見えない脅威から身を守るために
今日は農漁民たちの人権を守るために明治政府と闘った田中正造が明治天皇に直訴した日です。1901年の今日、足尾銅山製錬所からたれ流された鉱毒、煙突から排出された亜硫酸ガスによって犠牲となった農漁民と共に闘っていた日です。旧足尾銅山跡地で森づくりをしている私たちには忘れてはならない歴史であり、それは現代に活かすことでもあると思っています。
地球上では人間によって自然が破壊され、「環境難民」と言われている何千万人もの方々が苦難な生活を強いられています。また、多くの方々は毎日の生活が不安につつまれ、人間の未来が見えない社会に生きているような気がしますし、未来を切り拓く私たちもバラバラになっている気もします。
現代社会は、人間の幸せを願って未来を切り拓いてきた諸先輩(死後)と現世を「結」(ゆい:集落の住民が無償で労力を提供し合う風習)びつける協働を私たちに求めているようです。ノーベル賞受賞の報道が賑やかですが、科学の素晴らしい進歩があり反面、世界の異常気象による見えない自然の脅威から身(いのち)を守ることにそれは活かされていない気がします。
森への畏敬の念を持って森(自然)と接する心と森の共同体のひとりであることを改めて自覚して、諸先輩が求めてきた未来を近づける協働を実現することが新たな地平に繋がっていくような気がします。
コメント