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2009年4月の18件の記事

2009年4月30日 (木)

どうしてそんなに木は長生きできるのか

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 “体験コーナーその2”は「丸太切り」です。左右に取っ手が付いたノコギリを二人で使い、丸太を切ってもらいます。そして切った面の年輪を算えて、丸太の年齢を計ってもらいます。そこで“なぁーんでか?”がはじまります。Q1、「木はどうしてこんなに長生きできるのか」、と。
 日本の森には、幹周りが40㍍以上・樹齢1千年以上のイチイ、根回り16㍍、樹高34㍍のカツラ、沖縄では400年以上生きているサキシマスオウノキ、屋久島では1千以上生きている屋久杉等が生きつづけています。環境省によると巨木の基準は、幹周り3㍍以上、太さ1㍍以上となっており、全国に約5万6千本生えているそうです。
 丸太切りでは、年輪を算えることから樹木の逞しさ、その逞しさは太陽と微生物から栄養を得て、そして脇役が主役を支えている、という生物社会を考えてもらいます。それを私たちが自然の恵みとして得られていることを実感していただきます。森に入ると山桜の花の可憐さ、ブナの逞しさ等を感じますが、事務局は“なぁーんでか?”に挑戦してもらいたい願っています。
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2009年4月29日 (水)

0157菌を破壊する青森ヒバの役割

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 5月30日(土)に開催する第9回「足尾・ふるさとの森づくり」では、体験コーナーを用意します。この目的は、人間は森に生かされていることを参加した方々に実感してもらうためです。
 その一つが、青森ヒバの効能体験です。以前紹介しました宮大工・加藤吉男さんは300年~400年間生きてきた青森ヒバを使って神社やお寺の新築、修理・復元をしています。ヒバを伐って、自然乾燥させてから人間のために役立てようと、宮大工の技能によって命を吹き込まれさらに何百年以上も生きつづけます。
 体験コーナーでは、加藤さんから提供されたこの青森ヒバを鉋で削ってもらい、削ったヒバを持ち帰っていただきます。青森ヒバは、抗菌力、防虫、防臭効果を発揮します。弘前大学教授・佐々木甚一さんチームの実験によると、青森ヒバに含まれているヒノキチオールは0157菌等の増殖を完全に抑え、抑制する、と述べています(先生のホームページより)。また、α‐ビネンという成分は私たちのストレスを和らげる、と言われています。
 体験コーナーでは森に入ると清々しい、気持ちが良い、ということだけで満足するのでなく、“なぁーんでか?”ということを解ったうえで森の素晴らしさを、実感して頂きたいと願っています。
 石川啄木も渋民村の生活から森に生かされていることを体験し、それを科学的に修得したのでしょうか。啄木がサルに扮して人間を諭している絵本・『サルと人と森』が本日の『上毛新聞』に紹介されました。上毛新聞社のみなさんありがとうございました。
P4160823 下の写真はカタクリです。この可憐な花や根にも私たちはお世話になっています。

2009年4月26日 (日)

新緑の香りを浴びて、いい汗を流しました

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 「松木の杜」イメージが日毎に膨らんでいるような気がします。今日は636穴を掘ることができました。34名の皆さんが爽やかな?汗を流してくれたおかげです。JREUのボランティアの皆さん、「松木の杜」を形成する若木たちに元気を吹き込んでいただきありがとうございました。 日光駅を出発する時の気持ちはさぞかし暗い気持ちでしたでしょう。あんなに激しい雨の中を足尾に向かっていたのでしたから、それは仕方がありません。ところが日足トンネルを抜けたら、足尾町側は間もなく青空が顔を出す天気になっていました。この天気に反射して、木々の若葉は鮮やかさを増していました。
 風は強かったものの青空がのぞく爽やかな日に、未来もこの地球とともに生きていく大切な環境をつくることができました。今日は、「足尾の緑を育てる会」の皆さんが植樹際を行っていました。そこに参加していた事務局スタッフの皆さんも午後の作業に合流してくれました。
 「松木の杜」の穴掘りは3日間で、1千穴以上を掘ることができました。以前、村人は協働して開墾をし、土を耕し、自然(植物)からの恵みを糧に生活をしてきました。だから自然と村人に感謝し、森と村人から支えられて生きていくことの大切さを後生に伝えてきたのではないでしょうか。そんな気持ちが湧き出る「杜」につくりあげていければと願っています。ボランティァの皆さん、ありがとうございました。

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2009年4月25日 (土)

鹿の贈り物に感謝!

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 今日は一日中雨が降っています。森びと広場の気温は9度(9時)でした。昼頃になっても気温は変わりませんでした。若葉の黄緑色が鮮やかなので、午前中は森びと広場周辺を散策しました。
 カッパに雨が当たる音だけを耳にしながら、松木渓流の対岸と広場周辺を2時間ほどかけて、下草の生え具合、動物たちの生活状況、木々の種などを見て回りました。ヤシャブシの幹から雨が流されて、根元には白い泡がつくられていました。沢の支流の崖ではキセキレイが巣づくりをしていました。草原を歩いていると鹿の贈り物が落ちていました。この時季、雄鹿の頭から角が落ちます。その角が贈り物です。この贈り物は、来月30日の森づくりに参加する皆さんに見せてあげようと思いました。今月上旬、事務局は「絆の森」の食害防止の網に鹿の角が絡まっている場面に遭いました。即、網を切って網から角を解いて、雄鹿を解放してあげました。贈り物はこの雄鹿からのものなのか、と思いました。
 今日は、107名もの命を奪い、多くの怪我人を出したJR福知山脱線事故から4年目です。当時のことを思い出すと、事故原因の背後には、社員の良心を奪う経営者の社員管理の行き過ぎがありました。ここ数年、消費者の命を粗末にする一部経営者の犯罪、社員をゴミ同然に掃き溜めに掃き捨てる経営者の傲慢さが目立っています。経営陣の皆さんは、社員から贈り物が届く経営者哲学を忘れてしまったようですね。
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2009年4月24日 (金)

少し肌寒い中、263穴を掘りました

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 今日の朝は冷えました。毛布と布団をかけて寝ましたが、朝方は膝小僧を抱いて丸くなっていました。朝9時の森びと広場の気温は11度でした。天気は晴れ、清々しい日の作業となりましたが、午後は肌寒くなりました。
 暖かい陽を浴びている苗床の若木も芽を出しはじめました。淡い肌色をした芽が苗床一面に輝いています。昨年秋蒔いたドングリたちも間もなく命の輝きを見せてくれます。ドングリに命を吹き込んでくれた皆さんの熱い思いに感謝します。
 今日も昨日同様の作業をしました。午前中は、階段用の間伐材を中間地点からさらに上の場所に運びました。午後は、松木の杜会場で263穴を掘りました。穴掘りは、松木川岸から遠ざかるほど石が多くなり、かなりきつい作業となりました。JREUの皆さんありがとうございました。
 天気予報では、明日は荒れ模様なので明日の作業は中止します。安全・健康第一です。
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2009年4月23日 (木)

いのちを吹き込む穴を掘りました

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 足尾町の桜の花びらも散り、木々の若葉が顔を出してきました。若葉の色は、はげ山の岩の固さを和らげている感じをうれました。今日は、あと1カ月後に迫った足尾ふるさとの森づくり会場の穴掘りを行いました。
 ボランティアはJREUの皆さんです。今日から4日間、毎日16名が植樹会場づくり作業に汗を流してくれます。今日の前半は臼沢会場の階段用間伐材を中間地点まで150本程運び上げました。後半は「松木の杜」づくりの穴を掘りました。ここは強風が吹き荒れるため、西側に防風用のユキツバキ、ヤブツバキを植えるのでその穴を掘りました。穴は70㎝×70㎝×70㎝の大きさに掘り、ここへ黒土と腐葉土等を入れ、それらを混ぜ合わせて盛土をつくります。今日は穴だけを51箇所掘りました。
 昼食後の休憩タイムには、「昨日、誕生日を祝ってやれなかった」として、テントの中ではバースデーケーキが用意されていました。そのうちに“ハッピーバースデー“の声が広場に響き、ケーキがカットされました。私たちもご馳走になりました。
 「どくだみ荘」で夕食準備をしていると、美味しい米が届けられました。森づくり本番を向かえた私たちに有り難い贈り物でした。千葉県の寺西さん、ありがとうございました。
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2009年4月21日 (火)

集落人の心は森からつくられる

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 今日は十日町から枯木又という集落に行ってきました。訪問の目的は、来月のGW期間中にこの地を訪れ、この地で「豪雪山間地集落の価値を守り、育て、伝える」活動をしている皆さんと会えるからです。
 この地とこの地の価値を守り、育て、伝えている「枯木又エコミュージアムの会」を紹介してくれたのは第3期森びとインストラクターの大塚さんです。彼はこの地で、是非、いのちの森づくりをしたいと願い、この素晴らしい集落の文化を14年間も守り続けている皆さんと森びととの交流をつくりました。
 田圃では三色米(緑米、黒米、赤米)を作り、それは上流のブナ林が貯えたミネラル分の多い水によって身体に良い美味しい米と言われています。現場を見ると、風雪に耐えて100年以上も生きているブナが頑と地に根を張り、ブナと共にホオノキ、カエデもしっかりと根を張っていました。その主木を支えているのが低木のユキツバキ、アオキたちでした。感動したのはユキツバキの群生でした。雪の重さで幹は斜めになっていますが、その幹には小さく可憐な赤い花を付けて、群れをなして主木を支えていました。
 現地を見て感じたことは、集落の生活と文化を支えている森の価値を評価したミュージアムになってほしい、と思いました。それにしても森と生きる集落の文化は現代に生きる私たちが忘れている大切な心かもしれません。
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2009年4月20日 (月)

ひとつの流れになりつつある?環境問題

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 代々木公園周辺の木々や明治神宮の森を歩くと初夏を思わせます。この時季、クスノキは古い葉を落として新芽をだしています。神宮の森の中を歩くと爽やかな気分になります。
 昨日は「2009東京アースデー」を見てきました。最寄り駅の原宿駅ホームから改札まで辿り着くのに普通なら2~3分で行けるのに、昨日は15分もかかりました。会場を歩くと環境グッズの販売、健康食品の販売そしてエココンサート等が殆どでした。訪れている方の殆どが若者達でした。 色々な視点から環境問題に関心をもっている方々が、缶ビールを片手に訴え、商売していました。また、労働組合の方もブースで環境問題を訴えていました。環境問題の関心度は高いなあー、と思いました。また、この関心が人の心を動かし、実行力に転化されればいいなあー、とも思いました。
 アースデーには日本の若者達が多く集まっていましたが、神宮の森を散策している方々の多くは外国人でした。こんな様子を見て、外国人の方々は生活の中に森が入っているのかなあー、と感じました。アイヌ古布絵作家・宇梶静恵さんの話が頭をかすめました。
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2009年4月19日 (日)

森びとの心に木を植えています

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 昨日はみちのく「森びと塾」の第1回目でした。塾は、爽やかな雪解けの風を身体に感じながら受けることができました。カリキュラムは、①松尾鉱山の歴史②食害調査③育樹調査④“山と心に木を植える”森づくりの復習⑤今年の森づくり事業に向けて、でした。塾にはインストラクター16名が出席し、改めて森づくりの重要性を意思統一しました。
 東京「森びと塾」に参加した宮原哲也さんから感想文が届きましたので文の一部を紹介します。「森びとプロジェクト委員会の考え方、思想というのが十分でていて、とてもよかった。“山と心に木を植える”この思想がでていたと思います。場所も、笹森寺という鎮守の森を選んだこと、本物の森とそうでない森が比較できたこと。そして、午後の宇梶さんの実体験から、大地とともに生きる大切さを実感できる話を聞けたこと。学問的に何の植生か、植物か、とそれを学ぶのは大切だけれど、やはりその大元の基本である自然に生かされている、という謙虚な姿勢が必要で、それを今回の森びと塾で再認識できました。次回以降も、同様の気持ちにさせてくれるのを期待し、楽しみにしています」。
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2009年4月17日 (金)

自然の力に感謝を込めて

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 みちのくも「北国の春」になりました。先週はじめから温かさが続き、春が一気にきました。2~3年前のような季節感です。12日には岩手公園の桜も開花しました。みちのく事務所前のコブシも咲きはじめました。
 16日、春を感じたので昨年ドングリを蒔いた県民の森を訪ねました。少し残雪はありましたが、苗床を見た瞬間、苗床はモグラの運動会が終わった跡のようでした。多くのトチノミが何者かによって食べられていました。初めての食害に遭いました。この運動会の様子を見た私たちはがっくりきました。
 植樹会場の苗木たちには木酢液をかけて、昆虫の害に遭わないようにしました。大自然の中で生きていこうとする木々には試練かもしれませんが、未来の地球を守っていく願いを込めて木酢液を撒水しました。

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