働く者の生存プラン探しをしました
10月18日、JR東労組と貨物労組の組合員の皆さん27名が、足尾の森に入りました。これは、気候危機に向き合う働く者の心得を探し、日ごろの活動に反映させていくプランを話し合うためです。朝9時の足尾の気温は20℃と少し汗ばむほどで、散策には程よい日でした。
永島運営委員の進行でオリエンテーションがスタートしました
清水副代表より歓迎の挨拶をしました
2009年~2010年に植樹をした民集の森西と2011~2012年に植樹をした民集の森東を観察しました
森に入り、日陰の効果を実感しました。左側は2018年に植樹をしました
アナグマの巢
糺の森で真剣に今後の構想を練るO室さん
ジャンダルムをバックに
民集の森西の苔
参加者から出された主な意見では、「動物にも動物の都合があると思うが、多すぎたりすれば、うまくいかなくなる。私たちも相手のことを見ながら生きていく必要がある。糺の森で見つめ直して、今やっていることが本当にこれで大丈夫なのかと立ち止まることが非常に大事だと僕は思った。森づくりも同じで、10年先20年先同じことをやっていて上手くいくかどうか分からない。やはり立ち止まって見るっていうところが必要で、私たちは受け継ぎながら担っていきたい」、「(足尾鉱毒事件と)原発事故は非常にセットしている。谷中村の強制収用は谷中村で起こったことではなく、日本で起きたことだというセリフがあったが、まさに今の日本も福島だけの問題で捉えず、我々の問題として捉える必要がある」、「一度壊した自然はなかなか元に戻らないなと感じた」、「温暖化が進んでいる中で、私たち人間が起こしているものであり、それを元に戻さなきゃいけないとつくづく感じる」、「先日韓国の仲間が八幡平の森に入り、なぜ木を植えてきたか話をした。韓国の労働組合に森びとの話をして不安だったが、かなり受け入れてもらい共感してもらえた。特に利益の為に人間が自然を壊しているということを非常に実感していただいた」、「職場の中で抵抗の心を持って、おかしいなあと思ったら、まず発する。一緒になって運動を作る仲間をつくっていく」、「人間が手を入れることによって、森が復活している。しかも自然に任せるよりも何倍も速くなっている。もちろんやるのは実際には本当に大変だし、重労働だろうが、やはりこの人間の力が非常に大きいと感じた」、「仕事の中でも私生活の中でも意識しながら行動していくっていうことは非常に大事だと感じた」等出されました。
清水副代表のまとめでは、「今、地球温暖化と言われていますけれども、気が付いて、この先何をやろうとしてるかが問われています」「故・宮脇昭先生からCO2を吸収する森をつくるべきだとアドバイスをもらい、2004年にNPO法人を結成し、2005年から森づくりをしてきました。原因究明をし、結果を想定し実行することが大事だなと思います」「はげ山で、あそこには森ができないと言われたところに森を作ってきたことにぜひ自信を思っていただきたい。まだまだ20年ですので、さらなる20年の森を目指して森びとプロジェクト活動していきます。職場の仲間と森の手入れをしていただければありがたいなと思います。今日はありがとうございました」等、話がありました。
この20年間、先輩方やボランティアの皆さんがつくってきた足尾の森の社会的意義を感じてもらえたと思います。経済発展の裏には必ず犠牲があり、常に被害にあうのは弱い立場のものです。田中正造は議員を辞職し、最後まで被害農民に寄り添いました。当時は足尾鉱毒事件であり、現代では2011年3月11日の福島での原発事故です。単に「環境の問題」にとどまらず「社会の問題」であり、一人では弱いけれど、志ある仲間とスクラムを組むことで社会を動かしていくことでしか、政治や価値観を変えていくことは不可欠だと思います。働くものとして、何をなすべきかを常においてそれぞれの場で行動していくことを確認しあいました。(報告 小林敬)
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