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2010年12月の16件の記事

2010年12月31日 (金)

森(自然)を愛する皆さん、一年間ありがとうございました。

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 大晦日は関東地方の一部を除き全国的に雪が降っています。-30度以下の寒波が南下しているようですが、大雪になっているのは日本海の海水温が高いから大雪に見舞われているという報道がありました。海水温度が高くなる原因のひとつは地球温暖化があります。温暖化の原因の多くは人間活動(経済活動)にあります。経済活動は命が維持されていなければ展開できないのですが、今年も世界各国の首脳は自国の経済活動優先を譲りませんでした。ゆえに、COP10、COP16会議では“いのちの源である恵みの森”優先からの公約を締結することができませんでした。

 Dsc04987_3 私たちの今年は足尾と八幡平両地区のいのちの森づくりを事業計画通りに進めてくることができました。事業を支えてくれた公益団体と企業、労組の皆さん、林野庁と地方自治体の方々、そして多くの会員の皆さんとボランティア活動に汗を流しくれた皆さんに感謝申し上げます。

 森(自然)を愛する皆さんとの出会いを大切にした活動を通じて実感したことは、生きものの生命を第一にする生き方とその仕組みが求められているということでした。それは2008年から始めた「森と生きるキャンパスフォーラム」を積み重ね度に、出席してくれた皆さんの意見やアンケートに示されていました。今年のDVD(「森の女王」)の鑑賞アンケートでは、「自然の凄さに感動した」「自然との共生を学んだ」「子どもたちへ広めてほしい」等、生物多様性(いのち)を大切にする心が75名の皆さんから伝わってきました。また、28日のブログで紹介したように『サルと人と森』に魅せられた100名を超す皆さんからもそのような心が伝わってきました。

 私たちの合い言葉“山と心に木を植える”運動は来年で第2ステージに入ります。大晦日を迎えた本日、5年間の森づくりを支えてくれた皆さんに改めて感謝申し上げます。来年以降、5年間は皆さんと共にできることを地道に行い、できないことは政府・地方自治体にもの申し、それでも駄目なら皆さんとの絆と連携を強めて、いのちの森づくりへ舵をとっていきます。良いお年を迎えてください。

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2010年12月28日 (火)

現代社会の進路は“森の共同体”へと舵をきれ?

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 サルは言いました。「ああ、とうとう人間の最悪の思想を吐き出したな。人間はいつの時代にも木を倒し、山を削り、川を埋めて、平らな道路を作って来た。だか、その道は天国に通ずる道ではなくて、地獄の門に行く道なのだ。人間はすでに祖先を忘れ、自然にそむいている。ああ、人間ほどこの世にのろわれるものはないだろう」。これは当会が自費出版した『サルと人と森』(P24)の一節です。

 この大人の絵本は26日報道されたTBS「サンデーモーニング」で紹介されました。番組の後半は今後の日本人が歩む進路を指し示してくれました。その場面で紹介されたことは『サルと人と森』で啄木がサルに扮して人間に警鐘している言葉と番組の討論が重なり合っていました。その後、多くの方々から絵本の注文が東京事務所にありました。事務局は嬉しい対応でしたが、多くの皆さんは現社会に矛盾を感じ、その未来への進路を探っているような気がしました。

注文してくれた方の中には、“小学校、幼稚園そして介護施設等で朗読をしてやりたい”というメッセージが目立っていました。絵本を注文してくれた皆さんありがとうございました。

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2010年12月25日 (土)

来年は飛躍をかけた森づくりだ!

Cimg0284 昨日はクリスマスイヴ、北東北ではクリスマスらしく真っ白な雪が舞っていました。岩手山は麓まで雪で真っ白に染まっていた中から子どもたちの笑い顔が聞こえているよう日でした。

21日、みちのく事務所では今年最後の事務局会議を開催し、1年間の活動を振り返り来年の森づくりについて意思統一をはかりました。今年も計画した活動のすべてを完了しました。夏の酷暑や雨に見舞われて大変な1年でしたが、育苗・育樹・食害対策など順調にこなすことができました。来年はみちのく事務所発足5周年となりますので、これまでの森づくりの延長戦ではなく、5周年にふさわしい飛躍をかけた森づくりを考えています。具体的には「5周年記念植樹検討委員会」を発足させて、5周年記念に相応しく、世に発信力のある記念植樹にしていきたいと考えています。

 なお、会議の前段、購入した自前の「軽トラ」の搬入をうけ、皆なで安全運転に徹することを誓いあい、記念写真を撮りました。

 なお、会議の前に角岸所長からは、事務局スタッフの松田さんが8月に誕生した娘を連れて17日に事務所を訪れ、「子供の手がかからなくなったら森づくりの活動を手伝います」と言っていたことを紹介されました。会議終了後、恒例の森びと望年会を開催し、来年の活動の成功を誓い合いました。この会にJREU秋田から「ハタハタ」をはじめ、森を愛する仲間たちからのいろいろな差し入れがありました。美味しくいただきました。皆さん、ありがとうございました。(仲崎事務次長発)

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2010年12月21日 (火)

旧松木村の生活から日本の木の文化を学ぶ舎

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 「どくだみ荘」の玄関に人影が現れたのが8時でした。事務局の柳澤さんがおはようございますと入ってきました。フロントの霜をとっておきましたかと優しい言葉を聞いて彼の人柄を感じながら、今日の作業はスタートしました。森びと広場の気温はマイナス1度でした。食害調査のために松木の杜に入ってみると、昨日に心配していたようにサル軍団が30数頭で松木の杜で食事をしていました。

 Pc211850 今日の作業は「遊働楽舎」(仮称)の環境整備をしました。来春オープンを控えて、多くの皆さんが気軽に立ち寄っていただけるように、年内にできる作業を行いました。憩いの舎が崩れないように舎の周囲の土砂をガードする間伐を埋め込む準備をしました。作業の合間に対岸の岩山を見ると、渡り鳥の集団が沢の水場で休息をしている様子に遭えました。昼食後には、昨日植えた寒桜の花びらの香りに触れてきました。来年春は「遊働楽舎」(仮称)がオープンしますが、森のシステムが臼沢の森や松木の杜から実感できる森に育ってほしいと願って作業をしてきました。

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2010年12月20日 (月)

冬の松木の森に桜の花が咲きました

Pc201822  今日は風のない青空の下で作業ができました。朝9時にははぐれ猿の「ブラキン」(ブラブラと勤労意欲がなさそうな猿)が松木の杜でひなたぼっこしていました。どうもツバキのつぼみを摘んでいるような仕草をしていましたので、“仕事を始めるよ”と声を掛けると柵から出て行きました。

 10時過ぎになると寒桜10本を積んだトラックが森びと広場に到着。寒桜を運んでくれたのは森びとインストラクター・大塚さん、早速、作業の打ち合わせをして花を付けた桜を植えました。樹高3メートルを超す苗木なので支柱で幹を押さえました。午後には、「ブラキン」や他の猿軍団に樹皮を食べられないようにネットを巻きました。松木の森周辺は山に囲まれているため、14時を過ぎると太陽が当たりません。西北の松木沢から吹いてくる冷たい風が作業を鈍らせますが、事故・怪我もなく植樹は終わりました。事務局員、事務局スタッフの皆さんありがとうございました。

 Pc201831 西北の冷たい風に無口になって作業をしていましたが、ピンクの桜の花を見ていると“ありがとう”という言葉を掛けてやりたくなりました。来年は旧松木の村の村人が花見をしていたように、楽しい花見ができることを願って帰路につきました。

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2010年12月19日 (日)

自然にとけ込む楽しさ

Pc191420  明日は寒桜を松木の杜に植えます。今日は日曜日で天気も風もなく青空の下で作業できたことが最高でした。人間もサルものんびりと過ごしている最高の幸せを感じるひとときが松木の杜にありました。

 写真のようにバイクで旧松木村を訪れた二人が森びと看板前で、旧松木村を描いた絵を差して何やら話をしていました。また、松木の杜の入り口付近では、はぐれサルが暖かい日差しを浴びて散歩しているようでした。逆光に照らされた冬毛がなんとも暖かく感じられました。

 Pc191411 今日は明日の植樹のために穴を10箇所掘りました。掘った穴に黒土を運び入れましたが、黒土の中ではカブトムシの幼虫みたいな虫が身体を丸くしてじっとしていました。寒そうなので直ぐに黒土をかけてやりました。来春にはこの地で桜の花を見て、自然の恵みに感謝する集いができるようにヤシャブシの枝を少し伐りました。今日は森と共に生きるという感じを味わう日でした。はぐれザルの名前を「ブラキン」としました。冬毛に覆われた猿のお尻をみているとブラブラしていました。

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2010年12月17日 (金)

パキスタン人に森を愛する皆さんの善意が届きました

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 パキスタン洪水のカンパが被災者に届きました。カンパを現地に届けてくれたペシャワール会からお礼の手紙と領収証が事務所に郵送されてきました。今年9月に川崎市で開かれた「ネイチャーフェスティバル」、そして11月に開催した第3回「森と生きるキャンパスフォーラム2010in慶應」で寄付してくれた皆さん、ありがとうございました。

 ペシャワール会からは「アフガニスタン東部での灌漑用水路建設、アフガニスタン東部山岳地域の診療での医療活動、水源確保事業、農業復興支援など“みどりの大地計画“のために有効に活用致します。大洪水の復旧工事で大変な時期、ご支援感謝します」というメッセージが寄せられました。

 Pc141772 昨日の毎日新聞「余録」欄には、旧ソ連による綿花生産のための灌漑計画で、世界第4位のアラル海を干し上げたことに対する当時の政府役員の言葉が紹介されていました。政府の専門家曰く「そう、アラル海は干し上がるかもしれない。だが社会主義の勝利のためにアラル海はむしろ美しく死なせるべきだ」と言ったそうです。

 筆者は、その結果は塩害による砂漠化そして生態系破壊と気候変動だと述べていました。アラル海で農漁業を営んでいた村人達の犠牲は述べられていませんでしたが、人間の傲慢な意思と政治が人民の生きる環境を奪ったことは社会主義と言えないのではないかと思いました。旧ソ連は20年前の今月に崩壊しましたが、私たちは“森(自然)に生かされている”ということを絶対に忘れてはいけないと思いました。

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2010年12月15日 (水)

手慣れた間伐材の切り出し作業に感謝

 今日は雪が積もっている男体山を見ることができました。「どくだみ荘」を8時に出発した事務局一同はJR日光駅に集結。ここで待ち合わせをした事務局スタッフが合流して一行は間伐材の切り出しに向かいました。途中、車窓から見えたのがその景色でした。

 今日は、日光森林組合の赤羽さんの案内で間伐したヒノキの切り出し作業を行いました。5年前に作った臼沢の森の階段は日光森林組合の皆さんから提供された間伐材で作っています。5年間に一千人以上の方が階段を踏んでいると間伐材も痛みます。今日切り出した間伐材はその補強材として使い、また、「遊働楽舎」の入り口付近の土砂流出を防ぐ材として使います。

 14名の皆さんの手慣れた作業で事故・怪我なく220本の間伐材を切り出すことができました。事務局スタッフとその仲間の皆さんお疲れ様でした。ところで昨日の昼、「どくだみ荘」の東側斜面で毛づくろいをしていたサルの親子を見ていると、スタッフの皆さんは一瞬ですが童心にかえったようでした。サルたちに感謝です。

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2010年12月13日 (月)

冷たい雨も自然のシステムのひとつか?

Pc131767  足尾・「森びと広場」は雨でした。午前10時の気温は4度でしたが昼過ぎからは4度を下回っている感じがしました。今日の作業は臼沢の森内の食害チェックと腐葉土等を覆っているブルーシートの補強をしました。ブルーシート上に重石として載せてあった木製のパレットが吹き飛ばされるほどの猛烈な強風が吹いたので、数日前に補強したブルーシートが剥がれてしまっていました。軍手で針金を単管に固定する作業をしていると、指先が雨に濡れて冷たく感じました。標高950㍍地点から対岸の山頂を見るとうっすらと雪が積もっていました。

冬本番を迎えている臼沢の森では4年前に試験的に植えているシラカシ、アラカシ、アカガシの葉が黄色くなり越冬の体勢に入っているようでした。明後日は日光森林組合の提供でヒノキ、スギの間伐作業でする。天気になっておくれ!と山の神にお願いし下山しました。

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2010年12月11日 (土)

身近な森から学ぶことは沢山ある

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 東京都内の森を散策しようと小春日和の今日、当会は岸井理事長と青木淳一顧問ご夫妻と一緒に都内の森を散策しました。都心の紅葉には一週間ほど遅かったですが、皆さん忙しい中のひと時を自然からの恵みに感謝しました。

 散策を終えた皆さんが感じたことは、都市の中にも素晴らしい森が存在していることにびっくりしていたことです。また、皆さんは、身近にある森から遠ざかっている私たちであることを改めて実感させられました。都心の森の水たまりにはアオサギ、カワセミが集まり、夜になるとタヌキが歩き回っているようです(糞がありました)。

Pc111363  桜の老木も人間が少しばかりの手を加えてやると私たちに元気を与えてくれていました。幹の周りにコモを巻いてその中に土を入れておくと根が出て、根が土から栄養を吸収していました。Pc111745 その様子を目の当たりにして、私たちは木の生命力に驚きました。やはり私たち人間は森に生かされていることをつくづく思い知らされました。散策後の昼食会では、国際森林年を迎える来年の森づくりに闘志が湧いてきたようです。

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