予測不可能な最悪事態から逃れる森の備えを考えた森づくり
15年前から苗木を植えている足尾「臼沢の森」は栃木県が土砂流出防備保護林に指定されている。生きものたちのゆりかごになりつつある森に育っていると実感できるが、県に指定されている森の機能としてはいかがなものか。
森づくり運動の第2ステージの幕開けと言ってもそのステージを描かなくては運動を始めることはできない。「臼沢の森」に入ると林床は苔が生長しているが、草は一本も生えていない。異常気象によって大雨が降ると、土壌が雨に削られ、表土が流されてしまうのではないかと心配している。
森の機能に関しては県に問い合わせてみるが、森づくりの第2ステージは森の機能面から育樹活動を考えていきたい。自然界の競争に任せればよいだけでは済まされない気がする。想定外の大雨が降るという気配を感じつつ、太陽の光が射し込む空間をつくって林床が賑やかになってほしいと願う。
私たちは学問や理論の世界だけでは生きていけない。予測不可能な事がやってきても、最悪な事態だけからは逃れられる備えをしなければならない。森づくりの現場に立って草木の葉音に耳を傾けながら考えたい。第2ステージづくりの一歩へ。(理事 髙橋佳夫)
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