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2022年5月の23件の記事

2022年5月 3日 (火)

新緑の中、森の散策で将来の森づくりを考える

 本日の8時40分の足尾・松木沢は、気温3℃。快晴で風が少しあり肌寒く感じましたので、作業小屋の薪ストーブに火を入れました。

Photo_2 9時からの打ち合わせで責任者の大野さんから「本日は、森作業を行なわないで自分たちが作ってきた森の中に入り、今年から始まるりんねの森づくりを考えましょう」との説明があり、ホットコーヒーを飲みながらこれまでの森づくりの感想を出し合いました。

Photo 柳澤さんから「2004年秋の時はススキだらけだった。当時を思うと、ずいぶん変わった」と森づくりの最初のころの苦労話が出されました。2004929_2

             (写真)2004年9月の足尾

 早速、木々の生長を確認するために、17年経った臼沢の森に入りました。そして、M&mのベンチに座り、森を見ながらこれからの森づくりを考えました。

 次に臼沢西の森に入り、昨年から始まった里親植樹地を見ました。ウサギの仕業と思われますが、苗木が一定の高さで切られていました。動物たちとの知恵比べとはいえ、私たちの苗木に向かう姿勢が問われ、人間の都合で森づくりは出来ない、と改めて感じました。

Photo_3 昼食後の話し合いでは、「今後の森づくりについて森としてうっそうとしているが、木々がひょろっとしており細い」、「平和でないと森づくりはできない」等の意見が出されました。

Photo_4 最後に大野さんから「自分の森として活動していきましょう」との言葉を参加者で確認して、本日の新緑の森の散策会を終了しました。

Photo_5 本日の参加者は、大塚、柳澤、弘永、大野、そして筆者・済賀でした。(報告者:済賀正文)

2022年5月 1日 (日)

森びとアーカイブです。

森びとの各種文書、オピニオンなどを掲載していきます。

やってみて分かることを改めて実感

 里山は人の営みのもとに草原から森林まで様々な代償植生が見られます。原生の状態では出現しない日本の人里を豊かにする植物たちで構成されています。

20220501_070928_3    先日、研修講師として横浜市の舞岡公園に出かけてきました。横浜市の職員、地元の指定管理の方、生物調査会社の方など10数名と観察を楽しみました。雑木林は長いこと放棄され、アズマネザサに覆われていたのですが、年に1回の刈り取りのおかげで、ササの背丈が短く、疎らになり、ハエドクソウ、ヤマユリ、ホウチャクソウ、ヌスビトハギ、オケラ、キンラン、ケスゲなど、雑木林の多年生の林床植物が蘇っていました。ところが面白いことに隣の刈り取り地では、同じように年一度の刈り取りなのですが、よそ者の一年生植物のミゾイチゴツナギとツユクサのほかは、雑木林の林床は復活していません。この違いが何なのだろうと管理者に聞きましたら、同じ一回の刈り取りでも、貧相な方は夏の刈り取り、豊かな方は冬の刈り取りということでした。

9784865783360    なるほど、冬なら常緑のササだけ刈り取れるけど、夏だと成長した多年生草本類も一緒に刈り取ることになるわけです。ササの勢いを止めるには栄養分が地上部に集中する夏に刈り取るのが効果的なのですが、他の林床植物には良くないのがわかりました。やってみて初めて分かることが、生態学には沢山あるということですね。(代表・中村幸人)

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