台風10号のメッセージは“森に寄り添って生きる暮らし”へ進路を切れ!?
この頃、マスメディアは台風10号の進路や大きさを報道し、災害に備えるよう視聴者に呼び掛けている。台風の上陸付近からの実況中継をしながら、台風と向き合う心構えを訴えているようだ。
どうして24時間に1千㍉もの雨を降らせる台風が現われるのか、という報道は極めて少ない気がする。土砂崩壊等災害に厳重注意を呼び掛けている。視点を変えて、土砂と一緒に流されている生きものたちの報道は皆無に近い。
「人間も動物も虫も樹木もコケもシダも、みんな土の恵みで生きている。その土は微生物の固まり。肥沃な土1㌘には何十億個もの微生物がいる。枯れ葉を土に変えるのはもちろん、放射性物質を吸収してくれたり、放射性物質の半減期を早めてくれたりもする。そんな研究がどんどん進んでいる。かすかな光りが見えてくれるじゃないですか。微生物が地球を輪廻転生してくれるのですから」(絵本・『豊かさの根源は土にあり』)、と著者の小泉武夫さんは訴えたている。
ロシアでは原子力関連の事故が発生した。「中距離核戦略廃棄条約」(IMF)が無効になった。米・ロシア・中国等の核戦略競争が始まったのかと疑う。貿易戦争もどきも米中間、日韓間で始まっている。今日は74年回目の敗戦日。“森に寄り添う人間”のいのちをつなぐ運動課題は山積み。何から向き合っていけばよいのだろう?
流される土砂には土の恵みも流されている。土砂は微生物たちが作ってくれたもの。短時間に土砂は作れない。その恵みで人間は生きている。マスメディアにはこんな視点からも台風に向き合ってほしいと願う。(理事 髙橋佳夫)
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