停電、インターネットが不通でも情報キャッチできる優れものの“五感”・・・「森びとの心構え」その⑦
森びと設立のきっかけは楽しく美味しい酒が飲める“花見”が早くなり日程調整が難しくなったこと、あるいは4月上旬の入学式頃には桜が散ってしまっているという気候の変化であった。
故・角岸副理事長の故郷(盛岡市)では、メーデー(5/1)に参加した後の労働者の祭典を祝う場には桜がつきものだった。15年前の北上川河原の桜は葉桜になっていた。このような“気候がおかしい”という事が森びと設立の出発だった。
自然災害から命を護ろうとして色々な対策が検討されている。心配している事は、インターネット(「スマホ」等)に頼りすぎているのではないかということ。素晴らしいシステムはそのために利用することをお勧めするが、同時に、五感を磨くこともお勧めしたい。
足尾で森づくりをしていると五感が磨かれる。「近くに獣の死骸があるのではないか」と臭覚が磨かれ、冬が近づくとヤシャブシの実を食べているマヒワ、コゲラの鳴き声を聴くと、いつもの様に冬鳥が飛来したと聴覚が磨かれ、あるいは北海道から猛禽類が飛来していないかと松木渓谷の皇海山方面を観ていると、視覚も磨かれる。
ドブくさい土砂の臭い、流れている雨水の色と音の普段との違い、大雨が襲ってくるのではないかと遠くの雨雲を見る等を気にかけると五感で情報がキャッチできる。私達はインターネットが通じない足尾では五感を磨かざるを得ない。情報と共に意識的に五感を磨くことは「森に寄り添う暮らしの心構え」のひとつだと思う。(理事 高橋佳夫)
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