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2020年7月24日 (金)

五輪(オリンピック)開催を支える世界の森を元気にしよう!

 本日7月24日は「東京オリンピック開会式」の予定日でした。世界中で新型コロナウイルス感染が拡大し、アスリートの練習はままならず、国間の移動も制限され、国際オリンピック委員会と開催国である日本政府との協議によって、オリンピックとパラリンピックの1年後開催が決定されました。

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 スポーツ選手ばかりでなく、世界各地から参加するトップアスリートの活躍を一目見、応援することを楽しみにしていた私たちには我慢の期間であり、選手の成長を見守る期間でもあります。

 

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 1年後に向けてしっかりと練習を積み上げ、肉体ばかりでなく精神も鍛え上げ、人間の持つ五感をさらに磨き上げてほしい。新型コロナウイルスばかりでなく、気候変動によってもたらされる豪雨や災害とも向き合わなければならない私たち人間。見えない感染の恐怖やいつ崩れるか、いつ氾濫するかという自然の驚異もまた人間が生みだしたものであることを受け止めなければなりません。

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 7月3日以降に熊本県を中心に九州や中部地方など日本各地を襲った集中豪雨は「令和2年7月豪雨」と名付けられました。気象庁によると3日から14日(12日間)の全国の降水量は25万3041.5mmで23万3453.5mmだった平成30年7月豪雨(11日)を超えました。避難生活と復旧作業を困難にしているのもまた新型コロナウイルスでした。政府は、これ以上地球を暖めない政策を本気になって実行しなければなりません。温室効果ガスの排出削減は当然ですが、吸収源である森を元気にしなければなりません。

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  足尾の森では、主木(ミズナラやブナ)を中心に3役、5役(モミジやヤマザクラ、コナラ、クヌギ、トチノキ、低木類などその土地に生きる木々)が競争しあい、地上部を伸ばすために大地にしっかりと根を張っています。

 苗木を植え、3年間は下草刈りをしなければ、生長の遅い苗木は草に覆われ蒸し風呂状態となり枯れてしまいます。明後日の26日(日)は「森作業集中日」で臼沢の森上部の草刈りを行います。シカの食害におびえる幼木たちは、なかなか草刈りに来ない森びとスタッフにいら立ちを見せているのではないかと心配します。コロナ禍にあり、東京や神奈川、千葉県のスタッフには森作業の自粛をお願いし、栃木県、群馬県のスタッフで森育てを行います。

 

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 生長の時を待つ幼木たちが4年を過ぎて草に負けない樹高に成長すると、その森にはウグイスやメジロ、モズなどが巣をつくり子育てをします。風や鳥たちが運んだ木の種が森の新しい仲間となり、人間の森づくりを加勢してくれます。

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 1年後、東京オリンピックで持てる力を発揮するアスリートの皆さんの成長と足尾の森・杜の木々の生長を楽しみに、「その土地本来の木による、いのちを守る本物の森づくり」に汗を流したい。

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(筆者 清水 卓)

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