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2024年7月の15件の記事

2024年7月 9日 (火)

足尾・松木郷の「お盆」を考える一日

今日の足尾・松木郷は、朝8時20分、気温25度でした。天気は晴れたり曇ったり、雨もぱらつく一日でした。

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9時前に、森作業の参加者全員が集合しましたので、責任者の加賀スタッフから「作業の段取りを考えてきた」と、一つは、足尾町は7月13日からお盆に入るので毎年2回行っている3か所のお墓や祠の回りの草刈りとお花を供える事、二つ目は、松村宗雄さんが南天の木とヒガンバナの球根を60個持ってきてくれたので「こころの園」に植える事を二手に分かれて行う。それが終わったら、里親植樹で植えた臼沢西の森の草刈りと民集の杜の通路整備を行う、と作業内容が提案されました。

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直ちに、道具等を準備し作業に取り掛かかりました。

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お盆は、ご先祖様に感謝する習慣が現在まで伝えられています。私たちはこの時期、松木村の村人が廃村に追い込まれた悔しさ、怒りを考えると共に、村人の暮らしを支えてきた自然に畏敬の念を忘れず、いのちと健康の安全を願ってお墓と祠の草刈りを行いお花を供えました。

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その後は丸3年になる里親植樹の臼沢西の森の草刈りを行いました。植えたときの苗は樹高60cmほどでしたが、サクラやシラカバ、カツラ等の苗木は私の背丈を超えるほど大きく生長していました。 昼食後のフルーツには、果樹園に植えたブルーベリーの実を収穫して、全員で美味しく食べました。森の恵みを味わって、午後は二手に分かれての作業に入りました。

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 臼沢西の森に行く途中の階段が動物によって一部壊されていたので甲羅板や道具を運び上げ、10段の階段を修繕しました。また、他のメンバーは民集の杜の通路整備を行いました。

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今回は、ナナコ垣根(魚子垣)を通路の両側に設置しました。真竹を割り、細く薄い竹を半円形に曲げて波状に地面に差し込みました。地面が石だらけで、竹がなかなか刺さらなかったので、鉄筋をハンマーで打ち込み穴をあけて竹を差し込みました。1時間半で60mの垣根を設置できました。スタッフのお陰で予定した作業を全うすることが出来ました。お疲れ様でした。

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松村宗雄さんから、参加者全員にセロリのお土産をいただきました。

 本日の参加者は、鎌田、松村宗、橋倉、加賀、済賀、田村、清水、そして筆者・大野でした。

<報告は大野昭彦>

2024年7月 7日 (日)

夏は、足尾・松木郷で暑さを乗り切る!

 本日(7月7日)の足尾・松木は、晴天で風もなく23℃(8時30分)と暑く感じますが松木川の風に身体が癒されます。

早速、夏の毛皮を着たニオホンジカが臼沢の植樹地の下で、朝食を摂っていました。歓迎された気分になりました。Dsc00185 最初にみちくさにお寄り頂いたのは、川口市の青木さんと3匹の犬の皆さんです。週末は、自然がある場所に出かけています。今日は、犬と松木川に入りましたが、冷たい川でしたと感想を言って下さりまた、来ますとの事でした。Dsc00195  次に立ち寄ってくれたのは、黒津さんと男性1名で、黒津さん過去にみちくさ先の植樹地で森づくりの経験を話され、みちくさにも何度か立ち寄っていた方です。Dscn0141 最後は、ジャンダルムでロッククライミングの帰りに元気な顔でお寄り頂きました4名様です。案内ガイドさんに導かれて無事に目的を達成した充実したお顔でした。Dscn0142 Dsc00186 今日は、暑くなるのでみちくさに立ち寄る人は居ないのではと、朝の打ち合わせでの話でしていました。しかし、皆さんは、暑さを乗り切る為に足尾・松木にいらしていました。

今日、みちくさに立ち寄られた2組4名様から「水を頂けませんか」とのリクエストがありましたのでお水をお分けしました。
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午前中の作業を福原さんと筆者でみちくさ広場の柵の中の苗木の周りを石で囲い、その中に柳澤さんが運んでくれたもみ殻でマルチングを行ないました。Dsc00189 Dsc00190

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Dsc00203 フレコン2袋を入れることができました。乾燥予防と草の生長を抑えることが出来ます。もみ殻をたっぷり入れた苗木も嬉しそうでした。

Dsc00204 橋倉さんは、みちくさテラスの草刈りで苔の生長が楽しみにしているようでした。テラスで食事をする人が、足元を気にせずにベンチまで進めます。

Dsc00192 みちくさの庭には、コオニユリの花が数を増やして元気に咲いていました。

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Dsc00200 3時の帰宅時には、みちくさの玄関脇の温度計が37℃を指していて「そんなに暑かったのか」とビックリしました。

Dsc00208_2 本日の舎人は橋倉さん、福原さんと筆者でした。(報告:済賀正文)

 

2024年7月 6日 (土)

ちょっとにぎやかだったみちくさから

ぐっと緑が濃くなった足尾・松木は、今日も静かでした。気温は少し控えめで、湿度は高いものの比較的過ごしやすい一日でした。午前中はどなたも訪れる人はおらず、みちくさ担当のメンバーで、今年のみちくさでの作業の進め方について話し合いをしました。足尾の町に民泊施設ができたと聞き、さっそく私たちの仲間も泊まったようですが、みちくさも(もちろんこの旧松木村も)足尾のスポットの一つとして、足尾を盛り上げるお手伝いができたら嬉しいですね。

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この日も人が来る予兆がないことから、お昼を食べてからは、宇都宮から遊びにきてくれたKさんと一緒に道普請をしました。どういうわけか砂利道にシカが開けた大きな穴が所々にできていて、それを埋める作業です。「過ごしやすい」と言ったのは体を動かさないからで、ちょっとでも身体を動かすと湿気のせいで汗だくになります。埋める小石や砂利を集めては埋める作業を繰り返しました。

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作業の休憩中、ふとにぎやかな声にみちくさに戻ると若い人たちの声がします。東京農業大学・森林総合科学科の山崎先生と学生のグループでした。1泊でバスを使って日光・足尾と回っているそうで、山崎先生の人気ぶりを示すかのような大所帯でした。時間も短くあまり話ができなかったのが少し残念で、是非次はゆっくり森を見ていっていただきたいですね!学生さんは近くでクマに会ったそうで、このところ足尾では完全に動植物昆虫に嫌われている(全然会えない)私としてはうらやましい限りでした。先週はマダニにたかられていて、どうやら会いたくないものだけには会える相がでているようです。

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この日も、新松木の森でヤマユリが咲きそうだと行ってみましたが残念ながらまだつぼみ。オカトラノオが優しく揺れていました。(舎人 橋倉、山田、小黒)

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2024年7月 1日 (月)

森の恵みは、先人が命をかけた緑化の賜物

 6月30日(日)、遊働楽舎“みちくさ”の9時の気温は26℃です。天候は曇り、低気圧の影響で午後には雨の予報で肌寒さを感じます。訪問者に暖かいコーヒーやお茶を提供できるようにお湯を沸かし、オープン準備をしました。“仁平村長”が皆さんを出迎えます。

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 前日、シニアの先輩方が“みちくさ”室内の模様替えを行い、南側の窓にテーブルと椅子が据えられました。“みちくさ”の庭や中倉山が眺められ、ハイカーの皆さんが“ほっと一休み”できます。

 準備が整い、打ち合わせを行いました。昨年10月に加賀スタッフと“りんねの森”改良地調査エリアの苗木の樹高を測りましたが、「砂地」のヤマハンノキの生長が著しいので、午前中は“りんねの森”の調査を行うことにしました。午後は、昨日の引継ぎで“みちくさ”内にあるテレビとDVDプレーヤー、パソコンとの接続ができるように、電気配線を行うことにしました。

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 “りんねの森”に向かい、まずは一番生長の早い「砂地」の木々を計測しました。西側のヤマハンノキの生長が良く、2022年10月に植樹したときは60㎝程でしたが、一番高かった樹高は360cm、シラカバは175cmでした。空気中から窒素を吸収し根で栄養に変え、荒廃地を緑化するパイオニアと言われますが、その通りの生長が見られました。

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 改良地の樹木の調査では、2023年10月の調査で100㎝のヤマザクラが125㎝に、80㎝のヤマボウシは118㎝、45㎝のハウチワカエデは71㎝に生長していました。土壌が開墾されたおかげか、柵の南側に生えるヤシャブシの種が活着し、20~30㎝ほどに生長した数百の実生が幼木の競争相手になっています。

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 果樹園内ではブルーベリーが実をつけ、紫色に熟し始めました。森の恵みを一粒いただき、まわりの草刈りを行いました。降雪と寒さで枯れてしまったと思っていたお茶の木も、下から枝を伸ばし、葉を広げ始めました。厳しい足尾の気候に耐え、生き抜こうとする木々に感動を覚え、木を覆う草を刈りました。

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 昼近くになり“みちくさ”に戻り訪問者を待ちました。13時過ぎに、松木郷の散策に訪れたご夫婦の姿が見えたので声掛けをしましたが、雨が降り出したため「雨が強くなる前に戻ります」と引き返されました。

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 天気の影響もあり人影は無く、“みちくさ”内にあるテレビとDVDプレーヤー、パソコンとの接続ができるように、電気配線を行いました。室内とトイレ内の電灯も点灯するように接続しました。

 DVDプレーヤーとTVの接続を確認するため橋倉さんがDVDを選び、足尾の荒廃地への緑化工でヘリコプターにバケットを下げてアスファルト乳剤を散布し、草や木の種をまく映像を観ました。すると、昨日“みちくさ”の改装を行った済賀スタッフが顔を出し一緒に視聴しました。

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 人が入れない急峻な山の斜面の緑化のために1965年から開始された当時の最新方法でした。ヘリコプターを傾けて揺さぶり落とさなければならなかったり、散布装置が詰まるとヘリコプター内に種子を積み込み、命綱を着けた助手席の人が手でまくなど非常に難しい緑化だったそうです。映像には草木のない茶色い松木の山々が映り、緑の増えた現在の山々は先人の命をかけた緑化作業のおかげであり、その土壌の上に私たちは植樹を行えるということを実感しました。

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 「みちくさの庭」は、アジサイが咲きはじめ、カンゾウの紅い花にはアブラムシとアリが共生していました。果樹園ではブルーベリーなど森の恵みも熟してきます。

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 先人の森づくりを視聴することもできますので、“みちくさで一休み”はいかがでしょうか。皆さまの訪問をお待ちしています。

本日の舎人は、橋倉さん、筆者清水でした。(報告:清水卓)

最近の若い人は環境活動に敏感

 25年春に卒業を迎える大学生の多くは既に就職先を決めているらしい。最近の就職活動は私が学生だった45年前とは、当然大きく変わっている。

Photo そうした中、先日テレビを見ていたら、日本のZ世代の就職活動をサポートするエシカル就活サイトというのが話題になっていた。「エシカル就活」とは「企業の規模や知名度、給与ではなく、環境問題や社会問題への取り組み、自分と企業の価値観がどれだけ合致するかなどを重視した企業選びのスタイルを指す造語」だという。

 同じころ日経新聞のFINACIL TIMES翻訳記事に「気候退職」という言葉を見つけた。大企業に勤める若手会社員が勤務先の環境、特に地球温暖化対策への取組活動に不満を持ち退職することをいうらしい。また、コンサル会社の調査によれば北米や西欧では就職先を選ぶ際に、70%以上の若者が企業による環境問題への取組を重視しているとのこと。さらにこうした動きは北米や西欧よりもタイやシンガポール、マレーシア、インドネシアなど東南アジアの方が強いらしい。記事によれば企業は気候変動対策に真剣に取り組まないと若い人を採用し、つなぎ留めておくことが今後は困難になるという。

 こうした動きをみると、今は混乱し将来を悲観してしまう世界の状況だが、若い世代によって少しずつ良い方向に進むのかもしれないと、小さい希望を持つことができる。

 季節外れですが、冒頭の写真は、長野に住んでいたとき、近所の宅地造成地で見つけたチューリップ。題して「荒地に咲く希望の花」(ベタだね)。

(運営委員・井上康)

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