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2021年10月25日 (月)

人間の都合で荒らした花嫁街道の森にベンチを設置

1634983589721 前日(22日)の大雨が嘘のように晴天となった10月23日(土)。森びと千葉県ファンクラブの現場活動には最高の日。当地は、ファンクラブ代表・相川さんが何十年間も補修している県の最南端南房総市和田町の「花嫁街道」。首都圏から訪れる気軽に歩けるハイキングコースです。

1634550059011 当日は、「倒木を利用したベンチ作りIN花嫁街道」と題して、当ファンクラブメンバーとJREU千葉のOB、そして地元から参加してくれた方々10名が活動してくれました。何と平均年齢が70歳のシニアたちでした。1634983604493 現場に向かう途中、今年の10月の台風16号の被害で通行止めとなり、コース変えて里見伝説が残る五十蔵口より目的地の見晴台へ向かいました。コースはかなりの急こう配でしたので大息を吐きながら目的地を目指しました。1634550036366    事前の準備をした地元の方々と相川さん(写真:上下)1634550042108 見晴台での作業は順調に進みました。ベンチ材は相川さんと地元の方々が用意してくれていました。その材をベンチの長さにカットし、皮をむき、チェンソーによる整形し、杭の穴を掘るなど、3時間程でベンチを作り上げました。好天に恵まれましたので、シニア達は大汗を流しながら、老体にムチ打ちつつ、ヒノキの香りに和みながらのベンチ作りができました。真新しいベンチを5脚設置し、みんなで試し座りを行ない、子供のように森の中に歓喜を轟かせました。途中、何組かのハイカーと出会い、台風の被害やベンチ作りの話をすると、ボランティアで花嫁街道を維持していることに驚いていました。

1634983596464 1634983611042 当ファンクラブがこの活動を始めようとしたのが今年の夏。森びとの会員でもあるJREU千葉のOB会と一緒に、温暖化にブレーキをかけるために何かできないかと話し合い、まずは、巨大台風の被害現場を見ながら考えようとしたことが始まりでした。 相川さんからは、森の所有者の高齢化とそれによる森の管理不能、さらに所有者が不明ということで森は荒れ放題で、今回のベンチ作りの材のヒノキも2年前の台風被害木であることが話されました。70年前に将来の生計を考えながら植えたケヤキがたった1日で倒れてしまいました。また、漁業の材として植えられたマテバシイが根元から倒壊している姿は台風の影響だけではなく、私たちの生活の要因でもある地球温暖化の影響を受けていると考えなければなりません。三方を海に囲まれ高い山がない千葉県では、温暖化の影響は生活に直結し被害は甚大になります。現地でこの光景を目当たりにして、参加者全員で考えることにしました。1634550065563

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 ベンチ作りが終了したのち、作業の感想と森が荒れていることに様子を見た意見を出し合いました。地元の北見さんからは「異常気象と簡単に言っているが、しっかりと見なくてはいけない。ヒノキの木も子や孫のためと思って植えたのだろうが、暮らしの為にやってきたことがこのような結果になった。森とともに生きることの難しさ。まして、これからは自然災害が多くなる。日本だけではない世界各国の行き過ぎた経済活動の結果が異常気象をつくっている。」と話してくれました。1634983623268 私たちは森と生きていくことの大切さとは何かを考えずにはいられません。被害木だけを見るのではなく、その要因は人間の暮らしがつくっていることを見なくてはなりません。千葉森びとファンクラブでは今回の活動を一過性にせず、今後も継続していくことにしました。次回は、地元の女性たちを招いて話し合いを行うこととしました。 (森びと千葉県FC・高梨 厚)

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