緑の基盤を作った「足尾のカモシカ」さんの問題提起
私たちは“山と心に木を植えよう”を合い言葉にして多くの皆さんとスクラムを組み、足尾・松木沢周辺でいのちの森をつくっています。この森づくりができるのは半世紀前から始まった木が生える基盤づくりがあったからです。
昨日、当委員会のアドバイザー・村上壮亮さんに会ってきました。村上さんは元林野庁職員で20代から足尾で治山・緑化事業に携わってきた方です。当時の異名は「足尾のカモシカ」であったそうです。当初の作業ははげ山となってしまった石ころだらけの岩場に木を植えられる基盤作りでした。岩場に転がる石を踏みつけて測量する作業は石の上で安定していることが重要なこと。カモシカは岩場を飛び跳ねても身体は安定し岩場を移動していた様です。村上さん以外の職員は石の上で動けなくなり、作業ははかどりませんでした。そんな中、村上さんは身体を安定させて岩場を飛び跳ね、測量ははかどったそうです。
土団子→植生版→植生帯を岩場に貼り付けて草の種とヤシャブシ等の苗木を植えてきた村上さん。半世紀経った現在、混植をせずに根が浅いヤシャブシ、ニセアカシヤを植えてきたので、「半世紀前から作ってきた土壌が流されないか」と心配していました。
村上さんの話を聞き、松木沢地区の森づくりと共に多くの方々の苦労で緑が増えた足尾の森を、私たちはその足元を振り返る大切さを教わりました。5周年を迎えた私たちの課題をひとつ増えました。村上さんありがとうございました。
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