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2020年5月の26件の記事

2020年5月19日 (火)

新緑に包まれた足尾銅山精錬所方面の街並みを散歩

 朝から雨が降る足尾町の火曜日。今日は撮りためた写真の整理と森作業報告レポート作成、そして東京事務所からの荷物整理日。橋倉さんは、5年前に松木沢で植えた木々の生長写真をプリントし、手紙を添えて現役時代の同窓生に郵送する準備。

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Photo_2  午後には雨が止みましたので、橋倉さんの案内で近くを散歩してきました。アパートから階段を登ったところにある「上の平」集落を歩き、途中、間藤駅から上り電車が出発したばかりを見下ろすことができました。

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Photo_5  閑静な「上の平」から見る足尾銅山精錬所跡方面の街並みは寂しそでした。錆びたレールの先は精錬所まで続き、トンネルの奥からは働く者たちの逞しい声が聴こえてきそうな雰囲気が感じられました。

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Photo_7 時がゆっくり流れている上間藤周辺の散歩は気持ちも身体も緩やかになりました。

Photo_8 「上の平」集落近くでの熊剥ぎ

Photo_9 集落に残っていたカシワ

(報告・高橋佳夫)

2020年5月18日 (月)

足尾・松木沢の杜の観察で疲れを癒す

 曇り空の足尾・松木沢。今日の午前中は「新松木の杜」内のスミレ生育調査を兼ねた橋倉スタッフの写真撮影実習。スミレの開花観察には遅いのですが、生えている場所に目印を付け、踏みつけられないようにしました。

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Photo_2 写真:橋倉

Photo_3  また、自然の力で生えているネムノキの花を観察しようと調べてみると、枝には若葉が無くやっと芽が顔を出していました。ネムノキは夜になると葉を閉じて眠るようなので、色々な動きを観察していくのが楽しみです。

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Photo_5 猿に樹皮を食べられたネムノキ

Photo_6 ヤマユリが元気です(写真:橋倉)

 その後は、昨日見つけた鳥の巣の確認。親鳥には遭えませんでしたが、双眼鏡で観察していく角度等を調べておきました。

Photo_7 写真:橋倉

 午後は、高崎市・長井さんから提供されたイチョウを森びと広場の角に植えました。

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Photo_10  近くのシダレザクラの枝でホオジロが囀っていましたので、橋倉さんがカメラで撮影。5回シャッターを押しましたが、ピントが合っていたのは1枚でした。残念そうな橋倉さんでした。

Photo_11  イチョウは4本植え、シカや猿にいたずらされない様に幹の周囲をガードしました。夕方になると小雨が降ってきましたので、本日の森作業は終了しました。

Photo_12 旅たち間近のカワラヒワ

(報告・高橋佳夫)

2020年5月17日 (日)

緑深まる中で、虫と野鳥に会えた森作業

今日の足尾は緑が一段と深まり、快晴の中での森作業になりました。

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上の写真は、風で舞うさくらです。

 コーヒーを飲みながら今日の作業打ち合わせ、先週に引き続き「民集の杜」の枝伐り終了に向けて作業することを決めて作業開始。

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午前中の作業が終わる頃に野鳥の産卵してある巣を見つけ、巣の周りの枝伐りをやめて野鳥にお返ししました。

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 その後の作業休憩中に、小柴さんが蝶を捕まえてくれました。昨日のブログで紹介したアキグミの花の蜜を美味しく吸っていた蝶(ミヤマシロチョウ?)でした。

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午後の作業前には、キジが迎えてくれ、

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 休憩時間では、白い長い触覚を持った虫を見つけました。(白線の中で、草の種子の所に茶色い胴体。その先は白い触覚。虫の胴体の4倍近くありました。写真見ずらくてすみません。)

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Photo_22  「民集の杜」の枝伐りは若干やり残しましたが、それは次回にお願いし、今日の作業を終えました。鎌田さん、高橋さん、橋倉さん、小柴さん、弘永さん、お疲れ様でした。(報告者・小川)

2020年5月16日 (土)

JR東日本の地球温暖化防止計画は日本の脱炭素社会の勢いになるか

 5月12日JR東日本の深沢社長は「脱炭素社会に向けて貢献したい」として「2050年度までに二酸化炭素排出量をゼロにする」と言う目標を発表しました。コロナ禍で減収減益がある中にあって、未来社会を見据えた企業の社会的責務を果たすこの計画は“さすが”と思いました。“鉄道は地球にやさしい”と言うことにあぐらをかくことなく、未来を生きる人々の命を育む基盤を護りぬく一歩踏み出した計画だと感じました。

Photo_4  反面、二酸化炭素排出を実質ゼロにするにはあと30年もかかるのかと思い、それまで私たちは地球の恵みを受けられるのかとの不安も残りました。

P1176135  とは言え、世界各国から失笑されている日本政府の温暖化対策後ろ向き姿勢に対して、企業側からの脱炭素社会への道を切り開くきっかけになってほしいと願います。

Dscn1135  今年も沖縄、九州地方に大雨が襲い、引き続いて台風1号後の大雨が襲いかかろうとしています。コロナ渦によって生活様式・あり方が見直される中、もう一方では想定外の異常気象の猛威で生活を見直さなければならない時代が到来しているようです。

Photo_5  私は、南相馬で木を植えている全国の植林ボランティアと共に、地球温暖化にブレーキをかけていくことの意味が未来を生きる次世代につなげられれば有難いと願っています。(事務局員・東城敏男)

新緑の葉が揺れる音が聴こえるほどの静かな松木渓谷入口

 今日は休養日。筆者は朝から足尾・松木渓谷入口の「みちくさ」で原稿整理、橋倉さんとは昼頃から「みちくさ」で合流。

202005 「民衆の杜」全景

 穏やかな松木渓谷入口で写真撮影の講習をしました。足尾住民として足尾の自然と歴史の魅力を写真に収めようと目覚めた橋倉さん。

202005_2 「松木の杜」全景

202005_3 「新松木の杜」全景

 細かい字で書かれている説明書を読んでいるだけではうまくならないと、カメラを操作しながら覚えることにした橋倉さん。早速、「みちくさ庭園」内で草花や昆虫を撮影していました。

Photo  昨日はミヤマシロチョウ?を写真に収めることが筆者。アキグミの甘い香りがする花の蜜を舐めている瞬間に出会いましたのでシャッターを押しました。今日はモズが「みちくさ」近くの桜の木に止まり、地面の虫を探しているようでした。

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Photo_2  今日の気温が20度には届きませんでしたのでハルゼミの合唱もなく、とても静かなひと時でした。

Photo_3  14時半頃から小雨が降ってきましたので、帰路につきました。(報告・高橋佳夫)

2020年5月15日 (金)

ウイルスと向き合う心得を育む松木沢の森の中

 今日も足尾の森では朝からエゾハルゼミが合唱の練習をしていました。9時頃から気温が22度もありましたので元気そうな声が森に響き渡っていました。

Photo 「民集の杜」

 「臼沢の森」方面からは竹の筒を手で叩く音に近いツツドリがハルゼミの唄のリズムを合わせている様でした。今日は、朝から自然の音色を楽しみながらコロナ疲れを癒しました。

Photo_2  昼過ぎ、「民集の杜」を観察しているとノビタキがしきりに囀っていました。近くには雌がいましたので、落ち着かない様子でした。

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Photo_4 故・岸井さんの誓いの桜(手前右側)

Photo_5 「新松木の杜」の若葉

 今日は前理事長の岸井さんの命日。「松木の杜」入口には2009年の京都議定書最終年に温暖化防止の誓いを桜に宿した岸井さん。「松木の杜」の木々と一緒に、足尾・松木村跡地にその根を張っています。(報告・髙橋佳夫)

2020年5月14日 (木)

足尾・松木沢の贅沢な新緑の恵みに感謝です

 足尾の早朝は強風が吹き荒れました。天気が心配でしたが、8時頃には強風は止みました。今日の松木沢の昼の平均気温は20度から22度でした。

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Photo_6  森の中ではエゾハルゼミが合唱を始めました。立夏から1週間も過ぎたので恒例の合唱コンクールでしょうか。本日の作業は橋倉さんが苗木に撒水をしました。体感温度は夏日のようでしたのでたっぷりの水をかけていました。

Photo_2  筆者は「みちくさ庭園」の草を刈りました。しかし、小さな蝶が蜜を舐めに集まっていたので、ひと角の草は花が終わった後に刈ることにして、その他の草を刈りました。近くには昨年夏に植えた野イチゴがびっしりと根を広げ白い花を沢山付けていました。今年も甘酸っぱい野イチゴがいただけそうです。

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2 桑の実も楽しみです

 作業小屋の窓ではスズメバチがガラスに張りつき、新居(巣)を作る場所の下見を探しているようでした。昼過ぎは、「民集の杜」の枝払い後の様子を写真に撮ってきました。昨日に続き、爽やかな風が森林内を吹き抜けていました。とても空気が美味しい季節であることを実感し、森の恵みに感謝しました。

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Photo_4  昼食時には、今後の「みちくさ」の楽しい運営案を出し合い、そのひとつとして橋倉さんは一眼レフカメラで四季の松木沢を撮影しようとカメラの説明書とにらめっこしているようです。

1 右側の幹と枝の木はニセアカシヤ

Photo_5  帰宅途中、猿の群団がねぐらに戻っていくようでした。 (報告・高橋佳夫)

2020年5月13日 (水)

足尾・松木沢の新緑の清々しさを黄砂が悪戯

Photo  1カ月振りの足尾・松木沢。楽しみにしていた松木沢の森(杜)の新緑の美しさと清々しい空気。ところが黄砂がその美しさと清々しい空気の美味しさを半減させていました。

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Photo_4  午後3時頃から夕方までの散策でしたが、モズが歓迎してくれました。松木川の南側斜面ではツキノワクマが食事をしていました。大きめの熊で、冬眠明けの空腹を満たしているようでした。黄砂で鮮明に写りませんでした。

Photo_5  3月から始まった枝払いによって森の中は春の風が通り抜け、ウグイスの囀りの声も森を通り過ぎて大きく聴こえていました。

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2  足元ではフデリンドウが遅い花を咲かせようとしていました。

Photo_7  9年前は草地だった地を開墾し、幼木を植えたところが自然の力で本物の森に育っているようです。森の中を歩くと、休眠から目を覚ました木々の若葉が空気を美味しくし、光の射す方へ伸びる枝の葉の陰はとても目に優しく感じました。 

Dscn1947 ウワミズサクラの花

Photo_9  植林ボランティアの皆さん、草地から森へ育てて頂きありがとうございました。(報告・高橋佳夫)

2020年5月11日 (月)

外出自粛疲れを忘れて森の防潮堤づくり作業

Photo  気候変動の影響なのか一気に真夏日になった本日(5/11)。10時に南相馬市育苗場にて作業打ち合わせ後に森作業開始。コロナ渦の中での作業はマスク着用と無用な話を避け、緊張感が張り詰めたような感じで進められました。

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2020511_3  2日前に恵みの雨が降りましたが、気候変動の真夏日でポット内は乾燥していました。苗木に爽やかな風と水をたっぷりかけ、いのちを吹きこむために苗木場に囲った防風ネットを取り外しました。

2020511_5 2020511_4  休憩タイムでは、コロナ渦の中での自粛疲れ、それによるトレスが蔓延している生活の話が中心となりました。汗と土にまみれた森作業に集中していると、森作業の達成感も感じられ、短時間ではありましたがコロナ渦ストレスが軽くなりました。

2020511_6  3・11に祈念補植した苗木も浜風に負けず生長をしている姿にさらに元気をもらいました。作業後は今年の補植作業と草刈りに力を入れていく事を話し合って本日の作業を終了しました。今日の作業は、岩橋、原田、東城睦子、筆者でした。(報告 東城敏男)

 

生物生存の危機を迎えないために、地球温暖化防止は待ったなし!

 昨年末からの記録的な暖冬により山や里に雪が降らず、田植え用の水は大丈夫だろうかと心配をしていましたが、山に降った雨を木々が根に溜め、地中を通じて川に湧き出た水が、用水路を通じて“田んぼ”に給水され、田植えが行われていました。兼業農家が多くなっているのでGWが田植えのピークになっていましたが、川の水量が少なく下流域まで届くには時間がかかっているようです。

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 そして、地下水を井戸(水道)で汲み上げ利用できる“水の循環”によって私たち人間の命はつなげられていることを実感します。
二毛作の農地の麦畑ではツバメやヒバリが虫を捕るために忙しく飛び交い、田植えの終わった水田の中では、カモが水中の草を食んでいました。森の恵みは下流域の生き物たちの命をつないでいます。

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 「八十八の手間をかけて米は作られる」といわれますが、我が家で消費する米は、栃木県内の小さな河川・姿川の水を引き込んだ“田んぼ”で実家の兄が育てたコシヒカリです。秋の収穫が待ち遠しいですが、昨年の台風19号では増水した水が堤防を越え、川沿いの田畑に土砂が流入してしまいました。実家の田んぼは被害をまぬかれましたが、広いエリアが水につかりました。今年の田植えは大丈夫かと心配しましたが、復旧工事が進み田植えが行われており安心しました。

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 農家の皆さんが手塩にかけて育てた米や野菜が水につかる映像は、育てた方の悲しみが伝わり、いたたまれない気持ちになりました。
今年は穏やかな気候を望みますが、5月6日沖縄県糸満市では1時間に約110ミリの猛烈な雨が降り「記録的短時間大雨情報」が発表されました。新型コロナウイルス感染の世界的拡大により経済活動が停滞した結果、温室効果ガス排出が一時的に低下したようですが、気候変動・温暖化の速度は上がっているように感じます。

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 今年1月14日に2019年の世界の海水温度が記録史上最高となったことを科学者らが発表しました(AFPBB NEWS)。人為的な温室効果ガス排出による海洋温度の進行ペースがますます早くなっており、地球の気候に破滅的な影響が及ぶおそれがあるといいます。学術誌「Advances in Atmospheric Sciences」に掲載された研究論文によると2019年の海水温は過去(1981年~2010年)の平均値を0.075℃上回ったといいます。0.075℃上昇するためには、228ゼタジュール(10の21乗ジュール)の熱量が必要で、論文の執筆者のチェン・リジン氏がCNNのインタビューに答えた内容によると、広島に投下された原爆の熱量は63兆ジュール、過去25年間で海に蓄積された熱量は、その36億個分に相当し、毎秒4個の原爆を投下し続けたのと同じ熱量になるそうです。想像もできないほどの熱量です。
 そして、オーストラリア南東部で数カ月猛威を振るった森林火災など気候関連の災害と海洋温暖化との間には明確な関連性が存在するといいます。
 さらに、世界気象機関(WMO)は4月22日(アースデー・地球の日)、過去50年間で世界の平均気温が0.86℃上昇したと発表しました。今後5年間で平均温度はさらに上昇すると見込まれ、特に高緯度地域で影響が深刻になると予測し、地球温暖化に警鐘を鳴らしました。

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 2005年9月3日、「このままでは地球がおかしくなってしまうのでは?」という危機感から、地球上のすべての生命にとって欠かすことのできない「いのちの森」をつくろうと、故岸井成格前理事長を先頭に“森びとプロ”を結成し、足尾の地から森づくりをスタートしました。5月15日、岸井前理事長の命日を迎えます。荒廃地での15年の森づくり・育樹活動を通じて成長した現在(春)の足尾の森・杜では、桜が咲き、林床にも可憐な花が咲き、鳥や虫たちが花をついばみ、蜜を吸っています。民集の杜に卒寿記念で植樹した“ホウノキ”も芽吹き、旧松木村の各森も若葉を広げ始めています。

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 オーストラリアの森林火災は10億匹以上の生き物の命を奪いました。失われた命を戻すことはできませんが、森を再生することで新たな命の営みをつくりだすことができることを15年の森づくりが教えてくれます。

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 故岸井前理事長は、政治の“劣化”を憂い「自然環境も、市民のパワーも“劣化”させてはならない」と私たちに“檄”を飛ばしました。新型コロナウイルス後の経済復興で地球温暖化の進行では“新たなウイルスの危機”を生みだしかねず、「新しい生活様式」は私たちの生活スタイルの見直しと同時に、石炭火力・原子力依存を脱却し、再生可能エネルギーへの転換を求めていかなければ“生物生存の危機”を招いてしまいます。

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 「地球温暖化防止は待ったなし!」、“天空の森”の故岸井前理事長の声が足尾、八幡平、南相馬の森に響いているように感じます。森ともの皆さんと手を携え、自然環境と人間の命を大切にする心を育み、“山と心に木を植えて”いきます。
(理事 清水卓)

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