができました。Photo_2 午後は、「みちくさ庭園」内の水たまり付近に動物の糞があるので、どんな動物がいるのかを確認するためのセンサーカメラを設置する杭を打ちました。その後は、園内の草刈りを行い、雷雨に期待できないので15時過ぎに苗床の苗に散水しました。Photo_3 Photo_4 Photo_5 Photo_6Photo_7 Photo_8 Photo_9 本日のスタッフは福原、仁平そして筆者でした。(報告・高橋佳夫)

2020年8月20日 (木)

草木の秋の味覚が楽しみな熊と人  

202008 今日は休養日。足尾町周辺と松木村跡地の生き物たちを観察しようと車で出かけました。5~6分走ると、道端にウワミズザクラの枝が折られて落ちていました。その上を見ると、子熊が必死になってウワミズザクラの実を食べていました。木の下で写真をとりましたが、それにはお構いなしでした。Photo その後は松木村跡地の草地へ移動、コロナ感染防止でクローズしている「みちくさ」内の掃除をしました。Photo_2蕎麦Photo_3蕎麦の実
 今日も松木川から吹き付ける沢風がとても心地よい日でした。午後にはヒグラシが鳴き、その涼しげな鳴き声と沢風は酷暑を和らげてくれました。初めて蒔いた蕎麦が大きくなり、花をびっしり付けてくれて楽しみなのですが、実の付きが少ないようです。明後日、種を蒔いてくれた松村さんと実の生長を確かめて、収穫時期を決めたいと思います。Photo_4 Photo_5 周辺の木々には黄色い葉が目立つようになっている足尾・松木村跡地の森です。Photo_7 アパートに戻ると、橋倉さんが栃木県FCの森作業から帰り、山本スタッフからプレゼントされたマスクを持ってきてくれました。奥様が丁寧に作り、足尾のスタッフへ贈ってくれました。山本ご夫妻のお気遣いに心から感謝します。(報告・高橋佳夫)

日光「城山の森づくり」植樹地の整備着々と進んでいます。

 今日は、日光「城山の森づくり」植樹地整備の日。森びと栃木のメンバーは8時に上板橋公民館に集合。少しでも涼しい時間帯に作業を行いました。その訳は、足尾と違い湿度が高く体力の消耗が激しいためです。階段を登っていく途中に、小さい毬栗や小さな草花が疲れを忘れさせてくれています。

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Img_0080 作業場は少しもやがかかっていますが、遠くに日光連山が見えています。「足尾の方角はどっちだろうか」と橋倉さん。「男体山が見えるから、その左方向だろ」と鎌田さん。そんな会話をしながら作業に取り掛かりました。大きな丸太、散らかっている枝、植樹の時に邪魔になりそうな横に張り出している木の伐採し片づけました。いつもの通り、1時間ごとに休憩し、水分を取り熱中症対策をしながらの作業でした。

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Img_0084 今日も、作業は午前中で終え、下山しました。公民館の下にあるソバ畑を見に行くと、「みちくさ」のソバとは違い、まだまだ小さく芽が出たくらいでしかありませんでした。

 山本さんの奥さん手製のマスクをいただきました。「森びとてぬぐい」などで作成したそうです。自分も作ってみようかと思っています。山本さん有難うございます。

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Img_0090 本日のスタッフは、鎌田さん、山本さん、橋倉さん、小川さん、筆者でした。(報告:加賀春吾)

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