生きものたちの息づかいが聴こえだした南相馬市の森の防潮堤
今年の森作業を振り返ってみると、南相馬市の森の防潮堤周辺には野生の生きものたちが目立つようになっている気がします。
草刈りをしているとバッタ、蝶、トンボが跳び交い、空にはスズメやトンビ、地には野ネズミや野ウサギを見ることが出来ます。今年10月には初めてキツネの生息を確認できました。非常に警戒心が強いのか、人の気配を感じて直ぐに防災林に隠れてしまいました。
6年間の植樹祭と草刈り等の森作業で森の防潮堤は、生きものたちの命の営みが安心できる環境になっているようです。
ところが人間の暮らしの環境は大雨や巨大台風などで悪化するばかりです。10月の大雨では、原町区高ノ倉ダムの緊急放水により10世帯が全壊や浸水被害を受けました。また原町区を流れる2級河川の新田川が氾濫し多くの住宅が床上・床下浸水被害を受けました。
森の力で人間の暮らしを支えてほしいと願って森づくりをしていますが、地球温暖化による異常気象の猛威のスピードについていけない感じです。
今年も南相馬市の鎮魂復興市民植樹祭を応援してきた私たちは、森の防潮堤づくりを支援してくれた全国の植林ボランティアの皆さんに心から感謝しています。来年以降も食物連鎖が始まった森の防潮堤づくりへの応援をお願いします。来年の応援隊は、森づくりと地球温暖化に向き合う人間の暮らし方を考えていきたいと思います。(応援隊 岩橋 孝)
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