2025年11月27日 (木)

足尾は晩秋の趣です

11月24日、三連休の最終日という事で中倉山への登山者も銅親水公園の駐車場を見る限りにおいては少なめです。ついこの間までは、暑い暑いと熱中症を心配していましたが、急に気温が下がり、ほんの一瞬鮮やかに紅葉したと思ったら今日はすっかり葉を落とし晩秋の趣です。

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今日の舎人は、田城さんと二人です。早めに準備をしてくれていたのと、午前中林子さんと20周年記念ビデオの打ち合わせを行うとの事だったので植樹地等をゆっくり見て回りました。所々に固まって生えているヤシャブシも葉のないものや、青い葉を付けているものもあり、手入れをしていないとはいえ何年も変わらず生えているのが不思議な気がしました。

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また、広場に植えた石楠花の株は、それぞれ様子は違っていましたが、花芽も見られ来年の開花が今から待ち遠しいです。

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午後は、明日のゴミ搬出の準備として、ゴミの分別や梱包を行いました。みちくさも今年最後のオープンなので、来訪者の集計や会計の締めを行っていると、重装備のクライマーが立ち寄って行きました。宇都宮からジャンダルムの下見をしてきたとの事でしたが、思ったより岩が脆く危ないところだという事でした。

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今日最後の来訪者を見送り、無事終了しました。

今日の舎人は田城と坂口でした(報告者:坂口)

2025年11月25日 (火)

お世話になった人と森への恩返しの日

 本日11月25日(火)の足尾は、曇り時々雨でした。8時半の気温は3度と肌寒く、いつものようにストーブに火入れ暖を取りました。

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 作業の打ち合わせでは、①約半年間のごみ処理、②臼沢の森の獣害柵点検、③ダム・ゲート(カードキー)、通行証などでお世話になっている栃木県県西環境森林事務所の方の「臼沢の森」の案内をそれぞれが手分けして行うことにしました。

 先ず、柳澤さんのトラックに黒土の袋やボロボロに劣化したブルーシート、トレーなどが入っているフレコンバック3袋を積み込む。山内さんのトラックには、ガラス、電池、演台に使用したビールケースなど積み、永島さん、田口さんを助手に足尾ストックヤードに運ました。森びと広場がかなりすっきりしました。

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 「臼沢の森」の点検には、加賀さん、済賀さん、田城さんの3人は自ら希望しました。30度もある急斜面に設置されている獣害柵を点検しました。至る所で鉄柵が破られたり、丸く穴が開いていたり、明らかにシカが入ったと思われる形跡が55か所もありました。これでは、先輩たちと一緒に造ってきた20年の森がシカに「フリーなレストラン」になってしまう、と早急に修繕するために何が必要かなどを3人で話し合いながら下山しました。

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 栃木県県西環境森林事務所(=県西)の方の森の案内は、清水さんと筆者で行いました。

 今月12日、栃木県県西環境森林事務所の落合所長に臼沢20年の森を見て欲しいと相談しましたら、快く受けていただき「松木郷の森」に来ることになりました。本日は「臼沢」が日光治山事務所の管理だった頃から「臼沢」を知り、森づくり10年の森びとの記念イベントに来ていただいた森林部森づくり第三課総括補佐の大島さん、通行証を担当している大塚さんの二名の方に来ていただきました。

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 「みちくさ」に10時頃着き名刺交換をして、県から借用している「臼沢」20年の森を観ていただきました。森内では、入り口では混植・密植の樹々の生長、階段を登り幹の細い木が大岩を止めているなど森の機能を発揮していること。また、移植ゴテで木の葉をよけて土を掘って「黒土部分が厚くなっていることや炭素がかなり固定化してきている」ことも確認していただきました。大島さんから「森の機能が高まっている、土が一番大切、その土がつくられてきている」と評していただきました。

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 「みちくさ」に戻り、今年の5月4日のサンデーモーニングの「風を読む」で放送された20年の森づくりと中倉山のブナ保護活動が紹介されたビデオ見て交流を深めました。県西環境森林事務所の大島さん、大塚さん、660段の階段を登っての森の観察お疲れ様でした。

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 昼食後は、果樹園と記念樹エリア内の樹木への追肥と、みちくさ庭のミツマタやアジサイの育樹、来春の花芽を邪魔するヤシャブシを抜きました。森びとスタッフの皆様、お疲れ様でした。

 本日の森作業は、加賀さん、済賀さん、柳澤さん、田城さん、永島さん、山内さん、田口さん、清水さん、そして筆者大野でした。

<報告者:大野昭彦>

2025年11月24日 (月)

松木川源流の「ジャンダルム」はクライマーの皆さんで大賑わい

 11月23日(日)、松木郷は青空が広がり、気持ちのいい朝です。8時半の気温は5度でしたが徐々に気温が上がり昼には10度になりました。

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 深津さんは“みちくさ”内の清掃、永島さんが水源の確認、筆者は放射線量の測定と、分担してオープン準備をしました。

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 9時10分に、男性2人組が立ち寄ってくれました。コーヒーを入れ、話をうかがうと仙台から松木を目指して来られたとのこと。初めて来たので地図を確認しジャンダルムに向かいました。

 9時30分頃、下山してくる方がおり「休んでいきませんか」と声をかけました。茨城から来られた方で、登山ではなく山に泊まることが好きで、昨夜はタープを張り一泊したそうです。

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 その後、大きなリュックを背負った二人組が通過していきました。

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 永島さんに“みちくさ”の番をお願いし、深津さんと筆者は「民集の杜北」の岸井成格さんの記念樹「ホオノキ」の獣害柵交換に向かいました。サルの食害に合うため、柵の上も幹ガードで覆っています。来春の生長を考え、ビニールの幹ガードから金網に交換することにしました。

 

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 「スカート」用の柵を6枚つなぎ、「ホオノキ」を囲いました。天井には「スカート」の切れ端を乗せ、隙間からサルに入られないようにビニールの幹ガードで覆いました。

 これまで目の細かい黒いネットで覆われていたので光の差し込みも弱かったかと思います。陽当たりも良くなったので生長が期待できます。看板の岸井さんも笑みを浮かべているように見えました。

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 “みちくさ”に戻り、永島さんから訪問者の報告を受けました。11時15分頃に下山してきたクライマーが立ち寄り、昨日山に入りテントで一泊したそうです。小山から来られた方で「一人で静かなところに来るのが好きで、足尾にも何度か来ているが、80歳になっても山歩きが出来るよう続けていきたい」と抱負を語られました。朝晩冷え込んできていますが、マイナス10℃でも対応できる寝袋を使用しているとのことでした。またのお越しをお待ちしています。

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 昼頃、朝立ち寄ってくれた仙台の二人組の一人が走って“みちくさ”に戻ってきました。ジャンダルムで休んでいる時に、相方の肩に落石が当たり怪我をしたと言う事でした。永島さんが車で迎えに行き足尾ダムゲートまで送り届けました。ジャンダルムから中倉山を抜ける予定だったそうですが、とんだアクシデントに巻き込まれてしまったようです。途中まで歩いて降りてきていたので少し安心しましたが、病院で検査と治療をしていただき、お大事にしてください。

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 その後も、下山する方が通過していきました。今日は、ジャンダルムにチャレンジするクライマーや山でゆっくり過ごす登山者で賑わった「松木郷」でした。

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 松木郷の紅葉も終盤に差し掛かっていようで、葉を落とした木々と、冬も葉をつけているミズナラやクヌギ、カシワなどは森を茶色く染めています。

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 森びと広場と“みちくさ”前にはアナグマが顔を出しました。人間の存在など気にせず、草に顔を付けてエサを探していました。

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 季節も初冬に入りました。12月から“みちくさ”は閉舎となります。松木郷を訪れた多くの皆さんとの出会いに感謝申し上げます。「鬼が笑う」と言われますが、来春、皆様の訪問をお待ちしています。

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 本日の舎人は、永島さん、深津さん、筆者清水でした。

(報告:清水 卓)

2025年11月17日 (月)

高齢化の進む足尾町。「庭の手入れ」で恩返し。

 11月16日(日)。今日は森びとにシャクナゲとメグスリの木を寄贈していただいたHさんの庭の手入れを行いました。

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 4月に開催した松木郷の花見をきっかけに、庭に植えてある花木の提供受け、森びと広場に移植をしました。その際に、「サルやクマが来て木の実を食べ、庭で休んでいる」と伺いました。

 シニアになり、庭木や蔓草が伸びても手入れをするのが困難な状況が見受けられ、矢口スタッフから「何か困っていることがあったら解決してあげたい」という提案で、“森の手入れ”を生かして、庭木の手入れをさせていただきました。

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【手入れ後の様子です】

 9時の松木郷の気温は5度。天候は晴れです。朝のミーティングを行い作業の打ち合わせを行いました。今日は森びと号を管理していただいている日光市の小野塚さんも参加してくれました。作業は、➀庭の草と伸びた蔓の刈り込み、②屋根と電気の引き込み線にかかる木の枝の剪定、③獣害柵の修繕など、作業に必要な道具と資材を準備して9時50分に出発しました。

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 午前中は、腐食の進んだ木製の出入口の修繕と見通しをふさいでいる木の伐採と草や蔓を刈り、電気の引き込み線に架かる枝を払いました。

 出入口の門扉は太い丸太に変え、思い出の多い扉は再利用させていただきました。椿がイチイの木の陰になり花が咲かないと伺い、見通しも悪いため伐採させていただき、見通しを良くし、獣害対策も兼ねて獣害柵を取り付けることにしました。

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 引き込み線にかかる枝の剪定は、選定した枝で電線を切らぬよう慎重に行いました。フジの蔓も木を伝って伸び放題となり、脚立を使って取り除きました。

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 昼食休憩をとり、午後も獣害柵の新設、修繕。植木の剪定とサルやクマが隠れてしまう草を刈り見通しを良くしました。

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 一通りの作業を終え、草地は見晴らしがよくなり、庭を眺めると、元の庭園には程遠いかもしれませんが家族の思い出の詰まったシャクナゲやフジ、置石などに陽が差し込み見通しの良い庭へと手入れをすることができました。

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 木々を失った旧松木村跡地で植樹を初めて20年。荒れ地に咲いた桜の花見をきっかけに町民の皆さんとの絆をつなげることができました。高齢者の多い足尾では「困っている人を、助けられる人が助ける」、そんなことが大切であり、必要なことだと思った1日となりました。

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 本日の参加スタッフは、橋倉さん、大野さん、加賀さん、済賀さん、坂口さん、田口さん、小野塚さん、筆者・清水でした。

(報告:清水 卓)

 

中倉山ブナ保護活動への参加を約束してくれたハイカーに感謝!  

11月16日(日)、松木郷の朝は気持ちの良い晴れ、気温は9℃です。朝一番、済賀さんから「葉を落とした桜の木に丸いものがある」と。良く見ると、スズメバチの巣でした。夏場、葉に囲まれて気づかなかっただけで、かなり大きな巣でハチはいないようです。刺されずにすんで良かったと胸を撫で下ろしました。熊の爪痕の残った桜の木の右奥にジャンダルムが遠く見えます。

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8時50分、一人のハイカーにコーヒーを進めると「松木の奥から中倉頂上を経て一周する」という事で先を急ぐようです。9時10分、15分の続けて2組のグループが「みちくさ」でトイレ休憩。各々、ジャンダルムにアタックの予定で帰りに間に合えば寄るという事でした。

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さあ、今日は「民集の杜・北」に横たわる倒木が、時間的にどのような変化を経て土に還るのか、毎年同じ時期に全長や直径、全体写真などを記録、観察をスタートする日です。早速現地へ向かい、民集・北の入口からさらに30m東側にある入口から入ります。Photo_5

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入口から100m進んだ「桐生ローターアクト」の看板を左に折れ、さらに30m進むとお目当ての「倒木」があります。ヤシャブシのようです。全長4m40cm、直径は太い方が21.5㎝、中間が16.5㎝、細い方が11.5㎝。篠竹にピンクのリボンを括り付け、日付けを書き入れて立て、採寸点の目印としました。

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コフキサルノコシカケ他いくつかの種類のキノコが生えていました。

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木肌を捲ると「菌糸」と呼ばれる白いものが張り付いていました。樹木は風雨だけでは腐りません。菌糸が増えキノコとなり木を分解する、或いは腐朽菌により木をスポンジ状にして分解し、土に還していきます。ムカデもいました。

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その後も森の観察をしてみます。シラカバやそれに良く似たダケカンバ、コウゾなどが目につきました。

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散策も終わって「みちくさ」に帰る道すがら、ガサガサという音がするので辺りを見回すと、多くのサルが森の中で遊んでいました。

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「みちくさ」に戻って間もなく、一人のハイカーが訪れました。中倉山には何度も登り、「孤高のブナ」も知っているとのこと。森びとプロジェクトのブナ保護の活動や20年の森づくりの話を熱心に聞いてくれました。感想にも「私も森を守る活動ができればと感じました。自然を守ってくれる人たちに感謝します。ありがとうございます。素晴らしい出会いでした。」と書いてくれました。嬉しい事、この上ありません。来年、4月29日の「足尾・中倉山のブナを元気にする恩送り」にも参加の意向を現してくれました。感謝です。また、この後、宇都宮のご夫婦も寄ってくれて森づくりの話を熱心に聞いてくれました。

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穴熊も、塒に帰る時間です。私たちも「みちくさ」の戸締りをして16時前、黒く浮き立つジャンダルムを後にしました。

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今日の訪問者は10人で大盛況、ありがとうございました。遊働楽舎「みちくさ」は、来週11月24日で2025年の営業を終了します。ハイカーの皆さん、是非、寄ってくださいね。本日の舎人は、小柴さんと筆者、田城でした。(報告者 田城 郁)

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