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2021年6月の14件の記事

2021年6月 5日 (土)

足尾・中倉山の「無言の語り木」(孤高のブナ)に元気を届けました

 4月29日に開催を計画した『中倉山のブナを元気にする恩送り』は、新型コロナウイルス感染拡大と当日の天候が雨となったため、開催を延期し本日6月5日の開催となりました。昨日の大雨の影響を心配しましたが、足尾ダムに集合した7時には雲の切れ間に青空が顔を出し、絶好の登山日和となりました。

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 新型コロナウイルス感染拡大に対し「緊急事態宣言」が発令されていることから、今回も森びと関係者で取り組むこととしました。森びとスタッフ、正会員の荒川さんグループ、JREU山岳部の皆さんの計13名と下野新聞社の鈴木記者が同行してくれました。 

 登山口でブナの根を保護するための腐葉土10ℓ1袋と植生袋2枚を参加者に持っていただき、コロナ感染予防のため、少人数のグループに分けて距離を保ちながら中倉山山頂を目指しました。

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  つづら折りの登山道は昨日の雨で湿っており、滑って転ばないように注意しながら登りました。一歩一歩坂道を登るとマスクをしているため、息が苦しくなり、汗が流れるのも早くなります。こまめに休憩を取り、水分補給をしながら登りました。

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 森の中では、春ゼミの鳴き声が合唱をするかのように響いています。ミズナラやサクラの幹を見ると、セミの抜け殻がたくさんついていました。

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 木々の緑の葉が広がり柔らかな光が林内に差し込みます。登山道の両脇には赤い花を咲かせた満開のツツジが私たちの目を楽しませてくれます。

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 登りはじめて2時間、10時に中倉山の尾根に到着しました。煙害に耐え抜いて生きる「無言の語り木」“孤高のブナ“が凛として立っています。

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 14名の参加者が全員到着し、リュックから腐葉土の袋を取り出してもらい、2人一組となり、植生袋に腐葉土を詰めました。26枚の植生袋が出来ましたが、数が少ないのでブナの北斜面の根の近く土壌がむき出しとなっている場所に張り付けることにしました。

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 2018年から張り付けた植生袋からは草が生え、根で土壌を押さえています。シカのフンも落ちており、エサとして食べられているようです。ブナを見ると枯れた枝も見受けられ、強風に煽られた葉の先が乾燥し茶色くなっているのが確認出来ました。植生袋を張り付けたところは土壌流出を押さえることができてきたようですが、まだまだ崩壊地は広く、少しずつですが「恩送り」に取り組んでいきます。新型コロナウイルス感染が終息したのちは多くの森ともの皆さんと一緒にブナを元気にしたいと思います。

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 作業終了後は参加者全員で集合写真を撮影。森びとプロジェクトを代表して副代表の清水からお礼を述べ、ザイさんと矢野さんから感想をいただきました。

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 早めの昼食をとり、10時50分に下山を開始しました。尾根伝いを戻ると、ここでもツツジが満開となっており、ツツジのトンネルをくぐっているようです。

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 松木川沿いに目を向けると、森びとプロジェクトの植栽地、臼沢の森や松木の杜、民集の杜の木々の生長を見ることができました。まだまだ荒廃地は広く、温室効果ガスの吸収源であり、いのちの源でもある森づくりは国民的な取り組みです。煙害に耐え抜いたブナが今また地球温暖化によって巨大化した台風や強風・豪雨に耐えています。大量生産・大量消費を続けた私たち人間の暮らしの見直しが求められているのではないでしょうか。

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 12時40分に登山口に到着。登山口に待機している橋倉さんから参加者の皆さんに冷やした紙パックのジュースが配られ、乾いた喉を潤しました。

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 本日の「中倉山のブナを元気にする恩送り」参加者の車を止める駐車スペースを提供していただきました「足尾に緑を育てる会」の皆さま、横断幕作成に協力をいただきましたJREU大宮の皆さま、同行していただきました下野新聞社・鈴木さん、大変ありがとうございました。本日参加していただいた皆さま大変お疲れ様でした。

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本日の参加者は、鎌田さん、松村宗さん、橋倉さん、加賀さん、済賀さん、荒川さん、生澤さん、磯部さん、ダイさん、鈴木文さん、宮尾さん、矢野さん、鈴木祐さん、そして筆者でした。(報告・清水)

2021年6月 4日 (金)

6/5・中倉山ブナ保護の準備が完了

 本日(4日)8時の足尾・松木沢の森びと広場の気温は15℃でした。天気は肌寒い雨でした。ストーブに薪を入れて燃やすと、室内は丁度良い温度になりました。

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 ホットコーヒーで身体を暖めながらの本日の作業打ち合わせは、明日実施するコロナ感染防止によって延期になっていた中倉山ブナ保護の準備と16日の第2回里親植樹の準備でした。

 ブナの根が露出している所に草の種が入った植生袋に培養土を入れ、それを地に張り付ける作業です。協力者が荷揚げするビニール袋に培養土(10L)1個と植生袋をひとつにまとめました。植生袋を止め金とハンマー等の必需品も車に積みました。この時季を逃すと植生袋から芽をだすことが難しくなると判断し、コロナ感染防止に気を付けて、生息限界地で120年以上も生き続ける「無言の語り木」(ブナ)が衰弱しないように土砂流出を防ぎたいと思います。

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 次の作業は、第2回里親植樹の準備をしました。植樹地を記号で表す支柱を甲羅板を切断し、「臼沢西の森」の植樹地に刺す支柱看板を全て準備しました。Dsc05708Dsc05714_2 鎌田さんは、空いてる時間を森びと広場の手洗いの排水溝の溝の清掃を行ってくれました。いつも皆が気持ちよく使用できるように考えて頂いている鎌田さんに感謝です。

Dsc05709 広場からみちくさに登る階段の手前の案内板がクマによると思われる新しい傷跡がありました。クマが活発に動いている気配を感しました。私たちも森に入るときは、鈴の音や大きな声を出して人間がいることを知らせることがクマと鉢合わせをしないことだと思います。

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Dsc05715 足尾ダムからは、大量の茶色の川の水が勢いよく流れ落ちていました。明日の準備作業は、滞りなく終了しましたので、明日の中倉山ブナ保護が無事に終わることを願って早上がりにしました。本日の作業者は、鎌田さん、加賀さんそして筆者でした。雨の中の準備作業、お疲れさまでした。(報告:済賀正文)

2021年6月 3日 (木)

ニセアカシヤの甘い香りに包まれて森作業

Dscn7392  昨日(2日)の足尾・松木沢は、梅雨空の様などんよりとした天気でしたが、13時頃には、気温が23℃にもなりました。当日は私の心が梅雨模様でした。と言うのも、スケジュール管理がいい加減でしたので、森作業は午後からのスタートとなってしまいました。

Dscn7369  森作業サポーターの福原さん、そして、急遽、参加をしてくれた鎌田さんを待つ間、付近を散策しました。気持ち的にはやっと白い花を咲かせてくれたニセアカシアでしたが、その香りはいつもの季節感でした。足尾のサルたちが群がって食したのか、アスファルトの上に白い花びらと折れた枝が落ちていました。足尾ダム周辺はこれから少しの間、アカシヤの花の甘い香りに包まれます。

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Dscn7380  今日の作業のメインは、「里親植樹」の苗木等への水やりですが、その前に、「中倉山のブナ保護活動」の下準備で、登山口までの道路点検に出向きました。この作業は4日に予定をされていますが、大雨が降る予報なので条件の良いときにやろうと鎌田さんが急遽参加してくれました。

Dscn7379  道は拍子抜けするほど問題はなく、登山道入り口付近での草刈りや駐車スペースの確保を行いました。途中下山してきた登山客からねぎらいの言葉を頂いたので記念写真をパチリ。登山者は、「森びとブログを見るよ!」と約束して帰っていきました。

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Dscn7383  森びと広場では、「里親植樹」の出番を待つ苗木たちにたっぷりと水を飲ませてあげました。”オオムラサキの家”の苗木たちにもたっぷりの水をあげました。森作業は、鎌田、福原そして筆者でした。(報告・橋倉喜一)

2021年6月 2日 (水)

苗を育て、本を読み、自然に寄り添う生活を考える

202162  6月の森作業が今日(6/2)からスタートしました。10時の集合時には、雨がポツリポツリと降ってきたため、すぐさま簡易テントを設営し打ち合わせを行いました。岩橋恵美スタッフが準備したコーヒーをご馳走になって、直ぐ、作業にとりかかりました。

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202162_2  今日の作業は先月に引き続きポット内の草取り、苗場周辺の草刈り、防風ネットの取り外し、苗木への撒水を行うことにしました。ポット内の草取りをしていた道中内スタッフは、一つのポット内に2種類の苗木が育っていることに気付き、不思議なこともあるものだと話をしていました。

Photo  苗床では淡いピンクの虫取り撫子の花(上の花の写真)が咲いていますが、私たちが種を蒔いたわけではないので風や生きものたちの贈り物だと思いつつ、可憐な花を見つめ癒されていた山田スタッフ(写真上)。

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  休憩タイムでは、森びとプロジェクト代表・中村幸人さんの著『植生からの見る里山』を皆さんに紹介しました。今日も、甘いものに目がない高齢者向けのお菓子と団子を差し入れてくれまして有難うございました。

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202162_4  苗場はかなり乾燥していましたので撒水は時間をかけて、水がポットの底まで浸透していることを確認しながら行いました。また、周りの防風ネットは暖かい潮風を遮断する働きがあり、苗場の苗は暑さで参っている様子でしたので風通しを良くしました。

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202162_6  仮農園場では菊芋、キュウリ、エンドウ、カボチャ、スイカの5種類の野菜が日一日と大きく生長しています。森作業の楽しみとしての家庭菜園にも力が入ります。次回の森作業までには、中村代表の本を読んだ感想や農園場のネーミングを持ち寄ることにしました。本日の作業スタッフは、松林、山田、岩橋、道中内、岩橋(恵)、筆者でした。(報告 東城敏男)

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