2025年11月

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2025年11月 3日 (月)

中倉山ブナ保護の準備が整いました

 昨日(11月2日)は、足尾町の中倉山の稜線にある「孤高のブナ」保護活動の準備です。3日前の夜は足尾町も大雨が降り、昨日は強い風が吹き荒れました。

Dsc00657作業小屋の温度計は8℃でしたので、 薪ストーブに火を入れて暖をとりました。 

Dsc00658登山口までの道の状況が心配でしたので、3日の中倉山ブナ保護に参加者の皆さんが安心して通れるように田城さんと2人で登山口に向かいました。井戸沢下流ダムでは、山からの水が多く流れて砕石でいっぱいです。早速、通るときに靴が濡れないように砕石を整理して水の流れを変更しました。

Dsc00659_2 更に、セメントの道を進むと、倒木が多くあり道の脇に移動しました。

Dsc00660 もっと多くの障害物を想定していましたが、少なくて安心しました。

森びと広場に戻り、すでに乾燥した黒土がビニール袋に入れてくれていました。それを、もう一枚のビニール袋に種の入った袋を入れました。合計で60袋を作ることができました。他の準備資材と共に筆者の車に乗せました。

Dsc00661次回の保護活動に向けて、黒土を移植ごて等で細かく砕き、早く乾燥できるように作業をしました。

Dsc006623日は、多くの皆さんと一緒に中倉山の稜線に立つ「孤高のブナ」の保護活動が出来ることを楽しみにしています。本日の作業者は、橋倉さん、田城さん、坂口さん、大津茂美さんと筆者でした。(報告者:済賀正文)

2025年11月 2日 (日)

過ごしやすい「みちくさ」でした。

11月2日(日)は三連休の中日で好天に恵まれました。東武日光駅前は、紅葉に彩られた日光を楽しむ人々で溢れかえり、足尾へ向かう道もいろは坂方面へ向かう車で渋滞していました。遅れを見越して先に出発してくれた田城さんも30分遅れでの到着となり、「みちくさ」は少し遅れてのオープンとなりました。

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気温は11時半時点で16度と少し肌寒く、お昼頃からは雲と風が出てきて、なんとなく人がこなそうな雰囲気になりました。相方の田城さんは、明日のブナ保護活動の準備に入り、私はお掃除をしつつ誰かが通るのを待ちます。

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お昼を過ぎてそろそろ誰も来ないかなと諦めかけた頃、近くで観察会に来たという横浜からの方が訪れ、少ししてからその仲間の皆さんも連れてきてくださいました。「ツキノワの会」という、足尾や秩父で長年、自然の保護観察活動をされている団体のメンバー6名の皆さんでした。皆さんすぐに「みちくさ」看板のクマによる傷跡に気づかれ、とても楽しそうに観察されていました。それにしても、「毛が付着している」と気づくあたり、さすがの観察眼ですね。クマを始めとする動物たちのことをいろいろ教えて頂きましたが、もう少しお話をお聞きしたかったです。次回はぜひゆっくりとお立ち寄りください。

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動物の絵を描くプロの方もいらして、可愛らしいカモシカ、ツキノワグマ、アナグマの絵を描いてくださいました。ありがとうございます!

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ほぼ同じタイミングで、東京からお越しのSさんご夫妻が「松木村跡を見たい」と、みちくさの更に奥にある墓石のあるところまで行かれ、帰りに立ち寄ってくださいました。「足尾に来るのは二度目です。銅山・公害の歴史を学び、多くの方々の力で緑化が進んでいることを知り、感謝と感動の気持ちでいっぱいです。次回は(静かに)中倉山のブナを見に来たいと思います」と記帳してくださいました。中倉山のブナ保護活動は、次回は来年4月に実施予定です。ウェブサイトもぜひチェックしてみてください。初夏の時期もお勧めですので、ぜひ季節を変えてお越しください。

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今月を終えると「みちくさ」は冬季閉鎖期間に入ります。残りの営業日は、11月3日(月)、16日(日)、23日(日)、24日(月)です。少し寒くなりつつありますが、植樹地の木々たちがちょうど紅葉の見頃を迎えています。薪ストーブが灯るかもしれない「みちくさ」へ、ぜひ足をお運びください。(舎人 田城・小黒)

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強風に負けず「JRFUの森」を手入れ。木々の生長に笑みがこぼれる。

 11月1日(土)、足尾・松木郷は前夜からの雨も上がり、青空が広がりました。9時の気温は13度、広場の木々は葉を落とし始めていました。

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 今日は、7月に続き今年2回目となる森作業にJR貨物労組の皆さんが来てくれました。2009年に「臼沢の森」上部の急斜面に植樹を行い、以降、「JR貨物労組の森(愛称)」の育樹活動を行っています。

 ウサギやシカの食害にあい、なかなか木々が生長できず苦労しながら森作業を続けている貨物労組の皆さんですが、昨年から幼木1本1本に幹ガードを取り付け食害防止に取り組みました。

 今日の作業は、午前中は7月に刈り残したエリアの草刈りと幹ガード取り付け。植樹地上部(尾根)の獣害柵の修繕。午後は「民集の杜東」の案内です。

 9時に組合員の皆さんが森びと広場に到着し、作業小屋でミーティングを行いました。

 初めての参加者4名を含め13名が参加してくれました。大野さんから1日の作業計画を提案し、さっそく「JR貨物労組の森」に向かいました。

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 「臼沢の森」入り口で、獣害防止の亀甲金網や鉄筋、幹ガード、鎌などを分担しながら背負いあげました。急斜面の階段を休み休み登り植樹地に到着。

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 下から上に草を刈っていくため、組合員の皆さんが横一列に並び草刈りをスタートしました。やはり人数が多いと草刈りのスピードも速いです。北側の草刈りを終えた後は南側に移動し草刈りを行いました。

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 幹ガードは永島さんと済賀さんがペアを組んで行いました。草に埋もれた幼木を探しながら取り付けました。

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 獣害柵の修繕は加賀さんと筆者、組合員の協力を得て行いました。

 尾根沿いの獣害柵上部を補強したビニールの獣害防止ネットが劣化して外れたり、柵が大きく破られていました。幅1mの長さ30mの亀甲金網を北の端から南の端まで取り付けました。

 北の端から針金で止めていきますが、低気圧の影響で松木川上流から強風が吹きつけ飛ばされそうになりました。急斜面で足元は草で滑り、金網につかみながら針金で縛り付けていきました。南端の取り付け終えるまで風は止まず、足を踏ん張りながら作業を行ったため腰が痛くなりました。

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 11時40分に作業の目途がついたので作業を終了し下山することにしました。

 植樹地を眺めると木々の生長が確認できます。斜面南側は森になりつつありますが北側は食害で木々が少ないため、「来年は補植をしたい」と森づくりの希望の声が上がりました。

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 作業小屋に戻ると、大野さんが自家製の味噌と野菜(ダイコン、ニンジン、ゴボウ)を使った豚汁をつくりふるまってくれました。「冷えた体が温まった」と皆さん笑顔になりました。ごちそうさまでした。

 午後は、「民集の杜東」を散策しました。モミジがうっすらと紅葉しはじめました。林床には苔が広がり、杜の仲間となった「フユノハナワラビ」を鑑賞しました。木々が生長する様子を見て、「JR貨物労組の森」が生態系豊かな森に生長する様子を想像しました。

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 その後、参加された皆さんから、森の手入れや森を散策した感想をいただき意見交換を行いました。

初めて参加した方からは、

・はげ山が森に返っていて、人間の力ってすごい。鉄の柵を持って山を登り、草を刈った。森づくりは一筋縄ではいかないと実感した。森を守れる一人になれた。

・初めて登った。険しく、こんな絶壁でやっていたことに驚いた。柵の修繕をやったが風が強く飛ばされそうになった。壊すのは簡単だが戻すのは大変。継続していかないと戻らない。継続していく。

 そして、JR貨物労組を代表して関東地本・菊地委員長から「参加人数が多く、植樹地全体の草を刈ることが出来た。斜面の北側が食害で木が生えていない。来年は補植をしたい。若手と一緒に、仕事で疲れた心と体のリフレッシュも兼ねて植樹をする。」と抱負と強い決意が語られました。

JR貨物労組のリーダー、若手の皆さんお疲れさまでした。そして、貴重な水の差し入れありがとうございました。

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 気候変動の影響は鉄道にも被害を与えています。河川に架かる鉄橋が流されたり、線路の道床が削られ列車の運行に支障をきたしています。この夏は大雨が駅に流れ込み浸水する被害も出ています。

 仁平先輩と一緒に、二酸化炭素を吸収し、酸素を供給してくれる森を育て続ける貨物労組の皆さん。「森は友だち!」を合言葉に、地球環境と人間(生物)の命を大切にする心を育む「母なる森」づくりを行っていきましょう!

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本日の森作業参加者は、永島さん、大野さん、加賀さん、済賀さん、JRFUから伊藤さん、岡さん、中島さん、菊地さん、東城さん、梶村さん、吉岡さん、兼子さん、守屋さん、吉井さん、菊田さん、中村さん、山崎さん、筆者・清水でした。

(報告:清水卓)

2025年10月29日 (水)

“森の番人”から“次世代”へ、秋から冬に向けた森作業の手ほどき

 10月28日(火)、足尾「松木郷」は晴れ、8時30分の気温は9度。日中も気温は上がらず、肌寒い1日となりました。

 

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 今日の森作業集中日には12名のスタッフが参加しました。朝のミーティングで作業分担を行い、4班に分かれ作業を行いました。

 1班は永島さん、武田さん、筆者で、11月3日に開催する中倉山のブナの根の保護に使用する黒土の袋詰め。2班は済賀さん、坂口さん、田口さんで、民集の杜東の苔の上に積もった落ち葉さらい。3班は鎌田さん、大野さん、本間さん、田城さんで、森びと広場南側の獣害柵の撤去と草刈り。4班は、加賀さんと深津さんで、26日に栃木県北部を震源とする地震があり、足尾町が震度4を観測されたため、落石が心配される臼沢西の森の獣害柵点検を行うことにしました。

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  1班は、乾燥させた黒土3リットルを計量カップで測り袋詰めしました。ブナ保護活動参加者に協力をいただき、中倉山山頂に運び草の種が入った植生袋に入れて荒廃地に張り付け、根と土砂流出を抑えます。76袋作ることが出来ました。

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 2班は、済賀さんが持参したドライヤーを大きくしたようなブロアーで落ち葉を風で飛ばし、熊手で木の根の周りにあつめました。

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 林床には「冬の花わらび」が花を咲かせていました。モミジは夏の暑さで葉が萎れ、新しく出た葉のためかまだ緑です。冷え込みが続けば紅く色づいてくるでしょう。

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 3班は、手際良く獣害柵を外し、支柱の単管と分けて保管しました。柵の中で伸びた草を鎌田さんが刈払い機で刈ってくれました。

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 「臼沢西の森」の落石確認に向かった4班の加賀さんと深津さんが広場に戻り、報告を聞くと上部の柵が落石で傾いているようです。

 黒土の袋詰めを終えた永島さんと筆者が応援に入り「臼沢西の森」に向かいました。支柱の単管と獣害柵4枚を担ぎ上げ、現地に着くと大きな石が柵に食い込み、支柱の単管が大きく傾いていました。

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 柵を戻すことが出来ないと判断し、加賀さんに指示をもらいながら、外側に支柱を立て、柵を4枚取り付けることにしました。落石が積もり支柱を立てるのも容易ではなく、柵も下側に隙間ができるので石をどかしながら取り付けました。元の柵はロープで支柱を引っ張り内外2重の柵にしました。

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 12時を過ぎ、各班からトランシーバーで作業に区切りをつけ昼食にする連絡が入りましたが、下山してまた登るのも大変なので、獣害柵の修繕を終わらせて下山しました。

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 昼食後は、経年劣化で屋根に穴の開いたビニールハウスの修繕と獣害柵を外した森びと広場の桜にシカの食害防止用幹ガードを取り付ける作業を行いました。

 資材置場用に使用している西側のビニールハウスは屋根に亀裂が入り、幅190㎝のビニールで穴が隠れるように貼り付けました。スタッフはビニールハウスの修繕が初めてのようで、波状の針金でビニールを固定している説明をしてから作業に入りました。

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 東側のビニールハウスは中倉山のブナ保護用の土を乾燥しており、以前破れた際にブルーシートで応急処置をしました。こちらも劣化し所々雨漏りして乾燥した黒土が湿ってしまいました。こちらは、ブルーシートの内側と柱の隙間に修繕用のビニールを挟み込み雨が入り込まないようにしました。

 修繕後は、来年4月29日のブナ保護に向けて黒土の乾燥準備をしました。

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 広場の南側を囲んでいた獣害柵を外したことで解放感が感じられるようになりました。樹木は表皮を一周食べられてしまうと水を吸い上げられなくなり枯れてしまいます。シカの往来も自由になったので表皮を食べられないよう幹ガードを取り付けました。

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 サクラやヤマボウシは紅く、トチノキやブナ、カツラは黄に色づいています。11月3日は中倉山のブナを元気にする恩送りです。山頂から見下ろす「松木郷」の紅葉が楽しみです。

 

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2023113【2023年11月3日 中倉山山頂から眺めた「松木郷」の紅葉の様子】

 シニア1期の“森の番人”から“次世代新人スタッフ”へ森作業の手ほどきを受け、冬への備えと地震による落石被害への臨時対応など、森の手入れを学ぶ機会となった1日でした。

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 本日の森作業は、“森の番人”鎌田さん、本間さん、大野さん、加賀さん。“次世代スタッフ”済賀さん、武田さん、坂口さん、田城さん、田口さん、永島さん、深津さん、筆者・清水でした。

(報告 清水 卓)

 

2025年10月25日 (土)

「当時植えた苗が、こんな立派に!」「やって良かった!!」率直な感想を頂きました。

 10月23日(木)、午前8時45分の松木郷の気温は10.5℃、晴れ時々曇で少し寒い朝です。途中、車を恐れず道路の真ん中にデーンと居座るサルの親子に遭遇。逃げる気配もないので、その脇をゆっくりと通過して松木郷に向かいました。来るたびに「臼沢の森」の紅葉が気になります。少しだけ色づきはじめましたが、まだまだです。さあ、今日はJR東労組八王子地本OB会の皆さんが、「エコ散歩」のため松木郷を訪れる予定です。

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 簡単な打ち合わせの後、OB会の皆さんを迎え入れる準備をします。椅子を出した後は、記念植樹の下準備です。予め掘っておいた直径1m×深さ1mの穴に、黒土と元の土を良く混ぜて埋め戻します。大きすぎるくらいの穴を掘って埋め戻す事で、移植の際に切れて弱った根が自由に伸びて拡がって根付きやすくためです。

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 準備が一段落すると、清水さんがカッターで何かを切っています。近づくと、カラタチの実を割いていました。どんな味がするかは、永島さんのこの顔を見れば一目瞭然です。筆者も舐めてみましたが、何をか言わんやです。焼酎の炭酸割に、レモンの代わりに絞るには好適かと思いました。

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 この顔が、どんな味か物語っています。

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 JR東労組八王子地本OB会の皆さんが、到着しました。簡単なオリエンテーションのあと、早速記念植樹に向かいます。

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 穴を掘り、黒土を入れ、苗木を立て、土と水をかけ、「やまぼうし」の記念植樹が完了しました。

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 JR東労組八王子地本OB会の皆さんが、「∞の木」(無限大の木)と名付けた「やまぼうし」。ちなみに、八王子の8を横にすると「∞」。
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 昼食後は、清水副代表ガ森びとの看板前で松木郷の歴史を説明し、「松木の杜・北」に向かいました。

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Photo_15 下の写真、右側に見える木々が「民集の杜・北」。左側は何も植えていない「ヤシャブシだけの林」でした。しかし、民集の杜の種や実を鳥や虫たちが左側に運びこんで、栗の木や桜の木が遷移して森が広がっているのです。OB会の皆さんは、清水副代表の説明に、興味深く聞き入っていました。

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  「民集の杜・北」から遷移した栗の木。

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 民集の杜・北から遷移した桜の木。

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 次は、「民集の杜・東」に移動しました。散策していると、皆さんが何かに注目しているので近づいてみると、足元に冬の「花ワラビ」が咲いていました。松木郷でも最近になって見られ始めた非常に珍しい野草です。

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 非常に貴重な「花ワラビ」

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  約1時間半ほどの散策の後、感想を述べあう意見交換を30分ほど行いました。「10数年前、民集の杜・北」のフェンス張りとその周辺への植樹したのを思い出した」「こんなに立派な森になっているとは思わなかった」「やって良かった」「後輩や子供たちに繋げなければ」と、うれしい感想も出されました。

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 15時、JR東労組八王子地本の皆さんは「みちくさ」前で「森は友だち!」宣言をして記念撮影、笑顔 で帰路に着きました。

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 スタッフは、最後に植樹した「やまぼうし」に麻布を撒き冬支度。2本の竹で支柱を作って風対策をして、松木郷を後にしました。お疲れ様でした。

 今日のスタッフは、橋倉、加賀、清水、永島と、筆者・田城でした。 (報告者 田城 郁)

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