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2008年8月24日 (日)

足尾ふるさとの木を調査しました

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 本日、事務局と森びとインストラクター4名は足尾で植樹している山の頂上から中禅寺湖側(北側)の樹木を調査しました。
7時20分、天候は雨、一行は「森びと広場」を出発。標高700㍍程の地点から植樹会場を一気に直登しました。植樹会場内は階段がありますが、その上は(来年以降の植樹会場)はカヤ、ススキ等の草が覆い茂って道はありません。雨で草が滑る中を5名の仲間達は傾斜30度ほどの道無き道を登っていきました。熊もしくはカモシカが通った跡(?)に沿って登り、45分程で1000㍍地点に到着しました。その後ももくもくと登り、山頂までの所要時間は90分、標高は約1170㍍でした。
 山頂から眺める松木沢側の山々はガスがかかって見えませんでした。集合写真を撮ってから、早速中禅寺湖側の樹木調査をしました。一言で言うと「ヤシャブシの森」と言えます。森を形成している樹木は殆どがヤシャブシでした。その他には、ウダイカンバ(写真・下)、アキグミ、リョウブ等でした。ウダイカンバの直径は約50数㌢でしたので、緑化事業が始まった50数年前頃に根付いた樹木であると推察しました。
 北東側には動物たちの「レストラン」が作られていました。このレストランは、熊やカモシカ、シカ達がご馳走になるアキグミが十数本生えているところです。実が熟すのを待ちきれずにいるのか、アキグミの木が折れていたり、周辺の草が根元から折れていました。
 下山は阿蘇沢を目指してヤシャブシとリョウブの森の稜線を下りました。シトシトと雨が降っていますが、雨水の勢いが土砂を流してしまう状況ではありませんでした。樹木や草がしっかりと土砂をガードしている様子を見ることができました。50年間以上の緑化事業に従事した皆さんの辛い作業に頭が下がる思いでした。
 下山した5名は「森びと広場」の小屋の中で昼食を食べながら会話で、今日、登った山の名前は地図に記載されていないので我々が命名しようとなりました。しかし、煙害で廃村に追い込まれていった旧松木村の村人の間では「○○山」と、名前があったのではないかとなり、調べてみることにしました。
 ふるさとの森の主木はどんな木であったのか、を調査するために登山しましたが、ひと山登ったぐらいでは解りませんでした。調査を終えて感じたことは、人間が犯してしまった自然破壊の傷跡は奥が深いこと、さらには、この傷跡に自分の力によって未来に向かって生長し続けている自然のエネルギーを、人間のものにすることはできないということでした。

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コメント

足尾の森、ゆたかに感じます。こんな動物のレストランのある森取り戻したいですね。capricornus

海さんはじめましてshine!探検隊?に参加した爺でございます。臼沢の山頂に残る森は一見すると豊かに見えますが、ヤシャブシの純林といっていいほどの多様性のない林になっています。ヤシャブシは鹿が食べないから残っているんですよね。逆に言うと他の木々は頑張って生えてきても食べられてしまう可能性がある・・・。punch
本物の豊かな森になるにはまだまだ時間がかかるとつくづく感じました。

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